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四重奏
四重奏 青 6
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フランスから薫と響が日本にやってきたのは去年で、日本で生活している時間は青藍と真朱の方が長いことになる。生まれた国も違うので、響と薫の両親は家庭では片言の日本語で喋っていたという。だから、住んでいた国が違っても、二人は流暢な日本語が喋れた。
しかし、二人にもできないことはある。
「三味線のお稽古のときに着物かぁ……」
「着付け、練習しないといけませんね」
身内に習うのならばともかく、お教室に通うとなると小学生からと言われて、アルファで秀でた才能があるとしても、二人だけでそれまでの期間は練習をしていた青藍と真朱。そのお教室で三味線を弾くときには、原則和服だと言われて、響と薫は保育園の卒園兼小学校の入学のスーツだけでなく、二人の身体に合わせた着物も仕立てて、着付けも覚えようと考えたようだった。
「ふるぎでかまへんよ。どうせ、すぐにおおきぃなるのに、もったいない」
「スーツもつくってもろてるのに、ええの?」
それに関しては、青藍だけでなく真朱も遠慮したが、響と薫の決意は変わらなかった。
「おはしょりを作ったら、結構長く着られるみたいですよ」
「最初は下手かもしれないけど、作るうちに上手になって、二人がプロのデビューのときの着物も仕立てさせてくれたら嬉しいな」
双子の三味線アーティストとしてプロデビューするときに着ているのが、薫と響の作った着物かと考えるだけで、嬉しくなってしまう青藍も、真朱のことは言えない単純なのかもしれない。
呉服屋に行って選んだのは真朱が千歳緑の反物で、青藍が青鼠色の反物だった。帯はそれに合わせて博多織のお揃いの白地に黒い織が入ったものにする。
三味線は両親の形見で、それまでは叔母は取り上げられなかったが、服も従兄のお下がりで最低限しか与えられず、度重なる洗濯でパリパリになっていて、着物など着付けが大変だからと放っておかれた二人。それが今では、響と薫の愛情たっぷりのお手製の着物とスーツを仕立ててもらって、普段着も背が伸びるたびに「大きくなったね」「とてもお似合いですよ」と新しいものを買ってもらえる。
「あんな、かおるさん、ひびきさん」
満たされた生活の中で、真朱が真剣に口にしたのは、可愛い我がままだった。
「ほいくえんのくつぶくろも、えほんいれも、リュックサックも、ぜんぶ、めっちゃきにいってんねん。やから、しょうがっこうでもつかいたいんやけど」
4歳のときから2年間しか使っていないが、栄養不良で成長不良だった真朱はずいぶんと体が大きくなったし、足のサイズも変わった。
「おれも、これ、きにいっとる。ひびきさんのししゅう、めっちゃきれいやし」
毎日使っているので、新品ではない馴染んだ風情のある靴袋と絵本入れとリュックサックの刺繍部分を、青藍も撫でて呟いた。上靴が靴袋に窮屈になりかけていることには気付いているが、初めて作ってもらった愛情のこもったそれらとは、小学校に行っても離れがたかった。
「靴袋は、横と底にマチを付け足そうか」
それでサイズが変えられると言われて、真朱と青藍は目を輝かせる。
「絵本袋は持ち手を補強しましょうね。リュックサックの肩紐の長さも調節できるようにしましょう」
「そんなこと、できるんか?」
「手作りって、意外と応用が利くものなんですよ」
「ぼろぼろになるまで使ってくれるのが、作り手の一番の喜びだよ」
こうして、小学校の準備は着々と進んでいた。
お店が休みの日に貸し切り状態で、青藍と真朱は着物の試着や仮縫いをしていく。他のお客のいないお店で四人だけで過ごす時間は、濃密で特別だった。
大事な時間を邪魔しに来たのは、同じアルファの青藍には明らかにアルファと分かる身なりのいい背の高い男性だった。響と薫ほどではないが背の高いその男性は、店休日というのに遠慮なく店の中に入ってきた。
「カオル、探したんだ。どうしてこんな極東に」
「本日は店休日ですので、別の日においでください」
「あんなに愛し合ったのに、他人行儀にしないでくれ」
突然の来訪者に驚いて怯えている真朱も、ちりちりと感じるアルファの威嚇のオーラに警戒する青藍も、明らかに嫌な顔をしている響も無視して、男性はまっすぐに薫のところに向かう。
「薫ちゃんに近づかないで! 警察呼びますよ?」
「あぁ、君はカオルの片割れの……ねぇ、カオル、彼もオメガだよね。顔も肌の色も似てないけど、カオルのことが忘れられなくて、間違って彼のうなじを噛んでしまったら、どうしようね」
ぞわっと総毛立つような寒気に襲われて、青藍はその男性を睨みつけた。
アルファがオメガのうなじを噛むというのは、特別な意味がある。オメガを自分の番にしてしまって、フェロモンが自分以外のアルファに感じられないようにして、発情期に支配してしまうということだ。
同意があっての上ならば、番になることは結婚と同義なのだが、同意なくそれが行われれば、ただの支配であり、強姦でしかない。
「響、真朱さんと青藍さんを、家に連れて行って」
「駄目だよ。そんな脅しには屈しない。薫ちゃん、警察呼ぼう」
大きな体で真朱も青藍も、薫すらも守ろうとする響に、きりっと男性が歯を鳴らして見せたのが分かった。
まだ青藍は成熟した大人ではないし、響のことをどれだけ好きでも、番にすることはできない。目の前で響が望まぬ相手に無理やり犯されてしまうかもしれない。
「いやや、ひびきさん!」
ぎゅっと響の脚にしがみ付いた青藍の横を通って、薫が男性の前に立った。ぶわりと甘い香りが店内を満たしていく。
「舐めたことを言ってくれたものですね。あなた程度のアルファが、私に勝てるとでも勘違いしたんですか? その代償は大きいですよ」
圧倒的なフェロモンに包まれて、男性ががくりとその場に膝をつく。頽れて薫の革靴のつま先に額づいた男性を軽く蹴って、薫は店の外に出してしまった。
厳重に鍵を閉めて、戸締りをする頃には、薫から立ち上るフェロモンの香りも消え去っていた。
「真朱くん!? 当てられた!?」
「あぁ、ごめんなさい、真朱さん。アルファにはきつい匂いでしたね」
何を言われているのか分からず顔を真っ赤にしてぽーっと突っ立っている真朱の鼻から、ぽたぽたと鼻血が垂れている。慌てて薫がそれをティッシュで拭ってくれた。
「いまのは……」
「後でゆっくり話そう。青藍くん、僕を助けてくれようとしてありがとう。でも、ああいう場面で大人の前に出るのは危険だから、もうしないでね」
「いやや! なぐられても、けられてもかまへん。ひびきさんが、ひどいことされるくらいやったら、おれはなんでもする」
優しい響の言葉には何でも従いたかったが、これだけは譲れないときっぱりと宣言した青藍に、響は金色の目を見開いていた。
フェロモンに当てられて鼻血を出した真朱と無礼な乱入者のせいで、その日のお店での時間は終わってしまったが、晩御飯までには真朱も落ち着いて、響と薫も食べながら説明してくれた。
「あまり良い話ではないですから、教えたくはなかったのですが、家族の間に秘密はなしということで」
そう前置きして語られたのは、薫の体質だった。
『上位オメガ』、そんな風に呼ばれるオメガが、ごくごく稀に生まれてくる。誰に対する『上位』なのかといえば、アルファに対するもので、発情期からフェロモンまで、全てを自分の意志で操れて、アルファを傅かせることのできる珍しいオメガだというのだ。
「フランスから日本に活動拠点を移したのは、私のせいなんです」
オメガで若すぎるためにデザイナーとして認められないことが悔しくて、『上位オメガ』であることを利用して、薫は審査員やスポンサーのアルファを複数相手にして、自分のフェロモンで虜にして操ったのだ。その結果として評価は手に入れたが、薫をめぐっての争いが起きて、薫を庇った響が襲われてしまったのだ。
「僕は薫ちゃんとは対照的にフェロモンの出ないオメガだし、発情期じゃなかったから弱ってもなくて、6人、半殺しにしたんだけどね」
「あのときのことは、本当に悪かったと思っています」
襲われて自分の身を守ったとはいえ、暴力事件が表ざたになって、響がフランスで仕事を失ったときに薫は深く反省して、『上位オメガ』としての自分を封印して、日本で二人で密やかに仕事をすることに決めたのだった。
「怖い話を聞かせてごめんね」
「ひびきさん、かえりうちやなんて、めっちゃかっこええ」
暴力沙汰を起こしたと聞いても、青藍は響を怖いとは思わなかった。それどころか、惚れ直していた。
「かおるしゃん、しゅてき……」
双子とは似るのだろうか。外見は似ていないのに、真朱もまた、その話を聞いて薫に惚れ直していたようだった。
しかし、二人にもできないことはある。
「三味線のお稽古のときに着物かぁ……」
「着付け、練習しないといけませんね」
身内に習うのならばともかく、お教室に通うとなると小学生からと言われて、アルファで秀でた才能があるとしても、二人だけでそれまでの期間は練習をしていた青藍と真朱。そのお教室で三味線を弾くときには、原則和服だと言われて、響と薫は保育園の卒園兼小学校の入学のスーツだけでなく、二人の身体に合わせた着物も仕立てて、着付けも覚えようと考えたようだった。
「ふるぎでかまへんよ。どうせ、すぐにおおきぃなるのに、もったいない」
「スーツもつくってもろてるのに、ええの?」
それに関しては、青藍だけでなく真朱も遠慮したが、響と薫の決意は変わらなかった。
「おはしょりを作ったら、結構長く着られるみたいですよ」
「最初は下手かもしれないけど、作るうちに上手になって、二人がプロのデビューのときの着物も仕立てさせてくれたら嬉しいな」
双子の三味線アーティストとしてプロデビューするときに着ているのが、薫と響の作った着物かと考えるだけで、嬉しくなってしまう青藍も、真朱のことは言えない単純なのかもしれない。
呉服屋に行って選んだのは真朱が千歳緑の反物で、青藍が青鼠色の反物だった。帯はそれに合わせて博多織のお揃いの白地に黒い織が入ったものにする。
三味線は両親の形見で、それまでは叔母は取り上げられなかったが、服も従兄のお下がりで最低限しか与えられず、度重なる洗濯でパリパリになっていて、着物など着付けが大変だからと放っておかれた二人。それが今では、響と薫の愛情たっぷりのお手製の着物とスーツを仕立ててもらって、普段着も背が伸びるたびに「大きくなったね」「とてもお似合いですよ」と新しいものを買ってもらえる。
「あんな、かおるさん、ひびきさん」
満たされた生活の中で、真朱が真剣に口にしたのは、可愛い我がままだった。
「ほいくえんのくつぶくろも、えほんいれも、リュックサックも、ぜんぶ、めっちゃきにいってんねん。やから、しょうがっこうでもつかいたいんやけど」
4歳のときから2年間しか使っていないが、栄養不良で成長不良だった真朱はずいぶんと体が大きくなったし、足のサイズも変わった。
「おれも、これ、きにいっとる。ひびきさんのししゅう、めっちゃきれいやし」
毎日使っているので、新品ではない馴染んだ風情のある靴袋と絵本入れとリュックサックの刺繍部分を、青藍も撫でて呟いた。上靴が靴袋に窮屈になりかけていることには気付いているが、初めて作ってもらった愛情のこもったそれらとは、小学校に行っても離れがたかった。
「靴袋は、横と底にマチを付け足そうか」
それでサイズが変えられると言われて、真朱と青藍は目を輝かせる。
「絵本袋は持ち手を補強しましょうね。リュックサックの肩紐の長さも調節できるようにしましょう」
「そんなこと、できるんか?」
「手作りって、意外と応用が利くものなんですよ」
「ぼろぼろになるまで使ってくれるのが、作り手の一番の喜びだよ」
こうして、小学校の準備は着々と進んでいた。
お店が休みの日に貸し切り状態で、青藍と真朱は着物の試着や仮縫いをしていく。他のお客のいないお店で四人だけで過ごす時間は、濃密で特別だった。
大事な時間を邪魔しに来たのは、同じアルファの青藍には明らかにアルファと分かる身なりのいい背の高い男性だった。響と薫ほどではないが背の高いその男性は、店休日というのに遠慮なく店の中に入ってきた。
「カオル、探したんだ。どうしてこんな極東に」
「本日は店休日ですので、別の日においでください」
「あんなに愛し合ったのに、他人行儀にしないでくれ」
突然の来訪者に驚いて怯えている真朱も、ちりちりと感じるアルファの威嚇のオーラに警戒する青藍も、明らかに嫌な顔をしている響も無視して、男性はまっすぐに薫のところに向かう。
「薫ちゃんに近づかないで! 警察呼びますよ?」
「あぁ、君はカオルの片割れの……ねぇ、カオル、彼もオメガだよね。顔も肌の色も似てないけど、カオルのことが忘れられなくて、間違って彼のうなじを噛んでしまったら、どうしようね」
ぞわっと総毛立つような寒気に襲われて、青藍はその男性を睨みつけた。
アルファがオメガのうなじを噛むというのは、特別な意味がある。オメガを自分の番にしてしまって、フェロモンが自分以外のアルファに感じられないようにして、発情期に支配してしまうということだ。
同意があっての上ならば、番になることは結婚と同義なのだが、同意なくそれが行われれば、ただの支配であり、強姦でしかない。
「響、真朱さんと青藍さんを、家に連れて行って」
「駄目だよ。そんな脅しには屈しない。薫ちゃん、警察呼ぼう」
大きな体で真朱も青藍も、薫すらも守ろうとする響に、きりっと男性が歯を鳴らして見せたのが分かった。
まだ青藍は成熟した大人ではないし、響のことをどれだけ好きでも、番にすることはできない。目の前で響が望まぬ相手に無理やり犯されてしまうかもしれない。
「いやや、ひびきさん!」
ぎゅっと響の脚にしがみ付いた青藍の横を通って、薫が男性の前に立った。ぶわりと甘い香りが店内を満たしていく。
「舐めたことを言ってくれたものですね。あなた程度のアルファが、私に勝てるとでも勘違いしたんですか? その代償は大きいですよ」
圧倒的なフェロモンに包まれて、男性ががくりとその場に膝をつく。頽れて薫の革靴のつま先に額づいた男性を軽く蹴って、薫は店の外に出してしまった。
厳重に鍵を閉めて、戸締りをする頃には、薫から立ち上るフェロモンの香りも消え去っていた。
「真朱くん!? 当てられた!?」
「あぁ、ごめんなさい、真朱さん。アルファにはきつい匂いでしたね」
何を言われているのか分からず顔を真っ赤にしてぽーっと突っ立っている真朱の鼻から、ぽたぽたと鼻血が垂れている。慌てて薫がそれをティッシュで拭ってくれた。
「いまのは……」
「後でゆっくり話そう。青藍くん、僕を助けてくれようとしてありがとう。でも、ああいう場面で大人の前に出るのは危険だから、もうしないでね」
「いやや! なぐられても、けられてもかまへん。ひびきさんが、ひどいことされるくらいやったら、おれはなんでもする」
優しい響の言葉には何でも従いたかったが、これだけは譲れないときっぱりと宣言した青藍に、響は金色の目を見開いていた。
フェロモンに当てられて鼻血を出した真朱と無礼な乱入者のせいで、その日のお店での時間は終わってしまったが、晩御飯までには真朱も落ち着いて、響と薫も食べながら説明してくれた。
「あまり良い話ではないですから、教えたくはなかったのですが、家族の間に秘密はなしということで」
そう前置きして語られたのは、薫の体質だった。
『上位オメガ』、そんな風に呼ばれるオメガが、ごくごく稀に生まれてくる。誰に対する『上位』なのかといえば、アルファに対するもので、発情期からフェロモンまで、全てを自分の意志で操れて、アルファを傅かせることのできる珍しいオメガだというのだ。
「フランスから日本に活動拠点を移したのは、私のせいなんです」
オメガで若すぎるためにデザイナーとして認められないことが悔しくて、『上位オメガ』であることを利用して、薫は審査員やスポンサーのアルファを複数相手にして、自分のフェロモンで虜にして操ったのだ。その結果として評価は手に入れたが、薫をめぐっての争いが起きて、薫を庇った響が襲われてしまったのだ。
「僕は薫ちゃんとは対照的にフェロモンの出ないオメガだし、発情期じゃなかったから弱ってもなくて、6人、半殺しにしたんだけどね」
「あのときのことは、本当に悪かったと思っています」
襲われて自分の身を守ったとはいえ、暴力事件が表ざたになって、響がフランスで仕事を失ったときに薫は深く反省して、『上位オメガ』としての自分を封印して、日本で二人で密やかに仕事をすることに決めたのだった。
「怖い話を聞かせてごめんね」
「ひびきさん、かえりうちやなんて、めっちゃかっこええ」
暴力沙汰を起こしたと聞いても、青藍は響を怖いとは思わなかった。それどころか、惚れ直していた。
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