十二年付き合った彼氏を人気清純派アイドルに盗られて絶望してたら、幼馴染のポンコツ御曹司に溺愛されたので、奴らを見返してやりたいと思います

塔原 槇

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第四章 最悪の再会と衝撃の宣言

五十五話

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「……兎山!聞いているのか!」


 部長の怒鳴る声で我に返る。

 そうだ、会議中だった。


「……っ、すみません、もう一度仰っていただけますか?」

「全く……だからな、今度取引する企業だが……」


 仕事中も、考えるのは雄介と桃澤のことばかり。

 部長の言葉も文字の羅列としてしか耳に入ってこず、意味をなさない。

 どうしよう、集中しないといけないのに……


「……ということだ。分かったか、兎山」

「……はい、ありがとうございます」


 テンプレートな返事を返し、俺はその場をやり過ごした。


「兎山先輩、お昼行きますか?」


 麗音にそう声をかけられて、はっと時計を見る。

 もうそんな時間か。

「……いや、いいや。先行っててくれ」

「……わかりました。無理しないでくださいね」


 麗音は力なく返事をして、食堂に向かった。


 麗音が出ていってから十数分後。


「そろそろ行くか……」


 俺は重い腰を上げて食堂へ向かった。

 昼休み後半ともあり、食事をしている人はまばらだった。

 いつものA定食の食券を取り、カウンターに向かおうとしたとき。


「では、今月のマンスリーゲストをお呼びしましょう、マンスリーゲストは、桃澤久留美さんです!」

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