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四重奏
四重奏 青 5
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イングリッシュガーデンを思わせる前庭があって、お店部分があって、その奥に住居部分があって、裏庭がある。
敷島家の敷地はかなり広く、お店部分と前庭以外は青藍と真朱は自由に遊んでいいことになっていた。キッチンとバスルームは危険なので響か薫がいるときにしか使ってはいけないが、それ以外の部屋……響と薫の部屋まで、青藍と真朱は出入り自由だった。
「入ったらいけないことにしてたら、もし何かあったときに駆け込めなくなるからね」
「眠れなくなったときでも、遠慮なく来ていいですからね」
青藍と真朱を引き取るに当たって、響と薫は仕事は住居スペースに持ち込まないようにと決めて、仕事道具は全部お店のスペースに移したという。そのために響と薫の部屋は物が少なくて、少し寂しい雰囲気だった。
保育園から帰って、響が食事の用意をしていて、まだ薫が仕事の片付けをしているときなど、真朱は薫の部屋に入り込んでベッドで薫の匂いがするお布団に包まってじっとしていることがある。そこまでではないが、青藍も響の方がお店の片付けで遅いときには、響の部屋の椅子に座ってそこで宿題をしてみたりする。
初めの夜に抱き締めてくれたのが、青藍は響で、真朱は薫で、それ以来、二人はそれぞれに好きな相手が別れた。冷遇されていた叔母の家では、べったりくっついて二人で支え合わなければ生きていけなかったが、ここでは響と薫が青藍と真朱を守ってくれる。真朱がお漏らしをするたびに着替えさせて、お手洗いに行きたがるたびに連れて行って、兄で青藍の方が賢くてしっかりしているのだから当然と思っていた行為も、薫がしてくれるようになってから、青藍にはのし掛かる責任がなくなった。
この場所ではただの5歳の子どもでいられる。
アルファで賢くて、年相応に無邪気で素直で泣き虫で弱い真朱のしっかりした兄の青藍ではなく、ただの5歳の子どもとして、我がままを言っても受け止めてもらえるし、響に甘えても構わない。自分こそが、年相応の子どもでいられる空間を求めていたのだと、青藍はここに来て初めて気付いた。
薫と響は自宅でテイラーをやっている。薫が採寸をしてお客と布を選んでデザインを聞いて、出来上がったデザインを響が実際に裁断して縫って形にする。二人での共同作業で、街中の住宅街で店を出しているが、薫が海外で若くして名が売れたデザイナーだったので、知る人ぞ知るという感じで客は絶えない。
「青藍くんと真朱くんを引き取るまでは、自宅にもミシンを持ち込んで、リビングは打ち合わせ場所で、仕事仕事仕事だったんだよ」
「お二人が来ると分かったので、慌てて全部店でできるようにしたんですよね。お陰で、仕事と私生活が分けられて、今の方が楽です」
叔母の家にいた頃のように、「おらんかったらええのに」などと響からも薫からも一度も言われたことはない。それどころか、二人がいてくれるから健康的な生活ができると言ってくれる。
「子育てに関わるということを、響は軽く考えてたんですよね。引き取る子はもうすぐ5歳だから、最低でも成人までの15年は責任を持って育てなきゃいけないって言ったら、初めて気付いたような顔をして」
それまでは若さに奢って命を削るように仕事をしていた響を、一番心配していたのは薫だった。結婚も恋愛もしないという響に、自分を大切にすることを考えて欲しいと青藍と真朱を引き取ることにしたのだが、母親が恋しい年頃で屈強な男二人に引き取られるのだから、懐くまでに時間がかかるだろうと覚悟はしていた。
「響の方が人懐っこいから好かれると思ったのに、真朱さんが、来た夜に私に抱き締められてくれたのには驚きましたよ」
「薫ちゃんは言葉は堅苦しいけど、優しいから、それが分かるんだよ」
笑い話のように語ってくれる二人を、青藍と真朱はぼーっと見つめていた。
喋り方は堅苦しい敬語だけれど、表情の柔らかな薫。優しい喋り方で、穏やかで朗らかな響。二人とも青藍と真朱にとって特別な存在で、家族に違いなかったが、アルファとして、男性としての性が、真朱は薫に、青藍は響に反応しているのが幼いながらにも分かる。きっと二人は想像もしていないこと。
ときどき薫が見せるどきりとするほど色っぽい仕草や、響が見せる自然な美しさ。そんなものに、真朱も青藍も釘付けになっていた。
「まーは、かおるさんが、だいすきや。かおるさんは、まーがおとなになっても、ここにおってもこまらへん?」
「真朱さんが大人になっても、どこに行っても、ここは真朱さんの実家ですよ。帰ってきて困るなんてことはありません」
その返事に真朱は満足してにこにこして薫の手を取った。
子ども二人きりでお風呂に入らなくなったのは、ここに来てすぐの頃だった。髪を乾かしていた響が、訝しげな顔で青藍の頭を嗅いだのだ。
「青藍くん、悪いけど、もう一回お風呂に来てくれる?」
「ええけど……なんか、あかんやった?」
「頭皮が臭いよ」
歯に絹を着せぬ言い方だったので、若干ショックは受けたものの、まだ5歳になる前だった青藍と真朱が自分たちだけで上手に髪を洗えているはずがない。洗ってもらうという考えがそもそもなかったのだが、その日、響に洗ってもらって、嫌な感じがしないどころか、優しく頭皮をマッサージされて気持ちよかったくらいなので、青藍は真朱とお風呂に入るという拘りを捨てた。真朱の方も薫に洗い直してもらって、すっかりと気に入ったようだった。
その日から、真朱は薫と、青藍は響とお風呂に入っている。
服を脱ぐと分かるのだが、鍛え上げられた体は、日焼けなどではなく、全身が艶のある濃い蜜を流したような褐色で、腰に巻いたタオルの中身や、豊かに盛り上がる胸の尖りが気になるのはなぜか、青藍にも分からない。
水着で隠れるところには、信頼できるひと以外には触らせないという保育園の先生の教えは守っていたが、響は既に信頼できるひとになっているのに、そういう場所にみだりに触ってくるようなことはしなかった。
「お口もダメだよ」
「くちもあかんの?」
「そう。口で青藍くんや真朱くんの体に触ったり、口に触ろうとしてきたりするのも、大人になって、自分で相手のことが好きか嫌いか決められるようになるまではダメだからね」
水着で隠れる場所の他にも、口もいけないし、嫌な相手には髪の毛一本触らせてはいけない。無理やりに触らされそうになったら、大声を出すか、逃げるようにと教えるのは、響と薫がオメガでそういう経験があるからなのだろうか。
気になるけれど聞けないことは降り積もる。
小学校に入学する年に、響と薫は真朱と青藍に保育園卒業用兼小学校入学用のスーツを作ってくれた。覗かせてもらったことはあるけれど、お客様として招かれたお店部分で鏡のある個室で、下着姿で青藍と真朱、二人とも一緒に採寸してもらうのは、誇らしくもあり、恥ずかしくもあった。
「大きくなったね」
「真朱さんはすごく背が伸びてるし、青藍さんも体がしっかりしてきましたね」
どうせ大きくなるのだからわざわざ一点物のスーツを作ってもらうのはもったいないと遠慮する青藍に、響は「成長の証を作らせてもらっているんだから、僕も嬉しいよ」と微笑む。
「赤に黄色の格子柄と、紺と緑の格子柄のお揃いの布を仕入れたんですよ」
「せいちゃんとおそろいなんか?」
「色違いのお揃いですよ」
無邪気に喜ぶ真朱は、遠慮など頭にもないようだった。
保育園の卒園式までに仕上げないといけないスーツは、布で型紙を作ってそれを着て仮縫いをして、それから仕立てるという本格的な作り方をするらしい。またこのお店にお客様気分で来られると、青藍の気持ちもうきうきと浮ついていた。
敷島家の敷地はかなり広く、お店部分と前庭以外は青藍と真朱は自由に遊んでいいことになっていた。キッチンとバスルームは危険なので響か薫がいるときにしか使ってはいけないが、それ以外の部屋……響と薫の部屋まで、青藍と真朱は出入り自由だった。
「入ったらいけないことにしてたら、もし何かあったときに駆け込めなくなるからね」
「眠れなくなったときでも、遠慮なく来ていいですからね」
青藍と真朱を引き取るに当たって、響と薫は仕事は住居スペースに持ち込まないようにと決めて、仕事道具は全部お店のスペースに移したという。そのために響と薫の部屋は物が少なくて、少し寂しい雰囲気だった。
保育園から帰って、響が食事の用意をしていて、まだ薫が仕事の片付けをしているときなど、真朱は薫の部屋に入り込んでベッドで薫の匂いがするお布団に包まってじっとしていることがある。そこまでではないが、青藍も響の方がお店の片付けで遅いときには、響の部屋の椅子に座ってそこで宿題をしてみたりする。
初めの夜に抱き締めてくれたのが、青藍は響で、真朱は薫で、それ以来、二人はそれぞれに好きな相手が別れた。冷遇されていた叔母の家では、べったりくっついて二人で支え合わなければ生きていけなかったが、ここでは響と薫が青藍と真朱を守ってくれる。真朱がお漏らしをするたびに着替えさせて、お手洗いに行きたがるたびに連れて行って、兄で青藍の方が賢くてしっかりしているのだから当然と思っていた行為も、薫がしてくれるようになってから、青藍にはのし掛かる責任がなくなった。
この場所ではただの5歳の子どもでいられる。
アルファで賢くて、年相応に無邪気で素直で泣き虫で弱い真朱のしっかりした兄の青藍ではなく、ただの5歳の子どもとして、我がままを言っても受け止めてもらえるし、響に甘えても構わない。自分こそが、年相応の子どもでいられる空間を求めていたのだと、青藍はここに来て初めて気付いた。
薫と響は自宅でテイラーをやっている。薫が採寸をしてお客と布を選んでデザインを聞いて、出来上がったデザインを響が実際に裁断して縫って形にする。二人での共同作業で、街中の住宅街で店を出しているが、薫が海外で若くして名が売れたデザイナーだったので、知る人ぞ知るという感じで客は絶えない。
「青藍くんと真朱くんを引き取るまでは、自宅にもミシンを持ち込んで、リビングは打ち合わせ場所で、仕事仕事仕事だったんだよ」
「お二人が来ると分かったので、慌てて全部店でできるようにしたんですよね。お陰で、仕事と私生活が分けられて、今の方が楽です」
叔母の家にいた頃のように、「おらんかったらええのに」などと響からも薫からも一度も言われたことはない。それどころか、二人がいてくれるから健康的な生活ができると言ってくれる。
「子育てに関わるということを、響は軽く考えてたんですよね。引き取る子はもうすぐ5歳だから、最低でも成人までの15年は責任を持って育てなきゃいけないって言ったら、初めて気付いたような顔をして」
それまでは若さに奢って命を削るように仕事をしていた響を、一番心配していたのは薫だった。結婚も恋愛もしないという響に、自分を大切にすることを考えて欲しいと青藍と真朱を引き取ることにしたのだが、母親が恋しい年頃で屈強な男二人に引き取られるのだから、懐くまでに時間がかかるだろうと覚悟はしていた。
「響の方が人懐っこいから好かれると思ったのに、真朱さんが、来た夜に私に抱き締められてくれたのには驚きましたよ」
「薫ちゃんは言葉は堅苦しいけど、優しいから、それが分かるんだよ」
笑い話のように語ってくれる二人を、青藍と真朱はぼーっと見つめていた。
喋り方は堅苦しい敬語だけれど、表情の柔らかな薫。優しい喋り方で、穏やかで朗らかな響。二人とも青藍と真朱にとって特別な存在で、家族に違いなかったが、アルファとして、男性としての性が、真朱は薫に、青藍は響に反応しているのが幼いながらにも分かる。きっと二人は想像もしていないこと。
ときどき薫が見せるどきりとするほど色っぽい仕草や、響が見せる自然な美しさ。そんなものに、真朱も青藍も釘付けになっていた。
「まーは、かおるさんが、だいすきや。かおるさんは、まーがおとなになっても、ここにおってもこまらへん?」
「真朱さんが大人になっても、どこに行っても、ここは真朱さんの実家ですよ。帰ってきて困るなんてことはありません」
その返事に真朱は満足してにこにこして薫の手を取った。
子ども二人きりでお風呂に入らなくなったのは、ここに来てすぐの頃だった。髪を乾かしていた響が、訝しげな顔で青藍の頭を嗅いだのだ。
「青藍くん、悪いけど、もう一回お風呂に来てくれる?」
「ええけど……なんか、あかんやった?」
「頭皮が臭いよ」
歯に絹を着せぬ言い方だったので、若干ショックは受けたものの、まだ5歳になる前だった青藍と真朱が自分たちだけで上手に髪を洗えているはずがない。洗ってもらうという考えがそもそもなかったのだが、その日、響に洗ってもらって、嫌な感じがしないどころか、優しく頭皮をマッサージされて気持ちよかったくらいなので、青藍は真朱とお風呂に入るという拘りを捨てた。真朱の方も薫に洗い直してもらって、すっかりと気に入ったようだった。
その日から、真朱は薫と、青藍は響とお風呂に入っている。
服を脱ぐと分かるのだが、鍛え上げられた体は、日焼けなどではなく、全身が艶のある濃い蜜を流したような褐色で、腰に巻いたタオルの中身や、豊かに盛り上がる胸の尖りが気になるのはなぜか、青藍にも分からない。
水着で隠れるところには、信頼できるひと以外には触らせないという保育園の先生の教えは守っていたが、響は既に信頼できるひとになっているのに、そういう場所にみだりに触ってくるようなことはしなかった。
「お口もダメだよ」
「くちもあかんの?」
「そう。口で青藍くんや真朱くんの体に触ったり、口に触ろうとしてきたりするのも、大人になって、自分で相手のことが好きか嫌いか決められるようになるまではダメだからね」
水着で隠れる場所の他にも、口もいけないし、嫌な相手には髪の毛一本触らせてはいけない。無理やりに触らされそうになったら、大声を出すか、逃げるようにと教えるのは、響と薫がオメガでそういう経験があるからなのだろうか。
気になるけれど聞けないことは降り積もる。
小学校に入学する年に、響と薫は真朱と青藍に保育園卒業用兼小学校入学用のスーツを作ってくれた。覗かせてもらったことはあるけれど、お客様として招かれたお店部分で鏡のある個室で、下着姿で青藍と真朱、二人とも一緒に採寸してもらうのは、誇らしくもあり、恥ずかしくもあった。
「大きくなったね」
「真朱さんはすごく背が伸びてるし、青藍さんも体がしっかりしてきましたね」
どうせ大きくなるのだからわざわざ一点物のスーツを作ってもらうのはもったいないと遠慮する青藍に、響は「成長の証を作らせてもらっているんだから、僕も嬉しいよ」と微笑む。
「赤に黄色の格子柄と、紺と緑の格子柄のお揃いの布を仕入れたんですよ」
「せいちゃんとおそろいなんか?」
「色違いのお揃いですよ」
無邪気に喜ぶ真朱は、遠慮など頭にもないようだった。
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