君への想い

暁エネル

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思い出づくり

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薫さんと布団の上でまたカードゲームをした


薫さんとの楽しい時間は 僕の身体が弱い事など忘れてしまうほど楽しいものだった


「あぁ~負けた負けた」


「もう少しだったんですけどね」


「いや~何回やっても勝てねぇ~わ」


「そんな事ないですよ」


僕は声を出して笑っていた


「そろそろ寝るか」


「はい」


僕は薫さんの隣の布団へ移動した


「薫さんおやすみなさい」


「おやすみ 電気消すぞ」


「はい」


部屋が暗くなり 僕は目をつぶるとすぐに眠りについていた




朝 僕が目を覚ますと薫さんの姿がなかった




(あれ・・・ 薫さんどこ行ったんだろう・・・)




僕はそう言いながら洋服に着替え薫さんを待っていた


僕が窓から外をながめると とてもキレイな景色が広がっていた




(昨日の景色も良かったけど 朝のキラキラした景色も凄くいい・・・)




僕はまた携帯電話を取り出し写真を撮っていた



すると部屋のドアが開いた


「片岡起きてたかぁ~」


「薫さんどこへ行ってたんです?」


「あぁ~悪い朝風呂入って来た 片岡 疲れてたみたいだったから起こさなかったよ」


「そうだったんですか 朝風呂はどうでした良かったですか?」


「あぁ~いつでも入れるっていいよなぁ~ 片岡起こせば良かったか?」


僕は薫さんに首を振った




放送が入り僕と薫さんは食堂へ


囲炉裏の周りに小さなテーブルがあり 部屋の名前が書いてあるテーブルへ


囲炉裏で焼かれた焼き魚が 次々とテーブルへと運ばれて来た


「薫さん凄いですね」


僕は辺りを見渡しながら 薫さんに小さな声でそう言った


「あぁ~昨日の夜も凄かったけどなぁ~ 朝もスゲーな」


薫さんも小さな声でそう言った




テーブルの上には小鉢にいろいろな煮物や山菜 生卵に焼き魚や果物が置かれていた


「お待たせしました」


そう言って女将さんがご飯とお味噌汁を持って来てくれた


「おはようございます ご飯はおかわりして下さいね」


そう言って各テーブルへと挨拶して回っていた





「こんな豪華な朝ご飯は初めてだ・・・」


薫さんは嬉しそうにそう言った


「朝から食べ過ぎちゃいますね」


「ホントだなぁ~」


僕と薫さんはそう言って美味しい朝ご飯を食べた




僕は少し食べ過ぎてしまい 薫さんが美味しそうに食べているところを見ていた


「片岡もういいのか?」


「はいもう入りません」


「俺 ご飯おかわり貰って来るな」




薫さんが食べ終わっても 僕はしばらくテーブルから動けなかなった


「片岡大丈夫か?」


「はい 凄く美味しくて・・・」


「そうだよなぁ~料理だけじゃなく こののんびりとした雰囲気がいいんだよなぁ~」


「そうですねぇ~」


「誰も居なかったら 俺寝っ転がりてぇ~もん」


「本当にそうですよねぇ~」


僕は囲炉裏の暖かさとお腹がいっぱいなのとで 気持ちも良くなっていた




みんなが席を立ち 僕と薫さんだけとなってしまった


「片岡行けるか?」


「はい 片付けの邪魔ですね」


僕と薫さんは立ち上がり 僕は薬を飲む為トイレに行った




(もう少しだけ頑張って僕の身体・・・ 薫さんには心配かけたくない)




僕は鏡に映った自分の顔にそう言っていた





「忘れ物はないなぁ~」


「はい大丈夫です」


「名残惜しいなぁ~」


「また来るんですからね その時はまた違った景色と料理が並びますよ」


「そうだなぁ~ その時を楽しみにまた仕事頑張るか」


「そうですよ 頑張って下さい」


「あぁ~でもマジで帰りたくねぇ~なぁ~」


ドアを塞ぐ様に薫さんは立っていた


「薫さん行きますよ」


僕はそう言って薫さんの背中を押して歩いた




タクシーを手配してもらい 女将さんが深々と頭を下げ見送ってくれた


市街地を観光し 会社へのおみやげを薫さんと選び 帰りの電車へと乗り込んだ



「片岡ありがとうな 本当に楽しかったよ」


「僕も同じですよ 次は今日見られなかった所へ行きましょうね」


「あぁ~同じ旅館でな」


「はい 今度は僕もお風呂に入りますよ」


「そうだ片岡風呂入ってねぇ~じゃん 俺なんか2回も入ったからなぁ~ スゲー広くて良かったよ 今度は一緒に入ろうな」


「はい」


僕は笑顔で薫さんに答えた




僕は電車に揺られ疲れたのか眠くなってしまった 


「薫さん すいません僕ちょっと寝ますね」


「あぁ~俺もちょっと寝とくよ 明日仕事だからなぁ~ 終点までだから大丈夫だ」


「はい」




(お母さんには連絡を入れた 電車の着く時間も伝えた 寝たら少しは大丈夫かなぁ~ 薫さんと笑顔で別れたいなぁ~)




僕はそう思いながら眠りについた





「片岡 片岡もうすぐ着くぞ」


薫さんの声で目を覚ました


「良く寝てたなぁ~ 疲れたか?」


「はい少し・・・」


僕は目をこすりながら 電車からの景色を見ていた





(大丈夫そうだ 頭もスッキリしてる)




僕は薫さんの顔を見た


「片岡 俺は乗り換えなんだが片岡は?」


「あっ僕はお母さんが迎えに来てくれるので大丈夫です」


「そうか・・・ 片岡ありがとう凄く良かったよ」


「薫さん僕の方こそ ありがとうございました 薫さんとまさか本当に旅行へ行けるなんて・・・」


「また行こうな・・・」


「はい」


僕は元気良く返事をした





駅に着き 薫さんは僕の荷物を上からおろしてくれた


僕と薫さんは電車をおりた




「じゃ~明日また会社で みんなのおみやげは俺が持って行くから・・・」


「はいお願いします あの薫さん」


「どうした・・・」


「あっ何でもないです また明日会社で・・・」


「じゃ~な」


そう言って薫さんは歩いて行ってしまった





(薫さんに一瞬でもいいから 抱きしめてもらえば良かったなぁ~)




僕は薫さんの後ろ姿にそう思っていた




お母さんの車が僕の前へ


僕は車のドアを開けた


「お帰りさつき楽しかった?」


「お母さんただいま凄く楽しかったよ」


「さつきの笑顔が物語っているわね」


「心配かけてごめんね でも僕どうしても行きたかったから・・・」


「もういいのよ さつきが笑顔で帰って来てくれたんだから・・・」


お母さんはそう言って車を走らせた




僕は家に帰り気が抜けたのか 家の中で倒れてしまい救急車で病院へと運ばれた




僕が意識を取り戻したのは 次の日の夕方の事だった



(つづく)


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