異世界漂流記【創造】で手にした幸せを…。

黒猫

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16話 【結 果】

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「準備はイイ?私の一撃を無傷で耐えることができたなら…アナタの勝ちでイイよ?」
「舐めてるな…貴様。俺の硬化はいかなる物理ダメージも通さない」
「じゃあ、行くよ?」
「おうよ!やってみろ…俺を貫通するのは不可能ってことを理解させてやろう!」

 ふう~。
 シエラも頭に血が登ってなくて良かった。もしも殺しに発展したらこの街に入れなくなるとこだ。
 大柄のゴリラ風の男は硬化スキルで固くした手を横に向けるとこちらに撃ちやすいように見せた。

「―螺旋弾丸スパイラル・ショット―」

 弾は螺旋を描きながら狙った男の手のひらに着弾すると金属音と共にキィーンとするような不快音が鳴り響く。
 彼の手に当たった弾はゴリゴリ削りながら徐々に硬化の膜を打ち破り始め……表皮の薄皮の部分で弾は止まっていた。

「俺の硬化を……皮膚に到達しただと!?」
「ちっ……。もうちょいで貫通したのにな。」

 周りのギャラリーも耳覆うほどの嫌な音がようやく静まるとこの勝敗はどっちに軍配が上がったのかがギャラリーの中で気になっている様子だった。

「俺の負けだ、負け!」
「なら、あの店に謝って!」
「お前…そんなことの為に戦ったのか?」
「そうよ?美味い店をバカにされて黙って居られるほど優しくはないから!」
「なんて女だよ……まぁイイ。分かったよ。」

 それから男は店に向かうと誠心誠意の謝罪と店への迷惑料として金貨15枚を支払った。

「すまなかったな…嬢ちゃん。」
「私はシエラです。」
「そうかい…シエラか。俺はドランだ。」

 それだけ言い残すとドランはひとりで何処かへと行ってしまった。

「良かった…早めに落ち着いて。」
「あの人…本気を出してなかった。思ったよりも実はかなり強いのかもしれないね?」

 シエラを前にして本気出さないって凄くないか?あれだけの動き……A級冒険者とはそんだけ強いってことか。

「お二人さん、今回はありがとうね!」

 後ろから声をかけられ、振り向くと店のおばさんが話しかけて来た。

「店の中で暴れそうな人を店の外に出してくれて助かったよ。今日の食事代はタダにするからゆっくりと食べて行っておくれ!」

「いやいや…そんな気を使わせるわけには……」

 シエラ…言っていることと行動が矛盾している気がするのはオレだけだろうか……。
 店のご厚意も断りづらくて結局は甘えることにした。話を聞くとあの冒険者ドランがコッソリと私達の謝罪にと追加で払っていたらしい。

「ふぅ~。食べ過ぎたな…胃もたれしそうだ。」
「若いならもっと食べないと!」
「オレは少食なんだって…こんな食べたの久々だし、美味いのが悪い……。」

 絶品料理のフルコースに加えて周りのお客さんからも飲んで飲んでと浴びるほど酒を飲まされてしまって、オレ達はどうやって宿屋に到着したのかも覚えていなかった。

 朝目が覚めると……

 
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