玉ねぎが、恋のキューピットだったなんて僕は知らなかった

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最終回

4-4

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 カレンダーを見て、蒼褪める。

 経常的な毎日は案の定あっという間に流れて、気が付けば、双葉の転校日は2日後に迫っていた。

 既に転校の話は校内に広がっていて、彼女の周りには引っ切り無しに人だかりが出来ている。

 ――――勇気を振り絞り、告白をしようと何度も意気込んだ。それなのに未だ進歩が無いのは、何一つとして行動できていないからだ。

 このまま、終わってしまうのだろうか。

 数人の背中の奥で微笑む双葉を呆然と見つめながら、そんなことを考える。

「なぁ、お前双葉に告白しねぇの?」

 唐突に耳打ちされ、弾かれるように立ち上がる。一瞬だけ、クラスメイトの視線が降り注いだ。

「拓未……! なんで……!?」
「なんでって普通分かるだろ、最近よく話してるし、何かずっと双葉のこと見つめてるし」
「ちょ、ちょっと待って、場所変えよ?」

 拓未を引き連れて廊下に出ると、日向は漸く一息吐いた。先程浴びた視線の中には、双葉のものも含まれていたのだ。

「びっくりしたぁ……」
「びっくりしてる場合じゃないだろ、どうすんだよ、あと2日しかないぞ。ダメもとで言ってみりゃいいのに」
「そんなこと言ったって、……こんな大変な時期に……困らせたらやだし……」

 自分でも、情けないな、と思う。黙り込む日向を余所に、拓未は飽き飽きと溜め息を吐いた。

「お前、未だに苗字で呼んでんだろ? どうせ連絡先も交換してないだろうし、……ほんとにこのままでいいのかよ」
「嫌だ……」

 即答し、けれども拭えない迷いにしどろもどろになる。

「明日はもう話す時間無いかもよ?」

 柱に凭れ掛かり腕を組んでいる拓未が、目配せで催促した。
 その時、前方のドアに向かって歩いてゆく担任教師の姿を捉えた。

「授業始まる、戻ろ」

 拓未は何も言わず、あとに続いた。
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