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第四部
結末
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―――ふと、糸繰が荒契に近付く。彼は満足に歩けないようで、体を引きずるように
こちらへ向かってきた。
「糸繰が僕を殺すの?」
〈それも良いかもしれませんね。でも、もうオレは無理そうです。〉
首を傾げた荒契に、糸繰はそう書いたメモを見せる。荒契は少し考える様子を
見せると、そっと糸繰の首へ片手を伸ばした。
「待っ」
「悪いことはしないよ。ちょっと、恨み言でも聞いてあげようかと思ってねぇ」
止めようとした俺に、荒契はそう言って糸繰の喉元に触れる。糸繰は一度激しく
咳き込んだ後、驚いたような顔で荒契を見た。
「僕は今、気分が良いんだ。何を言っても怒らないよ」
糸繰は俺と荒契を交互に見た後、ゆっくりと口を開いた。
「こ・・・荒契、様」
久々に聞いた、糸繰の声。荒契はどうやら、本当に糸繰に掛けていた声が出ない
呪いを解いたらしい。
「あ・・・あは、あははっ。やっと呼べたぁ・・・!」
ボロボロと涙を流しながら糸繰は笑みを浮かべる。
「ずっと、ずっと知りたかったんです。呼びたかったんです、貴方の名前」
「へぇ、どうして?」
「名前は、大切なものなんでしょう?貴方がオレを欠陥品でも従者でもなく、糸繰
って呼んでくれたのが嬉しかったから。ちゃんと主の名前を呼びたくて・・・」
「僕が喜ぶとでも?」
糸繰の言葉に荒契は言う。糸繰は力なく笑みを浮かべ、首を横に振った。
「ただのお返しです。・・・オレは、名前が分かったら主を呪えてしまうから」
「本当にお前は愚かだねぇ。ただ、まあ・・・今は悪い気がしないなぁ」
優しい笑みを見せた荒契に驚きつつ、彼の体が透け始めていることに気付く。
糸繰もそれに気が付いているのか、少し慌てたように言った。
「オレ、主に言いたいことがあって!あの、えっと・・・オレ、家族ができたん
です。それでっ、オレ・・・今、幸せに生きてます!!」
「・・・・・・え、あぁ、うん」
明らかに反応に困っている荒契。突然そんなこと言われてもな、なんて荒契に
少し同情してしまう。
「ああ、そうだ荒契。お前、何か言い残すことは?」
大分透けてきた荒契の体を見ながら、俺は言う。そうだねぇ・・・と呟いた
荒契は、胡坐をかいて頬杖を突きながら言った。
「信者共には特にないんだよなぁ。あるとすれば・・・糸繰」
首を傾げた糸繰に、荒契は片手で頬杖を突いたまま反対側の手で糸繰の頭をそっと
撫でる。驚いた顔をしている糸繰の頭を優しく撫で続けながら、彼は小さく笑みを
浮かべて口を開いた。
「あの日拾ったのが、お前で良かった。育て方なんて知らなかったけど、大きく
なったよねぇ」
「ある・・・荒契様、オレはっ」
「そうだ、神事の裏仕事を全うしたご褒美をあげよう。たまには褒美を与えると
良いって、本に書いてあったんだ」
褒美って何をする気だ。そう思っていると、荒契は糸繰の胸に手を当てて静かに
目を瞑る。糸繰は大人しくそれを受け入れていた。
少しして、荒契は目を開ける。もう消えてしまいそうな彼は、糸繰の目を見て
言った。
「あげるよ、僕の加護。僕が死んだら呪いが解けるからねぇ、妖術を使ったら
死ぬだろう?糸繰」
「え・・・あの・・・」
「神が死んでも、条件さえ揃えば加護は消えない。幸い、お前の妖術は呪いだ。
僕の特性と一致しているし・・・なによりこれは、僕があげる最後のプレゼント。
気持ちなら、ちゃんと籠っているからねぇ」
「そんなにっ、優しくしないでください・・・!今までと同じ方が、まだ別れ
やすかったのに・・・」
泣きじゃくりながら糸繰は言う。荒契は楽しそうに笑うと、俺を見た。
「隠さないっていうのも、中々面白いものだねぇ。・・・ついでだ、君に一つ
忠告しておいてあげよう」
「・・・何だ」
「神の力には、早めに名前を付けておくと良い。君が何の神なのかちゃんと定義して
おかないと、信者の気持ち一つで存在が不安定になるからねぇ」
僕の知り合いが、昔それで死んでさぁ。そう言った荒契の言葉は、嘘には聞こえ
なかった。
・・・荒契が小さく欠伸をする。糸繰はハッとした顔をすると、涙を拭って彼を
見た。
「神事で疲れていたのに戦ったものだから、眠くてねぇ。ゆっくり眠りながら消える
のも・・・悪く、ない・・・」
空気に溶けて消えてしまいそうな体が、床に倒れ込む。
「荒契様っ!!」
糸繰が大きな声を出す。驚いて彼を見ると、荒契の透けた手をしっかりと握って
いた。
「今まで育ててくれて、ありがとうございました。・・・荒契様、おやすみなさい」
震える声で無理矢理笑みを浮かべながら言った糸繰に、荒契は目を閉じ嬉しそうな
笑みを浮かべて言った。
「うん・・・おやすみ、糸繰」
言い終わると同時に、荒契の体が光の粒子となって消える。糸繰は光の粒子が
完全に消えるまで荒契の居た場所を見つめていた。
・・・糸繰の体が、ぐらりと揺れる。ドサリと音を立てて床に倒れ込んだ彼を
急いで抱き起す。
「糸繰、お疲れ様。本当によく頑張ったな」
「蒼、汰・・・オレも、寝る。おやすみ・・・」
そう言った糸繰の鼻や口から、一斉に血が溢れ出す。体はとっくに限界だったの
だろう、彼はそのまま意識を失ってしまった。
このままではすぐに糸繰が死んでしまうぞと、脳が警鐘を鳴らす。
「そうだ・・・やらなきゃいけないこと、あったんだ」
疲労の所為か、神通力の所為か。朦朧とし始めた頭で俺は呟く。
「あっ、あんたら大丈夫か?!」
慌てたような顔で、物陰からこっそりと一部始終を見届けていた妖が駆け寄って
くる。そういやこいつ居たんだっけかなんてことを頭の片隅で考えながら、俺は
口を開いた。
『我、拒絶す。我が願いを妨ぐる者よ、失せよ』
俺は、何の神なのだろう。思い付く言葉には、拒絶の言葉が入っていた。
途切れそうな意識を繋ぎ合わせ思考を回しながら、思い浮かんだ言葉をただただ
口から零れさせていく。
『命を奪う者よ、立ち去ね。こは我がものなり、我が生と同等の価を持つものなり』
失ってたまるか。命を奪う者がいるとするならば、今すぐにでも消え去ってくれ。
要らない、糸繰を連れて行こうとする奴なんて要らない。失せろ、消えてしまえ。
『我が力を以ちて、この者に救いを与えたまえ。望むものは一つ、この者に平穏を。
他は失せぬべし』
俺はどうなっても良いから、糸繰だけは手に入れた平穏の中で生きてほしい。
それ以外の結末なんて要らない、失せてしまえ。
・・・ああ、そうか。やっと分かった、俺は、俺の力の正体は。
『我が名は蒼汰!喪失を司る神なり!!』
叫ぶように言った瞬間、意識が途切れる。最後の最後まで、糸繰の命を助けたいと
思っていた。
こちらへ向かってきた。
「糸繰が僕を殺すの?」
〈それも良いかもしれませんね。でも、もうオレは無理そうです。〉
首を傾げた荒契に、糸繰はそう書いたメモを見せる。荒契は少し考える様子を
見せると、そっと糸繰の首へ片手を伸ばした。
「待っ」
「悪いことはしないよ。ちょっと、恨み言でも聞いてあげようかと思ってねぇ」
止めようとした俺に、荒契はそう言って糸繰の喉元に触れる。糸繰は一度激しく
咳き込んだ後、驚いたような顔で荒契を見た。
「僕は今、気分が良いんだ。何を言っても怒らないよ」
糸繰は俺と荒契を交互に見た後、ゆっくりと口を開いた。
「こ・・・荒契、様」
久々に聞いた、糸繰の声。荒契はどうやら、本当に糸繰に掛けていた声が出ない
呪いを解いたらしい。
「あ・・・あは、あははっ。やっと呼べたぁ・・・!」
ボロボロと涙を流しながら糸繰は笑みを浮かべる。
「ずっと、ずっと知りたかったんです。呼びたかったんです、貴方の名前」
「へぇ、どうして?」
「名前は、大切なものなんでしょう?貴方がオレを欠陥品でも従者でもなく、糸繰
って呼んでくれたのが嬉しかったから。ちゃんと主の名前を呼びたくて・・・」
「僕が喜ぶとでも?」
糸繰の言葉に荒契は言う。糸繰は力なく笑みを浮かべ、首を横に振った。
「ただのお返しです。・・・オレは、名前が分かったら主を呪えてしまうから」
「本当にお前は愚かだねぇ。ただ、まあ・・・今は悪い気がしないなぁ」
優しい笑みを見せた荒契に驚きつつ、彼の体が透け始めていることに気付く。
糸繰もそれに気が付いているのか、少し慌てたように言った。
「オレ、主に言いたいことがあって!あの、えっと・・・オレ、家族ができたん
です。それでっ、オレ・・・今、幸せに生きてます!!」
「・・・・・・え、あぁ、うん」
明らかに反応に困っている荒契。突然そんなこと言われてもな、なんて荒契に
少し同情してしまう。
「ああ、そうだ荒契。お前、何か言い残すことは?」
大分透けてきた荒契の体を見ながら、俺は言う。そうだねぇ・・・と呟いた
荒契は、胡坐をかいて頬杖を突きながら言った。
「信者共には特にないんだよなぁ。あるとすれば・・・糸繰」
首を傾げた糸繰に、荒契は片手で頬杖を突いたまま反対側の手で糸繰の頭をそっと
撫でる。驚いた顔をしている糸繰の頭を優しく撫で続けながら、彼は小さく笑みを
浮かべて口を開いた。
「あの日拾ったのが、お前で良かった。育て方なんて知らなかったけど、大きく
なったよねぇ」
「ある・・・荒契様、オレはっ」
「そうだ、神事の裏仕事を全うしたご褒美をあげよう。たまには褒美を与えると
良いって、本に書いてあったんだ」
褒美って何をする気だ。そう思っていると、荒契は糸繰の胸に手を当てて静かに
目を瞑る。糸繰は大人しくそれを受け入れていた。
少しして、荒契は目を開ける。もう消えてしまいそうな彼は、糸繰の目を見て
言った。
「あげるよ、僕の加護。僕が死んだら呪いが解けるからねぇ、妖術を使ったら
死ぬだろう?糸繰」
「え・・・あの・・・」
「神が死んでも、条件さえ揃えば加護は消えない。幸い、お前の妖術は呪いだ。
僕の特性と一致しているし・・・なによりこれは、僕があげる最後のプレゼント。
気持ちなら、ちゃんと籠っているからねぇ」
「そんなにっ、優しくしないでください・・・!今までと同じ方が、まだ別れ
やすかったのに・・・」
泣きじゃくりながら糸繰は言う。荒契は楽しそうに笑うと、俺を見た。
「隠さないっていうのも、中々面白いものだねぇ。・・・ついでだ、君に一つ
忠告しておいてあげよう」
「・・・何だ」
「神の力には、早めに名前を付けておくと良い。君が何の神なのかちゃんと定義して
おかないと、信者の気持ち一つで存在が不安定になるからねぇ」
僕の知り合いが、昔それで死んでさぁ。そう言った荒契の言葉は、嘘には聞こえ
なかった。
・・・荒契が小さく欠伸をする。糸繰はハッとした顔をすると、涙を拭って彼を
見た。
「神事で疲れていたのに戦ったものだから、眠くてねぇ。ゆっくり眠りながら消える
のも・・・悪く、ない・・・」
空気に溶けて消えてしまいそうな体が、床に倒れ込む。
「荒契様っ!!」
糸繰が大きな声を出す。驚いて彼を見ると、荒契の透けた手をしっかりと握って
いた。
「今まで育ててくれて、ありがとうございました。・・・荒契様、おやすみなさい」
震える声で無理矢理笑みを浮かべながら言った糸繰に、荒契は目を閉じ嬉しそうな
笑みを浮かべて言った。
「うん・・・おやすみ、糸繰」
言い終わると同時に、荒契の体が光の粒子となって消える。糸繰は光の粒子が
完全に消えるまで荒契の居た場所を見つめていた。
・・・糸繰の体が、ぐらりと揺れる。ドサリと音を立てて床に倒れ込んだ彼を
急いで抱き起す。
「糸繰、お疲れ様。本当によく頑張ったな」
「蒼、汰・・・オレも、寝る。おやすみ・・・」
そう言った糸繰の鼻や口から、一斉に血が溢れ出す。体はとっくに限界だったの
だろう、彼はそのまま意識を失ってしまった。
このままではすぐに糸繰が死んでしまうぞと、脳が警鐘を鳴らす。
「そうだ・・・やらなきゃいけないこと、あったんだ」
疲労の所為か、神通力の所為か。朦朧とし始めた頭で俺は呟く。
「あっ、あんたら大丈夫か?!」
慌てたような顔で、物陰からこっそりと一部始終を見届けていた妖が駆け寄って
くる。そういやこいつ居たんだっけかなんてことを頭の片隅で考えながら、俺は
口を開いた。
『我、拒絶す。我が願いを妨ぐる者よ、失せよ』
俺は、何の神なのだろう。思い付く言葉には、拒絶の言葉が入っていた。
途切れそうな意識を繋ぎ合わせ思考を回しながら、思い浮かんだ言葉をただただ
口から零れさせていく。
『命を奪う者よ、立ち去ね。こは我がものなり、我が生と同等の価を持つものなり』
失ってたまるか。命を奪う者がいるとするならば、今すぐにでも消え去ってくれ。
要らない、糸繰を連れて行こうとする奴なんて要らない。失せろ、消えてしまえ。
『我が力を以ちて、この者に救いを与えたまえ。望むものは一つ、この者に平穏を。
他は失せぬべし』
俺はどうなっても良いから、糸繰だけは手に入れた平穏の中で生きてほしい。
それ以外の結末なんて要らない、失せてしまえ。
・・・ああ、そうか。やっと分かった、俺は、俺の力の正体は。
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