1 / 53
Despair Select
It is a warrior dyed red 01
しおりを挟む
世界は美しかった。青空を見ているだけで心は穏やかになれそうなくらいだった。
今は何年だろう
年は分からない。今は夕方ぐらいだと思う。ベッドが部屋の隅に一つだけある殺風景な部屋に緑髪の女がいた。
彼女の髪は長く、美しさがあった。
しかし、この世には緑色の髪色をした地毛の人間はいない。彼女の正体は……
「うるさい」
緑髪の女は一言私に向かって喋った。
「後少しの時間で人が来る。終わったら喋ってもいい。」
「了解」
私は魔物。小さな魔物だ。
この緑髪の女に拾われてから数年がたった。
現代では魔法が無い。いや、無いというより扱えるものがいなくなったのだ。大昔に起きたある出来事が世界を大きく変えた。
今は半機械人間が世界を支配している。
扉がゆっくりと開いた。中からガタイのいい男が入ってきた。
「おい、仕事だ」
いつもどおりにスーツ姿の男が部屋に入ってくる。
「分かった」
彼女の名前はシュティーナ・エボルギア。
仕事はいつも殺しだ。人であれ、動物であれ、悪魔であれ、殺すことが仕事だ。
男の後を追う
「今度の仕事はなんだ?」
シュティーナが男に聞いた。
「シュティーナ、今日持ってきた仕事はお前のやりたかったやつだぜ」
「……分かった」
瞬時に、空気が変わる。
シュティーナの表情が険しくなる。男はその顔を見てわずかに驚きながら言った。
「まあ、気持ちはわかるが感情に殺されたらそれこそお終いだ。俺たちは半機械人間共に勝てたことはないんだからな」
荒廃した都市にて、仕事をしに来た。
荒廃しているとはいえここは奴ら半機械人間の領域。
何があるかは分からない。都市の中心の空には瓦礫が円を描いて浮いていた。
シュティーナは遠くの建物の窓を見ていた。
距離はとても遠く、中の様子などは見えないと思うが……
「どこにもいないな……」
「やはりそうですか」
半機械人間は半分は人間であり、生物と同じく生きている。ということはセンサーに感知するはずだ。
なのに
「チッ、使えない」
持ってきたセンサー類はどれも反応無しであった。
「敵を叩くために接近する」
「待ってください。敵を見つけていないこの状況ではかなり不利です。今はまだ好機ではありません。敵を見つけるまではお待ちください」
「無理だ。敵はもう私達を見つけている」
シュティーナには何かが見えているようだった。
「それは本当ですか?」
魔物が問う。
「ああ、それにこのまま逃げても後ろを撃たれるかもしれない。最早逃げ場は無い、勝たなければ生き残れない」
「そうですか」
「半機械人間を殺すために突入する、覚悟はできているな?」
「もちろんです、シュティーナ様」
シュティーナの背中から、特殊な形をした翼が生えた。
「行くぞ、ついてこい」
そう言うとシュティーナは翼で地面を勢いよく叩き、超高速で荒廃した都市へ向かった。
シュティーナの翼は拳のような形をしていた。ただ、それは人の拳ではない。この世の生物とは思えない形をしていた。
シュティーナが飛んで数秒後に都市の中央にあるビルの屋上で爆発のようにシュティーナが着地した。
翼で砂煙を払い、2丁の拳銃を構えた。
「来るなら来い、片付けてやる!」
敵は見えない。だが、情報通りならここにいることは間違いない。だからまだかまだかと敵を待つ。
「シュティーナ様、上です!!」
魔物が喋ると同時にシュティーナは空から落ちてくる何かを撃つ。何かの正体は敵の攻撃だ。だが、敵の本体の姿は見えない。
全てを撃ち落とした後、世界は再び静かになった。
「敵を探す」
シュティーナはあっさりとそう言うと地面に飛び降りた。だが、やはり敵は見えない。
そしてあることに気づく。
「ここは……滑走路……か?」
わずかに歩いただけなのだが違和感に気づく。
シュティーナが持っているセンサーが感知の反応をした。
後ろを振り向く。シュティーナの近くを3機の戦闘機が高速でとんだ。
「な……」
言葉を失った。まだ誰も見ていないはずなのに……この戦闘機は遠くから飛んできたわけではない。少し前に発進したばかりだった。
歯を食いしばり、天に銃を放つと魔法陣が現れた。そこから撃ち出されたのは黒い流星となったシュティーナであった。
「私の本性は手ごわいぞ!!」
そういいながらシュティーナは近くを高速で飛ぶ戦闘機を飛び蹴りの体勢で貫いた―――
今は何年だろう
年は分からない。今は夕方ぐらいだと思う。ベッドが部屋の隅に一つだけある殺風景な部屋に緑髪の女がいた。
彼女の髪は長く、美しさがあった。
しかし、この世には緑色の髪色をした地毛の人間はいない。彼女の正体は……
「うるさい」
緑髪の女は一言私に向かって喋った。
「後少しの時間で人が来る。終わったら喋ってもいい。」
「了解」
私は魔物。小さな魔物だ。
この緑髪の女に拾われてから数年がたった。
現代では魔法が無い。いや、無いというより扱えるものがいなくなったのだ。大昔に起きたある出来事が世界を大きく変えた。
今は半機械人間が世界を支配している。
扉がゆっくりと開いた。中からガタイのいい男が入ってきた。
「おい、仕事だ」
いつもどおりにスーツ姿の男が部屋に入ってくる。
「分かった」
彼女の名前はシュティーナ・エボルギア。
仕事はいつも殺しだ。人であれ、動物であれ、悪魔であれ、殺すことが仕事だ。
男の後を追う
「今度の仕事はなんだ?」
シュティーナが男に聞いた。
「シュティーナ、今日持ってきた仕事はお前のやりたかったやつだぜ」
「……分かった」
瞬時に、空気が変わる。
シュティーナの表情が険しくなる。男はその顔を見てわずかに驚きながら言った。
「まあ、気持ちはわかるが感情に殺されたらそれこそお終いだ。俺たちは半機械人間共に勝てたことはないんだからな」
荒廃した都市にて、仕事をしに来た。
荒廃しているとはいえここは奴ら半機械人間の領域。
何があるかは分からない。都市の中心の空には瓦礫が円を描いて浮いていた。
シュティーナは遠くの建物の窓を見ていた。
距離はとても遠く、中の様子などは見えないと思うが……
「どこにもいないな……」
「やはりそうですか」
半機械人間は半分は人間であり、生物と同じく生きている。ということはセンサーに感知するはずだ。
なのに
「チッ、使えない」
持ってきたセンサー類はどれも反応無しであった。
「敵を叩くために接近する」
「待ってください。敵を見つけていないこの状況ではかなり不利です。今はまだ好機ではありません。敵を見つけるまではお待ちください」
「無理だ。敵はもう私達を見つけている」
シュティーナには何かが見えているようだった。
「それは本当ですか?」
魔物が問う。
「ああ、それにこのまま逃げても後ろを撃たれるかもしれない。最早逃げ場は無い、勝たなければ生き残れない」
「そうですか」
「半機械人間を殺すために突入する、覚悟はできているな?」
「もちろんです、シュティーナ様」
シュティーナの背中から、特殊な形をした翼が生えた。
「行くぞ、ついてこい」
そう言うとシュティーナは翼で地面を勢いよく叩き、超高速で荒廃した都市へ向かった。
シュティーナの翼は拳のような形をしていた。ただ、それは人の拳ではない。この世の生物とは思えない形をしていた。
シュティーナが飛んで数秒後に都市の中央にあるビルの屋上で爆発のようにシュティーナが着地した。
翼で砂煙を払い、2丁の拳銃を構えた。
「来るなら来い、片付けてやる!」
敵は見えない。だが、情報通りならここにいることは間違いない。だからまだかまだかと敵を待つ。
「シュティーナ様、上です!!」
魔物が喋ると同時にシュティーナは空から落ちてくる何かを撃つ。何かの正体は敵の攻撃だ。だが、敵の本体の姿は見えない。
全てを撃ち落とした後、世界は再び静かになった。
「敵を探す」
シュティーナはあっさりとそう言うと地面に飛び降りた。だが、やはり敵は見えない。
そしてあることに気づく。
「ここは……滑走路……か?」
わずかに歩いただけなのだが違和感に気づく。
シュティーナが持っているセンサーが感知の反応をした。
後ろを振り向く。シュティーナの近くを3機の戦闘機が高速でとんだ。
「な……」
言葉を失った。まだ誰も見ていないはずなのに……この戦闘機は遠くから飛んできたわけではない。少し前に発進したばかりだった。
歯を食いしばり、天に銃を放つと魔法陣が現れた。そこから撃ち出されたのは黒い流星となったシュティーナであった。
「私の本性は手ごわいぞ!!」
そういいながらシュティーナは近くを高速で飛ぶ戦闘機を飛び蹴りの体勢で貫いた―――
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる