氷の貴公子って呼ばれてるそうですが、ただのコミュ障です。

zzz

文字の大きさ
10 / 17

10

しおりを挟む
今回のクエストの目的は討伐と魔獣の数が増えている原因調査。原因は幾つか挙げられるが、1番考えられるのは森のどこかに魔素溜まりが出来ているせいだろう。

ほかの要因としては力の強い(Aランク以上の)魔獣の出現による生態系の変化、意図的に魔獣を森へ放つ等の人為的行為が挙げられるが、報告書を見る限り違うだろう。

そうとなれば、魔素の強い所へ向かい、浄化すれば良いだけ。

僕は森全体に探知魔法をかける。成程、北側の湖に魔素溜まりが出来てる。10km程離れているから魔法で飛んで行った方が早いが、討伐もしなければならないので歩くか。けど日が暮れかけてるからこのまま行くと野宿だ。明日朝一から出直す方が良いかも知れない。

どうするべきか決めかねてチラリとレオ様を見る。

「どうした?」

「…………」

「アレン?」

説明ってどうやるんでしたっけ???いや、今思ってることをそのまま言えばいいんだけどさぁ!長文って声に出すと何をどこまで喋ったか分からなくなるじゃん!?カンペがない状態じゃ無理!助けてリズえもん~!!!

因みにリズは「デートの邪魔しちゃ悪いの!」と言って森に入る前に姿を消した。待って。見捨てないで。

「疲れちゃったのか?」

心配そうな表情を浮かべたレオ様が頭に手を置いて撫でてくれる。えええええなになに何のご褒美ですか!?ありがたき幸せ!!私死んでも良いわ!!!

幸せすぎて顔がだらしなくなってる気がしてきた。いつまでもレオ様にこんなだらしのない顔を見せる訳にもいかないのでそっと手を払う。

「触るな」

あああ絶対顔赤くなってるぅぅううう!!!

恥ずかしくて早足で森の中を進む。
暗くなってきたらきっとレオ様がそろそろ帰ろうとか言ってくれるだろうし!

レオ様のなでなで効果で無敵の人になった僕は魔獣を狩りまくった。生態系を崩さない程度に。

あと森の探索超楽しい!エルフ国では生息しない植物が沢山生えている。エルフは森の民とも呼ばれるほど自然が好きだ。

僕は目につく植物たちを観察したり採取したり夢中になった。…なりすぎていた。

「アレン、暗くなってきたけどどうする?野営するか?それとも今日は帰るか?」

気がつけば夕方過ぎてた。夢中になり過ぎていた僕の服は土で汚れ、両手に魔草や薬草を握りしめた状態でぽかんと口を開けた。

余程間抜けな顔を晒してしまったのか、レオ様は面白そうに笑っている。何その顔、尊い。

「植物が好きなんだな。確かこの近くに月下光草って言うのが群生してるみたいなんだけど、折角だからその近くで休むか?」

月下光草はその名の通り月光を浴びると光を発する草だ。幻想的な光に魅了される人も多いが、人の手による栽培はまだ成功しておらず、自然界で見るしかない。

街に近いところで群生していた場合観光スポットになって賑わうが、ここまで森深くだとそれも無いだろう。

人気の少ない所で珍しい植物が見れる。しかも隣にはレオ様…!良い、良すぎる!!

僕は頷いてレオ様の後ろについて行く。





しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

俺がこんなにモテるのはおかしいだろ!? 〜魔法と弟を愛でたいだけなのに、なぜそんなに執着してくるんだ!!!〜

小屋瀬
BL
「兄さんは僕に守られてればいい。ずっと、僕の側にいたらいい。」 魔法高等学校入学式。自覚ありのブラコン、レイ−クレシスは、今日入学してくる大好きな弟との再会に心を踊らせていた。“これからは毎日弟を愛でながら、大好きな魔法制作に明け暮れる日々を過ごせる”そう思っていたレイに待ち受けていたのは、波乱万丈な毎日で――― 義弟からの激しい束縛、王子からの謎の執着、親友からの重い愛⋯俺はただ、普通に過ごしたいだけなのにーーー!!!

呪いで猫にされた騎士は屈強な傭兵に拾われる

結衣可
BL
呪いで猫にされた騎士は屈強な傭兵に拾われる

【完結】ハーレムラブコメの主人公が最後に選んだのは友人キャラのオレだった。

或波夏
BL
ハーレムラブコメが大好きな男子高校生、有真 瑛。 自分は、主人公の背中を押す友人キャラになって、特等席で恋模様を見たい! そんな瑛には、様々なラブコメテンプレ展開に巻き込まれている酒神 昴という友人がいる。 瑛は昴に《友人》として、自分を取り巻く恋愛事情について相談を持ちかけられる。 圧倒的主人公感を持つ昴からの提案に、『友人キャラになれるチャンス』を見出した瑛は、二つ返事で承諾するが、昴には別の思惑があって…… ̶ラ̶ブ̶コ̶メ̶の̶主̶人̶公̶×̶友̶人̶キ̶ャ̶ラ̶ 【一途な不器用オタク×ラブコメ大好き陽キャ】が織り成す勘違いすれ違いラブ 番外編、牛歩更新です🙇‍♀️ ※物語の特性上、女性キャラクターが数人出てきますが、主CPに挟まることはありません。 少しですが百合要素があります。 ☆第1回 青春BLカップ30位、応援ありがとうございました! 第13回BL大賞にエントリーさせていただいています!もし良ければ投票していただけると大変嬉しいです!

アプリで都合のいい男になろうとした結果、彼氏がバグりました

あと
BL
「目指せ!都合のいい男!」 穏やか完璧モテ男(理性で執着を押さえつけてる)×親しみやすい人たらし可愛い系イケメン 攻めの両親からの別れろと圧力をかけられた受け。関係は秘密なので、友達に相談もできない。悩んでいる中、どうしても別れたくないため、愛人として、「都合のいい男」になることを決意。人生相談アプリを手に入れ、努力することにする。しかし、攻めに約束を破ったと言われ……?   攻め:深海霧矢 受け:清水奏 前にアンケート取ったら、すれ違い・勘違いものが1位だったのでそれ系です。 ハピエンです。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。 自己判断で消しますので、悪しからず。

婚約破棄を提案したら優しかった婚約者に手篭めにされました

多崎リクト
BL
ケイは物心着く前からユキと婚約していたが、優しくて綺麗で人気者のユキと平凡な自分では釣り合わないのではないかとずっと考えていた。 ついに婚約破棄を申し出たところ、ユキに手篭めにされてしまう。 ケイはまだ、ユキがどれだけ自分に執着しているのか知らなかった。 攻め ユキ(23) 会社員。綺麗で性格も良くて完璧だと崇められていた人。ファンクラブも存在するらしい。 受け ケイ(18) 高校生。平凡でユキと自分は釣り合わないとずっと気にしていた。ユキのことが大好き。 pixiv、ムーンライトノベルズにも掲載中

「これからも応援してます」と言おう思ったら誘拐された

あまさき
BL
国民的アイドル×リアコファン社会人 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 学生時代からずっと大好きな国民的アイドルのシャロンくん。デビューから一度たりともファンと直接交流してこなかった彼が、初めて握手会を開くことになったらしい。一名様限定の激レアチケットを手に入れてしまった僕は、感動の対面に胸を躍らせていると… 「あぁ、ずっと会いたかった俺の天使」 気付けば、僕の世界は180°変わってしまっていた。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 初めましてです。お手柔らかにお願いします。

(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。

キノア9g
BL
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。 気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。 木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。 色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。 ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。 捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。 彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。 少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──? 騎士×妖精

処理中です...