え?私?乙ゲーのモブですよ?だから来ないで!!

ツカ

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第3話 婚約者と会う私

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「おはようございます。レミーウィル様」
「んんう……やだぁー…あと5分……」
「早く起きないと、サファリア様が拗ねてしまいます」
「サファ…連れてきてぇー」
「ダメです、レミーウィル様。もうチェリス様がいらっしゃいますので、準備してください」
「チェリス!?……チェリス?」
「婚約者です」
「お…起きなきゃ…」

本能が言ってるんです。起きろと。なぜかは知りません。

→→→お着替えタイム!

姿見の前でくるくると回る私。どうも!レミーウィルです!
今、パジャマ姿の自分を姿見で見てました。だってなんか、可愛いのになんか冷たい!!
まず表情筋。無表情だと口角が下がっていて不機嫌みたい。たれ目でゆるふわウェーブで可愛いのに…。
試しにニコォッと笑ってみる。
あら、普通に可愛い。つまりはたくさん笑えば良いんだね!
そして服。
パジャマは黒と灰色のチェック。(ワンピース)
パジャマもワンピースってどういうことー…。
レミーウィルの服って無彩色が多いんだよね。だからなのかなー…。よっしゃ、ピンクと白の純粋!ゆるふわ夢ガールを目指そう!!!
ごめんなさい。やってて恥ずかしくなった。なんでもないです。
いやでも、言ってることは正しいはず。もうちょっと色を増やしたいよね。せっかく可愛いんだし。

「アリン。いる?」
「はい。ただ今ここに」
「こう、彩のある服ってありますか?白や黒じゃなくて。」
「はい。ありますよ」
「今日はそれを着て良いですか?」
「もちろんです」

というわけで、今日の服は可愛くなった!!
白のワイシャツ?にピンクのスカート。黒の紐リボンでアクセントをつけてー!!
ごめんなさい。偉そうに言ってるけど全てアリンさん任せです。まぁいいよね!!

コンコン

「はい、どうぞ」

ノック?誰だろう。こんな朝早くに…?
※もう七時です。

「失礼するぞ。おい、レミィ。遅いじゃないか」
「えっと…」

来ましたイケメン!こいつは…うん。ね。
青っぽい銀髪に青目。さすがイケメン。服はなんか黒いかっこいいやつ。タキシードみたいな?よくわからん。なんか貴族っぽい。貴族だけど!!

「おはようございます。チェリス様」
「ああ、おはよう。レミィ、約束を守らないのはどうなんだ?せめて遅くなると伝えたりはしないのか」
「すみません。チェリス様。お洋服を選ぶのに時間がかかってしまいましたわ」
「洋服?…ああ、いつもと違うな。かわ__失言だ。なんでもない」

かわ?可哀想ってこと?この野郎許さない。

「?そうですか。すみませんが、今日は何を?」
「あ?今日は学園のメンバー紹介だろうが。まさか忘れてたのか?」
「そうだったんですね。少し記憶が曖昧で…」
「…そうだな。病み上がりだったな。考慮せずに言ってすまなかった。」
「いえ、大丈夫です!チェリス様の言うことももっともですし…」

コンコン

「はい、どうぞ」

ドアからノックの音がした。誰だろう…?てか、行かなくていいのかな。

「やっほー。チェリスを呼びに来たよ!もー…チェリスがレイを呼びに行くって言ったから任せたのに、ミイラ取りがミイラになる、だね」
「私がお時間を頂いていました。すみません…」
「ううん!レイのせいじゃないよ!準備はできているんだよね?早く行くよ!」
「そうですわね!行きましょう」

(ねぇ、レイ性格変わったよね?なんかこう…柔らかくなった?)
(…そうだな。服もいつもと違うらしい。)
(えー、なになに、惚れちゃったの?)
(なっ!!そんなことはない!)
(へぇー?)

新しく人間が来た。こいつは………誰?
綺麗な黒髪に真っ赤な目。白い服に黒いズボンに赤いネクタイ。なんかチャラい。

→→→学園のメンバー確認

私たちは歩いてそこへ向かった。私たちが入学するのはアルメディー学園というらしい。ここの言語で『栄光』って意味なんだけど、他の意味では『実力主義』ってのもあるみたい。
ちなみに、行ってる時に確認したけどチャラいのはミュディー・クリップと言うらしい。私の幼馴染。

「着きました!」
「ああ。ここが来週から通うアルメディー学園だな」
「なんか、フツーだね」
「会場は…M室ですね。行きましょう」
「ああ。…どこにあるかわかるか?」
「M室は大きいと言われているので…とりあえず行ってようと思いました」
「んー、あれかな?確かに大きいね」

ここの学園は珍しく『体育館』とかじゃなくて『M室』とからしい。クッ、めんどくさい。

「えっと…はい!ここですね!板に書いてあります」
「ああ、そうだな。」
「ね!早く入ろー!!」

中には少ないけど人がいて、テーブルにはお菓子が並んでいた。飲み物もレッドティー(つまり紅茶)やコーヒーがあった。
私たちが入ると、中にいた人の目線はみんなこちらへ向いた。なんか…注目されるのは慣れない…。

「あ!!ミュディー様!おはようございますわ!!」
「ああ…スフィー。おはよう」

3人ほどのグループが私たちへ近づいた。誰だよ。
そのグループは全員女性。
1人は金髪縦ロールに青目。白のピンクワンピースドレス、背中に赤いでっかいリボン。かわいい。
1人は金髪のふわふわロングに青い目。白とピンクのドレス。頭に赤のでっかいリボン。可愛い。
1人はピンクのツインテールに赤目。黒とピンクのドレス。ツインテの両サイドに赤いリボン。可愛い。
つまり、可愛い。3人とも。
でもミュディーは嫌な顔をして返事をした。…好きじゃないのかな?
因みに話しかけたのは金髪縦ロール。いわゆる悪役令嬢様なのかな?

「…ミュディー様、お隣の女性はどなたでしょうか」
「ああ、僕のだよ」
「そうですか。」

なんか私、敵対されてる。不思議。

「私はレミーウィル・カンザキです。よろしくおねがいいたします」
「ワタクシはリナフィー・リネットですわ。ミュディー様の婚約者ですの。」

よろしくしないんかい。てか、ミュディーの婚約者なんだ。ふーん。まぁ大変そうだね。ミュディー。

てか、聞いたことある…。
『アルメディー学園』『リナフィー・リネット』『ミュディー・クリップ』『チェリス・○○○○』



































思い出した!!!!
私が前世(?)でハマってた、『ドキドキ!闇を抱えるケモノ達を魅了して!?』とかいう乙女ゲームじゃない!?
今まで出てきた男達は全員攻略対象だよね!?
でも、レミーウィルの名前は知らない…なら、モブ?ヒロインと関わって断罪ってことはなさそう!よっしゃ!!
確かお父様のコーキさんも攻略対象だったはず…。どういうゲームやねん!!
私はイラストが好きだったんだよなー。くっそ、面倒なことになったぞー……。
だとしたら、チェリスの家名はリューゼグル?カッケェな!!←厨二病

「言っておきますけど、ワタクシの邪魔はしないでもらえるかしら?」

邪魔しませんけど。
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