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245.あなたに捧げる
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軽食を済ませ談笑していると、あっという間に出発の時間になっていた。
僅かに緊張感をよみがえらせながら、ノアが立ち上がったところで、呼びに来た侍女の一人に止められる。
「ノア様、口紅が落ちてしまわれています」
「え……あ……」
ノアが真っ先に思い至ったのは、サミュエルとのキスだ。あれで、口紅が落ちてしまったに違いない。
「お食事をされた後なのですから、仕方ありませんよ」
慌てるノアを、侍女が微笑みつつ宥める。手早く直してくれる侍女に任せながら、ノアは少し罪悪感を抱いた。
食事が理由ではないと分かっている。
チラリとサミュエルを窺うと、「へぇ、いつもより艶があると思っていたけど、口紅ね。うん、それくらい色が薄いと、ノアにもよく似合うね」と平然と侍女に話しかけていた。
ロウはそれを冷めた目で見ている。
「サミュエル様……」
ここで嘘でも申し訳なさそうにすれば、ロウも態度を和らげるだろうにと思って、ノアは名を呼んで咎めた。サミュエルは機嫌良さそうに微笑むだけだったけれど。
「キスしたくなる唇だよね」
「まぁ……」
まだ初らしい侍女が、サミュエルとノアを交互に見て頬を染める。
ノアは本格的に咎めるつもりで、サミュエルの腕を軽く叩いた。
「お戯れはほどほどになさいませ」
「……分かったよ。機嫌を悪くしたかい?」
差し出されるサミュエルの腕に手を回しながら、ノアはチラリと顔を見上げる。サミュエルは言葉のわりにあまり反省した様子はなく、むしろ何が楽しいのか、目尻を下げて微笑んでいた。
「ノア様、お可愛らしい……」
「リリー」
「失礼いたしました」
侍女から漏れた言葉を、ロウが咎める。スッと頭を下げた侍女は、ノアの服を軽く整えて、ヴェールと頭飾りまで付けると壁際に下がった。
ノアは『可愛い』とはどういうことだろうかと真剣に頭を悩ませる。咎めたつもりが、サミュエルのみならず侍女にまで『可愛い』としか思われないとは、何かが根本的に間違っていた気がする。
「ノア――」
サミュエルにエスコートされ、玄関まで向かおうとしていたところで名を呼ばれる。耳元に笑みを含んだ息がかかった。
「真っ赤な顔で『お戯れ』とか言われると、可愛いし色っぽいだけだよ」
「な……そんなことを、今、おっしゃる必要がありましたかっ?」
「悩んでいるようだったからね」
恥ずかしくて顔を上げられない。ノアは掴んでいるサミュエルの腕を軽くつねってみたけれど、サミュエルは楽しそうに肩を揺らした。どうやっても、サミュエルを反省させられる気がしない。
これ以上、からかわれてたまるかという気分で口を閉ざすと、サミュエルが少し雰囲気を変えた。馬車まであと少し。この後のノアたちにほとんど自由はないから、このまま会話を終えるのは良くないと思ったのかもしれない。
「――ノア」
「……なんでしょう」
再びの呼びかけに、ノアは少し警戒を滲ませながら答える。結婚式に向けて心はいっぱいいっぱいで、余計なことを考える余裕はなかった。
「サムシングフォーだったかな」
唐突に投げ出された言葉に、ノアは小さく息を呑む。トクリと心臓が音を立てた気がした。
「ノアにとても似合っているよ。ランドロフ侯爵家の伝統を受け継いでいくという覚悟も、私との結婚が幸せなものになるようにとの願いも、未来への期待も――私に清らかな穢れなき想いを捧げてくれようとしているのも、とても嬉しい」
甘い声音だ。耳から蕩けさせて、ノアを駄目にしてしまいそうなくらい、愛情の籠もった言葉だ。そして、ノアの覚悟を、サミュエルがしっかりと受け止めてくれたことを伝えてくれている。
ノアはヴェールの飾りに添えられた青い花を指先で辿った。サムシングフォーのブルーが示すのは、誠実な愛情と純潔。
「……すべて……僕のすべてを、今日、サミュエル様に捧げます」
サミュエル以外の誰にも聞こえないくらいの小さな声で、ノアは囁いた。火が出そうなほど顔が熱い。でも、いくら恥ずかしくなろうと、言葉でも伝えたい想いだった。
長い時間をサミュエルに我慢させた。その想いに報いたい。
「っ……それは、ちょっと、卑怯だ……」
「え?」
思いがけない返事に、ノアは反射的にサミュエルを見上げる。ヴェール越しでも、サミュエルが口元を手で押さえて、目を伏せているのが見えた。
その状態でも歩みを止めないのはすごいなと、ノアは見当外れな感想を抱く。そうなってしまうくらい、サミュエルが照れている姿が驚きだったのだ。
「サミュエル様?」
手伝いから解放されて合流したザクが、不審げに問いかける。サミュエルは何も答えず、手を下ろしざまに軽く横に払った。放っておけの合図だ。
階段を下りると、大きく開かれた玄関扉の向こうに、大きな馬車が見える。それに乗って、大聖堂まで向かうのだ。
傍には両親が立ち、たくさんの使用人がノアの出発を見送るために控えていた。
両親とは、既に結婚前の挨拶を済ませている。頷き、馬車へと促す二人に微笑み返しながら、ノアはサミュエルのエスコートを受けて、馬車に乗り込んだ。
「ノア」
出発間際、ノアが両親に手を振る横で、サミュエルが囁く。チラリと視線を向けると、愛情深い眼差しがノアを見守っているのが分かった。
「――愛している。一生、大切にするよ」
それが、ノアが告げた言葉への返事だと気づく。同時に、ノアの心に大きな喜びと幸福感が満ちた。
僅かに緊張感をよみがえらせながら、ノアが立ち上がったところで、呼びに来た侍女の一人に止められる。
「ノア様、口紅が落ちてしまわれています」
「え……あ……」
ノアが真っ先に思い至ったのは、サミュエルとのキスだ。あれで、口紅が落ちてしまったに違いない。
「お食事をされた後なのですから、仕方ありませんよ」
慌てるノアを、侍女が微笑みつつ宥める。手早く直してくれる侍女に任せながら、ノアは少し罪悪感を抱いた。
食事が理由ではないと分かっている。
チラリとサミュエルを窺うと、「へぇ、いつもより艶があると思っていたけど、口紅ね。うん、それくらい色が薄いと、ノアにもよく似合うね」と平然と侍女に話しかけていた。
ロウはそれを冷めた目で見ている。
「サミュエル様……」
ここで嘘でも申し訳なさそうにすれば、ロウも態度を和らげるだろうにと思って、ノアは名を呼んで咎めた。サミュエルは機嫌良さそうに微笑むだけだったけれど。
「キスしたくなる唇だよね」
「まぁ……」
まだ初らしい侍女が、サミュエルとノアを交互に見て頬を染める。
ノアは本格的に咎めるつもりで、サミュエルの腕を軽く叩いた。
「お戯れはほどほどになさいませ」
「……分かったよ。機嫌を悪くしたかい?」
差し出されるサミュエルの腕に手を回しながら、ノアはチラリと顔を見上げる。サミュエルは言葉のわりにあまり反省した様子はなく、むしろ何が楽しいのか、目尻を下げて微笑んでいた。
「ノア様、お可愛らしい……」
「リリー」
「失礼いたしました」
侍女から漏れた言葉を、ロウが咎める。スッと頭を下げた侍女は、ノアの服を軽く整えて、ヴェールと頭飾りまで付けると壁際に下がった。
ノアは『可愛い』とはどういうことだろうかと真剣に頭を悩ませる。咎めたつもりが、サミュエルのみならず侍女にまで『可愛い』としか思われないとは、何かが根本的に間違っていた気がする。
「ノア――」
サミュエルにエスコートされ、玄関まで向かおうとしていたところで名を呼ばれる。耳元に笑みを含んだ息がかかった。
「真っ赤な顔で『お戯れ』とか言われると、可愛いし色っぽいだけだよ」
「な……そんなことを、今、おっしゃる必要がありましたかっ?」
「悩んでいるようだったからね」
恥ずかしくて顔を上げられない。ノアは掴んでいるサミュエルの腕を軽くつねってみたけれど、サミュエルは楽しそうに肩を揺らした。どうやっても、サミュエルを反省させられる気がしない。
これ以上、からかわれてたまるかという気分で口を閉ざすと、サミュエルが少し雰囲気を変えた。馬車まであと少し。この後のノアたちにほとんど自由はないから、このまま会話を終えるのは良くないと思ったのかもしれない。
「――ノア」
「……なんでしょう」
再びの呼びかけに、ノアは少し警戒を滲ませながら答える。結婚式に向けて心はいっぱいいっぱいで、余計なことを考える余裕はなかった。
「サムシングフォーだったかな」
唐突に投げ出された言葉に、ノアは小さく息を呑む。トクリと心臓が音を立てた気がした。
「ノアにとても似合っているよ。ランドロフ侯爵家の伝統を受け継いでいくという覚悟も、私との結婚が幸せなものになるようにとの願いも、未来への期待も――私に清らかな穢れなき想いを捧げてくれようとしているのも、とても嬉しい」
甘い声音だ。耳から蕩けさせて、ノアを駄目にしてしまいそうなくらい、愛情の籠もった言葉だ。そして、ノアの覚悟を、サミュエルがしっかりと受け止めてくれたことを伝えてくれている。
ノアはヴェールの飾りに添えられた青い花を指先で辿った。サムシングフォーのブルーが示すのは、誠実な愛情と純潔。
「……すべて……僕のすべてを、今日、サミュエル様に捧げます」
サミュエル以外の誰にも聞こえないくらいの小さな声で、ノアは囁いた。火が出そうなほど顔が熱い。でも、いくら恥ずかしくなろうと、言葉でも伝えたい想いだった。
長い時間をサミュエルに我慢させた。その想いに報いたい。
「っ……それは、ちょっと、卑怯だ……」
「え?」
思いがけない返事に、ノアは反射的にサミュエルを見上げる。ヴェール越しでも、サミュエルが口元を手で押さえて、目を伏せているのが見えた。
その状態でも歩みを止めないのはすごいなと、ノアは見当外れな感想を抱く。そうなってしまうくらい、サミュエルが照れている姿が驚きだったのだ。
「サミュエル様?」
手伝いから解放されて合流したザクが、不審げに問いかける。サミュエルは何も答えず、手を下ろしざまに軽く横に払った。放っておけの合図だ。
階段を下りると、大きく開かれた玄関扉の向こうに、大きな馬車が見える。それに乗って、大聖堂まで向かうのだ。
傍には両親が立ち、たくさんの使用人がノアの出発を見送るために控えていた。
両親とは、既に結婚前の挨拶を済ませている。頷き、馬車へと促す二人に微笑み返しながら、ノアはサミュエルのエスコートを受けて、馬車に乗り込んだ。
「ノア」
出発間際、ノアが両親に手を振る横で、サミュエルが囁く。チラリと視線を向けると、愛情深い眼差しがノアを見守っているのが分かった。
「――愛している。一生、大切にするよ」
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