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一章 セラフィナ誕生
6.お披露目のお茶会の終わり
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幼児の胃袋はとても小さい。
お腹が空くという感覚よりも、不快で機嫌が悪くなるという感覚の方が強くて、一歳の体は空腹も理解できないのだと驚いてしまうが、わたくしは何か食べたくてアルベルト様の膝の上によじ登っていた。
されるがままのアルベルト様を使って、テーブルの上に登ろうとしたところで、お母様がわたくしを止めて抱っこした。
「セラフィナはお腹が空いたようですね。セラフィナのためのお茶菓子が用意してあります。向こうのテーブルに行きましょうね」
「母上、わたしたちも一緒にいいですか?」
「ラファエルもアルベルト殿もユリウス殿もご一緒にどうぞ」
お母様はわたくしを抱っこしたまま、わたくしのために用意された席に移動した。そこには幼児用の高い椅子が用意してあって、目の前に置かれているお茶菓子も他のテーブルのものとは違っていた。ボーロや唾液で溶けるおせんべいなどで、お母様がお皿に乗せてわたくしの前に置いて、牛乳も飲ませてくれる。小さな手で丸い小さなボーロを摘まむのは難しかったけれど、素朴な味つけのボーロは口どけがよく美味しかった。
ベルンハルト公爵家に行くまではろくに食事もさせてもらっていなかった前世のわたくし。お菓子など口にする機会はほとんどなかった。
ベルンハルト公爵家でもお菓子を口にしたのは、アルベルト様のお茶会に招かれたときくらいである。
セラフィナとして生まれ変わってからは当然のようにわたくしのお菓子が準備されている。そのことは嬉しいしありがたいのだが、最初は慣れなくもあった。
わたくしは恵まれすぎているのではないだろうかと真剣に悩むこともあった。
お父様もお母様もラファエルお兄様も間違いなくわたくしを愛してくれていて、わたくしは皇女で何不自由なく暮らせている。乳母もとてもいいひとで、陰でわたくしを苛めるようなことはなかった。
クラリッサだったころには、一応乳母は付けられていたが、両親がわたくしを冷遇するので、乳母もわたくしのことはかわいがってくれていなかった。それどころか、気に入らないことがあると定規で腕を叩かれていた。
ベルンハルト公爵家に行くまでのわたくしの腕には、定規で叩かれた跡がたくさんついていたのだ。
セラフィナであるわたくしの乳母はそんなことはしない。それどころか、自分の子どものようにわたくしをかわいがってくれて、大事にしてくれている。
お父様とお母様がしっかりと選んでくれた上に、言い聞かせているのだろう。わたくしはとても丁寧に扱われている。
生まれてから一度も切っていない銀色の髪は伸びてきていたが、乳母は細い三つ編みにして邪魔にならないようにしてくれている。お母様がリボンで前髪を頭頂部で結んでくれることもある。
そのたびにお父様とラファエルお兄様はわたくしにかわいいと言う。
わたくしはそんなにかわいいのだろうか。
考えていると、小さく刻んだ果物を入れたヨーグルトが目の前に置かれた。スプーンで掬って、お母様が一口ずつ食べさせてくれる。
「美味しいですか、セラフィナ」
「んまっ!」
美味しいことを伝えるために頬っぺたを叩くと、お母様がにっこりと微笑んだ。
お腹が落ち着いてきて周囲を見る余裕が出てきたが、アルベルト様は椅子に座って静かにお茶を飲んでいる。ラファエルお兄様はわたくしに夢中で、わたくしのことばかり見ている。ユリウス様はお茶菓子を取って、お茶と一緒に召し上がっていた。
「ラファエル殿下はセラフィナ殿下がお好きですね」
「ずっと弟妹がほしかったんだ。生まれてきてくれたのがこんな天使のようなかわいい子で、とても嬉しい」
「わたしにも弟が生まれましたが、食事中に立ち上がろうとするし、椅子から転げ落ちるし、言うことは聞かないし、わたしの本を破るし……困ったものです。セラフィナ殿下と同じ年なのに、なんでこんなに違うんでしょう」
ため息をつくユリウス様は弟君に困らされているようだ。
わたくしは前世の記憶があるので、一歳児の体と制御できない感情に振り回されそうになってしまっているが、それでもなんとかいい子でいられる。前世の記憶がないユリウス様の弟君が普通の一歳なのだろう。
「セラフィナはとても賢いんだよ。それに女の子だからお淑やかなんじゃないかな」
「わたしも妹だったらよかったです」
「弟もかわいいんじゃないのか?」
「弟が本を破っても、両親は弟の手の届くところに置いていたわたしが悪いって言うんです。少しは弟も叱ってほしいです」
ユリウス様と弟君の関係は複雑なようだ。
困った様子のユリウス様に、ラファエルお兄様が目を丸くする。
「セラフィナは絵本が大好きだけど、破ったことはないな。男の子の方がやんちゃなのかもしれないね」
「そうかもしれません。早く言葉が通じるようになってほしいです」
かなりユリウス様は苦労していそうだった。
そのうちユリウス様の弟君とも会えるだろうか。
わたくしは年が同じ友達は、前世で学校に通っていたころも馴染めずにいなかったが、今世では同じ年の友達も作れるのではないだろうか。
期待を込めてユリウス様を見ると、「セラフィナ殿下はかわいいですね」と笑っていた。
ユリウス様とラファエルお兄様が話している間、アルベルト様は全く興味がなさそうに無言でお茶を飲んでいる。お茶菓子に手を付けていないアルベルト様は、クラリッサだったわたくしと過ごしていたころより痩せたような気がする。
身長はラファエルお兄様と同じで高いのだが、体付きがほっそりしている気がするのだ。
昨日は眠れたのだろうか。
アルベルト様の目の下に隈があるような気がして、わたくしは慰めたいと思うが、椅子に座らされているとまだ自分で降りられないので何もできない。
ボーロを摘まんで食べ、おせんべいを唾液で溶かして食べ、ヨーグルトも最後のひと匙まで口に運んでもらって、お腹がいっぱいになると、わたくしは口の周りを拭いて、やっと椅子から降ろしてもらった。
そのままアルベルト様のところに行けるかと思ったら、お父様がやってきてわたくしを抱き上げる。
「セラフィナはそろそろ疲れただろう。乳母を呼んで休ませよう」
「そうですね。お披露目も終わりましたし、セラフィナは窮屈なドレスと靴を脱げるようにしましょう」
アルベルト様と会うためにずっと待っていたお披露目の時間は、あっという間に終わってしまう。
わたくしが抵抗しようと手足をバタバタさせても、お父様の逞しい腕は全く動かなかった。
「あうー! あうー!」
「セラフィナ、もっといたかったのですか? でも、今日はここまでにしておきましょうね」
「びぇぇぇぇ!」
アルベルト様の名前を呼ぼうとしてもうまく言えなくて通じないし、お父様の腕からは逃れられない。泣き出したわたくしをお父様が優しく背中をぽんぽんと叩いてあやす。
「お腹がいっぱいで眠くなったかな?」
「そうかもしれませんね。乳母、よろしくお願いします」
「はい、セラフィナ殿下をお部屋に連れてまいります」
乳母の手に渡されて、わたくしは抵抗する気力もなくなってしまった。
お腹がいっぱいで泣いたので、疲れて眠くなってしまったし、アルベルト様はわたくしを見てくれない。
アルベルト様に今後、わたくしがクラリッサであったことを告げることは難しいだろう。生まれ変わったなどという話をわたくしはクラリッサのときにも聞いたことはなかったし、荒唐無稽で頭がおかしくなったと思われかねない。
隠したままでアルベルト様を慰める方法があるかもしれない。
アルベルト様と次に会えるのはいつなのか。
小さなわたくしには何もできず、約束も取り付けられなかった。
乳母に連れられて子ども部屋に戻されたわたくしは、着替えさせられて、靴も脱がされて、ベビーベッドに寝かされた。乳母が優しくわたくしのお腹をさすってくれていると、疲れと眠さが襲って来て、抗うことができない。
「あう……」
アルベルト様の名前を呼びながら、わたくしは眠りに落ちていった。
お腹が空くという感覚よりも、不快で機嫌が悪くなるという感覚の方が強くて、一歳の体は空腹も理解できないのだと驚いてしまうが、わたくしは何か食べたくてアルベルト様の膝の上によじ登っていた。
されるがままのアルベルト様を使って、テーブルの上に登ろうとしたところで、お母様がわたくしを止めて抱っこした。
「セラフィナはお腹が空いたようですね。セラフィナのためのお茶菓子が用意してあります。向こうのテーブルに行きましょうね」
「母上、わたしたちも一緒にいいですか?」
「ラファエルもアルベルト殿もユリウス殿もご一緒にどうぞ」
お母様はわたくしを抱っこしたまま、わたくしのために用意された席に移動した。そこには幼児用の高い椅子が用意してあって、目の前に置かれているお茶菓子も他のテーブルのものとは違っていた。ボーロや唾液で溶けるおせんべいなどで、お母様がお皿に乗せてわたくしの前に置いて、牛乳も飲ませてくれる。小さな手で丸い小さなボーロを摘まむのは難しかったけれど、素朴な味つけのボーロは口どけがよく美味しかった。
ベルンハルト公爵家に行くまではろくに食事もさせてもらっていなかった前世のわたくし。お菓子など口にする機会はほとんどなかった。
ベルンハルト公爵家でもお菓子を口にしたのは、アルベルト様のお茶会に招かれたときくらいである。
セラフィナとして生まれ変わってからは当然のようにわたくしのお菓子が準備されている。そのことは嬉しいしありがたいのだが、最初は慣れなくもあった。
わたくしは恵まれすぎているのではないだろうかと真剣に悩むこともあった。
お父様もお母様もラファエルお兄様も間違いなくわたくしを愛してくれていて、わたくしは皇女で何不自由なく暮らせている。乳母もとてもいいひとで、陰でわたくしを苛めるようなことはなかった。
クラリッサだったころには、一応乳母は付けられていたが、両親がわたくしを冷遇するので、乳母もわたくしのことはかわいがってくれていなかった。それどころか、気に入らないことがあると定規で腕を叩かれていた。
ベルンハルト公爵家に行くまでのわたくしの腕には、定規で叩かれた跡がたくさんついていたのだ。
セラフィナであるわたくしの乳母はそんなことはしない。それどころか、自分の子どものようにわたくしをかわいがってくれて、大事にしてくれている。
お父様とお母様がしっかりと選んでくれた上に、言い聞かせているのだろう。わたくしはとても丁寧に扱われている。
生まれてから一度も切っていない銀色の髪は伸びてきていたが、乳母は細い三つ編みにして邪魔にならないようにしてくれている。お母様がリボンで前髪を頭頂部で結んでくれることもある。
そのたびにお父様とラファエルお兄様はわたくしにかわいいと言う。
わたくしはそんなにかわいいのだろうか。
考えていると、小さく刻んだ果物を入れたヨーグルトが目の前に置かれた。スプーンで掬って、お母様が一口ずつ食べさせてくれる。
「美味しいですか、セラフィナ」
「んまっ!」
美味しいことを伝えるために頬っぺたを叩くと、お母様がにっこりと微笑んだ。
お腹が落ち着いてきて周囲を見る余裕が出てきたが、アルベルト様は椅子に座って静かにお茶を飲んでいる。ラファエルお兄様はわたくしに夢中で、わたくしのことばかり見ている。ユリウス様はお茶菓子を取って、お茶と一緒に召し上がっていた。
「ラファエル殿下はセラフィナ殿下がお好きですね」
「ずっと弟妹がほしかったんだ。生まれてきてくれたのがこんな天使のようなかわいい子で、とても嬉しい」
「わたしにも弟が生まれましたが、食事中に立ち上がろうとするし、椅子から転げ落ちるし、言うことは聞かないし、わたしの本を破るし……困ったものです。セラフィナ殿下と同じ年なのに、なんでこんなに違うんでしょう」
ため息をつくユリウス様は弟君に困らされているようだ。
わたくしは前世の記憶があるので、一歳児の体と制御できない感情に振り回されそうになってしまっているが、それでもなんとかいい子でいられる。前世の記憶がないユリウス様の弟君が普通の一歳なのだろう。
「セラフィナはとても賢いんだよ。それに女の子だからお淑やかなんじゃないかな」
「わたしも妹だったらよかったです」
「弟もかわいいんじゃないのか?」
「弟が本を破っても、両親は弟の手の届くところに置いていたわたしが悪いって言うんです。少しは弟も叱ってほしいです」
ユリウス様と弟君の関係は複雑なようだ。
困った様子のユリウス様に、ラファエルお兄様が目を丸くする。
「セラフィナは絵本が大好きだけど、破ったことはないな。男の子の方がやんちゃなのかもしれないね」
「そうかもしれません。早く言葉が通じるようになってほしいです」
かなりユリウス様は苦労していそうだった。
そのうちユリウス様の弟君とも会えるだろうか。
わたくしは年が同じ友達は、前世で学校に通っていたころも馴染めずにいなかったが、今世では同じ年の友達も作れるのではないだろうか。
期待を込めてユリウス様を見ると、「セラフィナ殿下はかわいいですね」と笑っていた。
ユリウス様とラファエルお兄様が話している間、アルベルト様は全く興味がなさそうに無言でお茶を飲んでいる。お茶菓子に手を付けていないアルベルト様は、クラリッサだったわたくしと過ごしていたころより痩せたような気がする。
身長はラファエルお兄様と同じで高いのだが、体付きがほっそりしている気がするのだ。
昨日は眠れたのだろうか。
アルベルト様の目の下に隈があるような気がして、わたくしは慰めたいと思うが、椅子に座らされているとまだ自分で降りられないので何もできない。
ボーロを摘まんで食べ、おせんべいを唾液で溶かして食べ、ヨーグルトも最後のひと匙まで口に運んでもらって、お腹がいっぱいになると、わたくしは口の周りを拭いて、やっと椅子から降ろしてもらった。
そのままアルベルト様のところに行けるかと思ったら、お父様がやってきてわたくしを抱き上げる。
「セラフィナはそろそろ疲れただろう。乳母を呼んで休ませよう」
「そうですね。お披露目も終わりましたし、セラフィナは窮屈なドレスと靴を脱げるようにしましょう」
アルベルト様と会うためにずっと待っていたお披露目の時間は、あっという間に終わってしまう。
わたくしが抵抗しようと手足をバタバタさせても、お父様の逞しい腕は全く動かなかった。
「あうー! あうー!」
「セラフィナ、もっといたかったのですか? でも、今日はここまでにしておきましょうね」
「びぇぇぇぇ!」
アルベルト様の名前を呼ぼうとしてもうまく言えなくて通じないし、お父様の腕からは逃れられない。泣き出したわたくしをお父様が優しく背中をぽんぽんと叩いてあやす。
「お腹がいっぱいで眠くなったかな?」
「そうかもしれませんね。乳母、よろしくお願いします」
「はい、セラフィナ殿下をお部屋に連れてまいります」
乳母の手に渡されて、わたくしは抵抗する気力もなくなってしまった。
お腹がいっぱいで泣いたので、疲れて眠くなってしまったし、アルベルト様はわたくしを見てくれない。
アルベルト様に今後、わたくしがクラリッサであったことを告げることは難しいだろう。生まれ変わったなどという話をわたくしはクラリッサのときにも聞いたことはなかったし、荒唐無稽で頭がおかしくなったと思われかねない。
隠したままでアルベルト様を慰める方法があるかもしれない。
アルベルト様と次に会えるのはいつなのか。
小さなわたくしには何もできず、約束も取り付けられなかった。
乳母に連れられて子ども部屋に戻されたわたくしは、着替えさせられて、靴も脱がされて、ベビーベッドに寝かされた。乳母が優しくわたくしのお腹をさすってくれていると、疲れと眠さが襲って来て、抗うことができない。
「あう……」
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