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18 皆で食べよう
しおりを挟む朝から腹筋を鍛えた後、昼になり、ミーナ様を食堂に連れていくことになった。
何故かクラスのみんなもついてきた。
どうやら隣国の話を聞きたいらしい。
「ミーナリア様、こちらが食堂になります」
「ねぇ~、アレク様とギルは?一緒じゃないの?」
「そのような連絡はきておりませんね」
「えぇ~~、きいてきてよぉぅ」
は?何言ってんだ?こいつは。
上の学年に行くのも面倒くさいし、わざわざ嫌味を言われるために行くのもヤダ。
しかも、ギルバート殿下と一緒だからますますどこにいるかわからんってーの。
「ミーナリア様、今日はご一緒にお願いします」
「ウェステリアの事を教えてください」
クラスのみんながミーナ様を囲むのでまんざらでもない様子。
昼のメニューを選び、人数が多いので大きなテーブルに座る。
ミーナ様はあまりマナーがよろしく内容だ。
カチャカチャとうるさい。
しかも口に食べ物を入れたまま話そうとする。
他の皆とアイコンタクトで、素早く食事を済ませる。
徐々にスピードを上げていくと、ミーナ様もつられて早く食べていく。
「なんだかいつもより早いわ・・・」
ぶつぶつつぶやくミーナ様だったが、無事に食後のお茶までたどりついた。
「ミーナリア様、学園の食堂はいかがでした?」
「まあまあね」
あんだけガツガツ食べといてよくいうわ。
「ウェステリアの学園の食堂とはやはり違いますか?」
「知らないわ」
「え?」
「通ったことないから知らないの」
「では家庭教師とお勉強を?」
「そうよ」
なんだかしゃべり方が普通になっている。
そんなことはどうでもいい、学園に通っていない?
「ミーナは可愛いから学園に通わなくてもいいよって言われたの」
誰に?
それっていいのか?
そう言えば午前中の授業でミーナ様は退屈そうに足をプラプラさせていたな。
もしかして内容がわからない?そんなことあるか?公爵家だぞ??
疑惑は膨らむ。
クラスの皆も驚いたようだ、その後は質問内容も食べ物や流行の事など他愛もない事になっていた。
空気が読めるクラスメート、万歳。
午後の授業もほぼ寝て過ごしたミーナ様は元気いっぱいだ。
本当に大丈夫かな、この子・・・。
馬車溜まりまで送っていくと、あれだけ会いたがってたアレクセイ殿下やギルバート殿下の事を忘れてしまっている様子。
「まあまあ楽しかったわ」
そりゃよかった。
「また明日もよろしく頼むわ」
ねちっこいしゃべり方どうした?
「セリ、今朝はよくやった」
生徒会室に報告に行くと、珍しく悪魔に褒められた。
その後、ミーナ様の事を報告。
「意外とクラスの皆様と楽しく過ごされたみたいです」
「そうか」
「それでですね、ウェステリアでは学園に通ってなかったそうなんですよ」
「何?」
「そのあたりはギルバート殿下に補足してもらいましょう」
あ、いたのか。
「ミーナリア嬢は、学園の入学テストに不合格だったんだ」
「え?」「は?」「へ?」
不合格??我が国の入学テストは貴族であれば入れるような簡単なものだが、もしやかなり難しい??
「病弱で勉強が遅れていた、とか?」
あ、首を横に振ってる。
「前代未聞だよ、公爵令嬢が不合格なんて・・・。ほとんどの貴族が受かる程度の低い試験だよ」
「なんでそんなことになるんだ?」
「溺愛しすぎて勉強を嫌がるミーナリア嬢に、家庭教育をしなかったらしい」
何じゃそりゃ。
親ばかっていうより馬鹿親だな。
「リリーシャは何度か一緒に学ぼうとしたらしいが、義母がいじめだと逆に公爵に訴える始末だよ。
そのうち学園に通うリリーシャを妬ましく思ったのか学園をやめさせようとしたり、大変だった」
大馬鹿だな、その公爵。
「とりあえず、今はミーナリア嬢を現状維持だな」
「そうだな、フェイト公爵家を何とかするのが先だから」
「ということで引き続き頼むぞ」
「セリーヌ嬢、大変だろうが、なるべく私達に関わらないように動いてもらえると助かる」
なんだそれ、私だけ負担でかくない?
「セリ、ちゃんとお礼もするぞ」
またしても悪魔がささやく。
くそっ、この間のチョコケーキがうますぎた。
思い出してよだれがわいてくる。
「おまかせくだしゃい」
よだれが垂れそうになり、噛んだ。
それからは毎日、朝馬車溜まりでギルバート殿下かアレクセイ殿下、もしくは側近候補達に絡まるミーナ様を引きはがして教室へ連れていく。
クラスに入ると急にミーナ様は普通の言葉に戻る。
あれは多分、キラキラ高位貴族令息限定なんだね。
授業は退屈そうだが、昼になるとクラスの皆と楽しそうに食堂へ行く。
早く食べるのはもはや当たり前になってきた。
もしかして、彼女はそんなに変な子ではないのかもしれない、そんな気がした。
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