俺は貴女に抱かれたい

秋月真鳥

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一部 玲と松利編

猫を助けたら美女に嫁に貰われた件 7

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 発情期が近くなると、松利のフェロモンは強く香るようで、玲がそわそわとしているのが分かった。会社も無事に退社して、アクセサリーは知り合いの友人のアクセサリーショップで人気なようで注文が殺到していて忙しく、松利は嬉しい悲鳴を上げていた。
 操もアルファだが、玲と松利は番なので、松利のフェロモンに影響されることはない。前の発情期の一週間は、玲が毎日松利の家に通ってきてくれていたが、今回の発情期は操と猫二匹と同じ屋根の下である。乱れて、抱かれることしか考えられなくなって、玲の雌になって浅ましく強請り続ける松利の姿を、猫たちはともかく、操にうっかりと見られてしまってはいけない。
 お手洗いもバスルームも、リビングを通らなければ行けないし、発情期は昼も夜もなく玲を求めてしまうので、そんな卑猥な姿をまだ小学生の操には絶対に見せるわけにはいかなかった。

「みぃちゃんなぁ。どないしよか」
「見られたら、俺、二度と操ちゃんの前に出られません」
「それはあかんわ。せやな、信頼の置けるひとがおる」

 そうして、紹介されたのが、舞園まいぞの霧恵きりえという前は真っ直ぐに、横は顎下で前下がりに真っ直ぐに、後ろは腰でぷっつりと漆黒の髪を切り揃えた、長身の立派な体格の女性だった。
 松利よりも身長は低いが、女性にしてはかなりの長身の彼女の纏う雰囲気に、松利は圧倒されてしまう。

「頼みごとなんて、珍しいわね。うちのチワワちゃんが何かしたかしら?」
「アレのことは、よろしゅう頼みます。それだけやなくて、次のうちの可愛いひとの発情期に、操のこと、預かってくれませんやろか?」
「籍はもう入れたのだったっけ? 大事なハネムーンだものね。良いわよ」

 了承してくれた霧恵に、松利は真っ赤になってしまった。豊かな胸の霧恵は色っぽいが、松利の恋愛対象内ではない。最初から松利は玲しか心にないのだから。それはそれとして、性事情を霧恵にも操にも把握されているというのは、恥ずかしい。
 男性のオメガの松利は、発情期にしか妊娠できないのだから、玲を独り占めして、しっかりと種付けしてもらうしかない。それは分かっているのだが、恥ずかしいことには変わりない。

「よ、ろしく、お願いします」
竹史たけしって、どうですか? 松利さんが松がお名前に付いてておめでたいから、赤さんは竹で!」
「みぃちゃん、気が早いで。男の子かどうかも分からへんのに」
「男の子のオメガです! 操のために、松利さんは竹史くんを産んでくれると信じてます」

 操は操で、生まれてくる赤ん坊が男の子でオメガだったらお嫁にすると意気込んでいる。アルファとはこういう性に大っぴらなものだったかと、松利は顔を覆ってしまった。
 本格的に発情期が来る前に、操は当分の荷物を纏めて、霧恵のところに預けられた。

「あのひとは、どういう関係の方ですか?」
「うちの従弟が松利さんの元職場におったやろ? アレの惚れた御人おひとや」

 趣味だけはええんやから。
 そう言われて思い出すと確かに、あの玲の面影のある従弟の晃から、松利はアルファのオーラは全く感じ取れなかった。それどころか、首に着いたチョーカーからオメガのような気がしていた。それがあのオーラのあるアルファらしき霧恵に惚れて、お嫁に行きたいというのはとても納得が行く

「結婚、許してあげないんですか?」
「知らんわ。もう成人してるんやから、結婚は両者の合意があれば勝手にするやろ」
「玲さんが許してくれないって言ってましたよ」
「うちを怖がって結婚できんて言うてる間は、あいつは結婚する資格がないんや」

 あれだけ怖がっている玲の反対を押し切ってでも結婚する気概を見せなければ、結婚を許す気はない。そんな玲に、松利は微笑んでしまう。

「大事な従弟さんなんですね」
「不本意やけどな」

 いつかその従弟との話も玲は聞かせてくれるだろうか。
 そんなことを考えながら、玲と松利だけ……ではないが、猫たちはしっかりとキャットフードと水を足しておいて、発情期の夜が始まりつつあった。
 バスルームに玲と一緒に入るのは事後に軽く体を流すくらいで、操がいたので普段は風呂は別々だった。

「松利さんはじっとしとって。うちが洗ったる」

 手の平で泡立てたボディソープを身体中に塗りたくられて、それだけでも発情期の身体は疼いて堪らないのに、玲は自分の身体に泡を塗って松利の身体に擦り付けてくる。柔らかな小ぶりの乳房も、赤く色付く尖りも、松利の胸を、腹を刺激して後ろが濡れてくるのが分かった。

「気持ちええ?」
「あ、あぁっ、玲、さん」
「ここ、立ってきてるで」

 キュッと胸の尖りを摘まれて、松利は膝が砕けてタイルの上に座り込んでしまった。見上げた玲の黒い瞳は、欲望に塗れている。顎を掴まれて、強引に口付けられるのすら、気持ちよくて堪らない。

「んっ、もっと、玲さん、もっと」
「松利さんは、キスが好きやね」
「玲さんの唇、気持ちいいから」

 ふっくらとした玲の唇は柔らかくて、口付けていると蕩けそうに感じてしまう。舌を絡める濃厚なキスをもらって、身体の泡を流した松利はバスタブに招かれた。向かい合って座ると、玲の手が松利の双丘を割って、滑る奥に指が差し込まれる。

「ひっ、お、おゆが、はいるぅ」
「お風呂やったら、松利さんのこと持ち上げられるやろ?」
「え……ふぁ!?」

 膝に腕を差し込まれて、浮力も手伝って玲の武術で鍛え上げられた腕が、松利を持ち上げてしまう。そのまま膝の上に招かれて、バスタブの端に脚を引っ掛けるようにして、玲を受け入れた。
 入ってくるお湯の気持ち悪さよりも、発情期で熟れた身体は、逞しい玲の一物が内壁を擦り上げる快感を拾ってしまう。

「うぁっ! あぁっ! れい、さん、いいぃ!」
「可愛くて素直なエロい身体や。大好きやで、松利さん」
「ひぃっ! きもちいっ、うぁぁっ!」

 バスルームに反響する声を抑える必要もない。突き上げられるたびに、バスタブから溢れるお湯と、湧き上がる快感。前は萎えた状態のまま、松利は玲の膝の上で中だけで達し、玲の白濁を胎に受けていた。
 逆上せる前に寝室に移って、バスタオルだけ巻いた姿でベッドに倒れ込む。すぐに剥がされて裸になった松利に、玲は枕元からしゃらりと鳴る細い金属の鎖のようなものを取り出した。
 何かと見ていると、胸の尖りが冷たいもので痛くないくらいに締められた。

「ひゃんっ!? な、なに!?」
「やっぱり、よく似合う。お肌の色に映えて、綺麗やで、松利さん」

 それがニップルネックレスと呼ばれるもので、乳首を挟むリングに紫のビジューを垂らして、首に巻いたネックレスと細いチェーンで繋いで、胸の谷間にもビジューを飾るデザインになっていた。

「き、れいって……ひゃぁ!?」

 真ん中のビジューを引っ張ると、胸の尖りも引っ張られて、走る悦楽に松利は悲鳴を上げてしまう。ずぷりと最奥まで貫かれて、そのまま動いてくれない玲に焦れて腰を揺らすと、またビジューを引っ張られて、胸への刺激に松利は玲を食い締めてしまう。

「ひっ、ひんっ、れい、さ……ひぁっ!?」
「ここだけでイケるようになってくれはる?」
「れ、いさ……ひぁっ!?」

 引っ張られるたびに胸はジンジンと疼くし、核心を得られない奥は焦ったくて、自然と腰が揺れてしまう。

「む、むりぃ……ほしい、れいさん、ください」

 ぼろぼろと泣き出してしまった松利に、玲が優しくキスをくれる。

「急には無理やな。ごめんな、泣かせるつもりやなかったんや。お詫びに、松利さんが、好きにしてええで?」

 何度も口付けながら、玲は体勢を変えて、松利が玲に跨る形にしてくれた。発情期で完全に恥じらいの飛んでいる松利は、促されるままに、玲の腰の上で腰を動かす。自分主導で、抉って欲しい場所に的確に玲のものを当てられるのが悦すぎて、腰が止まらない。
 ぐちゅぐちゅと濡れた音を響かせながら、夢中になって玲を貪る松利胸で揺れるビジューを、玲がうっとりと見上げている。

「可愛い……あぁ、松利さん、めちゃくちゃ悦いで。綺麗やで」
「れいさん、きもちいっ! とまらないっ!」

 一際大きな嬌声を上げて、喉を反らせて達した松利の蠢く中に、玲も熱い飛沫を放ってくれる。

「もっと、れい、もっと……」
「松利、孕むまで注いだる」

 力が抜けてシーツに倒れた松利の体を返して、後ろからガツガツと玲が挑んでくるのも気持ちよくて、松利はひっきりなしに甘い声を上げて涙を流していた。
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