十二年付き合った彼氏を人気清純派アイドルに盗られて絶望してたら、幼馴染のポンコツ御曹司に溺愛されたので、奴らを見返してやりたいと思います

塔原 槇

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第六章 突然の別れ

百二十一話

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「どうやら、ギリギリ間に合ったようだな」


 俺は息を切らしながらそう続ける。


「な……」


 麗音が口を開く前に、社長が怒鳴った。


「な……何故だ貴様!何故ここにいる!東京で最も奥地にある、この式場に!」

「あんたの思考をちょっと考えてみたんだよ、姿を見せずにコソコソやる卑怯なあんたのことだから、どこか人目につかない所で行うだろうってな。体調的にも東京からは出たくないだろうし、ってことでここに賭けたら当たりだったって訳だ」

「ぐ、ぐぬぬ……おいお前達、この男をつまみ出せ!」


 参列者がわっと俺の方へ向かってくる。


「止めろ!」


 突如、大声がして会場がしん、と静まり返った。

 麗音が真剣な眼差しで会場全体を見渡した。


「彼は、僕が招待した大切なお客様です。どうか手荒な真似は避けてもらえますか」

「麗音、こいつは……」

「お父様。神聖な場所での争いは、くれぐれもお止めください」


 社長が不服そうに座る。

 俺も一番後ろの端に腰掛ける。


「……では、気を取り直して、新郎、永遠の愛を誓いますか?」


 麗音はゆっくりと口を開いた。


「……はい、誓います」


 俺は気が狂いそうだった。

 あんなに頑張ったのに、麗音を助けられなかった。

 麗音、どうして……



 どうして俺の目の前にいるんだ?


「私、有栖川麗音は、兎山俊太郎の事を永遠に愛すると誓います」

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