うそつきな友情(改訂版)

あきる

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sister

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 最近ね、確かに不思議ではあったの。

 このところ平凡が服を着たような凡庸だけれどカワイイ弟が、妙に落ち着きがなくそわそわしたり、一日中ニマニマしてると思ったら、次の日にはこの世の終わりってくらいに暗い顔をして帰ってきて、晩御飯も食べずに部屋に引きこもったり、奇声を発しったり……と、文字にすると変態のような奇妙な行動をしていたのです。

 そんな弟を見て姉はピンときた。
 あの子は恋をしている!
 16年も姉をやってれば分かるのよ、輝ちゃん。お姉ちゃんの観察眼を舐めちゃだめ。

 しかも今までみたいな子どものお遊びではなく、どうやら本気の恋みたい。
 高校生にもなれば、そんな恋の一つもしてみなきゃね!ああ、いつかカワイイ妹が出来るのかしらー、なんてこっそり浮かれていたのよ。
 知らなかったでしょう?

 だからね輝ちゃん、お姉ちゃん、ちょっと衝撃だわ。



 玄関に脱ぎ散らかされた二足の靴。
 中学生の頃よりは減ったけれど、オトモダチを家に呼ぶのは別段珍しくはない。
 あらあらだけど、輝も友だちの大山くんや坂本くんもみんな礼儀正しくていー子たち。
 ちゃんと靴もそろえて置くのよ。

 高校生になって、ちょっぴりやんちゃな友だちでも出来たかしらー。それとも靴の脱ぎ方なんて気にしている場合じゃないくらい、ムフフな事でもあるのかしらー。とジュースを餌に、お部屋を尋ねた午後7時。
 
 お友だちが来てるの?
 ジュース持ってきたわよ。晩御飯は食べたー?
 なんて、ドアを開いて姉絶句。
 おぼんを落とさなくてホント良かった。

 AV鑑賞現場に居合わせた方が、ある意味マシだったのかもです。

 世間一般では平凡坊やでも、姉にしてみたらカワイイカワイイ弟は、知らない間に大人の階段をのぼってしまったシンデレラ?

 いいの。いいの。
 怒ってるわけじゃないのよ!
 高校生ってそんな時だわ!生涯連れ添う相手にだって出会えちゃうかもしれないわー。

 あー、若いって素敵っ。
 私も高校生に戻りたいわ。
 うふふふ……でもね、輝ちゃん。お姉ちゃんホント予想外。


「男の子と大人の階段をのぼっちゃったのぉ輝ちゃぁーーーーん!!」


 衝撃場面に直面しても、グラスが乗ったおぼんはちゃんと机に置いてから床に崩れ落ちる、常識的な姉であった。

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