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魔女(男)とこねこ(虎)たん
14.ルカーシュとの出会い
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国王陛下の返答をダーシャに伝えると、ダーシャは張り切ってエリシュカに連絡を取っていた。エリシュカの方も自分が仕えている王宮に許可を取らないと国際問題になってしまう。獣人の国に恩を売れるということでエリシュカは仕えている王宮から派遣されることになってアデーラはほっと胸を撫で下ろした。
王宮に行く前夜、レオシュは興奮してなかなか眠らなかった。
「にぃに、あうの」
「レオシュのお兄さんはルカーシュって名前みたいだよ」
「るーにぃに! れー、わかった!」
「そう呼んであげるときっと喜ぶよ」
ぽんぽんと丸いお腹を優しく叩きながら寝かしつけていると、レオシュが一生懸命身振り手振りを加えて話す。
「まっま、えーたん、ねぇね、いた。れー、ねぇね、ほちかった」
「エステルにはブラジェナというお姉さんがいたね。レオシュはお姉さんが欲しかったの?」
「うん! れー、にぃに、いた。うれちい!」
「レオシュにはお兄さんがいるもんね」
話をしてこんなに期待しているが、レオシュの兄のルカーシュがレオシュを可愛がってくれる保証はどこにもない。小さな子どもとは残酷で、自分より小さな弟妹を嫌うこともよくあるとアデーラは知っていた。
あまりレオシュに期待させ過ぎないようにしたいのだが、眠らないくらいにレオシュは興奮して期待に胸を膨らませている。
「もう寝るよ」
「ねんね、やー。まっま、おはなち!」
「寝ないと明日お兄さんに会うのに、居眠りをしてしまうかもしれないよ?」
アデーラが言うとレオシュははっと息を飲んでぎゅっと目を瞑った。一生懸命両目を瞑っているのでくしゃくしゃの変な顔になっていて、アデーラはつい笑ってしまう。
「まっま?」
お目目を開けたレオシュの額にキスをして、アデーラはレオシュの頭をおでこまでゆっくりと撫で下ろす。何度も撫でているとレオシュの目がとろんと眠そうになって、瞼が落ちて来る。
瞼を閉じてすやすやと眠りにつくレオシュに安心していると、眠ったままでレオシュがアデーラの胸をまさぐって来る。パジャマのボタンを外されて、乳首に吸い付かれても、アデーラはもう動揺しなかった。幼いのだからおっぱいが恋しくても仕方がない。それが男性のおっぱいであっても、レオシュにとって「まっま」はアデーラだけなのだから仕方がないのだ。
何も出ないことは分かっていても吸っていると落ち着くのかレオシュは深い眠りについている。手でもう片方の乳首を摘ままれて、アデーラは妙な声が出そうになるのを堪えながら目を閉じた。
翌朝、レオシュの着替えと裁縫箱と食材をポーチに入れて、アデーラとダーシャが家を出ようとすると、家の前にブランカが立っていた。
「もう一人の孫を迎えに行くんでしょう? 私も行かなくちゃ」
「ブランカ母さんが来てくれるなら心強いよ」
食事が喉を通らないルカーシュのためには特別な料理が必要かもしれない。ブランカが一緒に来てくれるのならば、それも安心だった。
獣人の国まではレオシュを抱っこして、ダーシャの転移の魔法で飛んで行った。国内に入ると馬車に乗って王宮まで向かう。初めて乗る馬車にレオシュは水色の目を輝かせていた。
「ちゅっぽ、のる?」
「列車には乗らないよ」
「いつ?」
「うーん、いつかなぁ?」
乗り物が大好きなレオシュは獣人の国を走っている列車に興味を持ったようだ。指をさして列車が線路を走っているのを示すが、今日は乗らないというと白地に黒い縞の耳を垂れさせてがっかりしている。
いつかレオシュの楽しみのために列車に乗りに来てもいいと考えるアデーラは甘すぎるのかもしれない。
王宮の入口で魔法駆動二輪車に乗っているエリシュカと合流した。エリシュカの姿を見てレオシュは大喜びで手を振っている。
「えーばぁば!」
「レオシュ、今日も元気だね」
「レオシュは馬車でも大人しくていい子だったのよ」
「ぶーばぁば、れー、いーこ?」
「いい子よ」
二人の祖母に褒められてレオシュは嬉しそうに頬を赤らめていた。宮廷魔法医のエリシュカが仕えている国を通して話をしてあったので、アデーラたちはルカーシュの部屋にすぐに通された。
カーテンが閉じられて薄暗い部屋の中は、じめじめとして肌寒い。レオシュが「くちん」とくしゃみをしたので、ブランカが魔法で部屋の中に暖かな明かりを作り出して部屋の温度を上げた。
「まぶしい……あかりをつけないで……」
ベッドの方から弱弱しい子どもの声が聞こえてくる。歩み寄ると青白い顔の幼児が布団にくるまって震えていた。水色の目も、白地に黒い縞の耳と尻尾も、銀色に黒の混じった髪も、レオシュとそっくりで、レオシュも大きくなればこんな風になるのかと感じさせる顔立ちだった。
ただ、顔色が非常に悪い。体付きも細くてふるふると震えている。
「君がルカーシュ?」
「は、はい……ぼくが、ルカーシュです」
消えそうな声で答えた幼児は、体を起こすと咳き込んでしまって、布団の中にまた倒れ込む。ルカーシュの顔を覗き込んだエリシュカが、口を開けさせる。
「軽い風邪のようだね。ただ、体が弱いから悪化しているんだろう」
風邪でも弱った体には致命的な病気になる。ブランカも前に出てきてルカーシュの腕や胸に触れる。
「この子、痩せすぎてるわ。これは栄養失調ね」
「栄養失調ですって!? わたくしたちがどれだけルカーシュ皇子の食事に気を付けているかご存じないからそんなことを言われるのだわ!」
心外だとばかりに口を開いたのはルカーシュの乳母だろうか。目を吊り上げてブランカを睨み付けている。
「その気を付けている食事を、ルカーシュはどれだけ食べているの?」
「そ、それは……ルカーシュ皇子は食が細いのです!」
ほとんど食べていないと正直に答えられなかったのだろう。俯く乳母にブランカが顔を歪めて笑う。
「どれだけ栄養に拘っていようと、食べられない食事になんて意味はないのよ」
厨房に歩いて行くブランカを、乳母が暗い目で睨み付けているのを見ながら、アデーラはレオシュを抱っこしてルカーシュに近付いた。ずっと話しかけたくてたまらなかった様子のレオシュは、ルカーシュの顔を覗き込んで期待した顔をしている。レオシュの姿を見ると、ルカーシュはびくりと震えて布団の中に隠れてしまった。
「にぃに? れーのにぃに?」
「……い」
「え?」
「ごめんなさい……」
震える声で布団の中から言うルカーシュに、アデーラは聞き返してしまう。ルカーシュは何でレオシュに謝っているのだろう。
「ゆるして……ごめんなさい……」
「にぃに、えんえん。まっま、いーこちて」
涙でくぐもっているルカーシュの声に気付いたレオシュが、アデーラにルカーシュを慰めるように言っている。手を伸ばして撫でようとしても、ルカーシュは布団から顔も出さない。
「何か謝らないといけない理由があるようね。話してみなさい」
「い、いえない……」
「ルカーシュ、あなたの父上はあなたを健康にすることと引き換えに、あなたを私たちの息子にすることを了承したのよ。あなたは私とアデーラの息子。何も遠慮することはないわ」
ベッドの端に腰かけたダーシャが話しかけるのに、ルカーシュは驚いて息を飲んでいた。
「ちちうえは、ぼくを、すてた?」
「違うわ。選んだのよ。あなたが死んでしまうか、それとも私とアデーラの息子になるか。あなたの父上は言ったわ、どんなことがあろうともルカーシュは自分の息子だと、例え離れることになっても生きて健康でいてくれることが好ましいと」
ダーシャの言葉を聞いて、ルカーシュが布団から顔を出す。涙と洟でぐしゃぐしゃの顔を、ダーシャがハンカチで拭いた。
「ぼくは、ちちうえにあいされていないのだとおもってた」
「父上はあなたを愛しているようね」
「ははうえがなくなって、ぼくはかなしくて……ちちうえも、ははうえがいきていたころには、ぼくにあいにきてくれていたのに、あいにきてくれなくて……」
水色のレオシュそっくりの目からぼろぼろと涙が零れる。
「ぼくは、おにいさんなのに、かなしくて、つらくて、レオシュにいってしまったんだ」
震える声でルカーシュは告げた。
「おまえがうまれたから、ははうえはしんだ。ははうえがしんだから、ちちうえはぼくにあいにこなくなった。おまえなんて、い……いらないって」
ダーシャの腰に縋り付いて大声を上げて泣き出すルカーシュをダーシャは黙って抱き締めていた。
王宮に行く前夜、レオシュは興奮してなかなか眠らなかった。
「にぃに、あうの」
「レオシュのお兄さんはルカーシュって名前みたいだよ」
「るーにぃに! れー、わかった!」
「そう呼んであげるときっと喜ぶよ」
ぽんぽんと丸いお腹を優しく叩きながら寝かしつけていると、レオシュが一生懸命身振り手振りを加えて話す。
「まっま、えーたん、ねぇね、いた。れー、ねぇね、ほちかった」
「エステルにはブラジェナというお姉さんがいたね。レオシュはお姉さんが欲しかったの?」
「うん! れー、にぃに、いた。うれちい!」
「レオシュにはお兄さんがいるもんね」
話をしてこんなに期待しているが、レオシュの兄のルカーシュがレオシュを可愛がってくれる保証はどこにもない。小さな子どもとは残酷で、自分より小さな弟妹を嫌うこともよくあるとアデーラは知っていた。
あまりレオシュに期待させ過ぎないようにしたいのだが、眠らないくらいにレオシュは興奮して期待に胸を膨らませている。
「もう寝るよ」
「ねんね、やー。まっま、おはなち!」
「寝ないと明日お兄さんに会うのに、居眠りをしてしまうかもしれないよ?」
アデーラが言うとレオシュははっと息を飲んでぎゅっと目を瞑った。一生懸命両目を瞑っているのでくしゃくしゃの変な顔になっていて、アデーラはつい笑ってしまう。
「まっま?」
お目目を開けたレオシュの額にキスをして、アデーラはレオシュの頭をおでこまでゆっくりと撫で下ろす。何度も撫でているとレオシュの目がとろんと眠そうになって、瞼が落ちて来る。
瞼を閉じてすやすやと眠りにつくレオシュに安心していると、眠ったままでレオシュがアデーラの胸をまさぐって来る。パジャマのボタンを外されて、乳首に吸い付かれても、アデーラはもう動揺しなかった。幼いのだからおっぱいが恋しくても仕方がない。それが男性のおっぱいであっても、レオシュにとって「まっま」はアデーラだけなのだから仕方がないのだ。
何も出ないことは分かっていても吸っていると落ち着くのかレオシュは深い眠りについている。手でもう片方の乳首を摘ままれて、アデーラは妙な声が出そうになるのを堪えながら目を閉じた。
翌朝、レオシュの着替えと裁縫箱と食材をポーチに入れて、アデーラとダーシャが家を出ようとすると、家の前にブランカが立っていた。
「もう一人の孫を迎えに行くんでしょう? 私も行かなくちゃ」
「ブランカ母さんが来てくれるなら心強いよ」
食事が喉を通らないルカーシュのためには特別な料理が必要かもしれない。ブランカが一緒に来てくれるのならば、それも安心だった。
獣人の国まではレオシュを抱っこして、ダーシャの転移の魔法で飛んで行った。国内に入ると馬車に乗って王宮まで向かう。初めて乗る馬車にレオシュは水色の目を輝かせていた。
「ちゅっぽ、のる?」
「列車には乗らないよ」
「いつ?」
「うーん、いつかなぁ?」
乗り物が大好きなレオシュは獣人の国を走っている列車に興味を持ったようだ。指をさして列車が線路を走っているのを示すが、今日は乗らないというと白地に黒い縞の耳を垂れさせてがっかりしている。
いつかレオシュの楽しみのために列車に乗りに来てもいいと考えるアデーラは甘すぎるのかもしれない。
王宮の入口で魔法駆動二輪車に乗っているエリシュカと合流した。エリシュカの姿を見てレオシュは大喜びで手を振っている。
「えーばぁば!」
「レオシュ、今日も元気だね」
「レオシュは馬車でも大人しくていい子だったのよ」
「ぶーばぁば、れー、いーこ?」
「いい子よ」
二人の祖母に褒められてレオシュは嬉しそうに頬を赤らめていた。宮廷魔法医のエリシュカが仕えている国を通して話をしてあったので、アデーラたちはルカーシュの部屋にすぐに通された。
カーテンが閉じられて薄暗い部屋の中は、じめじめとして肌寒い。レオシュが「くちん」とくしゃみをしたので、ブランカが魔法で部屋の中に暖かな明かりを作り出して部屋の温度を上げた。
「まぶしい……あかりをつけないで……」
ベッドの方から弱弱しい子どもの声が聞こえてくる。歩み寄ると青白い顔の幼児が布団にくるまって震えていた。水色の目も、白地に黒い縞の耳と尻尾も、銀色に黒の混じった髪も、レオシュとそっくりで、レオシュも大きくなればこんな風になるのかと感じさせる顔立ちだった。
ただ、顔色が非常に悪い。体付きも細くてふるふると震えている。
「君がルカーシュ?」
「は、はい……ぼくが、ルカーシュです」
消えそうな声で答えた幼児は、体を起こすと咳き込んでしまって、布団の中にまた倒れ込む。ルカーシュの顔を覗き込んだエリシュカが、口を開けさせる。
「軽い風邪のようだね。ただ、体が弱いから悪化しているんだろう」
風邪でも弱った体には致命的な病気になる。ブランカも前に出てきてルカーシュの腕や胸に触れる。
「この子、痩せすぎてるわ。これは栄養失調ね」
「栄養失調ですって!? わたくしたちがどれだけルカーシュ皇子の食事に気を付けているかご存じないからそんなことを言われるのだわ!」
心外だとばかりに口を開いたのはルカーシュの乳母だろうか。目を吊り上げてブランカを睨み付けている。
「その気を付けている食事を、ルカーシュはどれだけ食べているの?」
「そ、それは……ルカーシュ皇子は食が細いのです!」
ほとんど食べていないと正直に答えられなかったのだろう。俯く乳母にブランカが顔を歪めて笑う。
「どれだけ栄養に拘っていようと、食べられない食事になんて意味はないのよ」
厨房に歩いて行くブランカを、乳母が暗い目で睨み付けているのを見ながら、アデーラはレオシュを抱っこしてルカーシュに近付いた。ずっと話しかけたくてたまらなかった様子のレオシュは、ルカーシュの顔を覗き込んで期待した顔をしている。レオシュの姿を見ると、ルカーシュはびくりと震えて布団の中に隠れてしまった。
「にぃに? れーのにぃに?」
「……い」
「え?」
「ごめんなさい……」
震える声で布団の中から言うルカーシュに、アデーラは聞き返してしまう。ルカーシュは何でレオシュに謝っているのだろう。
「ゆるして……ごめんなさい……」
「にぃに、えんえん。まっま、いーこちて」
涙でくぐもっているルカーシュの声に気付いたレオシュが、アデーラにルカーシュを慰めるように言っている。手を伸ばして撫でようとしても、ルカーシュは布団から顔も出さない。
「何か謝らないといけない理由があるようね。話してみなさい」
「い、いえない……」
「ルカーシュ、あなたの父上はあなたを健康にすることと引き換えに、あなたを私たちの息子にすることを了承したのよ。あなたは私とアデーラの息子。何も遠慮することはないわ」
ベッドの端に腰かけたダーシャが話しかけるのに、ルカーシュは驚いて息を飲んでいた。
「ちちうえは、ぼくを、すてた?」
「違うわ。選んだのよ。あなたが死んでしまうか、それとも私とアデーラの息子になるか。あなたの父上は言ったわ、どんなことがあろうともルカーシュは自分の息子だと、例え離れることになっても生きて健康でいてくれることが好ましいと」
ダーシャの言葉を聞いて、ルカーシュが布団から顔を出す。涙と洟でぐしゃぐしゃの顔を、ダーシャがハンカチで拭いた。
「ぼくは、ちちうえにあいされていないのだとおもってた」
「父上はあなたを愛しているようね」
「ははうえがなくなって、ぼくはかなしくて……ちちうえも、ははうえがいきていたころには、ぼくにあいにきてくれていたのに、あいにきてくれなくて……」
水色のレオシュそっくりの目からぼろぼろと涙が零れる。
「ぼくは、おにいさんなのに、かなしくて、つらくて、レオシュにいってしまったんだ」
震える声でルカーシュは告げた。
「おまえがうまれたから、ははうえはしんだ。ははうえがしんだから、ちちうえはぼくにあいにこなくなった。おまえなんて、い……いらないって」
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