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愛してるは言えない台詞 〜つき〜
Paper Moon 2
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冴を保育園に送るついでという口実で、連月は路彦を仕事場に送っていった。町から少し離れた工房は、静かで路彦一人で作業をしていると言う。路彦を送った後で、連月は浮かれて連絡先を聞いていないことに、その時点では気付いていなかった。
「さぁちゃん、路彦さんのこと、どないに思う? めっちゃカッコ良くない? あの御人(おひと)やったら、ええやろ?」
「ししょー、じぶんのほうがえらばれないかのうせいは、かんがえてないんですね」
ばっさりと切り捨てられて、若干凹む。
「みちひこさんはいいひとだから、ししょー、がんばってくださいね」
さえもみちひこさんにあいたいですから。
4歳と言う年齢の割に冴が連月にドライな態度を取るのは、両親とのこともあるのだろう。1歳過ぎで冴を保護したときには、育児放棄されていた冴は痩せていて、大人に期待せず、泣くこともしなかった。
その冴が、路彦は一目で気に入って、一緒に朝ご飯を食べたがった。
「運命やない?」
「おめでたいあたまですよね」
保育園に送っていくまで惚気続ける連月に、冷静な冴のツッコミが入り続ける。
今月の薪能の打ち合わせをして、稽古をして、夕方には路彦を迎えに行こうと決めて、連月は連絡先を聞いていなかったことにようやく思い当たった。体の関係もあるのだし、昨日は避妊をしないで抱き合った。子どもが出来ていれば、即入籍でも構わない連月だが、都子から言われた台詞はあまりにも予想外のものだった。
「『昨日のことは大丈夫です』って。何があったのか知らないですけど、弟は連絡先は教えないで欲しいと言ってます」
「ほ、ほんまですか? 路彦さん、なんか、怒ってました?」
「昨日は酔って醜態晒したって言ってたから、恥ずかしがってるんじゃないですかね」
専属モデルの契約もあったので、契約書にサインをしに行ったついでのようになってしまったが、連月にとっては路彦との連絡先が本命だった。
抱かれたことを恥ずかしがっているのか。もしかして嫌だったのだろうか。
考え出すと止まらなくなって、契約が済んでその後の仕事をこなしている間も気が気ではなかった。仕事が終わるとすぐに車に乗り込んで向かったのは、路彦の仕事場である工房。ADUMAのブランドの会社か、そこしか路彦と連月の繋がりはない。
車を駐車場に停めて工房に駆けて行くと、ちょうど帰宅途中だったのか、路彦がものすごい勢いでドアを閉めて工房の中に入ってしまった。190センチ近い路彦の身体に直に縋り付きたかったが、それも許されず、ドアで阻まれたままで連月は路彦に問いかける。
「路彦さん? 昨日の、そんなに嫌やったん? 俺のにしてええって聞いたら、頷いてくれたから、俺、てっきり……」
「酔ってて、本当に何も覚えてないんです。何か、勘違いをさせたなら、ごめんなさい」
勘違いなのだろうか。あんなに好きと言ってくれて、抱かれる前にはくすくすと笑っていた。決して嫌な雰囲気ではなかったはずなのに、連月にとっては、最高の初めての幸せな思い出が、路彦にとっては覚えていたくもないくらいのものだったのだろうか。
茫然と立ち尽くした連月に、路彦が見当違いのことを口にする。
「こ、子ども、できてたらと心配されてるのかも知れませんが、男性同士で簡単にできませんし、これから、事後避妊薬もらいに行きます」
「そんな……俺が避妊せんやったんやし、赤さん、殺してしまうん?」
初めてで、ローションも避妊具も連月は持っていなかった。買いに行っていたら、その間に路彦がいなくなってしまうような、あれが現実ではなくなるような、不安でそのままに身体を繋げてしまったが、確かに成人男性として無責任なことをしてしまったことは反省していた。
しかし、それと事後避妊薬を飲むというのは別物である。路彦は連月との子どもがそんなに欲しくないのだろうか。
「出来てたら、取り返しはつかんのよ」
「妊娠してないのが分かったら、連絡します」
「俺が見てないところで何するか分からん。うちに、来て?」
半分口実で、半分は路彦に対する心配があった。年上で分別のある優しいこのひとは、自分に迷惑をかけるまいと早まってしまうのではないだろうか。
必死に言い募れば、絆されてくれたのか、路彦がドアを開けてくれた。
「約束しますし、連絡先も教えますから、俺を信じてください」
「また、会ってくれる?」
両手を掲げて降参の意を示す路彦に、連月は最早縋る勢いだった。初恋が3歳、もう一度惚れ直したのが17歳、25歳でようやく本人と会えて繋がりができたのだ、今更逃がすつもりはない。
「俺には会う理由がありません」
「またご飯食べたり……ええことしたり、しぃへん? アレ嫌やなかったやろ?」
「ええこと……いいこと!? ふぁー!?」
色気があると言われる長い睫毛を伏せて、これ見よがしに誘惑する連月に、路彦の反応は予想外だった。もっと照れたり、欲望を見せてくれたりするはずだったのに、物凄く驚愕されている気がする。
誘惑が足りないのだと、連月は上目遣いに路彦を見上げる。
「可愛く泣きながら俺のこと、好きやって言うてくれはったの、覚えてない?」
演技ではどれだけでも誘惑に成功するのに、ADUMAの専属モデルだって勝ち取ったのに、何故か路彦に色仕掛けが通じないのか解せない。身体を繋げたときに、童貞だったとばれてしまったのだろうか。もちろん、路彦以外とこういうことをするつもりはなかったから、童貞であることは連月の誇りですらあるのに。
「俺、デカイし、この容貌だし、目立ちますよ?」
「そういうのは、俺、気にせぇへんのよ」
奥ゆかしい路彦は、連月との仲を騒がれることを気にしているようだった。連月にしてみれば、大本命を射止めたわけだし、騒がれたところで痛くも痒くもない。それどころか、入籍会見を早く開きたいくらいだった。正直にそれを口にすれば、路彦はやっと折れてくれて、家に来てくれることになった。
「みちひこさんです! だっこしてください」
「冴ちゃん、立田さんは良いの?」
「立田さんやったら、さぁちゃんと同じやから、連さんて呼んで?」
「ししょー、ねこなでごえ、きもちわるいです」
保育園に冴を迎えに行くと、路彦に飛び付いていく。夜間保育でもないので、冴は早く帰れるのが嬉しいようだった。テンションの高い冴に便乗して、呼び名を言ってみたが、路彦はずっと「立田さん」を貫く。
抱きたい気持ちは非常に強くあったが、妊娠しているかもしれない相手にそんなことをする外道と思われたくない。できればもっと注いで、間違いなく妊娠させてしまいたかったが、それも路彦の望むところではないのだろう。
女性と違って、生理のない男性の妊娠は、生理周期の計算ができないので、目安で三週間程度待ってからでないと検査結果が出ないのだと路彦に教えられた。同じベッドに寝ていたら絶対に襲う自信しかなかったので、連月は路彦に客間を貸した。
少ない荷物を持ち込んで、路彦はそこで生活し始める。
「これは、同棲やな。道彦さんは俺のもんで、俺は道彦さんのもんやから、事実婚ってやつかもしれん。後は、籍を入れるだけや」
「ししょー、ひとりごとじゃなくて、ほんにんにいうべきだとおもいます」
「そんな……俺ばっかり焦っとるみたいでかっこ悪いやん! 赤さんができてるか結果が出てからやないと、路彦さんも落ち着かんやろうし」
「あかさん……さえ、おねーちゃんですか?」
「路彦さんのお腹に赤さんがおったらな」
師弟できゃっきゃと話していると、朝のシャワーを終えた路彦がリビングに出て来る。緩んだ顔を連月は急いで引き締めた。
「今日は何時ごろに帰りますか?」
「晩ご飯作りたいから、6時までにはさぁちゃん保育園に迎えに行くわ」
「その頃に帰ります」
合鍵を渡そうとしても、作っている間にタイミングを逃してしまって、路彦は毎日連月の帰る時間に合わせて家に来てくれている。
早く合鍵を渡してしまいたい。
三週間目に妊娠の結果が出たら、そのタイミングでと連月は機会をうかがっていた。
「さぁちゃん、路彦さんのこと、どないに思う? めっちゃカッコ良くない? あの御人(おひと)やったら、ええやろ?」
「ししょー、じぶんのほうがえらばれないかのうせいは、かんがえてないんですね」
ばっさりと切り捨てられて、若干凹む。
「みちひこさんはいいひとだから、ししょー、がんばってくださいね」
さえもみちひこさんにあいたいですから。
4歳と言う年齢の割に冴が連月にドライな態度を取るのは、両親とのこともあるのだろう。1歳過ぎで冴を保護したときには、育児放棄されていた冴は痩せていて、大人に期待せず、泣くこともしなかった。
その冴が、路彦は一目で気に入って、一緒に朝ご飯を食べたがった。
「運命やない?」
「おめでたいあたまですよね」
保育園に送っていくまで惚気続ける連月に、冷静な冴のツッコミが入り続ける。
今月の薪能の打ち合わせをして、稽古をして、夕方には路彦を迎えに行こうと決めて、連月は連絡先を聞いていなかったことにようやく思い当たった。体の関係もあるのだし、昨日は避妊をしないで抱き合った。子どもが出来ていれば、即入籍でも構わない連月だが、都子から言われた台詞はあまりにも予想外のものだった。
「『昨日のことは大丈夫です』って。何があったのか知らないですけど、弟は連絡先は教えないで欲しいと言ってます」
「ほ、ほんまですか? 路彦さん、なんか、怒ってました?」
「昨日は酔って醜態晒したって言ってたから、恥ずかしがってるんじゃないですかね」
専属モデルの契約もあったので、契約書にサインをしに行ったついでのようになってしまったが、連月にとっては路彦との連絡先が本命だった。
抱かれたことを恥ずかしがっているのか。もしかして嫌だったのだろうか。
考え出すと止まらなくなって、契約が済んでその後の仕事をこなしている間も気が気ではなかった。仕事が終わるとすぐに車に乗り込んで向かったのは、路彦の仕事場である工房。ADUMAのブランドの会社か、そこしか路彦と連月の繋がりはない。
車を駐車場に停めて工房に駆けて行くと、ちょうど帰宅途中だったのか、路彦がものすごい勢いでドアを閉めて工房の中に入ってしまった。190センチ近い路彦の身体に直に縋り付きたかったが、それも許されず、ドアで阻まれたままで連月は路彦に問いかける。
「路彦さん? 昨日の、そんなに嫌やったん? 俺のにしてええって聞いたら、頷いてくれたから、俺、てっきり……」
「酔ってて、本当に何も覚えてないんです。何か、勘違いをさせたなら、ごめんなさい」
勘違いなのだろうか。あんなに好きと言ってくれて、抱かれる前にはくすくすと笑っていた。決して嫌な雰囲気ではなかったはずなのに、連月にとっては、最高の初めての幸せな思い出が、路彦にとっては覚えていたくもないくらいのものだったのだろうか。
茫然と立ち尽くした連月に、路彦が見当違いのことを口にする。
「こ、子ども、できてたらと心配されてるのかも知れませんが、男性同士で簡単にできませんし、これから、事後避妊薬もらいに行きます」
「そんな……俺が避妊せんやったんやし、赤さん、殺してしまうん?」
初めてで、ローションも避妊具も連月は持っていなかった。買いに行っていたら、その間に路彦がいなくなってしまうような、あれが現実ではなくなるような、不安でそのままに身体を繋げてしまったが、確かに成人男性として無責任なことをしてしまったことは反省していた。
しかし、それと事後避妊薬を飲むというのは別物である。路彦は連月との子どもがそんなに欲しくないのだろうか。
「出来てたら、取り返しはつかんのよ」
「妊娠してないのが分かったら、連絡します」
「俺が見てないところで何するか分からん。うちに、来て?」
半分口実で、半分は路彦に対する心配があった。年上で分別のある優しいこのひとは、自分に迷惑をかけるまいと早まってしまうのではないだろうか。
必死に言い募れば、絆されてくれたのか、路彦がドアを開けてくれた。
「約束しますし、連絡先も教えますから、俺を信じてください」
「また、会ってくれる?」
両手を掲げて降参の意を示す路彦に、連月は最早縋る勢いだった。初恋が3歳、もう一度惚れ直したのが17歳、25歳でようやく本人と会えて繋がりができたのだ、今更逃がすつもりはない。
「俺には会う理由がありません」
「またご飯食べたり……ええことしたり、しぃへん? アレ嫌やなかったやろ?」
「ええこと……いいこと!? ふぁー!?」
色気があると言われる長い睫毛を伏せて、これ見よがしに誘惑する連月に、路彦の反応は予想外だった。もっと照れたり、欲望を見せてくれたりするはずだったのに、物凄く驚愕されている気がする。
誘惑が足りないのだと、連月は上目遣いに路彦を見上げる。
「可愛く泣きながら俺のこと、好きやって言うてくれはったの、覚えてない?」
演技ではどれだけでも誘惑に成功するのに、ADUMAの専属モデルだって勝ち取ったのに、何故か路彦に色仕掛けが通じないのか解せない。身体を繋げたときに、童貞だったとばれてしまったのだろうか。もちろん、路彦以外とこういうことをするつもりはなかったから、童貞であることは連月の誇りですらあるのに。
「俺、デカイし、この容貌だし、目立ちますよ?」
「そういうのは、俺、気にせぇへんのよ」
奥ゆかしい路彦は、連月との仲を騒がれることを気にしているようだった。連月にしてみれば、大本命を射止めたわけだし、騒がれたところで痛くも痒くもない。それどころか、入籍会見を早く開きたいくらいだった。正直にそれを口にすれば、路彦はやっと折れてくれて、家に来てくれることになった。
「みちひこさんです! だっこしてください」
「冴ちゃん、立田さんは良いの?」
「立田さんやったら、さぁちゃんと同じやから、連さんて呼んで?」
「ししょー、ねこなでごえ、きもちわるいです」
保育園に冴を迎えに行くと、路彦に飛び付いていく。夜間保育でもないので、冴は早く帰れるのが嬉しいようだった。テンションの高い冴に便乗して、呼び名を言ってみたが、路彦はずっと「立田さん」を貫く。
抱きたい気持ちは非常に強くあったが、妊娠しているかもしれない相手にそんなことをする外道と思われたくない。できればもっと注いで、間違いなく妊娠させてしまいたかったが、それも路彦の望むところではないのだろう。
女性と違って、生理のない男性の妊娠は、生理周期の計算ができないので、目安で三週間程度待ってからでないと検査結果が出ないのだと路彦に教えられた。同じベッドに寝ていたら絶対に襲う自信しかなかったので、連月は路彦に客間を貸した。
少ない荷物を持ち込んで、路彦はそこで生活し始める。
「これは、同棲やな。道彦さんは俺のもんで、俺は道彦さんのもんやから、事実婚ってやつかもしれん。後は、籍を入れるだけや」
「ししょー、ひとりごとじゃなくて、ほんにんにいうべきだとおもいます」
「そんな……俺ばっかり焦っとるみたいでかっこ悪いやん! 赤さんができてるか結果が出てからやないと、路彦さんも落ち着かんやろうし」
「あかさん……さえ、おねーちゃんですか?」
「路彦さんのお腹に赤さんがおったらな」
師弟できゃっきゃと話していると、朝のシャワーを終えた路彦がリビングに出て来る。緩んだ顔を連月は急いで引き締めた。
「今日は何時ごろに帰りますか?」
「晩ご飯作りたいから、6時までにはさぁちゃん保育園に迎えに行くわ」
「その頃に帰ります」
合鍵を渡そうとしても、作っている間にタイミングを逃してしまって、路彦は毎日連月の帰る時間に合わせて家に来てくれている。
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