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第2章 出会いの街 編
073 危険な”夢”の報酬 <04/05(金)PM 03:58>
しおりを挟む※※※ 注意 ※※※
ただいま [夢の洞窟] 中です。
大量だったり、黒かったり、テカってたり…そういうのが苦手な方は、しばらく読み飛ばしていただいた方が良いかと思います。ご注意下さい。
[夢の洞窟]終了まで『目印』として、『無理矢理サブタイトルに”夢”の文字を付けていこう』と思います。よろしければ参考にして下さい。
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出会いの街[ヘアルツ]の西(←)の岩山にある[夢の洞窟]を探索中の俺達3人は、最初の『大きめの北に伸びた長方形の大部屋(もしくは広い通路?)』から、右、東(→)の『脇通路ルート』を探索し、『合計9個もの宝箱』を発見し、アイテムを回収した。
そして元の入り口付近まで戻ってきた俺達は、続けて『北(↑)ルート?』の探索を開始し、最初の曲がり角で10個目の宝箱を発見、アイテムを回収する。
その後その先の『コブ状の小部屋』で発見した宝箱は、LV21の『ミミック』と判明、『激闘』の末、≪何の盛り上がりも無く≫ヒイラギがトドメをさして≪しまった≫のだった(審議中)。
北(↑)
┃
┃
┠─ これまで探索していた東(→)の脇通路
入り口
(※↑大雑把に この様な感じです)
「少しは盛り上げろっ」
「今のは≪無い≫ですよねぇ……」
ヒイラギのトドメ(FB)について、俺達の≪ダメ出し≫が入る。
「しょうがねぇだろっ、無茶言うなよっ」
俺達の≪ダメ出し≫に対し、ヒイラギの抗議の声が響く。
厳しかった『激闘』の、”あんまり”な幕切れだった。
そのヒイラギの足元には、『44,100G』、『44,100G』、『44,100G』、そして『靴』? が落ちている。じっと見つめてみると、
《名:靴(不確定名) 所有者:なし》
「………」さて、『ミミック』のドロップについて、戦闘前に説明したのであるが、「え? 凄い装備品とかは出ないの?」と思われた方が居たかもしれない。
『ミミック』のドロップは、『通常』が『G』、『レア』が『宝箱』、『激レア』が”大判”、”小判”(らしい)? だ。例によって運営の返答は無いので、プレイヤー間での推論なのだが、今落ちている『ドロップ』で、お気付きになられた方も居るかな? と思うのだが、「『本来の宝箱のアイテム』と混同しないように、では無いか?」…と言われていた。
ようするに、ここで「『ミミック』が、『剣(不確定名)』などをドロップ」…してしまうと、『靴(不確定名)』と『剣(不確定名)』が落ちている事になる。すると、どちらが「次の順の者のアイテム」かわからない。そうなると「自分が欲しい方を指して、こっちが自分の番のアイテムだった」と主張したりして”モメたりする”かもしれない。
TJOでは、この様な揉め事が無い様に? ともかく「『1つの宝箱』には、『1つの宝物(アイテム)』」となっている。『ミミック』はモンスターであるが、『罠(トラップ)』なのだ。
アイテムを落とすと”ルールに反する”事になる。だから、間違えようが無い『固定額? のG』や『宝箱』をドロップする…と言われていた。
”大判”、”小判”は『アイテム』ではあるのだが、そもそも≪ほとんど見つからない≫うえ、たまたま「高LVミミックの時」に、「ほどんど出ない”大判”、”小判”が入って」いて、「ミミック討伐時の『激レア』に当選する」、…などという『珍事』が起こるのは、≪天文学的な確率≫であり、考えなくて良い、無視して良い…レベルらしい。
しかも”小判”だけ等、どちらかが2つ出たのであれば、「その1つが元々の宝箱の宝物」だと分かるので問題は無い。1つは順の者。もう1つはドロップ品として扱えば良い。
「ま、まぁ無事に倒せたんだから、それでいいじゃねぇかw。 …え~っと、俺はさっき『鋼の斧』拾ったから、ほれっ、この『靴』はケイのだろ?」
「そうですね」
とまぁ、こういう風に、揉めたりしないで済むわけだ。
「『靴』か… まぁ一応防具だな」
と、ケイは少し複雑そうな表情で、落ちている『靴(不確定名)』を拾って、『インベントリ』に放り込んだ。
「………」まぁケイ念願? の防具とは言っても、”LV21”相当では、もはや≪このダンジョン≫の中で、かなり微妙な感じの宝箱である。
とはいえ、『鉄のブーツ+1』ぐらいの可能性は十分にある。
それに… 『(不確定名)装備』は、結局のところ全て『運』なのだ。俺達の入手した『お宝』全てが、鑑定したら『マイナス品』だった… という悲しい可能性だって有り得るのだ。
やあ (´・ω・`)
ようこそ、ヤマコウハウスへ。
このテキーラはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。
うん、「また」なんだ。済まない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
でも、この『(不確定名)装備』を見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない
「ときめき」みたいなものを感じてくれたと思う。
殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい
そう思って、このゲームを作ったんだ。
じゃあ、注文を聞こうか。
…いいから一発殴らせろっ! もしくは15マス? 戻れっ!
「それで… だ。今回も「めでたく3つ出た」事だし、こいつぁ『山分け』といこうぜ」
ケイが『靴(不確定名)』を収納したのを見てから、ヒイラギが提案した。
「あぁ… そうだな」
「でも……」
「まぁいいじゃねぇかw、コイツは『宝箱みたいなもん』だろ? 「順番に1つずつ入手した」って事にしようぜ」
と、ヒイラギがバンバンと俺の肩を叩きながら笑っている。しかし「ドロップはいらない(キリッ)」とか言っておいて、こうホイホイ貰うのも恥ずかしいというか…と迷っていると、
「それじゃ治療費として受け取れ、ポーション代だと思えば安い」
と言って、ケイは足元の『G』をアゴでシャクっている。
……あまり遠慮するのもアレ、だよなぁ。
「すみません、それじゃ貰います」
「おぅ、せっかくの『ミミック討伐報酬』だ。拾っとけ、拾っとけw」
「トドメは酷かったがな」
「うるせぇ」
ケイがヒイラギをからかいながら『44,100G』を拾っている。ヒイラギも文句を言いながら『44,100G』を拾っている。そして俺も残った『44,100G』を拾った。
「………」実のところ帰ったら、(不確定名)装備の『鑑定』とかで、それなりに『G』が≪必要になる≫だろうから、ココでの『まとまった収入』はとても有難い。
例えば、現在拾っている『弓(不確定名)』、『棒(不確定名)』、『篭手(不確定名)』、の3点の(不確定名)装備のNPC販売価格が、それぞれ30,000G(ノーマルアイテム価格基準)程度だと仮定する。
すると鑑定料はその1/10、つまり、3,000G×3点 =9,000G も必要になる。俺の現在の所持金は、≪4,961Gだった≫のだから、1点しか鑑定出来ない事になる。
また俺は白ネームなので、-(マイナス)4以下だと鑑定して売ると『赤字』なのであるが、なんと、-(マイナス)7以下は”赤字”どころか、『0G』だ。
つまり『無料引き取り』である。ようするに「『-7以下』だと鑑定料の分は『丸損』」だ。
そうなると≪最初に鑑定したモノ≫が、”それなりの価格で売れる品質”だと良いのだが、「最初に”-7”など引いてしまうと、他の2点は鑑定出来なくなる」…という『謎の3択ゲーム』が開始されてしまうのだ。
そんな懐事情もあって、何とも”格好がつかない”のであるが、ここは2人の好意に甘えて、貰っておきたい訳なのだ。…なんとなく、ミケネコさんの俺に対する評価が、”更に下がった”気がしないでも無いが、まぁいつも下がってるので恒例行事だな。
「それじゃ装備を戻すか」
ケイが「『ミミック』戦のため」に装備していた、『後期型』のフル装備(『鋼の兜』、『鉄の鎧』、『レザーグローブ』、『鉄のブーツ』)から、「ダメージを食らうため」の『中期型』(『青銅の鉢金』、『鉄の鎧』)へと装備を戻す。
「さて… 探索を再開する、となると、マサヨシのMPが問題か?」
『リーダー』のヒイラギが俺の方を見ながら質問してきた。
「本人の意見はどうか?」…という事だろう。
「座りたく無いですし、どうせ”ゆっくり”移動するでしょう。自動回復するので、探索を再開しても大丈夫だと思います」
「そうか、それじゃ”MPが20%を切ったら”一応教えてくれ」
「了解です」
俺の意見を聞いたヒイラギから指示が出る。
「………」まぁ”こうしている間にも回復している”し、移動中も戦闘中も、基本的には回復している。普通に探索する分には”20%を切る”事は無いだろう。
特にこの[夢の洞窟]は、普段以上に”ゆっくり”移動しているから、”移動していない”棒立ち”状態に近い”ぐらいの速度で回復している。ここまで”ロクに休憩等もしていない”のに、常に”MPがMAX近く”あったのはそのためだ。
「それじゃ進むぞ?」
例によってケイは、さっさと歩き出そうとしている。
「おぅ、探索再開だ」
「行きましょう」
俺達の返事を聞いて、ケイが先頭を歩きはじめる。俺達はその後に続いて歩き出す。
『逃走』のために、かなり南(↓)へと戻ってしまっていたので、まずは元々『ミミック宝箱』のあった、『コブ状の小部屋?』へと”ゆっくり”移動した。
そこには≪すでに宝箱も無い≫ので、そのまま西(左←)へと続く通路へ進入する。虫達が「ガササササ……」、「バサササ…」、「キチキチキチ…」、「ブーン」、と黒や灰色や茶色のウェーブを起こしながら退散していく。
やがて少しずつ移動速度が上がり、虫トンネルを抜けると、そこは…
「広いな…」
先頭を歩くケイがつぶやいた。そこはかなり広めの『中部屋』の様だ。
最初は『行き止まり』かと思ったが、出っ張った右手(北↑)の壁の陰? の向こうに、まだ北(↑)へと続く通路? がある様だ。
「おぉ~、キタ、キタ」
ヒイラギが嬉しそうに見ている方では、壁際に2つ並ぶ様に『宝箱』の姿が見えはじめていた。
「これで、12、13個目ですね」
「もうそんなにか! よしよし」
ヒイラギが嬉しそうに、右側の宝箱に近寄っていく。
「………」≪たまたま≫かと思っていたのだが、これはヒイラギの『自分ルール』なのかもしれない。「常に右の宝箱から開ける」事で、”公平性”、”平等性”を保っているのだろう。
右から開けたり、左から開けたりしていると、自分の順番で嬉しく無いモノだったら「先にアッチの宝箱を調べてくれれば、俺が〇〇だったのに」…などと『逆恨み』とかされるかもしれない。
「『常に右』から調べて解除している」、「順番だから仕方無い」としっかりと説明する事が出来る。まぁ「アレな相手には何を言っても無駄」という事は、≪ままある≫のだが…
『つけこまれる様な要素』は無くしておく方が良い。はっきりとした基準があれば、他のプレイヤーもフォローしてくれるだろう。
(※『末期』の斥候系スレで「常に右から」と、『テンプレ化』されていました。
主人公は『中期』頃までは、他職のスレ等もチェックしていたのですが、あまり『目新しい情報』も無くなり、雑談や≪くだらない議論≫ばかりになったので、中期以降は他職のスレまでチェックしておらず知りません)
「それじゃいくぞ? …分析:罠[トラップアナライズ]」
ヒイラギがスキルを使用すると、宝箱の上面部から下底部に向けて、いつもの『光る板状のモノ』がス~っと降りていく。ケイはやって来た通路と、北の通路の方を警戒している。俺は回復の用意をして見守る。
「罠は『爆弾』で、罠LVは26だな。問題無いだろ …解除」
キンッ!
ヒイラギは識別が終わると同時に解除にかかり、難なく解除に成功した。
謎の金属音(罠解除成功音)がして、宝箱の前面の錠前がポトリと地面に落ち、錠前は霞んで消滅していく。
「ほれ、マサヨシッ」
ヒイラギが宝箱の前を譲ってくれる。「3人で12個だから、これで『1人4個ずつ』だな」、そんな事を考えながら、そっと宝箱を開けると…
「これは… 『銃』?」
宝箱から取り出したモノを、じっと見つめてみると、
《名:銃(不確定名) 所有者:マサヨシ 》
「銃かぁ……」
「銃か……」
「銃でした……」
3人とも微妙な雰囲気である。ご愁傷様…な感じだ。「パート2」。
視界の右下の方へ意識を向けると<04/05(金)PM 04:07>と表示されていた。
-------------------------------------------------------------------------
LV:12(非公開)
職業:みならい僧侶(偽装公開)(僧侶)
サポートペット:ミケネコ/三毛猫型(雌)
所持金:49,061G
武器:なし
防具:布の服
所持品:15/50 初心者用道具セット(小)、干し肉×21、バリ好きー(お得用)90%、樽(中)90%、コップ(木)、サクランボ×1、鋼のナイフ、鉄の斧、青銅のブーツ、賞金首の首輪[†カムイ†]懸賞金:94,000G、鬼王丸×2、弓(不確定名)、鉄のブーツ、棒(不確定名)、篭手(不確定名)
分析:罠[トラップアナライズ] 宝箱等に仕掛けられた罠の種類と罠LVを識別し、罠LVを半減させる(小数点以下切捨て)
補足:ミミックだった場合は、そのミミックのLVも識別する、ただしミミックのLVは半減出来ない。
「ミケネコよ、お前は「支援、補助魔法が無ければ、(ミミックを倒すのは)難しい」、と思っていた様だが… 別になくても倒せる」
「なんで~?」
「『逃走ルートを確保する』とか、『クリティカルは2回まで』とか、『残りMPが30%を切った』とか、『MPが15%を切ったら撤退する』とか、色々な『伏線』があった気がしたが、そんな事はどうでも良かったんDAZE!」
「なんで~??」
ミミック「さぁ来いヒイラギィィー! オレは実はあと一回殴られただけで死ぬぞオオ!」
「ご愛読ありがとうございました!」
「ご主人さま~、”しょうき”にもどって~(ピシッピシッ)」
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