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魔女(男)とこねこ(虎)たん 2
74.厄介なお客
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秋も深まった頃に、アデーラを指名して白鳥の獣人の貴族がやって来た。背中に大きな真っ白の羽を生やした白鳥の獣人の貴族は、まだ十代くらいに見えた。
「僕の背中にある羽根のせいで、どの仕立て職人も僕を一番美しく見せる衣装を作れないと言うんです。僕の羽が美しすぎるから」
物言いから何か感じ取るものはあったが、アデーラはお客はお客と割り切って試着室に入れて採寸をした。下着姿になった白鳥の獣人の青年は、恥じらうように胸や股間に手をやっている。
アデーラの方は仕事なのだから見るつもりも触るつもりもないのに、自意識過剰としか思えなかった。
できるだけ触らないように採寸を終えると、白鳥の獣人の青年がアデーラにしなだれかかって来る。
「あなた、よく見たらとても綺麗な顔をしていますね。この胸も立派だし」
「あっ……」
思わず妙な声が出てしまったのは、白鳥の獣人の青年が撫でたシャツの胸が、ちょうど乳首の場所だったからだった。毎晩レオシュに吸われ続けてもう四年近く、アデーラの乳首は以前よりも一回りくらいぷっくりと腫れたようになっていて、触れられると感じやすくなっていた。
「ん? ここが悦いのですか?」
「やめて……ひっ!?」
執拗に胸を撫でまわされて、アデーラは妙な気持ちになってくる。白鳥の獣人の青年なんかに全く興味はなかったが、アデーラの男性器こそ使い物にならなかったが、アデーラに欲望がないわけではない。
逃れるように試着室から出たアデーラを、白鳥の獣人の青年は下着姿だったので追って来られなかった。服を着て出て来た白鳥の獣人の青年の目が、アデーラの豊かで分厚い胸に向いている気がする。
気持ち悪くて早く帰って欲しかったが、白鳥の獣人の青年はわざわざダーシャのお茶のカウンターに居座って、お茶を注文してじっとアデーラの方を見ている。
「わ、私はあっちで仕事をしてくる」
「分かったわ。行ってらっしゃい、アデーラ」
送り出してくれるダーシャに感謝しつつ、王宮の離れの棟に続くドアに手をかけると、白鳥の獣人の青年の声が聞こえた。
「ふぅん、アデーラ様か。アデーラ様、また来ます」
妙に甘ったるい声で名前を呼ばれて、アデーラは気持ち悪さしか感じなかった。離れの棟に戻ってレオシュの顔を見るとほっと安心する。
「ママーおかえり! にぃにとイロナちゃんに、つづきをよんでもらってたの」
「ドラゴンたいじにでかけたきしのおひめさまは、まほうつかいのおひめさまとであって、こいにおちるんだ」
「でも、ドラゴンにつかまりそうになっちゃうんだよね。つづきはどうなのかな」
「またあしたがたのしみだな」
長い冒険物語を毎日少しずつルカーシュとイロナは音読しているようだ。それをレオシュとフベルトは毎日聞くのを楽しみにしている。字の勉強を始めたのも興味があるときに勉強というのはした方がいいから、5歳だから早すぎるとはアデーラは考えていなかった。
手が小さくて手首が安定していないので、鉛筆ではなくクレヨンで大きな字で書くのを練習しているが、レオシュとフベルトは興味があったせいか、読むのはすぐに習得してしまった。
「れーくん、あのえほん、いっしょによもう」
「うん、ふーくん」
勉強に飽きてしまうと、レオシュとフベルトは椅子から降りて子ども部屋のテーブルから離れる。手に取って読み始めたのは、異国の剣士が鬼や夜叉のお面を被って、正体を隠して人々を救うという絵本だった。
「くのいち……ママー! くのいちって、なぁに?」
「えーっと、忍者って分かる?」
「わかんない!」
「主に仕えて、密かに敵のことなんかを調べるひとなんだけど、くのいちは、それの女のひとのことだよ」
「あるじにつかえて、ひそかにてきをしらべる……」
「おんなのひと!? もしかして、カブコはくのいちじゃない!?」
急に話を振られて、レオシュとフベルトの横でぴしりと正座して控えていた蕪マンドラゴラのカブコが「びぎゃ?」と声を上げている。
「カブコ、きっとくのいちだよ!」
「ダイコンノスケはにんじゃかな?」
「ダイコンノスケはさむらい……ママー! さむらいってなぁに?」
「主に仕える剣士のことだよ」
「やっぱり! ダイコンノスケはさむらいだよ!」
異国のことでも聞かれたら答えられるようにアデーラはある程度調べていた。異国の絵本を渡した時点でレオシュやフベルトの興味がそっち方向に向いてもおかしくはないと思っていたのだ。
背中の羽を出す部分をゆったりと大きく取って、アデーラは白鳥の獣人の青年の衣装を作っていく。背中の部分が大きく開くようになってしまうのだが、羽根を自由に動かせるようにするにはそうするしかなかった。
どれだけ気に入らないお客でも、アデーラが仕事に手を抜くことはない。ミシンを使ったりして、手間を省くことはあるが仕上がりには妥協しない。
縫い終えた衣装を白鳥の獣人の青年が取りに来る日が、アデーラは憂鬱だった。
その日が近付くにつれてため息の多くなってくるアデーラに、レオシュが気付いてくれる。
「ママ、いやなことがあるの?」
「嫌だって思っちゃいけないんだろうけどね、仕事だから」
「わたし、いやなことはいやっていいなさいって、ママにいわれたよ」
「え?」
「ママ、わたしにはやさしくていやなことをいっていいよっていうのに、じぶんにはやさしくしないの?」
レオシュに言われてしまってアデーラは言葉に詰まる。嫌なことを嫌と言っていいと言ったのは、レオシュに対してではなく、ルカーシュに対してだったかもしれないが、レオシュはそばでアデーラが話していると全部自分に話しかけられていると勘違いしているところがある。
「レオシュの言う通りかな」
納得してアデーラはダーシャに相談に行った。
「白鳥の獣人のお客が、妙なことをしてくるんだ」
「この前来てた客ね?」
「私の胸を撫でまわしてくる」
素直に起きたことをダーシャに相談すると、さっとダーシャの顔色が変わった。
「アデーラ、よく考えて。もしそのお客が、私の胸を撫でまわしたら、どうする?」
「追い出すに決まってる」
「アデーラの胸を撫でまわしたら?」
「私は男だし、そういう対象にならないよ」
アデーラの返答を聞いてダーシャが沈痛な面持ちで額に手をやっていた。ダーシャの様子にアデーラは首を傾げる。
「アデーラ、自覚して。あなたを狙ってる男はたくさんいるのよ」
「はぁ? まさか。私は男だよ? この通り体格が良くて、誰かの欲望の対象になったりしないって」
「そんなわけないでしょう! 前に変なトカゲ男にお尻を揉まれたのを忘れたのー!?」
「あれは、あっちが変態だったんだよ! 考えてみて、ダーシャ、店先で自分の股間のブツを出すなんて、露出狂だよ?」
「そりゃそうだけどー! もう!」
全く理解するそぶりを見せないアデーラに、ダーシャは呆れ返っている。
アデーラにとっては、自分のような筋骨隆々とした男に興味を抱く者はいないと思い込んでいるのだ。
「とにかく、そいつが来たら、私が相手をするから!」
「ダーシャの胸を撫でまわされたらどうするの?」
「アデーラの胸だからっていいわけじゃないでしょう!」
ものすごい剣幕のダーシャにアデーラは圧倒されそうになっていた。
数日後やって来た白鳥の獣人の青年に、アデーラが対応している間ずっとダーシャがそばにへばりついていた。試着室にも採寸がないので一緒に入る必要はなかったし、アデーラは白鳥の獣人の青年とはできるだけ距離を取って接するようにした。
「なんて素晴らしい。とても気に入りました。これから、全ての衣装をこの店で仕立ててもらうことにしましょう」
「いいえ、結構です」
「それだけではなくて、私のお屋敷にお招きするので、専属の衣装係になってくれませんか?」
「もう二度とお仕事はお引き受けいたしません」
「あなたとは話していないんだけどなぁ」
事務的に答えてアデーラに近寄ろうとする白鳥の獣人の青年との間に割って入ったダーシャに、白鳥の獣人の青年が顔を顰める。
「アデーラ様、必ずあなたの心を私のものにする! それでは、今日は失礼します」
ダーシャの酷い対応にもめげず、白鳥の獣人の青年はウインクして、投げキッスをして支払いを終えて帰って行った。
白鳥の獣人の青年が帰った後で、アデーラは酷く疲労感を覚えていた。
「僕の背中にある羽根のせいで、どの仕立て職人も僕を一番美しく見せる衣装を作れないと言うんです。僕の羽が美しすぎるから」
物言いから何か感じ取るものはあったが、アデーラはお客はお客と割り切って試着室に入れて採寸をした。下着姿になった白鳥の獣人の青年は、恥じらうように胸や股間に手をやっている。
アデーラの方は仕事なのだから見るつもりも触るつもりもないのに、自意識過剰としか思えなかった。
できるだけ触らないように採寸を終えると、白鳥の獣人の青年がアデーラにしなだれかかって来る。
「あなた、よく見たらとても綺麗な顔をしていますね。この胸も立派だし」
「あっ……」
思わず妙な声が出てしまったのは、白鳥の獣人の青年が撫でたシャツの胸が、ちょうど乳首の場所だったからだった。毎晩レオシュに吸われ続けてもう四年近く、アデーラの乳首は以前よりも一回りくらいぷっくりと腫れたようになっていて、触れられると感じやすくなっていた。
「ん? ここが悦いのですか?」
「やめて……ひっ!?」
執拗に胸を撫でまわされて、アデーラは妙な気持ちになってくる。白鳥の獣人の青年なんかに全く興味はなかったが、アデーラの男性器こそ使い物にならなかったが、アデーラに欲望がないわけではない。
逃れるように試着室から出たアデーラを、白鳥の獣人の青年は下着姿だったので追って来られなかった。服を着て出て来た白鳥の獣人の青年の目が、アデーラの豊かで分厚い胸に向いている気がする。
気持ち悪くて早く帰って欲しかったが、白鳥の獣人の青年はわざわざダーシャのお茶のカウンターに居座って、お茶を注文してじっとアデーラの方を見ている。
「わ、私はあっちで仕事をしてくる」
「分かったわ。行ってらっしゃい、アデーラ」
送り出してくれるダーシャに感謝しつつ、王宮の離れの棟に続くドアに手をかけると、白鳥の獣人の青年の声が聞こえた。
「ふぅん、アデーラ様か。アデーラ様、また来ます」
妙に甘ったるい声で名前を呼ばれて、アデーラは気持ち悪さしか感じなかった。離れの棟に戻ってレオシュの顔を見るとほっと安心する。
「ママーおかえり! にぃにとイロナちゃんに、つづきをよんでもらってたの」
「ドラゴンたいじにでかけたきしのおひめさまは、まほうつかいのおひめさまとであって、こいにおちるんだ」
「でも、ドラゴンにつかまりそうになっちゃうんだよね。つづきはどうなのかな」
「またあしたがたのしみだな」
長い冒険物語を毎日少しずつルカーシュとイロナは音読しているようだ。それをレオシュとフベルトは毎日聞くのを楽しみにしている。字の勉強を始めたのも興味があるときに勉強というのはした方がいいから、5歳だから早すぎるとはアデーラは考えていなかった。
手が小さくて手首が安定していないので、鉛筆ではなくクレヨンで大きな字で書くのを練習しているが、レオシュとフベルトは興味があったせいか、読むのはすぐに習得してしまった。
「れーくん、あのえほん、いっしょによもう」
「うん、ふーくん」
勉強に飽きてしまうと、レオシュとフベルトは椅子から降りて子ども部屋のテーブルから離れる。手に取って読み始めたのは、異国の剣士が鬼や夜叉のお面を被って、正体を隠して人々を救うという絵本だった。
「くのいち……ママー! くのいちって、なぁに?」
「えーっと、忍者って分かる?」
「わかんない!」
「主に仕えて、密かに敵のことなんかを調べるひとなんだけど、くのいちは、それの女のひとのことだよ」
「あるじにつかえて、ひそかにてきをしらべる……」
「おんなのひと!? もしかして、カブコはくのいちじゃない!?」
急に話を振られて、レオシュとフベルトの横でぴしりと正座して控えていた蕪マンドラゴラのカブコが「びぎゃ?」と声を上げている。
「カブコ、きっとくのいちだよ!」
「ダイコンノスケはにんじゃかな?」
「ダイコンノスケはさむらい……ママー! さむらいってなぁに?」
「主に仕える剣士のことだよ」
「やっぱり! ダイコンノスケはさむらいだよ!」
異国のことでも聞かれたら答えられるようにアデーラはある程度調べていた。異国の絵本を渡した時点でレオシュやフベルトの興味がそっち方向に向いてもおかしくはないと思っていたのだ。
背中の羽を出す部分をゆったりと大きく取って、アデーラは白鳥の獣人の青年の衣装を作っていく。背中の部分が大きく開くようになってしまうのだが、羽根を自由に動かせるようにするにはそうするしかなかった。
どれだけ気に入らないお客でも、アデーラが仕事に手を抜くことはない。ミシンを使ったりして、手間を省くことはあるが仕上がりには妥協しない。
縫い終えた衣装を白鳥の獣人の青年が取りに来る日が、アデーラは憂鬱だった。
その日が近付くにつれてため息の多くなってくるアデーラに、レオシュが気付いてくれる。
「ママ、いやなことがあるの?」
「嫌だって思っちゃいけないんだろうけどね、仕事だから」
「わたし、いやなことはいやっていいなさいって、ママにいわれたよ」
「え?」
「ママ、わたしにはやさしくていやなことをいっていいよっていうのに、じぶんにはやさしくしないの?」
レオシュに言われてしまってアデーラは言葉に詰まる。嫌なことを嫌と言っていいと言ったのは、レオシュに対してではなく、ルカーシュに対してだったかもしれないが、レオシュはそばでアデーラが話していると全部自分に話しかけられていると勘違いしているところがある。
「レオシュの言う通りかな」
納得してアデーラはダーシャに相談に行った。
「白鳥の獣人のお客が、妙なことをしてくるんだ」
「この前来てた客ね?」
「私の胸を撫でまわしてくる」
素直に起きたことをダーシャに相談すると、さっとダーシャの顔色が変わった。
「アデーラ、よく考えて。もしそのお客が、私の胸を撫でまわしたら、どうする?」
「追い出すに決まってる」
「アデーラの胸を撫でまわしたら?」
「私は男だし、そういう対象にならないよ」
アデーラの返答を聞いてダーシャが沈痛な面持ちで額に手をやっていた。ダーシャの様子にアデーラは首を傾げる。
「アデーラ、自覚して。あなたを狙ってる男はたくさんいるのよ」
「はぁ? まさか。私は男だよ? この通り体格が良くて、誰かの欲望の対象になったりしないって」
「そんなわけないでしょう! 前に変なトカゲ男にお尻を揉まれたのを忘れたのー!?」
「あれは、あっちが変態だったんだよ! 考えてみて、ダーシャ、店先で自分の股間のブツを出すなんて、露出狂だよ?」
「そりゃそうだけどー! もう!」
全く理解するそぶりを見せないアデーラに、ダーシャは呆れ返っている。
アデーラにとっては、自分のような筋骨隆々とした男に興味を抱く者はいないと思い込んでいるのだ。
「とにかく、そいつが来たら、私が相手をするから!」
「ダーシャの胸を撫でまわされたらどうするの?」
「アデーラの胸だからっていいわけじゃないでしょう!」
ものすごい剣幕のダーシャにアデーラは圧倒されそうになっていた。
数日後やって来た白鳥の獣人の青年に、アデーラが対応している間ずっとダーシャがそばにへばりついていた。試着室にも採寸がないので一緒に入る必要はなかったし、アデーラは白鳥の獣人の青年とはできるだけ距離を取って接するようにした。
「なんて素晴らしい。とても気に入りました。これから、全ての衣装をこの店で仕立ててもらうことにしましょう」
「いいえ、結構です」
「それだけではなくて、私のお屋敷にお招きするので、専属の衣装係になってくれませんか?」
「もう二度とお仕事はお引き受けいたしません」
「あなたとは話していないんだけどなぁ」
事務的に答えてアデーラに近寄ろうとする白鳥の獣人の青年との間に割って入ったダーシャに、白鳥の獣人の青年が顔を顰める。
「アデーラ様、必ずあなたの心を私のものにする! それでは、今日は失礼します」
ダーシャの酷い対応にもめげず、白鳥の獣人の青年はウインクして、投げキッスをして支払いを終えて帰って行った。
白鳥の獣人の青年が帰った後で、アデーラは酷く疲労感を覚えていた。
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