111 / 169
第三部
紅葉狩り
しおりを挟む
―――暑かった夏が終わり、秋を迎える。紅葉狩りじゃ!と楽しそうに言う御鈴に
連れられ森の中を歩いていると、令が耳をピンと立てて立ち止まった。
「令?何かあったのか?」
そう聞くと、令は木々をじっと見つめる。御鈴と顔を見合わせ首を傾げていると、
ガサリという音と共に黒い猫又が姿を現した。
「赤芽・・・さん!」
令が上ずった声でそう言うと、猫又姿の赤芽がクスクスと笑う。
「ごきげんよう。呼び捨てで良いわよ、令」
「ひゃいっ!!」
ガチガチに緊張している様子の令に、糸繰が吹き出す。それに釣られ我慢しきれ
なかった俺と御鈴も吹き出すと、令がジト目でこちらを見てきた。
「この森に何か用事?」
赤芽がそう聞いてきたので、御鈴が紅葉狩りをしに来たことを伝える。
すると、赤芽はそれなら!と尻尾を揺らして言った。
「おすすめの場所があるのよ、一緒に行かない?」
俺たちの視線は自然と令へ向く。令は俺達を一瞥すると、尻尾をゆらりと揺らして
赤芽に言った。
「行きたい!」
―――上機嫌で赤芽の隣を歩く令に付いて歩く。赤芽は時折こちらを振り返り、
ちゃんと付いて来ているか確認しているようだった。
「ここよ」
そう言って赤芽が立ち止まったので視線を上げると、そこは少し開けた場所
だった。辺りを見渡すと紅葉した樹木が立ち並んでおり、御鈴が嬉しそうに
声を上げる。
「凄いの!紅葉狩りし放題じゃ!!」
「紅葉狩りし放題って何だよ・・・」
御鈴の言葉に突っ込むと、勢いじゃ勢い!と御鈴は頬を膨らませる。
〈そういえば、紅葉狩りって何をするんだ?〉
そう糸繰に問われ、確かに・・・と俺は首を傾げる。
紅葉を見て、楽しんで・・・うーん。
「お花見みたいなもの、かな・・・」
そう言うと、糸繰は〈なるほど。〉と書いたメモを見せてくる。
「そうじゃな、お花見みたいなものじゃ!折角だから、こっそり持ってきたものも
あるんじゃぞ」
俺が手に持っていたメモを覗き込んだ御鈴が、そう言って腰に提げていた袋から
水筒を取り出した。
「あ、それ俺の・・・」
「すまんの、借りてしもうた」
御鈴の言葉に別に良いけどと答えると、彼女は袋の中を漁りプラスチック製の
マグカップを取り出す。そういえば買った気がするなあ・・・なんて思って
いると、よく振られた水筒からマグカップの中に緑色の液体が注がれた。
「抹茶か?それ」
そう聞くと、御鈴は笑顔で頷く。
「信者に抹茶の粉を貰っての!実は朝のうちに作っておったのじゃ」
「良い匂いがするな」
令がそう言って御鈴の肩に乗り、匂いをくんくんと嗅ぐ。赤芽も興味がある
ようで、いつの間にか獣人姿に変化していた彼女がマグカップを覗き込んでいた。
「皆の分もあるぞ。赤芽もどうじゃ?」
「良いの?ありがとう!」
嬉しそうに笑う赤芽にもマグカップが渡され、地面に座って皆で抹茶を飲む。
これもあるぞと差し出された豆大福に既視感を覚えていると、御鈴が言った。
「先日、利斧に沢山貰っての。皆で食べよう」
ああ、利斧に前貰ったやつと同じなんだ。そう思いながら、抹茶と豆大福を交互に
口に運ぶ。
夢中になって食べている令と赤芽が、ふと顔を上げる。そして偶然目が合うと、
互いに恥ずかしそうに笑みを浮かべた。
「青春だな」
ボソリと呟く。俺もこんな甘酸っぱい青春を送ってみたかった・・・。
〈どうした?羨ましそうな顔して。オレの分も食べるか?〉
「いや、豆大福もっと食べたいとかそういうのじゃないから」
糸繰の差し出したメモにそう答え、最後の一口を飲み込む。糸繰は不思議そうな
顔をしながらも、手に持っていた豆大福をゆっくりと口に運んだ。
―――豆大福を沢山食べ満足げな顔をしている赤芽に、令がそっと近付く。
首を傾げた赤芽に、令は思い切ったように言った。
「あっ、あのさ!ボクと、その・・・と、友達になってほしいんだ!」
「え、友達?」
きょとんとした顔の赤芽に、令はコクコクと頷く。
「君と仲良くなりたいって、思って・・・。別に嫌なら諦め」
「良いわよ」
「へっ?!!」
さらりと答えた赤芽に、令は素っ頓狂な声を出した。その様子が面白くて思わず
吹き出すと、御鈴がベシッと俺の足を叩く。
「良かったの、令」
ニコニコと笑う御鈴に令は恥ずかしそうな顔をすると、赤芽を見る。
「私、友達から始めましょうっていう展開好きなのよ。昔クラスメイトに貸して
もらった漫画に描いてあったの」
そう言った赤芽は、少し意地悪そうな笑みを浮かべて令を見た。
「気付いてないと思った?私そこまで鈍感じゃないの」
「にゃう・・・」
たじたじになっている令に、糸繰も吹き出す。御鈴が俺と同じ様に糸繰の足を
叩くと、糸繰はクスクスと笑うのを止め御鈴から離れるように俺の傍へやって
きた。
〈怒られた。〉
しょんぼりとした顔の糸繰に、ドンマイと苦笑いを浮かべる。
「・・・さて、妾はそろそろ帰ろうかの。令、夕飯の時間には戻ってくるのじゃぞ」
「え、御鈴様?!」
「ほら、帰ろう蒼汰!」
驚いた顔の令を無視して、御鈴が俺の腕を引っ張る。そうだなと俺は頷いて、
糸繰に手を差し出した。
「糸繰、帰るぞ」
俺の言葉に糸繰は令をちらりと見ると、頷いて俺の手を掴む。手を繋いだまま
歩き出した俺達の背中越しに、赤芽の声が聞こえた。
「仲良いのね。良い家族に恵まれてるじゃない」
連れられ森の中を歩いていると、令が耳をピンと立てて立ち止まった。
「令?何かあったのか?」
そう聞くと、令は木々をじっと見つめる。御鈴と顔を見合わせ首を傾げていると、
ガサリという音と共に黒い猫又が姿を現した。
「赤芽・・・さん!」
令が上ずった声でそう言うと、猫又姿の赤芽がクスクスと笑う。
「ごきげんよう。呼び捨てで良いわよ、令」
「ひゃいっ!!」
ガチガチに緊張している様子の令に、糸繰が吹き出す。それに釣られ我慢しきれ
なかった俺と御鈴も吹き出すと、令がジト目でこちらを見てきた。
「この森に何か用事?」
赤芽がそう聞いてきたので、御鈴が紅葉狩りをしに来たことを伝える。
すると、赤芽はそれなら!と尻尾を揺らして言った。
「おすすめの場所があるのよ、一緒に行かない?」
俺たちの視線は自然と令へ向く。令は俺達を一瞥すると、尻尾をゆらりと揺らして
赤芽に言った。
「行きたい!」
―――上機嫌で赤芽の隣を歩く令に付いて歩く。赤芽は時折こちらを振り返り、
ちゃんと付いて来ているか確認しているようだった。
「ここよ」
そう言って赤芽が立ち止まったので視線を上げると、そこは少し開けた場所
だった。辺りを見渡すと紅葉した樹木が立ち並んでおり、御鈴が嬉しそうに
声を上げる。
「凄いの!紅葉狩りし放題じゃ!!」
「紅葉狩りし放題って何だよ・・・」
御鈴の言葉に突っ込むと、勢いじゃ勢い!と御鈴は頬を膨らませる。
〈そういえば、紅葉狩りって何をするんだ?〉
そう糸繰に問われ、確かに・・・と俺は首を傾げる。
紅葉を見て、楽しんで・・・うーん。
「お花見みたいなもの、かな・・・」
そう言うと、糸繰は〈なるほど。〉と書いたメモを見せてくる。
「そうじゃな、お花見みたいなものじゃ!折角だから、こっそり持ってきたものも
あるんじゃぞ」
俺が手に持っていたメモを覗き込んだ御鈴が、そう言って腰に提げていた袋から
水筒を取り出した。
「あ、それ俺の・・・」
「すまんの、借りてしもうた」
御鈴の言葉に別に良いけどと答えると、彼女は袋の中を漁りプラスチック製の
マグカップを取り出す。そういえば買った気がするなあ・・・なんて思って
いると、よく振られた水筒からマグカップの中に緑色の液体が注がれた。
「抹茶か?それ」
そう聞くと、御鈴は笑顔で頷く。
「信者に抹茶の粉を貰っての!実は朝のうちに作っておったのじゃ」
「良い匂いがするな」
令がそう言って御鈴の肩に乗り、匂いをくんくんと嗅ぐ。赤芽も興味がある
ようで、いつの間にか獣人姿に変化していた彼女がマグカップを覗き込んでいた。
「皆の分もあるぞ。赤芽もどうじゃ?」
「良いの?ありがとう!」
嬉しそうに笑う赤芽にもマグカップが渡され、地面に座って皆で抹茶を飲む。
これもあるぞと差し出された豆大福に既視感を覚えていると、御鈴が言った。
「先日、利斧に沢山貰っての。皆で食べよう」
ああ、利斧に前貰ったやつと同じなんだ。そう思いながら、抹茶と豆大福を交互に
口に運ぶ。
夢中になって食べている令と赤芽が、ふと顔を上げる。そして偶然目が合うと、
互いに恥ずかしそうに笑みを浮かべた。
「青春だな」
ボソリと呟く。俺もこんな甘酸っぱい青春を送ってみたかった・・・。
〈どうした?羨ましそうな顔して。オレの分も食べるか?〉
「いや、豆大福もっと食べたいとかそういうのじゃないから」
糸繰の差し出したメモにそう答え、最後の一口を飲み込む。糸繰は不思議そうな
顔をしながらも、手に持っていた豆大福をゆっくりと口に運んだ。
―――豆大福を沢山食べ満足げな顔をしている赤芽に、令がそっと近付く。
首を傾げた赤芽に、令は思い切ったように言った。
「あっ、あのさ!ボクと、その・・・と、友達になってほしいんだ!」
「え、友達?」
きょとんとした顔の赤芽に、令はコクコクと頷く。
「君と仲良くなりたいって、思って・・・。別に嫌なら諦め」
「良いわよ」
「へっ?!!」
さらりと答えた赤芽に、令は素っ頓狂な声を出した。その様子が面白くて思わず
吹き出すと、御鈴がベシッと俺の足を叩く。
「良かったの、令」
ニコニコと笑う御鈴に令は恥ずかしそうな顔をすると、赤芽を見る。
「私、友達から始めましょうっていう展開好きなのよ。昔クラスメイトに貸して
もらった漫画に描いてあったの」
そう言った赤芽は、少し意地悪そうな笑みを浮かべて令を見た。
「気付いてないと思った?私そこまで鈍感じゃないの」
「にゃう・・・」
たじたじになっている令に、糸繰も吹き出す。御鈴が俺と同じ様に糸繰の足を
叩くと、糸繰はクスクスと笑うのを止め御鈴から離れるように俺の傍へやって
きた。
〈怒られた。〉
しょんぼりとした顔の糸繰に、ドンマイと苦笑いを浮かべる。
「・・・さて、妾はそろそろ帰ろうかの。令、夕飯の時間には戻ってくるのじゃぞ」
「え、御鈴様?!」
「ほら、帰ろう蒼汰!」
驚いた顔の令を無視して、御鈴が俺の腕を引っ張る。そうだなと俺は頷いて、
糸繰に手を差し出した。
「糸繰、帰るぞ」
俺の言葉に糸繰は令をちらりと見ると、頷いて俺の手を掴む。手を繋いだまま
歩き出した俺達の背中越しに、赤芽の声が聞こえた。
「仲良いのね。良い家族に恵まれてるじゃない」
0
あなたにおすすめの小説
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ
翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL
十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。
高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。
そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。
要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。
曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。
その額なんと、50億円。
あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。
だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。
だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。
平凡なサラリーマンが異世界に行ったら魔術師になりました~科学者に投資したら異世界への扉が開発されたので、スローライフを満喫しようと思います~
金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
夏井カナタはどこにでもいるような平凡なサラリーマン。
そんな彼が資金援助した研究者が異世界に通じる装置=扉の開発に成功して、援助の見返りとして異世界に行けることになった。
カナタは準備のために会社を辞めて、異世界の言語を学んだりして準備を進める。
やがて、扉を通過して異世界に着いたカナタは魔術学校に興味をもって入学する。
魔術の適性があったカナタはエルフに弟子入りして、魔術師として成長を遂げる。
これは文化も風習も違う異世界で戦ったり、旅をしたりする男の物語。
エルフやドワーフが出てきたり、国同士の争いやモンスターとの戦いがあったりします。
第二章からシリアスな展開、やや残酷な描写が増えていきます。
旅と冒険、バトル、成長などの要素がメインです。
ノベルピア、カクヨム、小説家になろうにも掲載
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる