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前編 (攻め視点)
6.次の予言
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不審者グループの襲撃事件が起こってから、ディーデリヒは同じクラスの学友の一人と付き合い始めた。アルトゥロの友人でもあったし、貴族としての地位もある学友だったので、周囲はディーデリヒとその学友の付き合いを祝福していた。
納得できない様子だったのは、ミヒャエルだ。離れの棟の近くを見守ることが常になっているアルトゥロはミヒャエルが庭に出て来たときに話すようにしていた。アルトゥロが話したがっているのは分かっているはずなのに、ミヒャエルはなかなか外に出てこない。
庭でずっと待っていると寒さが身に染みる。秋から始まった新学期からもう三か月、季節はすっかりと冬に移り変わっていた。コートを着ていてもマフラーを巻いていても防げない寒さに洟が垂れそうになったときに、ミヒャエルが出てきてアルトゥロは足を曲げ伸ばしした。ずっと寒い中立っていたので足が冷たく強張っている。
「こんなところで何をしているんだよ?」
「兄上と話したかったんだ」
「僕は君と話すことなんて……」
言いかけたミヒャエルの顔色が悪いのに気付いて、アルトゥロは手を伸ばす。ミヒャエルはセーターを着てはいるが、コートまでは着ていなかった。
「寒いんじゃないか、兄上?」
「平気だ。僕に構わなくていい」
マフラーを外してミヒャエルに巻いてから、アルトゥロは思い出していた。冬の日にアルトゥロを訪ねて来てくれたミヒャエルは、アルトゥロにマフラーを巻いてくれた。あれからずっと会わなかったからマフラーは返せないままだが、今度はアルトゥロがミヒャエルに自分のマフラーを巻いている。
「君が選ばれるはずだったんだ」
「え?」
「ディーデリヒ王太子殿下のお相手に」
ディーデリヒが学友と付き合い始めたことは、ミヒャエルの耳にも入っていたようだ。ミヒャエルの予言では、ディーデリヒはアルトゥロと付き合うはずだったようだ。
「この年齢の付き合いなんて分からないもんな。これから心変わりするかもしれない」
「俺がディーデリヒと付き合うことはない」
俺は兄上が好きなんだからな。
続く言葉はうまく言えなかったけれど、伝わっているとアルトゥロは思いたかった。ミヒャエルが予言を教えてくれるのだって、アルトゥロを心配してのことではないだろうか。
「兄上のおかげで俺は蛇に咬まれなかった。流行性耳下腺炎にもかからなかった。襲撃事件でも怪我を負ったのは兄上で、俺じゃない。兄上は俺を守ってくれている」
「それは、君がこの国にとってかけがえのない人間だからだよ」
ミヒャエルに何が見えているのかアルトゥロには分からない。未来のどこまでが鮮明に見えているのか、全く見当がつかない。それでもミヒャエルのおかげでアルトゥロが守られたのは確かな事実だった。
「ディーデリヒが俺と付き合わなかったなら、兄上の予言が外れることもあるんだな?」
「これは大事な予言じゃなかったんだ。もっと大事なことがある。君はディーデリヒ王太子殿下から、同じ大学に行くように誘われる。それはこの国の魔法医療に関わる分野だ」
「俺が進みたいと思っている分野を、なんで兄上が知っているんだ?」
「ディーデリヒ王太子殿下がご存じなのだ。入学試験の日は大雪が降る。君は試験会場近くのホテルに滞在しておいた方がいい」
それも予言なのかと聞こうとする前に、ミヒャエルはアルトゥロが巻いたマフラーを外して突き出した。白い頬が紅潮して、鼻の先が赤くなって、指先がほんのりと赤く染まっている。腕を取って抱き締めると、ミヒャエルの細い体が冷え切っているのが分かる。
抵抗しても無駄と分かっているのかミヒャエルは暴れずにじっとしている。
「高校を卒業したら、兄上と暮らしたい」
「その必要はなくなる。君は僕を殺すんだから」
「俺は絶対に兄上を殺さない」
「決まったことなんだ。誰にも変えることはできない」
緩んだ腕から逃れてミヒャエルが離れの棟に入っていくのをアルトゥロは引き留められなかった。引き留めて、抱き締めて、無茶苦茶にしてしまいたい。凶暴な獣のような本能が体の中を駆け巡っている。
ミヒャエルを自分のものにしてしまいたい。
諦めたような眼差しを自分に向けさせたい。誰も関心のないような態度を、アルトゥロだけに心を傾けるようにさせたい。ミヒャエルが欲しくて堪らない。
荒れ狂う炎のような感情を押さえて、アルトゥロは自分の部屋に戻った。部屋に帰るとコートを脱いで、マフラーを手に取る。マフラーを嗅ぐと、ミヒャエルの匂いがした。
抱き締めたときに香る髪の匂い。それがマフラーに移っている。
渦巻く腰の熱をどうにもできなくて、アルトゥロはミヒャエルの使ったマフラーを嗅ぎながら自分の手でその熱を処理した。
高校二年までは特に何もなく過ぎて、三年生に進級した後でアルトゥロはディーデリヒから話をされた。
「私は魔法医療系の大学に進もうと思っているんだ。アルトゥロもそっちの方を考えてたんじゃないかな?」
「将来は研究職に就きたいと思っていたよ」
「やっぱり。父上が寄付している大学があるんだよ。そこに一緒に行かないか? 一応入学試験は受けるけれど、アルトゥロの成績ならば楽勝だろうし、答案を出すだけで入学できる」
これからも仲良くして欲しいと微笑むディーデリヒは、ミヒャエルの予言のように付き合っている学友と別れたりはしていなかった。お互いに大事にし合って、二人が絆を築き上げていくのをアルトゥロも近くで見て祝福している。
それにしても、ディーデリヒが同じ大学に誘うという予言も当たってしまった。残る予言は大学入試の日だが、それまでにはもう少し時間がある。
三年生の最後の冬休みも、アルトゥロは特に遠くに出かけることはなかった。ただ、母のフリーダと距離を置きたくて、アルトゥロはフリーダに頼んでみた。
「離れの屋敷で一人で住んではいけませんか?」
「母屋を出て行くというのですか? わたくしは、お姉様の思い出の残るこの母屋から出る気はありませんよ」
「俺一人で暮らしたいのです。もちろん、使用人の世話にはなると思いますが」
母のフリーダは姉のルイーゼの墓参りに行く以外は外に出ることがなく、ほとんどの時間を屋敷に閉じこもっている。鬱陶しく絡んでくるわけではないが、食事は必ず一緒にとるように言われていたので、それが面倒でならなかった。
「分かりました。規則正しい生活を心がけるのですよ」
「ありがとうございます」
母子であるはずなのに、フリーダはいつもアルトゥロのことをあまり見ていない。フリーダの関心のあるのは亡くなった姉のルイーゼだけなのだ。長年それを思い知らされてきたが、小さな頃からのことなのでこんなものだと思っていた。
離れの屋敷に移ったアルトゥロをミヒャエルが訪ねて来たのは、冬休みの初めの日だった。離れの応接間に通されて、ミヒャエルは落ち着かない様子でいたが、紅茶を使用人に出させると、一応カップを手に取った。
「君に伝えないといけないことがある」
「また予言か? 兄上には何が見えているんだ?」
「いいから聞いてくれ。君が離れの屋敷に移り住んだことを知って、父のゲオルグが一週間以内にこの離れにやってくる。離れに移り住むことを先に言っていたら、君がそうしないかと思ったからギリギリまで言えなかった」
運命に抗おうとしていることを、ミヒャエルは気付いている。気付いていながら、アルトゥロが抗えないのを確認してから予言を告げに来た。
「父は君に金の無心をするだろう。そのときに、父は下町で買った質のよくない拳銃を持っている。追い返そうとする君と揉み合いになって、君は父を打ってしまう」
「俺が父上を!?」
「君は僕のような人間ですら殺したくないと言うような優しい英雄だ。君の手を汚したくない。父が来ても絶対に扉を開けずに、警察に連絡するんだ」
予言をこうやって変えて行けるのならば、ミヒャエルのことも助けられるのではないだろうか。アルトゥロの胸に希望が宿るが、それを掻き消すように全てを諦めた瞳でミヒャエルが言う。
「君が手を汚すのは、僕だけでいい」
「俺は兄上も殺したくない! 絶対に方法を考えて兄上を殺さない運命にする」
「それだけは無理だよ。些末なことは変えられても、大きな流れは変わらないんだ」
どうしてこんなにもミヒャエルが諦めきっているのかアルトゥロには分からなかった。
言うことだけ言って帰ってしまおうとするミヒャエルの腕をアルトゥロは強く掴んで引き寄せた。
納得できない様子だったのは、ミヒャエルだ。離れの棟の近くを見守ることが常になっているアルトゥロはミヒャエルが庭に出て来たときに話すようにしていた。アルトゥロが話したがっているのは分かっているはずなのに、ミヒャエルはなかなか外に出てこない。
庭でずっと待っていると寒さが身に染みる。秋から始まった新学期からもう三か月、季節はすっかりと冬に移り変わっていた。コートを着ていてもマフラーを巻いていても防げない寒さに洟が垂れそうになったときに、ミヒャエルが出てきてアルトゥロは足を曲げ伸ばしした。ずっと寒い中立っていたので足が冷たく強張っている。
「こんなところで何をしているんだよ?」
「兄上と話したかったんだ」
「僕は君と話すことなんて……」
言いかけたミヒャエルの顔色が悪いのに気付いて、アルトゥロは手を伸ばす。ミヒャエルはセーターを着てはいるが、コートまでは着ていなかった。
「寒いんじゃないか、兄上?」
「平気だ。僕に構わなくていい」
マフラーを外してミヒャエルに巻いてから、アルトゥロは思い出していた。冬の日にアルトゥロを訪ねて来てくれたミヒャエルは、アルトゥロにマフラーを巻いてくれた。あれからずっと会わなかったからマフラーは返せないままだが、今度はアルトゥロがミヒャエルに自分のマフラーを巻いている。
「君が選ばれるはずだったんだ」
「え?」
「ディーデリヒ王太子殿下のお相手に」
ディーデリヒが学友と付き合い始めたことは、ミヒャエルの耳にも入っていたようだ。ミヒャエルの予言では、ディーデリヒはアルトゥロと付き合うはずだったようだ。
「この年齢の付き合いなんて分からないもんな。これから心変わりするかもしれない」
「俺がディーデリヒと付き合うことはない」
俺は兄上が好きなんだからな。
続く言葉はうまく言えなかったけれど、伝わっているとアルトゥロは思いたかった。ミヒャエルが予言を教えてくれるのだって、アルトゥロを心配してのことではないだろうか。
「兄上のおかげで俺は蛇に咬まれなかった。流行性耳下腺炎にもかからなかった。襲撃事件でも怪我を負ったのは兄上で、俺じゃない。兄上は俺を守ってくれている」
「それは、君がこの国にとってかけがえのない人間だからだよ」
ミヒャエルに何が見えているのかアルトゥロには分からない。未来のどこまでが鮮明に見えているのか、全く見当がつかない。それでもミヒャエルのおかげでアルトゥロが守られたのは確かな事実だった。
「ディーデリヒが俺と付き合わなかったなら、兄上の予言が外れることもあるんだな?」
「これは大事な予言じゃなかったんだ。もっと大事なことがある。君はディーデリヒ王太子殿下から、同じ大学に行くように誘われる。それはこの国の魔法医療に関わる分野だ」
「俺が進みたいと思っている分野を、なんで兄上が知っているんだ?」
「ディーデリヒ王太子殿下がご存じなのだ。入学試験の日は大雪が降る。君は試験会場近くのホテルに滞在しておいた方がいい」
それも予言なのかと聞こうとする前に、ミヒャエルはアルトゥロが巻いたマフラーを外して突き出した。白い頬が紅潮して、鼻の先が赤くなって、指先がほんのりと赤く染まっている。腕を取って抱き締めると、ミヒャエルの細い体が冷え切っているのが分かる。
抵抗しても無駄と分かっているのかミヒャエルは暴れずにじっとしている。
「高校を卒業したら、兄上と暮らしたい」
「その必要はなくなる。君は僕を殺すんだから」
「俺は絶対に兄上を殺さない」
「決まったことなんだ。誰にも変えることはできない」
緩んだ腕から逃れてミヒャエルが離れの棟に入っていくのをアルトゥロは引き留められなかった。引き留めて、抱き締めて、無茶苦茶にしてしまいたい。凶暴な獣のような本能が体の中を駆け巡っている。
ミヒャエルを自分のものにしてしまいたい。
諦めたような眼差しを自分に向けさせたい。誰も関心のないような態度を、アルトゥロだけに心を傾けるようにさせたい。ミヒャエルが欲しくて堪らない。
荒れ狂う炎のような感情を押さえて、アルトゥロは自分の部屋に戻った。部屋に帰るとコートを脱いで、マフラーを手に取る。マフラーを嗅ぐと、ミヒャエルの匂いがした。
抱き締めたときに香る髪の匂い。それがマフラーに移っている。
渦巻く腰の熱をどうにもできなくて、アルトゥロはミヒャエルの使ったマフラーを嗅ぎながら自分の手でその熱を処理した。
高校二年までは特に何もなく過ぎて、三年生に進級した後でアルトゥロはディーデリヒから話をされた。
「私は魔法医療系の大学に進もうと思っているんだ。アルトゥロもそっちの方を考えてたんじゃないかな?」
「将来は研究職に就きたいと思っていたよ」
「やっぱり。父上が寄付している大学があるんだよ。そこに一緒に行かないか? 一応入学試験は受けるけれど、アルトゥロの成績ならば楽勝だろうし、答案を出すだけで入学できる」
これからも仲良くして欲しいと微笑むディーデリヒは、ミヒャエルの予言のように付き合っている学友と別れたりはしていなかった。お互いに大事にし合って、二人が絆を築き上げていくのをアルトゥロも近くで見て祝福している。
それにしても、ディーデリヒが同じ大学に誘うという予言も当たってしまった。残る予言は大学入試の日だが、それまでにはもう少し時間がある。
三年生の最後の冬休みも、アルトゥロは特に遠くに出かけることはなかった。ただ、母のフリーダと距離を置きたくて、アルトゥロはフリーダに頼んでみた。
「離れの屋敷で一人で住んではいけませんか?」
「母屋を出て行くというのですか? わたくしは、お姉様の思い出の残るこの母屋から出る気はありませんよ」
「俺一人で暮らしたいのです。もちろん、使用人の世話にはなると思いますが」
母のフリーダは姉のルイーゼの墓参りに行く以外は外に出ることがなく、ほとんどの時間を屋敷に閉じこもっている。鬱陶しく絡んでくるわけではないが、食事は必ず一緒にとるように言われていたので、それが面倒でならなかった。
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母子であるはずなのに、フリーダはいつもアルトゥロのことをあまり見ていない。フリーダの関心のあるのは亡くなった姉のルイーゼだけなのだ。長年それを思い知らされてきたが、小さな頃からのことなのでこんなものだと思っていた。
離れの屋敷に移ったアルトゥロをミヒャエルが訪ねて来たのは、冬休みの初めの日だった。離れの応接間に通されて、ミヒャエルは落ち着かない様子でいたが、紅茶を使用人に出させると、一応カップを手に取った。
「君に伝えないといけないことがある」
「また予言か? 兄上には何が見えているんだ?」
「いいから聞いてくれ。君が離れの屋敷に移り住んだことを知って、父のゲオルグが一週間以内にこの離れにやってくる。離れに移り住むことを先に言っていたら、君がそうしないかと思ったからギリギリまで言えなかった」
運命に抗おうとしていることを、ミヒャエルは気付いている。気付いていながら、アルトゥロが抗えないのを確認してから予言を告げに来た。
「父は君に金の無心をするだろう。そのときに、父は下町で買った質のよくない拳銃を持っている。追い返そうとする君と揉み合いになって、君は父を打ってしまう」
「俺が父上を!?」
「君は僕のような人間ですら殺したくないと言うような優しい英雄だ。君の手を汚したくない。父が来ても絶対に扉を開けずに、警察に連絡するんだ」
予言をこうやって変えて行けるのならば、ミヒャエルのことも助けられるのではないだろうか。アルトゥロの胸に希望が宿るが、それを掻き消すように全てを諦めた瞳でミヒャエルが言う。
「君が手を汚すのは、僕だけでいい」
「俺は兄上も殺したくない! 絶対に方法を考えて兄上を殺さない運命にする」
「それだけは無理だよ。些末なことは変えられても、大きな流れは変わらないんだ」
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