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246.祝いの歓声
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馬車が王都の街を巡る。
貴族の嫡子の結婚は、王都で盛大に祝われるのが通例だ。とはいえ、伯爵家以下では、沿道に花が飾られ、時折祝いの声を掛けられる程度。
でも、今日の結婚は、優れた領政で知られ、王都民からの人気も高いランドロフ侯爵家のものである。それに加えて、その結婚相手は、かつての王太子の婚約者であり、国一番の大貴族であるグレイ公爵家の令息だ。
盛り上がり方が、他の貴族の場合とはまったく違うのは仕方ない。
ノアは沿道沿いに飾られた大量の花と、馬車の行く道を飾るように振りまかれる色とりどりの花びら、そしてなにより、沿道を埋め尽くし祝いの声を上げる人々の声に驚いた。
「すごい……」
言葉を失い、目を丸くするノアの手首をサミュエルが掴む。促されて、車窓から手を振ると、黄色い歓声が上がった。まるで王家の結婚を祝うような盛り上がり方である。
民衆と馬車を遮るように、沿道には王家から借り受けた騎士団が整然と並び、ノアたちの警護を務めてくれていた。
沿道での警備のために騎士団を貸すと提案してくれたのはルーカスで、ノアはそこまでするほどかと思っていたのだけれど、一応受け入れたという経緯がある。今回の様子を見るに、ルーカスの判断が正しかったということだろう。
「これ、大丈夫でしょうか……」
「多少の混乱は起きているようだけど、問題ないだろう。――ほら、あそこ、商売をしている者がいる。もう祭りのような様相だね」
サミュエルが外に手を振りながら、面白そうに呟いた。喧騒のおかげで、普通に会話をしていても、内容を聞かれる恐れがないのはいいことである。
ノアはサミュエルに示された方を見ながら、小さく苦笑を浮かべた。花や飲み物、甘いもの、そして土産物まで、多種多様な物を売る者たちが、声を上げている。これはノアたちへの祝いは完全についでのようだ。
祝いの気分は財布の紐を緩めるようで、飛ぶように商品が売れていく。景気がいいのは良いことだ。
「……領内でのお披露目のときも、同じような景色が見られそうですね」
次期領主としては喜ぶべきか、嘆くべきか。
ノアは呟きながら、そんな幸せな光景を思い浮かべて微笑んだ。
「領では、また少し違いそうだけどね」
「え?」
予想外の答えを返すサミュエルを、ノアはチラリと横目で窺った。サミュエルは面白そうに微笑んでいる。
「だって、ノアの慕われ具合は、王都での比ではないだろう。皆、心から祝うだろうから、馬車でお披露目をしている最中は、商売なんてできやしないよ。まぁ、馬車が通り過ぎた後は、一気に盛況になるだろうけどね」
「……なるほど」
そういう考え方もあるのかと納得したノアは、真剣にお披露目の際の警備体制を増強すべきではないかと悩んだ。万全を期しているつもりだけれど、この王都での光景を見ると、足りない気がする。
「ノア、悩むのは後にして、今はきちんと彼らの想いを受け取ろう」
よそ見を咎めるように、サミュエルから注意を促されて、ノアはハッと息を呑んだ。状況に驚くあまり、人々の想いを無にするような振る舞いをしてしまったと、自分を恥じる。
「……すみません」
「謝ることはないさ。こうして、その美しい姿を人目にさらしているだけでも、彼らは満足しているだろうしね」
サミュエルがからかうように言う。でも、それは本心からの言葉に聞こえて、ノアは少し胡乱な気持ちでサミュエルを窺った。
「そこまでの自信は、僕にはないのですが」
「ノアは自覚が足りないからね」
ささやかな否定はあっさりと受け流される。ノアは納得できない思いを抱えながらも、今は祝意を示してくれている皆に感謝を伝えるべく、手を緩やかに振った。
途端に上がる歓声に引き攣った頬は、ヴェールが隠してくれていただろうか。ヴェールを付けるよう推してくれたサミュエルには感謝するしかない。
「あ……」
途切れることなく続く民衆の列の先に、美しい大聖堂が建っていた。
白い日差しに照らされて輝く白亜の建造物は、神聖で厳かな雰囲気を漂わせ、ノアの心を引き締める。
「大聖堂って、美しいですけど威容のある建物ですよね」
「建国当初から、何度も改修を行いながら現存している建物だからね。抱える歴史が重いのが伝わってくるのかもしれない。……まぁ、ただの建物だけど」
ノアの緊張を和らげるように、サミュエルが言い添える。ノアはフフッと笑ってしまった。
王城に並ぶ権力の中枢である大聖堂を、ただの建物と言い切れるサミュエルはやはりすごいと、感心と呆れ混じりの微笑みである。
「これから、式を挙げる場所をただの建物とは……」
「私にとっては、ノアとの誓いを立てられるなら、どこであっても天上のように素晴らしい場所に早変わりだから」
「その辺の街角でも?」
「なんだかドラマティックな光景が生まれそうだね。跪いて、百本の薔薇と共に、愛を捧げようか。『あぁ、愛しき人。あなたと共に一生を過ごしたい。この愛を受け取ってほしいんだ。天上におわす神よ、私たちの愛を赦したまえ……』ってね。それとも指輪を送るかい?」
歌劇の一場面を引用して囁くサミュエルに、ノアはクスリと笑みをこぼした。
普通の人がしたら引いてしまうような振る舞いだけれど、サミュエルなら違和感なくやり遂げてしまいそうだ。というか、普通に格好いいし、少し見てみたい気もする。
「それはそれで素敵ですが、神様がどこへ祝福をもたらせばいいのか、探してしまいそうですね」
「ノアが輝いているから、問題ないさ」
「サミュエル様の間違いでは?」
日差しを受けてキラキラと輝くサミュエルの髪を、ノアは横目で窺って深く頷いた。この眩さがあれば、どこで神に誓いを立てようと、神がすぐさま気づいてくれそうだ。
サミュエルとの会話により緊張が和らいだところで、馬車が止まる。いつの間にか大聖堂の入口に辿り着いていた。
貴族の嫡子の結婚は、王都で盛大に祝われるのが通例だ。とはいえ、伯爵家以下では、沿道に花が飾られ、時折祝いの声を掛けられる程度。
でも、今日の結婚は、優れた領政で知られ、王都民からの人気も高いランドロフ侯爵家のものである。それに加えて、その結婚相手は、かつての王太子の婚約者であり、国一番の大貴族であるグレイ公爵家の令息だ。
盛り上がり方が、他の貴族の場合とはまったく違うのは仕方ない。
ノアは沿道沿いに飾られた大量の花と、馬車の行く道を飾るように振りまかれる色とりどりの花びら、そしてなにより、沿道を埋め尽くし祝いの声を上げる人々の声に驚いた。
「すごい……」
言葉を失い、目を丸くするノアの手首をサミュエルが掴む。促されて、車窓から手を振ると、黄色い歓声が上がった。まるで王家の結婚を祝うような盛り上がり方である。
民衆と馬車を遮るように、沿道には王家から借り受けた騎士団が整然と並び、ノアたちの警護を務めてくれていた。
沿道での警備のために騎士団を貸すと提案してくれたのはルーカスで、ノアはそこまでするほどかと思っていたのだけれど、一応受け入れたという経緯がある。今回の様子を見るに、ルーカスの判断が正しかったということだろう。
「これ、大丈夫でしょうか……」
「多少の混乱は起きているようだけど、問題ないだろう。――ほら、あそこ、商売をしている者がいる。もう祭りのような様相だね」
サミュエルが外に手を振りながら、面白そうに呟いた。喧騒のおかげで、普通に会話をしていても、内容を聞かれる恐れがないのはいいことである。
ノアはサミュエルに示された方を見ながら、小さく苦笑を浮かべた。花や飲み物、甘いもの、そして土産物まで、多種多様な物を売る者たちが、声を上げている。これはノアたちへの祝いは完全についでのようだ。
祝いの気分は財布の紐を緩めるようで、飛ぶように商品が売れていく。景気がいいのは良いことだ。
「……領内でのお披露目のときも、同じような景色が見られそうですね」
次期領主としては喜ぶべきか、嘆くべきか。
ノアは呟きながら、そんな幸せな光景を思い浮かべて微笑んだ。
「領では、また少し違いそうだけどね」
「え?」
予想外の答えを返すサミュエルを、ノアはチラリと横目で窺った。サミュエルは面白そうに微笑んでいる。
「だって、ノアの慕われ具合は、王都での比ではないだろう。皆、心から祝うだろうから、馬車でお披露目をしている最中は、商売なんてできやしないよ。まぁ、馬車が通り過ぎた後は、一気に盛況になるだろうけどね」
「……なるほど」
そういう考え方もあるのかと納得したノアは、真剣にお披露目の際の警備体制を増強すべきではないかと悩んだ。万全を期しているつもりだけれど、この王都での光景を見ると、足りない気がする。
「ノア、悩むのは後にして、今はきちんと彼らの想いを受け取ろう」
よそ見を咎めるように、サミュエルから注意を促されて、ノアはハッと息を呑んだ。状況に驚くあまり、人々の想いを無にするような振る舞いをしてしまったと、自分を恥じる。
「……すみません」
「謝ることはないさ。こうして、その美しい姿を人目にさらしているだけでも、彼らは満足しているだろうしね」
サミュエルがからかうように言う。でも、それは本心からの言葉に聞こえて、ノアは少し胡乱な気持ちでサミュエルを窺った。
「そこまでの自信は、僕にはないのですが」
「ノアは自覚が足りないからね」
ささやかな否定はあっさりと受け流される。ノアは納得できない思いを抱えながらも、今は祝意を示してくれている皆に感謝を伝えるべく、手を緩やかに振った。
途端に上がる歓声に引き攣った頬は、ヴェールが隠してくれていただろうか。ヴェールを付けるよう推してくれたサミュエルには感謝するしかない。
「あ……」
途切れることなく続く民衆の列の先に、美しい大聖堂が建っていた。
白い日差しに照らされて輝く白亜の建造物は、神聖で厳かな雰囲気を漂わせ、ノアの心を引き締める。
「大聖堂って、美しいですけど威容のある建物ですよね」
「建国当初から、何度も改修を行いながら現存している建物だからね。抱える歴史が重いのが伝わってくるのかもしれない。……まぁ、ただの建物だけど」
ノアの緊張を和らげるように、サミュエルが言い添える。ノアはフフッと笑ってしまった。
王城に並ぶ権力の中枢である大聖堂を、ただの建物と言い切れるサミュエルはやはりすごいと、感心と呆れ混じりの微笑みである。
「これから、式を挙げる場所をただの建物とは……」
「私にとっては、ノアとの誓いを立てられるなら、どこであっても天上のように素晴らしい場所に早変わりだから」
「その辺の街角でも?」
「なんだかドラマティックな光景が生まれそうだね。跪いて、百本の薔薇と共に、愛を捧げようか。『あぁ、愛しき人。あなたと共に一生を過ごしたい。この愛を受け取ってほしいんだ。天上におわす神よ、私たちの愛を赦したまえ……』ってね。それとも指輪を送るかい?」
歌劇の一場面を引用して囁くサミュエルに、ノアはクスリと笑みをこぼした。
普通の人がしたら引いてしまうような振る舞いだけれど、サミュエルなら違和感なくやり遂げてしまいそうだ。というか、普通に格好いいし、少し見てみたい気もする。
「それはそれで素敵ですが、神様がどこへ祝福をもたらせばいいのか、探してしまいそうですね」
「ノアが輝いているから、問題ないさ」
「サミュエル様の間違いでは?」
日差しを受けてキラキラと輝くサミュエルの髪を、ノアは横目で窺って深く頷いた。この眩さがあれば、どこで神に誓いを立てようと、神がすぐさま気づいてくれそうだ。
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