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13.婚姻届けを出しに
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昼前に月神と一緒に目覚めた真珠は、昼食を作ってくれて月神と一緒に食べた。
一瞬も離したくないと言って、真珠は月神を膝の上に抱き上げたまま月神に昼食を食べさせてくれる。
「つぐちゃん、あーん」
「真珠ったら、恥ずかしいです」
「二人きりなんだから、恥ずかしがることないわよ」
甘やかされて、恥ずかしい気持ちがなかったわけではないが、真珠が月神を心配していて、月神を放したくないと思ってくれているのならば、そんな嬉しいことはなかった。
昼食を食べ終わるころに旭がバイクで真珠の洋館にやってきた。結婚の話をすると約束をしていたのだ。それが、安増のせいで予定変更になってしまっていた。
安増は今は謹慎という名目で仕事を休まされているが、近いうちに処分が下るだろう。そのときには真珠も同席しなければいけないのだろう。
安増の処分のときには真珠も上司として監督不届きだと説教を食らうと言っていた。それが安増の後ろ盾となっている一族を潰す布石になるのだったら、真珠は受けて立つと男らしく構えている。
そんな真珠に月神は惚れ直す思いだった。
やって来た旭は金髪碧眼の小柄な美しい少女のような男性を伴っていた。
「あさちゃん、その方は?」
「大事なひと」
叶を亡くしてからずっと人付き合いを避けていた、というか、そもそも家族以外とは真珠くらいしか人付き合いがなかった旭が、大事なひとと言って男性を連れて来た。
それは月神にとっては嬉しいことでもあった。
生活力が全くない旭は、家事が全くできず、家に一人で残しておくのが心配だったのだ。叶の元に行きたいと言わんばかりに痩せて儚くなってしまう旭を想像していただけに、新しい相手が見付かったのは月神にとっても幸せなことだった。
「先にあたしから話させてもらうわね。実は、つぐちゃんの運命の相手があたしだったのよ」
「そうだと思ってた」
「気付いていたの!?」
「しんちゃん、つぐちゃんに血を分けてた」
話してくれる真珠の膝の上に座ったままで聞いていると、旭は真珠が月神に血を分けていたところを見ていたようだ。それで真珠が月神の運命のひとだと予測していたのだろう。
「お父さん、真珠と結婚したいんだ。僕はもう成人だから許可はいらないけれど、それでもお父さんにはちゃんと認めて欲しい」
「少し前なら認められなかった」
少し前ならという言葉に月神は旭の隣りに座る金髪碧眼の美しいひとを見詰める。そのひとは月神には分かるが、吸血鬼に違いなかった。
「このひとは、アウラ・レガリアさん」
「初めまして、アウラ・レガリアです。魔法解析の仕事をしています。五百蔵さんとは何度か一緒にお仕事をさせていただきました」
「その節はお世話になりました」
「旭さんは僕の運命のひとなんです」
月神が感じた通りにアウラは吸血鬼であったし、大事なひとという響きから想像していた通り、旭の運命のひとだった。
「それじゃ、お父さん、アウラさんと幸せになるんだね?」
「今はまだ急すぎて……。でも、いつかは……」
「大丈夫です。旭さんが僕を認めてくれるまでずっと待ちます。待つのは得意です」
にっこりと微笑むアウラは優しそうで旭を守ってくれそうな気がする。旭も月神と雰囲気の似ているアウラを大事にしそうな気がする。
この二人は上手くいくのではないかと月神は思っていた。
「あさちゃん、これ、婚姻届け。あたし、つぐちゃんとの仲はちゃんとしたいの」
「つぐちゃんを大事にして。つぐちゃんを、泣かせないで」
「約束するわ。あたしの全てを持ってつぐちゃんを守る」
真珠と旭の間でも話は纏まりつつある。旭に見届けてもらって、月神は真珠と一緒に婚姻届けを記入することにした。
「名字はどうしますか? 真珠は五百蔵のままがいいですか?」
「五百蔵にいい思い出はないし、つぐちゃんのものになりたいんだけど、嫌?」
「そんなことないです。嬉しいです」
真珠が月神の籍に入ってくれる。五百蔵真珠・ヴァレンチノから、舞園真珠になってくれるのだ。
「レガリアさんはどこで父と出会ったんですか?」
「前回の遺跡調査の記録を解析させてもらいました。そのときに旭さんの演奏が気になって、家を訪ねてみたんです。そしたら、家が……」
あまりにも荒れていた。
言葉にしなかったが月神は察してしまう。
月神がいないと旭は食事もとらないし、掃除もしないし、ゴミ捨てもしない。しないのではなくて、正確にはできないのだが、そんな旭の暮らしを見てアウラは放っておけないと思ってくれたのだ。
「旭さんに会うと匂いですぐに運命のひとだと分かりました。血を吸わせてもらったけど、その血がまずくて」
月神も初めて真珠の血を吸ったときには、真珠は不摂生をしていた時期だったから、甘美な味の後に何とも言えない苦味やえぐみが残っていた。あれを経験したアウラは旭を放っておけなくなったのだ。
「僕が一緒に暮らして、旭さんの生活を立て直してあげようと思ったんです。そのうち、旭さんと結婚もしたいと思っています」
「前向きに考えてる」
叶を失ったショックが激しかったので二度と愛するひとなど現れないかと思っていた旭もアウラに関しては前向きに考えると言っている。これはとてもいい傾向なのではないだろうか。
月神は書き上がった婚姻届けに印鑑を押しながら聞いていた。
真珠も印鑑を押して、婚姻届けが出来上がる。
「届け出に行くのを見届けてくれる、あさちゃん、レガリアさん」
「分かった」
「旭さんの運命のひととして、見届けさせてもらいます」
車で役所まで行って婚姻届けを出した後で、真珠は『遺跡管理課』にも顔を出した。
「私は本日付で婚姻届けを出して、ここにいる舞園月神さんを夫として、舞園真珠になりました。明日にでも職場復帰するので今後ともよろしくお願いします」
堂々と宣言してくれる真珠に月神の胸がときめく。
「あの小柄な可愛い子が夫?」
「ってことは、課長はあの子に……?」
色々と誤解を振りまいてしまっている気がするが、幸せいっぱいの月神にはそれは耳に入っていなかった。
「男同士で結婚したのですから、どちらも夫です」
「そうですね、真珠」
「夫夫、仲良くしていきましょうね」
「はい、真珠」
高校を卒業したら真珠と結婚式を挙げるのだ。
月神は幸せな夢に浸っていた。
小さな式場で旭とアウラだけを呼んで、家族だけの小さな結婚式を挙げるのだ。その後は真珠とめくるめく愛の生活に入る。
「レガリアさん、魔法解析研究所に勤めているということは、魔法が使えるのですよね?」
「はい、仕えますよ」
「後でご相談をさせてください」
「五百蔵さん……ではなく、もう舞園さんですね。舞園さんは僕の家族になる方です。何でもします」
真珠の言う相談の内容が何なのか、月神は不思議に思っていたが、真珠に伴われてお祝いのレストランに連れて行かれていた。
レストランでは真珠が予約してくれていたのか個室席に通される。
豪華な料理が出て来て、真珠が月神の分を切り分けて月神の口に運んでくれる。アウラも旭もいるのに恥ずかしかったが、これも真珠の愛なのだろうと月神は受け入れた。
もきゅもきゅと最高級のランクの牛肉を食べていると、真珠がアウラに相談している。
「あの洋館に招かれざる客が入れないようにしたいのです」
「何か防犯で心配なことがあるのですか?」
「月神さんは有名な歌手です。月神さんの癒しの力を天使などと言って崇め奉り、ストーカーまがいのことをするファンもいると聞いています。月神さんを守るために、招かれていない客が入れないように結界を張りたいのです」
「具体的にはどれくらいの範囲で?」
「洋館と庭に、私と月神さんと旭さんとレガリアさん以外が入れないようにして欲しい」
安増に襲われたこともあったが、そこまで真珠は月神のことを心配してくれていた。
身内以外が招かれない限りは洋館に入れなくなるとなると、月神も安心してあの洋館で過ごすことができる。
「月神さん、祖父が使っていたサンルームがあるのです。古くなっていますが、改装すればまた使えると思います。祖父との思い出も私には快いものではないのですが、月神さんとならば新しい思い出を作って行けると思います」
洋館の庭がものすごく広いのは知っていたが、サンルームがあるとは知らなかった。サンルームで真珠と過ごす日々も楽しいだろう。
「真珠、これからはずっと一緒です」
真珠の手を取れば、真珠は花の咲き零れるような笑顔を見せてくれた。
一瞬も離したくないと言って、真珠は月神を膝の上に抱き上げたまま月神に昼食を食べさせてくれる。
「つぐちゃん、あーん」
「真珠ったら、恥ずかしいです」
「二人きりなんだから、恥ずかしがることないわよ」
甘やかされて、恥ずかしい気持ちがなかったわけではないが、真珠が月神を心配していて、月神を放したくないと思ってくれているのならば、そんな嬉しいことはなかった。
昼食を食べ終わるころに旭がバイクで真珠の洋館にやってきた。結婚の話をすると約束をしていたのだ。それが、安増のせいで予定変更になってしまっていた。
安増は今は謹慎という名目で仕事を休まされているが、近いうちに処分が下るだろう。そのときには真珠も同席しなければいけないのだろう。
安増の処分のときには真珠も上司として監督不届きだと説教を食らうと言っていた。それが安増の後ろ盾となっている一族を潰す布石になるのだったら、真珠は受けて立つと男らしく構えている。
そんな真珠に月神は惚れ直す思いだった。
やって来た旭は金髪碧眼の小柄な美しい少女のような男性を伴っていた。
「あさちゃん、その方は?」
「大事なひと」
叶を亡くしてからずっと人付き合いを避けていた、というか、そもそも家族以外とは真珠くらいしか人付き合いがなかった旭が、大事なひとと言って男性を連れて来た。
それは月神にとっては嬉しいことでもあった。
生活力が全くない旭は、家事が全くできず、家に一人で残しておくのが心配だったのだ。叶の元に行きたいと言わんばかりに痩せて儚くなってしまう旭を想像していただけに、新しい相手が見付かったのは月神にとっても幸せなことだった。
「先にあたしから話させてもらうわね。実は、つぐちゃんの運命の相手があたしだったのよ」
「そうだと思ってた」
「気付いていたの!?」
「しんちゃん、つぐちゃんに血を分けてた」
話してくれる真珠の膝の上に座ったままで聞いていると、旭は真珠が月神に血を分けていたところを見ていたようだ。それで真珠が月神の運命のひとだと予測していたのだろう。
「お父さん、真珠と結婚したいんだ。僕はもう成人だから許可はいらないけれど、それでもお父さんにはちゃんと認めて欲しい」
「少し前なら認められなかった」
少し前ならという言葉に月神は旭の隣りに座る金髪碧眼の美しいひとを見詰める。そのひとは月神には分かるが、吸血鬼に違いなかった。
「このひとは、アウラ・レガリアさん」
「初めまして、アウラ・レガリアです。魔法解析の仕事をしています。五百蔵さんとは何度か一緒にお仕事をさせていただきました」
「その節はお世話になりました」
「旭さんは僕の運命のひとなんです」
月神が感じた通りにアウラは吸血鬼であったし、大事なひとという響きから想像していた通り、旭の運命のひとだった。
「それじゃ、お父さん、アウラさんと幸せになるんだね?」
「今はまだ急すぎて……。でも、いつかは……」
「大丈夫です。旭さんが僕を認めてくれるまでずっと待ちます。待つのは得意です」
にっこりと微笑むアウラは優しそうで旭を守ってくれそうな気がする。旭も月神と雰囲気の似ているアウラを大事にしそうな気がする。
この二人は上手くいくのではないかと月神は思っていた。
「あさちゃん、これ、婚姻届け。あたし、つぐちゃんとの仲はちゃんとしたいの」
「つぐちゃんを大事にして。つぐちゃんを、泣かせないで」
「約束するわ。あたしの全てを持ってつぐちゃんを守る」
真珠と旭の間でも話は纏まりつつある。旭に見届けてもらって、月神は真珠と一緒に婚姻届けを記入することにした。
「名字はどうしますか? 真珠は五百蔵のままがいいですか?」
「五百蔵にいい思い出はないし、つぐちゃんのものになりたいんだけど、嫌?」
「そんなことないです。嬉しいです」
真珠が月神の籍に入ってくれる。五百蔵真珠・ヴァレンチノから、舞園真珠になってくれるのだ。
「レガリアさんはどこで父と出会ったんですか?」
「前回の遺跡調査の記録を解析させてもらいました。そのときに旭さんの演奏が気になって、家を訪ねてみたんです。そしたら、家が……」
あまりにも荒れていた。
言葉にしなかったが月神は察してしまう。
月神がいないと旭は食事もとらないし、掃除もしないし、ゴミ捨てもしない。しないのではなくて、正確にはできないのだが、そんな旭の暮らしを見てアウラは放っておけないと思ってくれたのだ。
「旭さんに会うと匂いですぐに運命のひとだと分かりました。血を吸わせてもらったけど、その血がまずくて」
月神も初めて真珠の血を吸ったときには、真珠は不摂生をしていた時期だったから、甘美な味の後に何とも言えない苦味やえぐみが残っていた。あれを経験したアウラは旭を放っておけなくなったのだ。
「僕が一緒に暮らして、旭さんの生活を立て直してあげようと思ったんです。そのうち、旭さんと結婚もしたいと思っています」
「前向きに考えてる」
叶を失ったショックが激しかったので二度と愛するひとなど現れないかと思っていた旭もアウラに関しては前向きに考えると言っている。これはとてもいい傾向なのではないだろうか。
月神は書き上がった婚姻届けに印鑑を押しながら聞いていた。
真珠も印鑑を押して、婚姻届けが出来上がる。
「届け出に行くのを見届けてくれる、あさちゃん、レガリアさん」
「分かった」
「旭さんの運命のひととして、見届けさせてもらいます」
車で役所まで行って婚姻届けを出した後で、真珠は『遺跡管理課』にも顔を出した。
「私は本日付で婚姻届けを出して、ここにいる舞園月神さんを夫として、舞園真珠になりました。明日にでも職場復帰するので今後ともよろしくお願いします」
堂々と宣言してくれる真珠に月神の胸がときめく。
「あの小柄な可愛い子が夫?」
「ってことは、課長はあの子に……?」
色々と誤解を振りまいてしまっている気がするが、幸せいっぱいの月神にはそれは耳に入っていなかった。
「男同士で結婚したのですから、どちらも夫です」
「そうですね、真珠」
「夫夫、仲良くしていきましょうね」
「はい、真珠」
高校を卒業したら真珠と結婚式を挙げるのだ。
月神は幸せな夢に浸っていた。
小さな式場で旭とアウラだけを呼んで、家族だけの小さな結婚式を挙げるのだ。その後は真珠とめくるめく愛の生活に入る。
「レガリアさん、魔法解析研究所に勤めているということは、魔法が使えるのですよね?」
「はい、仕えますよ」
「後でご相談をさせてください」
「五百蔵さん……ではなく、もう舞園さんですね。舞園さんは僕の家族になる方です。何でもします」
真珠の言う相談の内容が何なのか、月神は不思議に思っていたが、真珠に伴われてお祝いのレストランに連れて行かれていた。
レストランでは真珠が予約してくれていたのか個室席に通される。
豪華な料理が出て来て、真珠が月神の分を切り分けて月神の口に運んでくれる。アウラも旭もいるのに恥ずかしかったが、これも真珠の愛なのだろうと月神は受け入れた。
もきゅもきゅと最高級のランクの牛肉を食べていると、真珠がアウラに相談している。
「あの洋館に招かれざる客が入れないようにしたいのです」
「何か防犯で心配なことがあるのですか?」
「月神さんは有名な歌手です。月神さんの癒しの力を天使などと言って崇め奉り、ストーカーまがいのことをするファンもいると聞いています。月神さんを守るために、招かれていない客が入れないように結界を張りたいのです」
「具体的にはどれくらいの範囲で?」
「洋館と庭に、私と月神さんと旭さんとレガリアさん以外が入れないようにして欲しい」
安増に襲われたこともあったが、そこまで真珠は月神のことを心配してくれていた。
身内以外が招かれない限りは洋館に入れなくなるとなると、月神も安心してあの洋館で過ごすことができる。
「月神さん、祖父が使っていたサンルームがあるのです。古くなっていますが、改装すればまた使えると思います。祖父との思い出も私には快いものではないのですが、月神さんとならば新しい思い出を作って行けると思います」
洋館の庭がものすごく広いのは知っていたが、サンルームがあるとは知らなかった。サンルームで真珠と過ごす日々も楽しいだろう。
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