蒼い春も、その先も、

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秘める春信

3-6

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 昼食を終えて一時間が経過した頃、部屋の片付けをしていた葉月が手を止めた。

「……その痣、どうしたの?」

 彼女の言う“痣”がどの痣を指しているのかを、すぐに理解する。
 今朝できていた前腕部の痣が、掃除をするにあたって捲った袖から覗いていたからだ。 

「なんか、やっぱり我慢できなくて」
「そっかぁ。……椿さん、お兄ちゃんの傷見てびっくりしてたでしょ」
「あー……うーん、まぁ」

 穂希は再び椿の告白を思い出していた。

 この痣や切り傷に惚れる男がいるなどと、誰が想像出来るだろうか。

「それよりそろそろ帰らなくてもいいの? お母さん心配するんじゃない?」

 さり気無く話を逸らすと、葉月は疑う事もなく破顔一笑して答えた。

「友達とカフェ行くって言っておいたから平気だよ」
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