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王子様との出会い
20.急患と王弟殿下の妨害
王子様が急に呼び出されたのは、お姉様の結婚式から二か月が経った、秋の日のことだった。
国立病院で急患が出たのだという。
早急に癒しの力で対応すれば助かるが、長引かせると命にかかわるという病気だった。
王子様は素早く準備をしている。わたくしも侍女に手伝ってもらって準備をして、コンラッドお義兄様と一緒に馬車に乗り込んだ。
王族は癒しの力を持っているので、国民に奉仕しなければいけない。
それはこの国が建国されて以来の決まり事だった。
魔法を使えるのはこの国でも一握りのひとたちだけで、本当に数が少ない。
他のひとたちは、魔法具などの力を借りて生きているようだった。
王子様の護衛としても役に立てるように警戒しつつ、国立病院まで行く。国立病院に着くと、王子様は素早く急患の病室に入れられた。
わたくしは王子様と病室に一緒に入るようになってから、ずっと王子様のそばを離れないことを決めている。
病室のベッドの上でたくさんの管に繋がれて意識のない患者さんに、王子様が手をかざして癒しの力を使う。血の気が引いている患者さんの顔色が少しずつよくなって、意識を取り戻したのか、げほげほと咳き込み始めた。
「後はわたしたちで処置をします。ありがとうございました」
管が外されていく患者さんは、自力で呼吸ができるようになったようだった。
ほっとしていると、王子様の顔色が悪い気がする。握り締めている王子様の手が、じっとりと汗をかいていて、冷たいような気がする。
「王子様、大丈夫?」
「レオ殿下、力を使いすぎたのではないですか」
倒れそうになっている王子様を、コンラッドお義兄様がそっと抱き上げた。王子様の手がわたくしの手から外れてしまって、わたくしは心配で泣きそうになってしまう。
顔色の悪い王子様は国立病院で少し休んでから帰ることになった。
「コンラッド兄様、患者さんは?」
「無事に意識を取り戻しました。レオ殿下は少しお休みください」
「ここでは休めません。城に連れて帰ってくれませんか?」
国立病院では休めないという王子様を抱き上げて、コンラッドお義兄様は馬車に乗せた。馬車の中で王子様はコンラッドお義兄様に支えられていた。
わたくしにはよく分からないが、今回の治療はとても難しかったのだろう。王子様がこんなにも消耗するだなんて。
心配で王子様の手を握れば、王子様が弱弱しく握り返してくれる。
「フィーネ嬢、少し休めば平気ですから」
「早く王宮に帰りましょうね」
王子様を励まして馬車があまり揺れないように、それでもできるだけ急いでもらうようにしていたら、馬車が急に止まった。
何ごとかと思ってコンラッドお義兄様を見れば、王子様をそっと馬車の椅子に横たわらせて、馬車から降りる。
「やはり、レオンハルトの馬車だったか。アルノルトがレオンハルトとその学友に会いたがっている。ぜひ寄って行ってくれ」
馬車を止めたのは末の王弟殿下だった。
どうやら馬車は末の王弟殿下のお屋敷のそばを通っていたようだ。
末の王弟殿下に止められては、御者も馬車を止めなくてはならない。
「レオ殿下は今、体調がよくないのです。失礼します」
「体調がよくないのだったら、わたしの屋敷で休んでいけばいい。部屋はある」
「レオ殿下はご自分の部屋以外では安らげないのです」
「そんな子どものようなことを言って。レオンハルトの体調のためにも、早く休ませてやった方がいいのではないか?」
どうしても引かない王弟殿下に、コンラッドお義兄様が焦れているのが分かる。無茶苦茶な王弟殿下だが、王族としての地位は高いので失礼のないようにしなければいけないのだろう。
わたくしが馬車から出ようとすると、王子様が手を握ってくる。王子様のそばを離れられないが、コンラッドお義兄様も助けたい。
どうすればいいか分からなくなるわたくしに、馬車の外から声が響く。
「ベルトラン公爵のご令嬢だけお招きしてもいいのだぞ?」
わたくしだけ王弟殿下のお屋敷に行く。
そうすれば王子様は足止めをされずに王宮に戻れて、コンラッドお義兄様も困らせられない。
「わたくし、行き……」
「行ってはいけません」
行こうと声を上げたわたくしを王子様が止める。王子様は血の気の引いた白い顔で、起き上がった。ゆっくりと馬車のドアを開けて、ステップを降りていく。
「叔父上、フィーネ嬢を連れて行ってどうするおつもりですか?」
倒れそうになる王子様を、コンラッドお義兄様が支えている。わたくしもそばに行きたかったが、王子様が「フィーネ嬢は馬車の中で待っていてください」と囁いたので、わたくしは動けなくなる。
「ベルトラン公爵令嬢とアルノルトとでお茶でもどうかと思っただけだ」
「アルノルトとフィーネ嬢を婚約させるのを諦めていないのですか?」
「ベルトラン公爵家にとってもいい話だろう? 元子爵家の小娘を養子に迎えたのだって、どこかの高位貴族の元に嫁に出して、縁を結ぶためだろう。それならば、我が家が一番相応しい」
そうだったのか。
ベルトラン公爵家がわたくしを養子にしたのは、わたくしをどこかの高位貴族の元にお嫁に出すためだったのか。
ショックを受けているわたくしが馬車の中で固まっていると、王子様がちらりとこちらを見た。
顔色も悪く脂汗もかいているが、王子様はわたくしを安心させるように頷いてくれている。
「ベルトラン公爵家は他の高位貴族と縁を結ばずとも、力のある家です。フィーネ嬢を道具のように使うはずがありません」
「そんなはずはない。貧乏子爵家の小娘を養子にもらうのには絶対何かの理由があるはずだ!」
「理由があったとしても、アルノルトと婚約させるためではないことははっきりと伝えておきましょう。ベルトラン公爵家は、叔父上との縁など、必要としていません」
はっきりと告げた王子様に、わたくしはほっと胸を撫で下ろす。
ベルトラン公爵家がわたくしを養子にした理由は分からないが、アルノルト様と結婚させるためではないことだけは分かって安心した。
「叔父上、わたしは国立病院で奉仕をしてきた帰りなのです。体調が悪いと言っているではないですか。それを無理やり引き留めた報いは受けてもらいますよ?」
「なぜ高貴な王族が下賤な民に癒しの力を授けねばならないのか。理解に苦しむ」
「そういえば、叔父上は奉仕活動を拒んでいらっしゃいましたね。アルノルトも。癒しの力を持つ王族は国民に奉仕すること。これは法律で定められていることです。いずれ、法律を破ったことを咎められる日が来るでしょう。生涯、奉仕活動に身を捧げられるのもいいかもしれませんね」
「レオンハルト!」
「それでは、わたしは失礼します」
言い捨てて馬車に乗り込んできた王子様は、馬車の椅子に座った途端、力が抜けてコンラッドお義兄様に支えられる。これ以上王弟殿下は馬車を止めることは無理だと思ったようで、馬車は動き出した。
馬車が王宮に着くと、王子様はコンラッドお義兄様に抱えられて、部屋に連れていかれた。楽な格好に着替えさせられて、ベッドで休んでいる王子様の元に、わたくしはそっと近付いていく。
王子様は目を閉じていたが、わたくしの足音に目を開けた。
宝石のようにきらきらと輝く美しい緑色の目が、少し陰っている気がする。
「王子様、わたくしを守ってくれてありがとうございました」
「フィーネ嬢を守るのはわたしの役目です」
「王子様、苦しくない?」
「かなりよくなってきました。フィーネ嬢、ベルトラン公爵家で声楽の練習を始めたそうですね」
そうなのだ。
わたくしはベルトラン公爵家で声楽の練習を始めた。その前のクラヴィス伯爵家にいるころから、ピアノの練習はしていたが、声楽は初めてだったので、ピアノに合わせて少しずつ簡単な曲から歌っている。
「簡単な曲しかまだ歌えないの」
「歌って聞かせてくれますか?」
「王子様、眠れなくなるんじゃない?」
「フィーネ嬢の歌声を聞いていたら元気が出そうです」
王子様がこうしてお願いをするなんて珍しかったから、わたくしは気合を入れて歌を歌った。簡単な童謡ばかりだったけれど、王子様は目を閉じてじっくりとわたくしの歌声を聞いてくれた。
歌い終わったら、王子様は拍手をしてくれた。
「フィーネ嬢の歌声はとても元気で、わたしまで元気になります」
「本当? わたくし、今度は子守唄を習ってくるわ」
「それは楽しみです」
王子様が休まねばならないくらい消耗することがないのが一番なのだが、そういうときには心安らぐような歌を歌って差し上げたい。
わたくしは、声楽の先生に子守唄を習おうと決めていた。
国立病院で急患が出たのだという。
早急に癒しの力で対応すれば助かるが、長引かせると命にかかわるという病気だった。
王子様は素早く準備をしている。わたくしも侍女に手伝ってもらって準備をして、コンラッドお義兄様と一緒に馬車に乗り込んだ。
王族は癒しの力を持っているので、国民に奉仕しなければいけない。
それはこの国が建国されて以来の決まり事だった。
魔法を使えるのはこの国でも一握りのひとたちだけで、本当に数が少ない。
他のひとたちは、魔法具などの力を借りて生きているようだった。
王子様の護衛としても役に立てるように警戒しつつ、国立病院まで行く。国立病院に着くと、王子様は素早く急患の病室に入れられた。
わたくしは王子様と病室に一緒に入るようになってから、ずっと王子様のそばを離れないことを決めている。
病室のベッドの上でたくさんの管に繋がれて意識のない患者さんに、王子様が手をかざして癒しの力を使う。血の気が引いている患者さんの顔色が少しずつよくなって、意識を取り戻したのか、げほげほと咳き込み始めた。
「後はわたしたちで処置をします。ありがとうございました」
管が外されていく患者さんは、自力で呼吸ができるようになったようだった。
ほっとしていると、王子様の顔色が悪い気がする。握り締めている王子様の手が、じっとりと汗をかいていて、冷たいような気がする。
「王子様、大丈夫?」
「レオ殿下、力を使いすぎたのではないですか」
倒れそうになっている王子様を、コンラッドお義兄様がそっと抱き上げた。王子様の手がわたくしの手から外れてしまって、わたくしは心配で泣きそうになってしまう。
顔色の悪い王子様は国立病院で少し休んでから帰ることになった。
「コンラッド兄様、患者さんは?」
「無事に意識を取り戻しました。レオ殿下は少しお休みください」
「ここでは休めません。城に連れて帰ってくれませんか?」
国立病院では休めないという王子様を抱き上げて、コンラッドお義兄様は馬車に乗せた。馬車の中で王子様はコンラッドお義兄様に支えられていた。
わたくしにはよく分からないが、今回の治療はとても難しかったのだろう。王子様がこんなにも消耗するだなんて。
心配で王子様の手を握れば、王子様が弱弱しく握り返してくれる。
「フィーネ嬢、少し休めば平気ですから」
「早く王宮に帰りましょうね」
王子様を励まして馬車があまり揺れないように、それでもできるだけ急いでもらうようにしていたら、馬車が急に止まった。
何ごとかと思ってコンラッドお義兄様を見れば、王子様をそっと馬車の椅子に横たわらせて、馬車から降りる。
「やはり、レオンハルトの馬車だったか。アルノルトがレオンハルトとその学友に会いたがっている。ぜひ寄って行ってくれ」
馬車を止めたのは末の王弟殿下だった。
どうやら馬車は末の王弟殿下のお屋敷のそばを通っていたようだ。
末の王弟殿下に止められては、御者も馬車を止めなくてはならない。
「レオ殿下は今、体調がよくないのです。失礼します」
「体調がよくないのだったら、わたしの屋敷で休んでいけばいい。部屋はある」
「レオ殿下はご自分の部屋以外では安らげないのです」
「そんな子どものようなことを言って。レオンハルトの体調のためにも、早く休ませてやった方がいいのではないか?」
どうしても引かない王弟殿下に、コンラッドお義兄様が焦れているのが分かる。無茶苦茶な王弟殿下だが、王族としての地位は高いので失礼のないようにしなければいけないのだろう。
わたくしが馬車から出ようとすると、王子様が手を握ってくる。王子様のそばを離れられないが、コンラッドお義兄様も助けたい。
どうすればいいか分からなくなるわたくしに、馬車の外から声が響く。
「ベルトラン公爵のご令嬢だけお招きしてもいいのだぞ?」
わたくしだけ王弟殿下のお屋敷に行く。
そうすれば王子様は足止めをされずに王宮に戻れて、コンラッドお義兄様も困らせられない。
「わたくし、行き……」
「行ってはいけません」
行こうと声を上げたわたくしを王子様が止める。王子様は血の気の引いた白い顔で、起き上がった。ゆっくりと馬車のドアを開けて、ステップを降りていく。
「叔父上、フィーネ嬢を連れて行ってどうするおつもりですか?」
倒れそうになる王子様を、コンラッドお義兄様が支えている。わたくしもそばに行きたかったが、王子様が「フィーネ嬢は馬車の中で待っていてください」と囁いたので、わたくしは動けなくなる。
「ベルトラン公爵令嬢とアルノルトとでお茶でもどうかと思っただけだ」
「アルノルトとフィーネ嬢を婚約させるのを諦めていないのですか?」
「ベルトラン公爵家にとってもいい話だろう? 元子爵家の小娘を養子に迎えたのだって、どこかの高位貴族の元に嫁に出して、縁を結ぶためだろう。それならば、我が家が一番相応しい」
そうだったのか。
ベルトラン公爵家がわたくしを養子にしたのは、わたくしをどこかの高位貴族の元にお嫁に出すためだったのか。
ショックを受けているわたくしが馬車の中で固まっていると、王子様がちらりとこちらを見た。
顔色も悪く脂汗もかいているが、王子様はわたくしを安心させるように頷いてくれている。
「ベルトラン公爵家は他の高位貴族と縁を結ばずとも、力のある家です。フィーネ嬢を道具のように使うはずがありません」
「そんなはずはない。貧乏子爵家の小娘を養子にもらうのには絶対何かの理由があるはずだ!」
「理由があったとしても、アルノルトと婚約させるためではないことははっきりと伝えておきましょう。ベルトラン公爵家は、叔父上との縁など、必要としていません」
はっきりと告げた王子様に、わたくしはほっと胸を撫で下ろす。
ベルトラン公爵家がわたくしを養子にした理由は分からないが、アルノルト様と結婚させるためではないことだけは分かって安心した。
「叔父上、わたしは国立病院で奉仕をしてきた帰りなのです。体調が悪いと言っているではないですか。それを無理やり引き留めた報いは受けてもらいますよ?」
「なぜ高貴な王族が下賤な民に癒しの力を授けねばならないのか。理解に苦しむ」
「そういえば、叔父上は奉仕活動を拒んでいらっしゃいましたね。アルノルトも。癒しの力を持つ王族は国民に奉仕すること。これは法律で定められていることです。いずれ、法律を破ったことを咎められる日が来るでしょう。生涯、奉仕活動に身を捧げられるのもいいかもしれませんね」
「レオンハルト!」
「それでは、わたしは失礼します」
言い捨てて馬車に乗り込んできた王子様は、馬車の椅子に座った途端、力が抜けてコンラッドお義兄様に支えられる。これ以上王弟殿下は馬車を止めることは無理だと思ったようで、馬車は動き出した。
馬車が王宮に着くと、王子様はコンラッドお義兄様に抱えられて、部屋に連れていかれた。楽な格好に着替えさせられて、ベッドで休んでいる王子様の元に、わたくしはそっと近付いていく。
王子様は目を閉じていたが、わたくしの足音に目を開けた。
宝石のようにきらきらと輝く美しい緑色の目が、少し陰っている気がする。
「王子様、わたくしを守ってくれてありがとうございました」
「フィーネ嬢を守るのはわたしの役目です」
「王子様、苦しくない?」
「かなりよくなってきました。フィーネ嬢、ベルトラン公爵家で声楽の練習を始めたそうですね」
そうなのだ。
わたくしはベルトラン公爵家で声楽の練習を始めた。その前のクラヴィス伯爵家にいるころから、ピアノの練習はしていたが、声楽は初めてだったので、ピアノに合わせて少しずつ簡単な曲から歌っている。
「簡単な曲しかまだ歌えないの」
「歌って聞かせてくれますか?」
「王子様、眠れなくなるんじゃない?」
「フィーネ嬢の歌声を聞いていたら元気が出そうです」
王子様がこうしてお願いをするなんて珍しかったから、わたくしは気合を入れて歌を歌った。簡単な童謡ばかりだったけれど、王子様は目を閉じてじっくりとわたくしの歌声を聞いてくれた。
歌い終わったら、王子様は拍手をしてくれた。
「フィーネ嬢の歌声はとても元気で、わたしまで元気になります」
「本当? わたくし、今度は子守唄を習ってくるわ」
「それは楽しみです」
王子様が休まねばならないくらい消耗することがないのが一番なのだが、そういうときには心安らぐような歌を歌って差し上げたい。
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