雪豹くんは魔王さまに溺愛される

asagi

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続々.雪豹くんと新しい家族

3-13.求め合う(★)

 溢れる香りが混じり合う。
 でも、もっとアークを感じたくて、大きな背中に縋りついた。

「ん、んぅ……っ」

 重なる口の端から唾液がこぼれる。それを拭い取る余裕なんてない。
 くちゅくちゅ、と淫らな音が耳まで犯すようだった。
 服を剥ぎ取る手の動きに合わせて身じろぎする。

「ふっ……どうした?」
「あーく……もっと、ちょうだい……」

 アークとスノウを遮るものは何もいらない。
 震える手でアークのシャツのボタンを探る。どうしてこんなに脱がせにくい服を着ているんだろう。

 むぅ、と尖らせた唇に、アークが噛みついてきた。なんだか楽しそうな顔をしている。
 苛立っていた心が、それだけで平らにならされるようだった。
 アークが楽しいなら、スノウも楽しい。

「ふふ……アーク、自分で……脱いで、っ」

 キスの合間に囁くと、アークの眉がひょいと上がった。

「なんだ、脱がせてくれないのか」
「ん、……破いて、いいの?」
「いいぞ」

 パチリと瞬く。予想外の返事だった。
 アークが期待するように微笑んでいる。その目に淫蕩な色が滲んでいるから、スノウが服を破くという行為に、淫らな意味合いがあるみたいだ。
 あいにくと、経験不足でスノウは理解できないのだけれど、アークが望んでいるのなら否やはない。

「んん、……ね、こっち、寝て」
「それはいいが……」

 不思議そうな顔で隣に寝転んだアークの腰に乗りかかる。そして、パチリと瞬いた夕陽に微笑み掛けて、シャツに手を伸ばした。

「ふふ、僕、アークを見下ろしてるの」
「そうだな?」

 アークはよく分かっていない顔だ。でも、スノウは楽しくて仕方ない。
 ベッドに居るときはたいていアークがスノウを見下ろす。スノウが組み敷かれる体勢だ。
 そのことに不満はなかったけれど、こうしてアークの自由を拘束して見下ろすのは不思議と満足感がある。

「破けるかな~」
「楽しそうだな。可愛い」

 シャツの襟元に手を掛けると、アークに頬をくすぐられた。
 言葉通り愛おしそうな眼差しに、心がふわふわと温かくなる。

「ん、もっと言って」
「スノウは可愛い。俺の運命。愛しい番――」

 ねだればねだるだけ、たくさんの愛の言葉が紡がれる。
 キスも言葉もたくさんほしい。口が一つしかないのが残念だ。

 アークの口の端にちゅ、と口づけると、すかさず噛みつかれた。スノウの柔らかい唇を味わうようにもぐもぐと食べて、熱い舌が侵入してくる。

「んっ……だぁめ、脱がせ、られない、っ」
「スノウが早くしてくれないから」

 顔を背けても力強い手で引き戻されて、また食べられる。
 アークの口づけはスノウを蕩かせてしまうから厄介だ。頭がほわほわして何も考えられなくなってしまう。

「ん、ぁ……んぅ……っ」

 襟元に掛けた手に力を籠める。
 ぷつ、と音がしてボタンが転がっていった。思っていたより簡単にシャツって破けるみたい。

「ふ、さすが獣人。魔力を主に使う雪豹といえども、力は強いな」
「……ん、ぼく、つよい……?」

 ぼんやりとした頭でなんとかアークの言葉を咀嚼する。
 最後のボタンがどこかにいって、現れた逞しい身体にスノウはうっとりと抱きついた。

 肌同士が触れて境界線がなくなる。香りが混ざり合い一つになる感覚が好きだ。
 もっともっとたくさんほしい。

「あぁ、強くなった。……そろそろ、体力もついてきたんじゃないか」
「……ん、僕、つよい」

 褒められて口元が緩む。
 アークに認められるのが一番嬉しい。

 ちゅ、ちゅ、とアークの胸元に口づけて、時々甘噛みする。微かに残る痕に、心がぞわりと蠢いた。
 嬉しくて楽しくて、それだけじゃない感情が心に満ちてくる。

「おっと……マーキングか。……そうだな。俺はスノウのものだから、たくさん付けていいぞ」
「ぅん、たくさん、つける……」

 アークの白い肌に赤い痕が残る。
 それは新雪に足跡を残すような楽しさと同時に、アークへの愛しさを感じさせた。

「……スノウばかりではずるいから、俺もするけどな」
「んっ!? ぁ、やぁっ」

 ぎゅっとお尻が掴まれて、後孔を指でくすぐられる。中から溢れ出していたものがクチュクチュと湿った音を立てた。
 ビリビリと痺れるような甘やかで強い刺激が身体を走る。
 思わずアークの身体に縋りついて、くったりと身を預けた。せっかくアークの身体を楽しんでいたところだったのに、ひどい。

「み、ぁ……ぼく、っ……そんな、こと、してなぃっ」
「ん? スノウが俺に痕を残して独占欲や征服欲を満たすように、俺も、スノウのここを可愛がって楽しむんだよ」

 愉悦の滲む声で囁かれる。
 耳を食まれて、身体が震えた。あっさりとアークに主導権を奪われて、スノウは喘ぐしかない。
 身体を這う手の熱さに、耳に注ぎ込まれる声の色っぽさに、早々に白旗を上げた。

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