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24.ギヨーム殿下とデュラン殿下の後始末
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秋の議会の初日、ルシアン殿下は立太子した。
王太子殿下となったルシアン殿下が始めにしたことは、ギヨーム殿下とデュラン殿下の王子妃の開放だった。
閉じ込められていた二人の王子妃は、ルシアン殿下の手によって解放された。
「本当にありがとうございます。わたくしは、実家に帰って、助けることのできなかった侍女と共に静かに暮らそうと思います」
「彼女の御子息についても、お願いできますか?」
「もちろんです。王族として相応しい教育を受けさせるとお約束いたします」
ギヨーム殿下の王子妃は実家に帰って、侍女とその息子と共に静かに暮らすことを選んだ。侍女の息子は、望まれていなかったとはいえ、ギヨーム殿下の血を引くので、王族としてしっかりと教育がなされて、ギヨーム殿下が自分の父親だということを知った後も、侍女と王子妃の愛情に包まれて育てられるだろう。
「わたくしは隣国に戻ります。宰相は投獄されましたが、まだ隣国では奴隷取引を考えるものがいないわけではありません。そのものたちがしっかりと裁かれるように、父上に働きかけます」
デュラン殿下の王子妃は、隣国に帰ることを選んだ。奴隷取引に手を染めた宰相が捕らえられてはいるが、隣国にはまだ奴隷取引を考えるものが残っているようだ。そういうものたちを隣国の国王に働きかけて、取り締まる仕事をするつもりのようだった。
「議会では証言してくださってありがとうございます」
「わたくしができたのはあれくらいでした。異国に売り飛ばされた子どもたちは今も苦しい思いをしているでしょう。彼ら全てが救われる日まで、わたくしは微力ながら隣国から働きかけていこうと思います」
隣国の宰相の奴隷取引を暴いた王女は、今も勇敢だった。
王宮から去る二人を見送ってから、ルシアン殿下とわたくしは、ギヨーム殿下とデュラン殿下の残していったものの処理を行っていった。
ギヨーム殿下の愛妾たちは全員解放して、実家に帰らせた。愛妾はほとんどが自ら望んで金のためにギヨーム殿下の元に来た者たちだったので、手切れ金を渡せば大人しく去っていった。
ギヨーム殿下の被害に遭った女性たちには、国から慰謝料が支払われることとなった。それは、愛妾たちが使っていた宮殿の美術品やギヨーム殿下から渡された宝飾品を売り払って支払われることになった。
デュラン殿下の後処理に関しては、まずは奴隷だった少年少女を開放することだった。少年少女は慰謝料と共に家に帰された。
「ルシアン殿下、本当にありがとうございます。デュラン殿下は自分の好みの年齢でなくなった少年少女は、奴隷として売り出していたのです。わたしももう少しでその年齢でした。売られる前に解放されてよかったです」
ルシアン殿下と約束をした少年は、何度もルシアン殿下にお礼を言って自分の家に帰って行った。
デュラン殿下のコレクションは、王妃殿下の遺品などの特別なもの以外、全てが売られて、デュラン殿下が使い込んだ国の財産の埋め合わせと、少年少女への慰謝料、そして、奴隷として売り飛ばされた子どもたちの救出のための資金に使われた。
デュラン殿下の残したものの処理について、一つだけルシアン殿下が絶対にしなければいけないことがあった。
それは、わたくしの髪を埋め込んで作られた人形の処理だった。
「リュシア姉様の髪を燃やすのはとても心が痛みますが、デュラン兄上が愛でたものと思うと、取っておくわけにもいきません」
「燃やしてください、ルシアン殿下」
気持ちの悪い人形は、ルシアン殿下の手によって燃やされて処分された。
わたくしもデュラン殿下の愛でたわたくしの髪を使った人形など、存在していてほしくなかったので、燃やすことをお願いした。
全ての処理が終わるころには、季節は冬に移り変わりつつあった。
もうすぐ、ルシアン殿下のお誕生日だ。
ついにルシアン殿下が成人する。
ルシアン殿下は成人と共に国王陛下として即位することが決まっているので、その準備でルシアン殿下は大忙しだった。
その合間にも、ルシアン殿下はわたくしのために仕立て職人を離宮に呼んでいた。
ルシアン殿下は王太子となったが、ギヨーム殿下とデュラン殿下の後始末に追われて、その後は自分の即位のための準備をするので、まだ鄙びた離宮に住んだままだった。この離宮も質素だが、わたくしは住み慣れてきていてのでそんなに気にならないが、ルシアン殿下が国王陛下となれば王宮の国王陛下の部屋に移らねばならないことは分かっていた。
それまではこの小さな離宮で、わたくしとルシアン殿下は静かに暮らしていた。
呼ばれた仕立て職人にわたくしが何ごとかと思っていると、ルシアン殿下が顔を僅かに赤らめながら、わたくしに言った。
「リュシア姉様の、ウエディングドレスを仕立てたいのです」
「わたくし、もう結婚していますが」
「あのとき、リュシア姉様はサイズも合わない、デザインも気に入らないドレスを着ていらっしゃったでしょう? ぼくは、リュシア姉様に自分の望むウエディングドレスを着て、結婚式をやり直したいのです」
「わたくしの望むウエディングドレス……」
確かに、ルシアン殿下と結婚したときには、あまりに急すぎたのと、王家のしきたりと言われて、サイズも合わない、デザインも好みではないドレスを着せられた覚えがある。
ルシアン殿下は、わたくしと約束した通りに、結婚式をやり直そうとしてくれているのだ。
「ルシアン殿下は、どんなドレスがお好みですか?」
「リュシア姉様の好きなドレスを選んでください」
「わたくし、ルシアン殿下の好みになりたいと思ってはいけませんか?」
わたくしが問いかけると、ルシアン殿下が頬を染めて視線を彷徨わせた。
「ぼくの我が儘を聞いてくれるのですか?」
「教えてください」
わたくしが促すと、ルシアン殿下は密やかにわたくしに告げた。
「できれば、首の詰まったものを……。リュシア姉様の美しい肌を、他の誰にも見せたくありません」
「首の詰まったドレスも素敵ですよね。それではそうしましょう」
ルシアン殿下の独占欲がかわいく心地よくて、わたくしは快くそれを受け入れた。
ドレスは胸からすとんと布地が下りる形にして、足元もできるだけ見せないようなデザインにしてもらう。体の線が出るようなものはルシアン殿下も好まないだろうし、わたくしは小柄で華奢なのであまり似合いそうになかったので避けることにした。
純白の布で仕立ててもらうことにして、わたくしはルシアン殿下に視線を向けた。
「ルシアン殿下も、結婚式用のタキシードを誂えてもらいますよね?」
「あ、そうでした。ぼくも結婚式用のものは持っていませんでした」
わたくしとルシアン殿下の結婚式のときに、ルシアン殿下は黒いタキシードを着ていた。あれは結婚式用に誂えることができなくて、夜会に出るときに着るものを使い回すように言われたのだろう。
「ルシアン殿下も、採寸をしてもらってください」
「分かりました」
仕立て職人にはルシアン殿下の採寸もしてもらって、結婚式用のタキシードを注文した。
「ぼくが成人したらすぐにでも結婚式をやり直したいのですが、国王としての即位式があります。それに、国王になってからしばらくは忙しくてそれどころではないかもしれません」
早くリュシア姉様と結婚式をやり直したいのに。
残念そうに言うルシアン殿下に、わたくしはお願いしてみることにした。
「春にはわたくしの二十一歳の誕生日が来ます」
「はい」
「わたくしの誕生日を、結婚式のやり直しの日にしてはいけませんか?」
そのころにはルシアン殿下も国王陛下として落ち着いているだろうし、わたくしは自分の誕生日にルシアン殿下と結婚式をやり直せる。提案すると、ルシアン殿下が赤みがかった紫の目を輝かせてわたくしを抱き締める。
「なんて素晴らしい考えなのでしょう! リュシア姉様、そうしましょう」
「それでは、ルシアン殿下」
「はい、なんでしょう?」
「わたくしのことは、『リュシア姉様』ではなく、『リュシア』と呼んでください」
「え!? そんな、急には無理です」
ルシアン殿下はもう王太子なのだし、わたくしと結婚して一年以上経つ。いつまでもわたくしのことを「リュシア姉様」と呼んでいるのはおかしい。
わたくしが指摘すると、ルシアン殿下は躊躇っているようだった。
「リュシア……あぁ、無理です。リュシア姉様、もっと段階的に、少しずつでもいいですか?」
「わたくしは一年以上前からルシアン殿下の妻なのですが」
「リュシア姉様、お願いです」
六歳のときから十年以上呼んできた「リュシア姉様」という呼び名をすぐに変えることは難しいようだった。
「やり直しの結婚式までには『リュシア』と呼ぶのに慣れてくださいね?」
「頑張ります」
急には無理だというルシアン殿下に、わたくしは猶予を与えたのだった。
王太子殿下となったルシアン殿下が始めにしたことは、ギヨーム殿下とデュラン殿下の王子妃の開放だった。
閉じ込められていた二人の王子妃は、ルシアン殿下の手によって解放された。
「本当にありがとうございます。わたくしは、実家に帰って、助けることのできなかった侍女と共に静かに暮らそうと思います」
「彼女の御子息についても、お願いできますか?」
「もちろんです。王族として相応しい教育を受けさせるとお約束いたします」
ギヨーム殿下の王子妃は実家に帰って、侍女とその息子と共に静かに暮らすことを選んだ。侍女の息子は、望まれていなかったとはいえ、ギヨーム殿下の血を引くので、王族としてしっかりと教育がなされて、ギヨーム殿下が自分の父親だということを知った後も、侍女と王子妃の愛情に包まれて育てられるだろう。
「わたくしは隣国に戻ります。宰相は投獄されましたが、まだ隣国では奴隷取引を考えるものがいないわけではありません。そのものたちがしっかりと裁かれるように、父上に働きかけます」
デュラン殿下の王子妃は、隣国に帰ることを選んだ。奴隷取引に手を染めた宰相が捕らえられてはいるが、隣国にはまだ奴隷取引を考えるものが残っているようだ。そういうものたちを隣国の国王に働きかけて、取り締まる仕事をするつもりのようだった。
「議会では証言してくださってありがとうございます」
「わたくしができたのはあれくらいでした。異国に売り飛ばされた子どもたちは今も苦しい思いをしているでしょう。彼ら全てが救われる日まで、わたくしは微力ながら隣国から働きかけていこうと思います」
隣国の宰相の奴隷取引を暴いた王女は、今も勇敢だった。
王宮から去る二人を見送ってから、ルシアン殿下とわたくしは、ギヨーム殿下とデュラン殿下の残していったものの処理を行っていった。
ギヨーム殿下の愛妾たちは全員解放して、実家に帰らせた。愛妾はほとんどが自ら望んで金のためにギヨーム殿下の元に来た者たちだったので、手切れ金を渡せば大人しく去っていった。
ギヨーム殿下の被害に遭った女性たちには、国から慰謝料が支払われることとなった。それは、愛妾たちが使っていた宮殿の美術品やギヨーム殿下から渡された宝飾品を売り払って支払われることになった。
デュラン殿下の後処理に関しては、まずは奴隷だった少年少女を開放することだった。少年少女は慰謝料と共に家に帰された。
「ルシアン殿下、本当にありがとうございます。デュラン殿下は自分の好みの年齢でなくなった少年少女は、奴隷として売り出していたのです。わたしももう少しでその年齢でした。売られる前に解放されてよかったです」
ルシアン殿下と約束をした少年は、何度もルシアン殿下にお礼を言って自分の家に帰って行った。
デュラン殿下のコレクションは、王妃殿下の遺品などの特別なもの以外、全てが売られて、デュラン殿下が使い込んだ国の財産の埋め合わせと、少年少女への慰謝料、そして、奴隷として売り飛ばされた子どもたちの救出のための資金に使われた。
デュラン殿下の残したものの処理について、一つだけルシアン殿下が絶対にしなければいけないことがあった。
それは、わたくしの髪を埋め込んで作られた人形の処理だった。
「リュシア姉様の髪を燃やすのはとても心が痛みますが、デュラン兄上が愛でたものと思うと、取っておくわけにもいきません」
「燃やしてください、ルシアン殿下」
気持ちの悪い人形は、ルシアン殿下の手によって燃やされて処分された。
わたくしもデュラン殿下の愛でたわたくしの髪を使った人形など、存在していてほしくなかったので、燃やすことをお願いした。
全ての処理が終わるころには、季節は冬に移り変わりつつあった。
もうすぐ、ルシアン殿下のお誕生日だ。
ついにルシアン殿下が成人する。
ルシアン殿下は成人と共に国王陛下として即位することが決まっているので、その準備でルシアン殿下は大忙しだった。
その合間にも、ルシアン殿下はわたくしのために仕立て職人を離宮に呼んでいた。
ルシアン殿下は王太子となったが、ギヨーム殿下とデュラン殿下の後始末に追われて、その後は自分の即位のための準備をするので、まだ鄙びた離宮に住んだままだった。この離宮も質素だが、わたくしは住み慣れてきていてのでそんなに気にならないが、ルシアン殿下が国王陛下となれば王宮の国王陛下の部屋に移らねばならないことは分かっていた。
それまではこの小さな離宮で、わたくしとルシアン殿下は静かに暮らしていた。
呼ばれた仕立て職人にわたくしが何ごとかと思っていると、ルシアン殿下が顔を僅かに赤らめながら、わたくしに言った。
「リュシア姉様の、ウエディングドレスを仕立てたいのです」
「わたくし、もう結婚していますが」
「あのとき、リュシア姉様はサイズも合わない、デザインも気に入らないドレスを着ていらっしゃったでしょう? ぼくは、リュシア姉様に自分の望むウエディングドレスを着て、結婚式をやり直したいのです」
「わたくしの望むウエディングドレス……」
確かに、ルシアン殿下と結婚したときには、あまりに急すぎたのと、王家のしきたりと言われて、サイズも合わない、デザインも好みではないドレスを着せられた覚えがある。
ルシアン殿下は、わたくしと約束した通りに、結婚式をやり直そうとしてくれているのだ。
「ルシアン殿下は、どんなドレスがお好みですか?」
「リュシア姉様の好きなドレスを選んでください」
「わたくし、ルシアン殿下の好みになりたいと思ってはいけませんか?」
わたくしが問いかけると、ルシアン殿下が頬を染めて視線を彷徨わせた。
「ぼくの我が儘を聞いてくれるのですか?」
「教えてください」
わたくしが促すと、ルシアン殿下は密やかにわたくしに告げた。
「できれば、首の詰まったものを……。リュシア姉様の美しい肌を、他の誰にも見せたくありません」
「首の詰まったドレスも素敵ですよね。それではそうしましょう」
ルシアン殿下の独占欲がかわいく心地よくて、わたくしは快くそれを受け入れた。
ドレスは胸からすとんと布地が下りる形にして、足元もできるだけ見せないようなデザインにしてもらう。体の線が出るようなものはルシアン殿下も好まないだろうし、わたくしは小柄で華奢なのであまり似合いそうになかったので避けることにした。
純白の布で仕立ててもらうことにして、わたくしはルシアン殿下に視線を向けた。
「ルシアン殿下も、結婚式用のタキシードを誂えてもらいますよね?」
「あ、そうでした。ぼくも結婚式用のものは持っていませんでした」
わたくしとルシアン殿下の結婚式のときに、ルシアン殿下は黒いタキシードを着ていた。あれは結婚式用に誂えることができなくて、夜会に出るときに着るものを使い回すように言われたのだろう。
「ルシアン殿下も、採寸をしてもらってください」
「分かりました」
仕立て職人にはルシアン殿下の採寸もしてもらって、結婚式用のタキシードを注文した。
「ぼくが成人したらすぐにでも結婚式をやり直したいのですが、国王としての即位式があります。それに、国王になってからしばらくは忙しくてそれどころではないかもしれません」
早くリュシア姉様と結婚式をやり直したいのに。
残念そうに言うルシアン殿下に、わたくしはお願いしてみることにした。
「春にはわたくしの二十一歳の誕生日が来ます」
「はい」
「わたくしの誕生日を、結婚式のやり直しの日にしてはいけませんか?」
そのころにはルシアン殿下も国王陛下として落ち着いているだろうし、わたくしは自分の誕生日にルシアン殿下と結婚式をやり直せる。提案すると、ルシアン殿下が赤みがかった紫の目を輝かせてわたくしを抱き締める。
「なんて素晴らしい考えなのでしょう! リュシア姉様、そうしましょう」
「それでは、ルシアン殿下」
「はい、なんでしょう?」
「わたくしのことは、『リュシア姉様』ではなく、『リュシア』と呼んでください」
「え!? そんな、急には無理です」
ルシアン殿下はもう王太子なのだし、わたくしと結婚して一年以上経つ。いつまでもわたくしのことを「リュシア姉様」と呼んでいるのはおかしい。
わたくしが指摘すると、ルシアン殿下は躊躇っているようだった。
「リュシア……あぁ、無理です。リュシア姉様、もっと段階的に、少しずつでもいいですか?」
「わたくしは一年以上前からルシアン殿下の妻なのですが」
「リュシア姉様、お願いです」
六歳のときから十年以上呼んできた「リュシア姉様」という呼び名をすぐに変えることは難しいようだった。
「やり直しの結婚式までには『リュシア』と呼ぶのに慣れてくださいね?」
「頑張ります」
急には無理だというルシアン殿下に、わたくしは猶予を与えたのだった。
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