85 / 95
第2章 出会いの街 編
075 ”夢”のある防具 <04/05(金)PM 04:10>
しおりを挟む※※※ 注意 ※※※
ただいま [夢の洞窟] 中です。
大量だったり、黒かったり、テカってたり…そういうのが苦手な方は、しばらく読み飛ばしていただいた方が良いかと思います。ご注意下さい。
[夢の洞窟]終了まで『目印』として、『無理矢理サブタイトルに”夢”の文字を付けていこう』と思います。よろしければ参考にして下さい。
-------------------------------------------------------------------------
出会いの街[ヘアルツ]の西(←)の岩山にある[夢の洞窟]を探索中の俺達3人は、最初の『大きめの北に伸びた長方形の大部屋(もしくは広い通路?)』から、右、東(→)の『脇通路ルート』を探索し、『合計9個もの宝箱』を発見し、アイテムを回収した。
元の入り口付近まで戻ってきた俺達は、続けて『北(↑)ルート?』の探索を開始し、最初の曲がり角で10個目の宝箱を発見、アイテムを回収する。
その後その先の『コブ状の小部屋』で発見した宝箱は、LV21の『ミミック』と判明、『激闘』の末、≪何の盛り上がりも無く≫ヒイラギが≪トドメをさしてしまい≫、アイテムとドロップを回収した。
そして探索を再開した俺達は、『コブ状の小部屋』から続く通路の先で、かなり広めの『中部屋』を見つけ、宝箱を2つ発見したのだった。
北(↑)
┃
┃
┠─ これまで探索していた東(→)の脇通路
入り口
(※↑大雑把に この様な感じです)
最初の宝箱から俺が取り出したのは、かなり残念な『銃(不確定名)』ちゃんだった。そしてその隣の宝箱から、ヒイラギが重そうに引っ張り出したのは、”大きな塊”であった。じ~っと見つめてみると、
《名:鎧(不確定名) 所有者:ヒイラギ 〈警告〉取得すると窃盗となります》
「………」『鎧』とは、…鎧ですよ。
防具の中でも一番の人気を誇る… まぁ他の部位を装備しなくても、鎧、胴部分に何も装備しないヤツぁ居ねぇですよ? (俺は何も装備していない様なモノだが)
そう『盾』、『兜』、『篭手』、『ブーツ』を装備して、『鎧』を装備していない…などという戦士や騎士、勇者、なんてのを見た事が無い様に、「まずは『鎧』」という事で、とても需要が高く、良品であれば、もの凄く高く売れる。
TJOでは「防具類の価格設定は安め」 …ではあるのだが、プレイヤー間での需要が高く、とても競争率が高いため、実売価格、市場価格は高い、という事だ。
「NPC販売価格の1割引が相場」…とは言ったのだが、こういった「事情や状況などで相場などは変動する」ので、ロクに調べもせず1割引で売ったりすると、『転売屋さん』に飛びつかれて、目の前で≪5倍ほどの値段≫で売られて、”とても悔しい思い”をする事になったりする…ので要注意である。
例えば「10円と書いてある、だから10円で譲った」… 言っている事は正しいのだが、「10円青銅貨(現在の物)」と、「10円金貨(明治頃)」の場合では、話は全く違ってくる。
よほど≪物の価値がわからない人≫で無い限り、「10円金貨」を10円で売ろうとは思わないだろう。「金貨を10円で売るとか馬鹿じゃないの?」…と思うに違いない。”買った人”よりも”売った人”を非難するだろう。つまりは≪そういう事≫なのだ。
(※ちなみに、現在は使用出来ない「10円金貨」も銀行(日本銀行?)に持っていけば、「現在の10円」に『両替』してくれるそうです。親切ですね)
いつもの事であるが「情報収集、市場、相場調査を怠った自分が悪い」のだ。
「安く仕入れて高く売る」という商売の基本を無視し、「苦労して入手して、安く売った」という”愚か者”は自分なのである。
『転売屋』と呼ばれる連中が”あまり美味しい思いを出来ない程度”、”仮に転売されても悔しくない程度”の価格にする。その為に特に興味が無い、今はあまり関係が無い様な売買や、プレイヤーショップの価格でも、一応は調べて頭の片隅にでも入れておく。
俺が結構な時間を”クリスタル前の市場調査”や、『プレイヤーショップ巡り』に費やしているのは、そういう事だ(キリッ。
……ハイハイ嘘ですよ、綺麗なお姉さんのショップを探してました。
どこもかしこも”量産型おっさん”だらけ、の世界とは早く”オサラバ”したい… おのれディケ… ヤマコォォォゥ!
まぁともかくTJOで『鎧』は高く売れますよ?
一番人気と言っていいかもしれない。うらやまC。
「『鎧』ですね、おめでとうございます」
「いや…… なんか悪ぃな」
「『鎧』か… よこせ」
ヒイラギは、直前の俺が”かなりアレ”な『銃(不確定名)』だったので、頬をポリポリかいて申し訳無さそうだ。そしてケイがストレートすぎる、いっそ清々しいな。
「いえ、まぁ「最後で~」と言ったのは俺なので、気にしないで下さい」
第一、仮に俺が『順番の最初』だった…としても、ヒイラギと同じモノが出たか? は、わからないのだ。もっと≪酷いモノ≫だったかもしれない。
「………」それに『スポット参戦?』で、≪大して活躍もしていない≫俺が、あまり良いモノばかり獲得しても居心地が悪いモノだ。≪少々悪い≫ぐらいの方がいい。
2乙? して「天鱗? が出たwwww」とか言うと、ヘイトが上昇しまくってしまう。(まぁ今回かなり≪悪い方≫に偏った気がしないでも無いが… ひどいやっ)
「まぁいい… 先に進むぞ?」
例によってケイは、すでに”宝箱の無くなった”、この『中部屋』に興味を無くしたようだ。さっさと北東(右上)方向の、通路? へと歩き出している。
「そうだな、次だ、次」
「そうですね」
ヒイラギは『鎧(不確定名)』を『インベントリ』に放り込み、ケイの後に続く。俺も気持ちを切り替えてケイの後に続いて歩きはじめた。
虫通路はかなり狭くなっている様だが、それほど速度が落ちていない。すると「この先は”広くなっている”のだろうか?」、そんな事を考えていると…
隣のヒイラギが”ハッ!”…とした様な表情で叫んだ。
「!! 上だっ! 1体来るぞ!」
ヒイラギは右前方の天井の方を指差している。見ると天井を”ウゾウゾ、モゾモゾ”と、100本の足を動かしながら、『G百足』LV18が1体やって来ていた。
「………」ヒイラギの『みならい斥候』系の”常時発動”スキル、警報:急襲[レイドアラート]が、天井に居て、こちらの接近? に気付き、奇襲しようと? 〈戦闘状態〉に切り替えた”存在”を、いち早く『察知』したのだ。
「ちっ」
先頭のケイが〈戦闘状態〉に切り替え、天井の『G百足』を睨みつける。戦闘BGMが聞こえはじめる。まずは≪先に攻撃を受ける≫必要がある『狂戦士』の辛いところだ。
「………」そうそう、もう1点、『忘れがち』であり、”ゲームに詳しく無い方も居るかもしれない”ので解説しておきたい。ケイが(基本的に)、まず相手に攻撃させる理由だが… 「オンラインゲーム(今はゲームでは無いが)だから」、という事がある。
これは『オフラインのゲーム』や、『MO?』と呼ばれる…あまり多くのプレイヤーと関わらないタイプ、のゲームしかやって居ないと、わかりづらい感覚であるかもしれないのだが、「自分以外にも大勢の人が居る」…という事だ。
ようするに、他のプレイヤーが戦闘中に「逃走したり」、「死亡や、全滅したり」していると、その時に戦っていたモンスターは『HPがMAXでは無い』のだ。今元気よく「キーン!」とやって来ている『G百足』ちゃんも、≪残りHP1かも≫しれない。
「他の『G百足』が『3撃』、もしくは『2撃&ヒイラギ2撃』だったから」…と言って、コイツも”そう”だとは限らない。「とりあえず1撃くらい」などと迂闊に通常攻撃をすると、その1撃で昇天してしまう… 『その可能性はある』のだ。
家庭用ゲームでよくある「ちょっとした個体差」では無く、TJOで遭遇する”ほとんどのモンスター”のHPは、「1~MAXHP」の状態である… という事だ。
この仕様というか、『他のプレイヤーの存在』を忘れていると、「何故か1撃で倒せちゃった (・ω<) テヘペロ 」…という『条件』を満たさない戦闘が頻発するため、注意力の足りない、不慣れな『狂戦士』プレイヤーが、「気が付くと『狂戦士』から『強制降格』させられていた」…という事になりやすい、罠(トラップ)の1つとなっている。
ちなみにモンスターは、『回復スキル』を持つモノは、一定間隔ごとに、そのスキルを使用して回復し、スキルが無いモノは『時間経過による微回復』や、『イルカモネ山猫』の様に『捕食』によって回復している様だ。また多くの『非アクティブモンスター』は、”草食系モンスター”なので草などを食べて回復している(らしい)。
よって『”HP1”で徘徊しているモンスター』は、「可能性として存在し得る」…というだけで、≪厳密にはほとんど居ない≫だろう。だからFA時には「あまり強力でない攻撃」をしておけば、「一撃で倒してしまう」という事態はそうそう無い。
そういった理由で、相手が『非アクティブモンスター』の場合、ケイは殺してしまわない様に、どうでもよい『キック』でFAを取っている。
「とにかく降りてきてくれねぇと何も出来ねぇな」
ヒイラギも〈戦闘状態〉に切り替えて、『鋼のメイス』を右手に持ち、左手に『鋼の小盾』を持って、天井を移動する『G百足』を見上げている。
「そうですねぇ」
しかしヒイラギが『察知』、『警告』してくれたから、『戦闘準備』を整えて”のんき”? に”様子を見ながら待ち構えている”が、『みならい斥候』系が居ないパーティだと、突然天井から? 急襲されていた事だろう。『斥候』すごい。
俺達3人は少し離れて天井を見上げている。とりあえず誰が『G百足』に、仮FA(敵の潜水艦を発見!)されたのか? 固まっていては分かりづらい。
そんなわけ? で戦闘が開始? され、少しの時間、俺達は天井を”ウゾウゾ”と移動する『G百足』を見上げていたのだが、元気良く俺の真上にやって来ると、「どうにでもなれっ」とばかりに俺目がけて降ってきた。
100本の足を”ウゾウゾモゾモゾ”動かしながらの、かなり見たくないタイプの、『フライングボディアタック?』だ!
…うぎゃああぁぁ、気持ち悪いっ。「駄目だ!」、「ネガティ――ブ!」
「マサヨシッ、避けろっ」
少し離れていたケイが走ってくる。俺は『G百足』とケイから離れる様に回避を試みた。『DEX』の低い(無い)俺だが、先に発見し、ずっと様子を見ていたおかげで、ギリギリ回避出来た。
プロレスラーがトップロープからの攻撃を外して自爆するかの様に、降ってきた『G百足』がビターンッ…と地面に叩きつけられ、その衝撃で? 一瞬動きが止まる。そこへ走ってきたケイが、流れるようにサッカーボー… ”キック”を繰り出し、FAを取った。
「GYUGYUoooo!」
『G百足』が≪自分を攻撃してきた憎いケイ≫を向いて、威嚇の声、音? をあげた。しかしケイは平然と棒立ちしている。ヒイラギも『ケイが条件を満たす』のを待っている。
「………」これも疑問に感じている方が居るかもしれないので、一応解説しておくと、今ケイが『キック』で『本FA』を取った…のだが、『狂戦士』の『条件』は満たしていない。
〈戦闘状態〉に切り替え、攻撃をした以上、ケイは”条件”をクリアしなければならない。しかし、ここでヒイラギが攻撃して、『クリティカル』や、『残りHPが少なかった』…などの理由で、「うっかり倒してしまう」と、『狂戦士』の『条件』を満たせないまま『討伐』してしまい、ケイの貯金は≪使用されてしまう≫。
運良く〈戦闘状態〉の間に、『自分のLV以上』の他のモンスターがやってきて、『30%以上食らえれば』≪なんとかなる≫。…だが居なければアウトな訳で、毎回そんな『運頼み』では、すぐに”貯金”は無くなってしまう事だろう。
そういった事故? を防ぐため、ヒイラギは、「ケイが、①FAを取り、 ②条件を満たして攻撃を開始する」までは手を出さず、≪破壊力のあるケイの攻撃の邪魔にならない≫様に、「③ケイの攻撃(②)後に『追撃』する」…のを徹底しているのだ。
・
・
・
「おっしゃあぁぁ!」
ヒイラギが勝利の雄叫びをあげている。例の『何もさせない』パターンで、『フライングG百足』は、問題無く片付けた。”俺以外”の勝利だ!
視界の右下の方へ意識を向けると<04/05(金)PM 04:17>と表示されていた。
-------------------------------------------------------------------------
LV:12(非公開)
職業:みならい僧侶(偽装公開)(僧侶)
サポートペット:ミケネコ/三毛猫型(雌)
所持金:49,061G
武器:なし
防具:布の服
所持品:16/50 初心者用道具セット(小)、干し肉×21、バリ好きー(お得用)90%、樽(中)90%、コップ(木)、サクランボ×1、鋼のナイフ、鉄の斧、青銅のブーツ、賞金首の首輪[†カムイ†]懸賞金:94,000G、鬼王丸×2、弓(不確定名)、鉄のブーツ、棒(不確定名)、篭手(不確定名)、銃(不確定名)
警報:急襲[レイドアラート][P] 半径15m範囲の”戦闘状態”の存在を察知する。
「ふらいんぐぼでぃあたっく~」
「そうだな、この時『反撃』出来れば、当然〈飛行状態〉扱いになるので『クリティカルヒット』する」
「くりてぃかる~」
「だが例によって、『俺達は先制攻撃出来ない』ので、特に何もしない」
「ふ~ん」
「あと実際には『飛び降りて来ただけ』で、『アタック』では無い。正確には… 『ダイビング・ボディ… なんなんだ? 自爆?? ともかく突然落ちてきて俺達を驚かせ、いつもの『噛み付き』攻撃をしてくるつもり? だったのだろう」
「あっとおどろく~」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中
あ、まん。@田中子樹
ファンタジー
仕事一筋40年。
結婚もせずに会社に尽くしてきた二瓶豆丸。
定年を迎え、静かな余生を求めて山奥へ移住する。
だが、突如世界が“数値化”され、現実がゲームのように変貌。
唯一の趣味だった15年続けた積みゲー「モリモリ」が、 なぜか現実世界とリンクし始める。
化け物が徘徊する世界で出会ったひとりの少女、滝川歩茶。
彼女を守るため、豆丸は“積みゲー”スキルを駆使して立ち上がる。
現金化されるコイン、召喚されるゲームキャラたち、 そして迫りくる謎の敵――。
これは、還暦オジが挑む、〝人生最後の積みゲー〟であり〝世界最後の攻略戦〟である。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる