暁の追跡者(ストライカーズ)

れきそたん

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第1話 冥界装備

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 季節外れの雨は、少女の身体を冷やし心まで喰らおうとしている。
 少しでも気を抜くと、両手に握ったランスをすべり落としてしまいそうだ。
 背中から延ばした翼は、羽ばたく度に雨粒を弾く様に飛ばしている。
 少女の名前は西本奏音にしもとかなで    追跡者ストライカーズの一員………だったとしか言うしかない。何者かによって仲間達が殺され犯人を追い詰めた時には、気付いたらひとりぼっちになっていた。
 何度目かの稲光が起きた時、遠くに人影が見えた。
 よく見覚えのある人影に、奏音は震える様の声で呟いた。
「………お姉ちゃん、なんで?」
「まだお姉ちゃんって呼んでくれるだね 奏音」
 二人の間に稲妻が落ちる。ズガーンと天を切り裂くような音が響くと姉、西本智実にしもとさとみは身体の二倍も有る剣を剣先を地面に突き刺すと剣の峰に跨ぐと同時にチョークを引っ張ったと剣から出た音声と共に薬莢が飛んだ。
 奏音もそれに併せてランスのレバーを引くととランスから出た音声と共に薬莢が飛んだ。
 智美の方が先に動いた剣の先端が、アスファルトを削るダイヤモンドカッターの様な円盤が回転をしながら火花を散らして蛇行しながら走り出す。
 奏音もランスに振り落とされないように掴まるとアクセルを回しランスの持ち手近くに装備されてるジェットエンジンを吹かした。3個のバーニアから白色の炎が吹き出すとランスは直進を開始し光の矢となった奏音は、智美の横をすり抜けると同時に智美の剣の一部が当たるが奏音のランスもソニックブームが智美の肌を撫でる!奏音はある程度の距離を取るとUターンして停止する。
 智美も向き合うように停止していた。
『奏音ちゃん冥界装備覚醒したのね?………それは貴女だけじゃないって知って欲しくてね』
 智美はスマホを取り出すとアプリを立ち上げる。 智美の背中から伸びる翼が爬虫類の羽の様になり羽の関節部分の爪が伸び、爪は毒々しい赤色が印象的だ。
「お姉ちゃん!冥界装備は危険よ!」
「それでも奏音は冥界装備を押さえつけたんでしょ?………妹に出来て姉に出来ない理由なんて無い!!」
 冥界装備は、精神の負の感情を貪り増幅させる。奏音はその時の経験は記憶に新しいが二度と体験したいとも思っていない。出来ることなら智美あねには同じ経験はして欲しくなかった。
「ワタシお姉ちゃんに何か悪いことした?」
「奏音は悪くない………ただ、貴女が追跡者ストライカーズにさえなっていなかったらと思ってる!師匠は言った!追跡者は世界のバランスを崩してきた………だから私が!!」
 奏音は、智美言う師匠に心当たりがあった。
「………カルデナ?」
「師匠をそんな俗世の言葉で呼ぶな!弱者は淘汰されるべき存在、自然淘汰を改悪する追跡者ストライカーズは殺されて当然の存在!それが何故分からない!!」
 智美は身長の二倍以上ある剣を振りかぶると、剣先のノコギリ状の円盤が回転し奏音の脳天から切り裂こうとする。
 奏音はランスで弾こうとするが、間一髪避けられただけだ。
 智美の着地と同時に奏音のランスが火を噴くが、ランスの推進を剣に付いたノコギリが受け止め奏音を切り裂こうと火花が散る。
追跡者ストライカーズが間違っていても、言葉で説明する必要がある!お姉ちゃん目を覚まして!」
「…………煩い!だとしても、もう遅い!」
 智美はアクセルを回してノコギリの回転速度を上げた!
 金属が擦れる甲高い音と、金属のやける匂いと共に別の感触が剣の振動に伝わった。奏音を切り裂く感触だった。
 智美の身体が真上に跳ね上がると同時に、ランスが光り輝く!ランスが爆発する!と確信した瞬間、智美の右脇腹と頬にランスの破片が突き刺さった。
「くっ...!」
 智美の剣も空中で爆発した!
 智美あねが逆さまになって落ちてくるのを、奏音は眺めていた。
「……お姉ちゃん」
 奏音は腕を伸ばそうとするが、肘から先が無いことに気づく。死ぬのか………怖いなと、奏音は思った。
 痛いのも、苦しいのも嫌だな。
 そう考えると、奏音の目の前は真っ暗になった。


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