龍王陛下は最強魔術師の王配を溺愛する

秋月真鳥

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二章 龍王と王配の二年目

6.初夜

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 ヨシュアの手によって天蓋の幕が閉められて、結界も張られると、龍王がヨシュアの体を寝台の上に押し倒す。抵抗すれば簡単に龍王くらいは押し退けられるのだが、受け入れることは決めていたのでヨシュアはされるがままになっていた。
 顎を捉えられて口付けをされる。触れるだけの唇がもどかしく開いて、龍王の舌がヨシュアの唇を舐めるのに、ヨシュアも龍王の後頭部に手を差し入れて唇を薄く開いて答えた。
 おずおずと舌がヨシュアの口の中に入ってきて、ヨシュアの舌先に触れたかと思うと、びくりと龍王が震えて唇を離す。
 はぁはぁと息を整えているのが分かって、ヨシュアは龍王の髪を撫でながら龍王を宥める。

「鼻で息をするか、唇が離れたときに息継ぎを」
「なんで、そんなに、余裕があるんですかっ!」
「初めてなのにどっちも余裕がなかったら、悲惨だよ? 血を見たくはないからね」

 息継ぎをする余裕もないくらい龍王が切羽詰まっているのならば、ヨシュアの方が落ち着くしかない。どちらも高ぶって逸って行為に及んだら、悲劇しか待っていないのは間違いない。

「慣れてるのかと思って、嫉妬するじゃないですか」

 拗ねたように言いながら、また唇を吸ってくる龍王に、受け入れながらもヨシュアは次の段取りを頭の中で考えていた。
 この様子だったら龍王はヨシュアを余裕をもって慣らすことはできないだろう。侍従長がどのように教えたのかは分からないが、ヨシュアも王族なので体の交わし方は習っている。実践ではやったことがないが、理屈としては分かっているつもりだ。

「ヨシュア……ヨシュア、愛しています……ヨシュア」

 熱に浮かされたようになっている龍王にそれだけのことは望まない。そもそもヨシュアの方が年上で、抱かれる方であってもヨシュアが導かなければいけないのは明らかだった。

 龍王の寝間着の前を緩めて脱がしていくと、中心が既に兆しているのが分かる。細い体の割には大きなそこは、受け入れるのは少々困難だろう。
 怖気づいたわけではないが、お互いの中心をこすり合わせて快楽を得る程度では龍王は満足しないだろうか。
 口付けだけでこれだけ興奮している龍王が、最後までできるのかと言えば疑問しかない。

 兆して先端から雫を滲ませている龍王の中心の根元を指で輪を作って握ると、龍王がヨシュアと舌を絡めながら腰を震わせるのが分かる。指を上下させていくと、龍王の唇が離れ、荒い吐息が漏れる。

「ふっ……くっ……あぁっ! ヨシュア、だめ、です。出てしまう……」
「一度出しておいた方が楽かもしれないよ」
「でも、ヨシュアの中で……中で出したい」

 欲望を讃えた黒い目が、薄暗がりでぎらぎらと光っているのが分かる。
 まだヨシュアは準備もしていないし、龍王を受け入れることはできない。欲望に暴走しそうになっている龍王もそれは分かっているのだろう。

「分かった、から、ちょっと、待って」

 体勢を入れ替えて、ヨシュアは龍王の薄い腹の上に跨るようになる。寝間着を脱ぎ捨てていくヨシュアを龍王が蕩けた目で見つめている。

 枕元に用意させておいた香油の小瓶を手に取って、蓋を開けて手の平の上に落とすと、てらてらと薄暗闇の中で光るそれに、龍王がこくりと喉を鳴らしたのが分かった。
 汗ばんだ額に唇を落とし、龍王を宥める。

 指に香油を絡めて後ろに手を這わせると、まだ誰も受け入れたことのない場所が、慎ましく閉じているのが分かる。
 周囲に香油を塗りこむようにして、指を一本差し込むと、それだけでも息が詰まる。

「ヨシュア……」
「星宇、待って」
「は、はい」

 焦れたようにヨシュアの太ももに硬くそそり立つ中心を擦り付けてくる龍王に、ヨシュアは片手でその腹を押さえて暴走させないようにする。
 ぐちぐちと指で中を探っていると、龍王の手がヨシュアの胸に伸びてくる。
 ふにふにと胸を揉まれて、胸の飾りを摘ままれて、ヨシュアも息が上がってくる。

「いけないひとだ」
「ヨシュアにふれたい……ヨシュアの胸を吸いたい」

 欲望に浮かされて懇願してくる龍王の頭を片手で掻き抱き、もう片方の手では指を二本に増やして隘路あいろを拓いていく。龍王の唇がヨシュアの胸に吸い付き、胸の飾りを舌で転がされて、吸い上げられるのも、じわじわと快感に変わっていく。
 胸をいじられながら、何とか指三本が入るようになった後ろに安堵しつつ、ヨシュアはもう一度体勢を入れ替えた。
 龍王の下で足を広げて龍王を脚の間に挟むような形になって、ヨシュアは龍王に両腕を広げた。

「いいよ、おいで?」

 息をつめた龍王がヨシュアの腰に手を当てて腰を進めてくる。
 始めはものすごい圧迫感があったが、一番太い部分が入ってしまうと、後は無理なくヨシュアの中に龍王の中心が埋まる。
 奥まで腰を進めた龍王の顎から汗が一筋垂れて、ヨシュアの胸で砕けた。ヨシュアも全身汗だくになっていた。

「もう、むりっ! でるっ!」
「いいよ、出して?」
「あぁっ! くっ……!」

 熱い飛沫がヨシュアの中を濡らした。
 中に入れただけで達してしまった龍王は黒い目を伏せているが、まだ熱がこもっているのは伝わってくる。解けた髪に手を差し入れて、唇を寄せると、黒い目を情欲に濡らしながらヨシュアの唇に龍王が吸い付く。
 口付けを交わしていると、龍王の中心がヨシュアの中で芯を持ち、質量を増しているのが分かる。

「龍は多淫だと聞いたことがあったな……星宇、まだ満足していないんじゃないか?」
「ヨシュアの中、気持ちいい……またすぐに出そう……」
「いいよ、何度でも」

 鍛えた体はその程度では音を上げない。受け入れる体勢を見せたヨシュアに、龍王はその腰を掴んで引き抜く寸前まで体を引いて、奥まで一気にヨシュアを貫く。

「あっ……んぁっ! 星宇、悦いよ?」
「わたしも! わたしも、ヨシュアの中、きもちいい……!」

 がつがつと貪るように腰を動かされて、ヨシュアも快感の中に堕ちていく。
 天蓋の幕が降ろされた寝台の上は、香油の甘い香りで満ちていた。

 何度目か分からないくらいヨシュアの中で果てた龍王が、崩れ落ちるようにヨシュアの胸に倒れ込んでくるのを、ヨシュアは受け止めて抱き締めた。力を失った龍王の中心がずるりとヨシュアの中から抜けて、香油と白濁が混じったものがとろとろと布団を汚しながら溢れ出てくる。
 ヨシュアも何度か達していたので、ヨシュアの腹も白濁で汚れていた。

 問題はここからである。
 龍王の意識がないのを確かめて、ヨシュアは結界を解いて、部屋にいるイザークとシオンに声を掛けた。

「後始末をしたいので、ネイサンに準備をするように言ってくれ。イザークとシオンは、ご苦労だった。下がっていい」
「心得ました」
「侍従殿にお伝えします」

 ここから先は、どうしても誰かの手を借りなければいけなくなる。
 ネイサンが濡らした布を天蓋の幕の外に出したヨシュアの手に握らせてくれて、ヨシュアは意識のない龍王の体を簡単に拭いて、自分の体も拭いて、ネイサンの差し出した新しい寝間着に着替える。龍王の体も寝間着で包んで、天蓋の外に出た。

「ネイサン、湯殿に行くので同行を」
「行かせていただきます、我が主」

 龍王を抱き上げたまま湯殿まで歩いて行くと、拭いたのだがまだ中に残っている龍王の白濁が足を伝って床に滴り落ちる。
 こういうのも龍王は見られるのが嫌なのだろうと分かっているが、意識がないのでなかったことにしておく。

 湯殿に行くと、龍王を先に湯で流して、髪も洗って湯船に座らせると、龍王は意識が戻ったようだった。

「ヨシュア……わたしは……?」
「疲れただろう。おれも疲れた。後始末が終わったら、一緒に寝よう」
「うん……」

 眠くて疲れているのであろう龍王の返事はどこか幼い。
 後ろに指を差し入れて中で放たれたものを掻き出していると、さすが龍族といった様子で量が相当に多い。全部掻き出して、湯で流して湯船に座ると、龍王がヨシュアにすり寄ってきた。
 頭がぐらぐらとして、ほとんど眠っているような状態だ。

「ヨシュア、嫌ではなかったですか? 気持ちよかったですか?」

 眠っているような状態なのに、ヨシュアを気遣ってくるところが可愛くて、ヨシュアはその唇に触れるだけの口付けをする。

「気持ちよかったよ」
「よかった……」

 そのまま倒れ込んで眠ってしまいそうな龍王を抱き上げて、ヨシュアは湯殿から上がった。
 龍王の着替えはネイサンに任せて、自分の着替えは自分でする。
 もう歩けない様子の龍王を抱き上げて部屋に戻ると、清潔な布団に取り換えられた寝台の上に優しく横たえる。
 ヨシュアが横に入ると、龍王は寝ながらもヨシュアの胸に顔を埋めて、しっかりと抱き着いてきていた。

 ヨシュアも龍王の体を抱き締めて、目を閉じた。
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