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第四部
昼寝
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―――昼食を作る天春の手伝いをしていると、彼は少しの間俺に台所を任せ御鈴達に
現状を報告しに行ってくれた。
戻ってきた天春と共に作り終えた昼食を皿に盛りつけていると、落魅と糸繰が帰って
くる。思ったより早く帰ってきたな、なんて考えていると糸繰が台所にやってきた。
「糸繰、大丈夫か?」
「さっきより落ち着いた。・・・ごめん、心配掛けて」
「いや、俺の方こそごめんな。心配してくれてありがとう」
俺がそう言うと、糸繰は少し恥ずかしそうに・・・うん。と呟きながら頷く。
「風呂沸いたって天狗が言ってたぞ。入ってくるか?」
俺の言葉に、糸繰は少し俯いておもむろに口を開いた。
「・・・綺麗に、したら」
「ん?」
「綺麗にしたら・・・兄様、要らないって言わないでくれるか?」
顔を上げた糸繰の目は、とても暗くて。
何故俺が要らないと言うと思っているのかは分からなかったが、俺は両手を
広げて糸繰に言った。
「言わない。血は付いてるけど、そもそも糸繰は汚くなんかないよ。試しに、
ギュッてしてみようか?」
糸繰は目を見開いて俺を見る。ずっと暗かった目が、少し明るくなった。
「・・・今はいい。血落としてから、ぎゅってする・・・」
そう言った糸繰は、クルリと背を向け早足で台所から出ていく。台所を出る
直前に見えた彼の耳は真っ赤で、俺は思わず吹き出した。
「流石落魅だね~」
ニコニコと笑いながら言った天春に、後で落魅にお礼を言っておこうと思う。
「呼びやしたか?」
そう言って落魅が顔を出したので、すかさず俺は彼にお礼を言う。
落魅は不思議そうに首を傾げた後、あぁと呟いて言った。
「糸繰のことなら、あっしは軽く話をしただけで他は何もしてやせんぜ。
・・・あんたなら分かってるだろうが、糸繰は捨てられることを何よりも
恐れてる。ふとしたきっかけで、自分が捨てられてしまうんじゃないか
って思考になっちまうみたいなんでさあ」
「捨てないって、大切なんだって、分かってくれてると思ってたのになあ・・・。
俺、そんなに信用ないかな・・・」
「蒼汰のことは信じてるんだろうよ。だから、さっきみたいな問いかけをしたんじゃ
ないですかい?あんたなら要らないなんて言わないと、信じていたんじゃないです
かねい」
落魅の言葉に、少し救われた気がした。この妖は、俺達のことを本当によく見て
いるのだろう。
「・・・そうだ落魅、ご飯食べたら一緒にお昼寝しない?」
「どうしたんですかい、突然」
天春の言葉に、落魅は首を傾げて言う。
「あの短時間で糸繰がちゃんと蒼汰に歩み寄ったんだもん。落魅、かなり言葉を
選んで説得したんじゃない?頭使って疲れてるでしょ」
そう言った天春に、落魅は顔を逸らす。
「そういう時は寝るのが一番!久々に温めてあげるよ、お兄ちゃんが!」
「言い方を考えなせえ。身内以外も居るんですぜ?」
「じゃあやめとく?」
「・・・しょうがないから、甘えてやりまさあ」
「素直じゃないんだから、もー」
天春と落魅のやり取りを見て、仲良いなあなんて思う。
俺も、糸繰が風呂から上がったら沢山甘やかしてやろう。そんなことを考え
ながら、俺は盛り付け終わった昼食を天狗の元へ運ぶのだった。
―――昼食を食べ終わり、天春と落魅は昼寝をしてくると言って姿を消した。
俺はというと、抱き着いて離れない糸繰を抱きしめつつ頭を撫で続けていた。
「いと、ずっとその体勢は苦しくないか?」
「大丈夫。・・・ごめん、もうちょっとこのままでいさせてくれ」
「いいよ。満足するまでギュッてしてやるから」
「ん・・・」
そんなやり取りをしている俺と糸繰を、遠くから天狗が微笑ましそうに眺める。
・・・少しすると糸繰は俺から離れ、ゆっくりと口を開いた。
「兄様、ありがとう。落ち着いた」
「そっか、良かった」
俺がそう言うと、糸繰はコクリと頷く。彼の目は普段通りに戻っており、表情も
かなり柔らかくなっていた。
「・・・帰ったら、念蔵にも謝らないと。冷たい態度取っちゃったし・・・」
「まあ、そうだな。一緒に謝ろうか?」
「いや、いい。ちゃんと自分で謝る」
糸繰の言葉に、偉いぞと頭を撫でる。すると、本を読みながら時折俺達に視線を
向けていた天狗がこちらを見て口を開いた。
「二人も昼寝をしてくるか?恐らく天春と落魅は屋根の上で寝ておるじゃろうし、
隣に邪魔すると良い」
俺と糸繰は顔を見合わせ、互いに頷くとお堂を出る。力を込めて跳躍すると屋根の
上にあがれたので、そっと歩いて天春達の隣へ向かった。
近付くと天春の姿しか見えず、落魅は何処に行ったんだと思う。すると糸繰が
小さく声を上げ、天春の羽を指さした。
「髪が見える」
「え?・・・あ、本当だ」
よく見ると天春の羽の上の方から金色の髪らしきものが見えており、落魅だと
気付く。どうやら落魅は天春の羽に包まれるようにして眠っているようで、
暖かそうだな・・・なんて思っていた。
「んー・・・あれ?蒼汰と糸繰だー」
目を開けた天春がふにゃふにゃの声で言う。
「隣良いか?」
「良いよぉ。皆で寝よ~」
俺の言葉に眠たげな顔で笑みを浮かべそう言った天春は、羽をガサリと動かして
落魅の顔が見える状態にする。
「んん・・・」
小さく唸った落魅の頭を天春が優しく撫でる中、俺と糸繰は彼らの隣に
寝転がった。
甘えるように擦り寄ってきた糸繰を、いつも通り優しく抱きしめる。
「おやすみ、そーた」
すでに眠くなっているのか舌の回っていない糸繰に、おやすみと言いながら目を
閉じた。
耳に届く、糸繰の寝息。霧が立ち込めているとはいえ、屋根の上は仄かに入る
日の光で少し温かい。俺の意識はあっという間に闇に沈み、そのまま日暮れ
近くに起こされるまでぐっすりと眠るのだった。
現状を報告しに行ってくれた。
戻ってきた天春と共に作り終えた昼食を皿に盛りつけていると、落魅と糸繰が帰って
くる。思ったより早く帰ってきたな、なんて考えていると糸繰が台所にやってきた。
「糸繰、大丈夫か?」
「さっきより落ち着いた。・・・ごめん、心配掛けて」
「いや、俺の方こそごめんな。心配してくれてありがとう」
俺がそう言うと、糸繰は少し恥ずかしそうに・・・うん。と呟きながら頷く。
「風呂沸いたって天狗が言ってたぞ。入ってくるか?」
俺の言葉に、糸繰は少し俯いておもむろに口を開いた。
「・・・綺麗に、したら」
「ん?」
「綺麗にしたら・・・兄様、要らないって言わないでくれるか?」
顔を上げた糸繰の目は、とても暗くて。
何故俺が要らないと言うと思っているのかは分からなかったが、俺は両手を
広げて糸繰に言った。
「言わない。血は付いてるけど、そもそも糸繰は汚くなんかないよ。試しに、
ギュッてしてみようか?」
糸繰は目を見開いて俺を見る。ずっと暗かった目が、少し明るくなった。
「・・・今はいい。血落としてから、ぎゅってする・・・」
そう言った糸繰は、クルリと背を向け早足で台所から出ていく。台所を出る
直前に見えた彼の耳は真っ赤で、俺は思わず吹き出した。
「流石落魅だね~」
ニコニコと笑いながら言った天春に、後で落魅にお礼を言っておこうと思う。
「呼びやしたか?」
そう言って落魅が顔を出したので、すかさず俺は彼にお礼を言う。
落魅は不思議そうに首を傾げた後、あぁと呟いて言った。
「糸繰のことなら、あっしは軽く話をしただけで他は何もしてやせんぜ。
・・・あんたなら分かってるだろうが、糸繰は捨てられることを何よりも
恐れてる。ふとしたきっかけで、自分が捨てられてしまうんじゃないか
って思考になっちまうみたいなんでさあ」
「捨てないって、大切なんだって、分かってくれてると思ってたのになあ・・・。
俺、そんなに信用ないかな・・・」
「蒼汰のことは信じてるんだろうよ。だから、さっきみたいな問いかけをしたんじゃ
ないですかい?あんたなら要らないなんて言わないと、信じていたんじゃないです
かねい」
落魅の言葉に、少し救われた気がした。この妖は、俺達のことを本当によく見て
いるのだろう。
「・・・そうだ落魅、ご飯食べたら一緒にお昼寝しない?」
「どうしたんですかい、突然」
天春の言葉に、落魅は首を傾げて言う。
「あの短時間で糸繰がちゃんと蒼汰に歩み寄ったんだもん。落魅、かなり言葉を
選んで説得したんじゃない?頭使って疲れてるでしょ」
そう言った天春に、落魅は顔を逸らす。
「そういう時は寝るのが一番!久々に温めてあげるよ、お兄ちゃんが!」
「言い方を考えなせえ。身内以外も居るんですぜ?」
「じゃあやめとく?」
「・・・しょうがないから、甘えてやりまさあ」
「素直じゃないんだから、もー」
天春と落魅のやり取りを見て、仲良いなあなんて思う。
俺も、糸繰が風呂から上がったら沢山甘やかしてやろう。そんなことを考え
ながら、俺は盛り付け終わった昼食を天狗の元へ運ぶのだった。
―――昼食を食べ終わり、天春と落魅は昼寝をしてくると言って姿を消した。
俺はというと、抱き着いて離れない糸繰を抱きしめつつ頭を撫で続けていた。
「いと、ずっとその体勢は苦しくないか?」
「大丈夫。・・・ごめん、もうちょっとこのままでいさせてくれ」
「いいよ。満足するまでギュッてしてやるから」
「ん・・・」
そんなやり取りをしている俺と糸繰を、遠くから天狗が微笑ましそうに眺める。
・・・少しすると糸繰は俺から離れ、ゆっくりと口を開いた。
「兄様、ありがとう。落ち着いた」
「そっか、良かった」
俺がそう言うと、糸繰はコクリと頷く。彼の目は普段通りに戻っており、表情も
かなり柔らかくなっていた。
「・・・帰ったら、念蔵にも謝らないと。冷たい態度取っちゃったし・・・」
「まあ、そうだな。一緒に謝ろうか?」
「いや、いい。ちゃんと自分で謝る」
糸繰の言葉に、偉いぞと頭を撫でる。すると、本を読みながら時折俺達に視線を
向けていた天狗がこちらを見て口を開いた。
「二人も昼寝をしてくるか?恐らく天春と落魅は屋根の上で寝ておるじゃろうし、
隣に邪魔すると良い」
俺と糸繰は顔を見合わせ、互いに頷くとお堂を出る。力を込めて跳躍すると屋根の
上にあがれたので、そっと歩いて天春達の隣へ向かった。
近付くと天春の姿しか見えず、落魅は何処に行ったんだと思う。すると糸繰が
小さく声を上げ、天春の羽を指さした。
「髪が見える」
「え?・・・あ、本当だ」
よく見ると天春の羽の上の方から金色の髪らしきものが見えており、落魅だと
気付く。どうやら落魅は天春の羽に包まれるようにして眠っているようで、
暖かそうだな・・・なんて思っていた。
「んー・・・あれ?蒼汰と糸繰だー」
目を開けた天春がふにゃふにゃの声で言う。
「隣良いか?」
「良いよぉ。皆で寝よ~」
俺の言葉に眠たげな顔で笑みを浮かべそう言った天春は、羽をガサリと動かして
落魅の顔が見える状態にする。
「んん・・・」
小さく唸った落魅の頭を天春が優しく撫でる中、俺と糸繰は彼らの隣に
寝転がった。
甘えるように擦り寄ってきた糸繰を、いつも通り優しく抱きしめる。
「おやすみ、そーた」
すでに眠くなっているのか舌の回っていない糸繰に、おやすみと言いながら目を
閉じた。
耳に届く、糸繰の寝息。霧が立ち込めているとはいえ、屋根の上は仄かに入る
日の光で少し温かい。俺の意識はあっという間に闇に沈み、そのまま日暮れ
近くに起こされるまでぐっすりと眠るのだった。
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