ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主

雪奈 水無月

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二章:帝国議会編

第14話 『議会開廷──公爵派の追及と、偽証人の罠』

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 帝国議会の巨大な扉が、重々しい音を立てて開いた。

「……ここが、帝国議会……」

ロイドは圧倒されるような空気を感じながら、議場へ足を踏み入れた。

円形の議場には、百名を超える議員たちが座り、
その視線が一斉にロイドへ向けられる。

冷たい視線、興味深そうな視線、侮蔑の視線──
そのほとんどが、公爵派のものだった。

エミリアが小声で囁く。

「ロイド様、落ち着いて。
 議会は“最初の印象”が大切です。堂々と歩いてください」

ロイドは深く息を吸い、背筋を伸ばした。

(……負けない。
 ここで怯んだら、領地を守れない)

◆ ◆ ◆

[議会開廷──公爵派の攻勢]

議長が槌を打ち鳴らす。

「これより、エヴァレント領に関する特別審議を開始する!」

すぐに、公爵派の議員が立ち上がった。

「議長!
 まず確認したい!
 エヴァレント領では“魔物の大群”が発生し、多くの被害が出たと聞く!」

「領主ロイド・エヴァレントの指揮不足ではないのか!」

「砦建設も遅れ、領民の不満が高まっているという報告もある!」

議場がざわつく。

ロイドは口を開こうとしたが──
エミリアがそっと袖を引いた。

「まだです。
 今は“攻撃の時間”。
 反撃は、証拠が揃ってから」

ロイドは唇を噛み、耐えた。

◆ ◆ ◆

[偽証人、登場]

議長が声を上げる。

「では──証人を呼ぶ。
 “ダリオ・フェルマン”、前へ」

ロイドの表情が固まった。

「……ダリオ……!」

かつて領地で破壊工作を行い、追放された男。
そのダリオが、堂々と議場の中央に立った。

「証人ダリオ。
 エヴァレント領の現状について証言せよ」

ダリオは薄く笑い、わざとらしくため息をついた。

「はい。
 私はエヴァレント領で働いていましたが……
 領主ロイドは無能で、改革はすべて失敗していました」

議場がざわつく。

「砦建設は遅れ、魔物の被害は増える一方。
 領民は皆、領主に不満を抱えていました」

ロイドは立ち上がりかけた。

「嘘だ! お前は──」

エミリアがすぐに制した。

「ロイド様、まだです。
 議会では“感情的な反論”は逆効果です」

ロイドは拳を握りしめ──
静かに、しかし強く指先に力を込めた。

(……許せない。
 領民を守るために戦った仲間たちを、嘘で貶めるなんて)

◆ ◆ ◆

[公爵派の追及]

公爵派の議員が立ち上がる。

「証人の証言は明白だ!
 エヴァレント領は混乱状態にある!」

「領主ロイドは、領地を統治する能力がない!」

「議会は“領主交代”を検討すべきだ!」

議場が一気に騒然となる。

ロイドは胸が締めつけられるような感覚に襲われた。

(……俺は……本当に、領主として未熟なのか?)

その時──
エミリアが静かに立ち上がった。

◆ ◆ ◆

[エミリアの反撃]

「議長、発言を許可願います」

議長が頷く。

「許可する。発言せよ、エミリア・ローレンス」

エミリアは堂々と前に進み、議場を見渡した。

「まず──証人ダリオの証言には重大な矛盾があります」

議場が静まり返る。

「彼は“砦建設が遅れていた”と言いましたが、
 実際には砦は予定より早く完成し、
 魔物の大群を撃退することに成功しています」

「その証拠として──
 こちらに“砦建設の進捗記録”と“魔物討伐報告書”があります」

エミリアは書類を掲げた。

議場がざわつく。

「さらに──
 証人ダリオは、エヴァレント領で“破壊工作”を行い、
 その罪で追放されています」

「彼の証言は“利害関係のある証言”であり、
 信頼性に欠けます」

公爵派の議員が立ち上がる。

「そ、それは証拠があるのか!」

エミリアは微笑んだ。

「もちろんです。
 監察官リディア・ハートマンによる“調査報告書”がこちらに」

リディアが前に出て、一礼する。

「私が調査しました。
 証人ダリオは帝都からの密偵であり、
 倉庫の火災を引き起こした犯人です」

議場が騒然となる。

公爵派の議員たちが青ざめた。

◆ ◆ ◆

[ロイド、初めての陳述]

エミリアがロイドに目で合図する。

(……今だ。
 ロイド様の番です)

ロイドはゆっくりと立ち上がり、議場の中央へ進んだ。

胸の奥に、領民の声が蘇る。

「領主様のおかげで助かった!」
「砦がなかったら村は滅んでた!」
「商売が戻ってきたよ!」

ロイドは深く息を吸い──
はっきりと声を出した。

「エヴァレント領は──必ず立ち直ります。
 俺は、領民と仲間たちと共に、改革を進めています」

議場が静まり返る。

「魔物の大群も、砦と仲間たちの力で撃退しました。
 領民は、俺を信じてくれています」

ロイドは拳を結び、まっすぐ前を見据えた。

「俺は──
 この領地を守るために、絶対に負けません!」

議場の空気が揺れた。

中立派の議員たちが、ざわめき始める。

◆ ◆ ◆

[公爵の焦り]

議場の隅で、ゲルドラン公爵が歯ぎしりした。

「……小僧が……!
 なぜここまで支持を得ている……!」

側近が震えながら言う。

「公爵様……このままでは……」

公爵は怒りに震えながら叫んだ。

「まだ終わりではない!
 “次の証拠”を出せ!
 ロイドを追い詰めるのだ!」

議場に、さらに不穏な空気が漂い始めた。

こうして、
議会戦は第二幕へ突入する。
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