2 / 2
リオネル(攻め)視点
2.衝撃の事実
しおりを挟む
国の英雄として、カリスとリオネルが勲章を頂く日に、国王陛下はカリスとリオネルの胸に勲章をつけて、二人に問いかけた。
「国の英雄たちよ、褒賞として望むものはあるか?」
それに対してカリスがはっきりと答えた。
「兄上、この六年の戦争の間、おれを支え続けてくれたリオネルとの結婚を認めてください」
「カリス、そなた、結婚する気になったのか?」
「はい。リオネルといい家庭を築いていきたいと思います」
国王陛下にとってはリオネルが奴隷上がりで、カリスが王弟であるということなど全く関係なかったようだった。大喜びでカリスに駆け寄り、カリスを抱き締めている。アルファの国王陛下と同じくアルファのカリスは身長はそれほど変わらないが、カリスの方が鍛え上げられた堂々とした体躯をしていた。
「結婚を許そう。結婚後は、領地に戻り、リオネルと共に穏やかに過ごすといい」
「ありがとうございます、兄上」
「リオネル、カリスのこと、頼むぞ」
「は! 国王陛下!」
深く頭を下げて答えたリオネルだったが、こんなにも簡単に結婚が許されるとは思っていなかった。国王陛下にとってはカリスは唯一の弟であるし、王位継承権が一番高いのがカリスであった。
驚きつつもそれを見せずにいると、国王陛下からお茶に誘われた。
断ることはできないので、ティールームに移動する。
騎士服のままだったが、アルファの中でも特に背の高いカリスはとても格好いいし、リオネルも騎士服であればそれなりに格好がつくと分かっているので、普通のお茶会でなくてよかったと思ったくらいだった。
国王陛下は上機嫌だった。
「カリスとリオネルがそのような関係だったとは知らなかった。カリスはリオネルにまだうなじを噛ませていないようだが、結婚したら番になるのか?」
「うなじ? 番?」
国王陛下の言葉に、リオネルは混乱する。
アルファ同士ではうなじを噛んでも番になれないし、カリスがリオネルを抱く方であって、リオネルがカリスを抱くのはあまりにも恐れ多いと思っていたのだ。
「カリス、リオネルには伝えていないのか?」
「そういえばまだだったかもしれません」
「リオネル、すまない。弟が言葉足らずで。カリスはオメガなのだ」
オメガ?
オメガって、オメガ?
リオネルは完璧に混乱していた。
どこからどう見てもアルファ然としているカリスがオメガ?
アルファの中のアルファと言われるカリスがオメガ?
戦場でどんなアルファよりも強く凛々しかったカリスがオメガ?
オメガという単語の意味がリオネルの思っているものと違っていただろうか。
リオネルはなにか勘違いをしているだろうか。
真剣に悩んでしまうくらいその言葉は衝撃的だった。
「リオネル、おれはヒートがほぼ来ないオメガで、フェロモンも薄いので、抑制剤で完璧に隠せてしまうのだ。兄上にお子がなく、後継者がいないため、おれがオメガだということは伏せていたのだが、驚かせたようですまない」
「いえ、大丈夫です、閣下! 閣下はオメガなのですね?」
「そうだ。だが、ヒートはほぼ来ないし、フェロモンも薄いので心配しなくていい」
「カリス、そこは違うだろう。心配しなくていいではなく、リオネルのためならヒートを起こしてもいいと言わなければ」
「兄上、おれはリオネルと自然に愛し合いたいのです。無理やり起こしたヒートで愛し合うようなことはしたくありません」
カリスが国王陛下に説明しているが、リオネルはまだ混乱していた。
カリスはほぼヒートは来ないと言っているが、抑制剤を飲んでいるようだし、それをやめればヒートが来る可能性もあるのではないか。
そうなれば、結婚しているリオネルがカリスの肌に触れることが許されるかもしれない。
リオネルはカリスを抱くことを望んでいたが、高貴な方なので、アルファ同士ならば当然身分の低い自分の方が抱かれるのだと覚悟していた。アルファとオメガならば話は違ってくる。
オメガであるカリスがリオネルを抱きたいと思うはずがないし、アルファであるリオネルには伴侶であるオメガのカリスを抱く権利がある。
ただ、これは契約結婚だということがリオネルの胸には重くのしかかっていた。
カリスを抱きたいが、カリスがそれを求めなければ、肌に触れることは叶わない。
「そういえば、初めて閣下とお会いしたときに、いい香りがしました。香水かと思っておりました」
「おれは香水はつけない。リオネルにはおれのフェロモンが感じられるのか」
「閣下はいつも甘い香りがします」
微かに香る甘い匂いを思い出していると、国王陛下がカリスそっくりの黒に近い濃い赤の目を瞬かせる。
「カリスのフェロモンは誰にも露見したことがないのに、リオネルは感じるのだな。これは運命ではないのか?」
「愛しいリオネルと運命だったのならば、嬉しいですね」
「愛しい……閣下がわたしを愛しいと言ってくださった」
感動に胸を震わせるリオネルに、カリスがくすくすと笑う。
契約結婚だと見破られないために甘い言葉を口にしてくれているのだろうが、リオネルは嬉しくてたまらなかった。
「わたしも閣下をお慕いしております!」
「うん、知っているよ」
「閣下と結婚できてこれ以上の幸福はありません!」
「おれも幸せだ」
笑顔のまま応じてくれるカリスに、リオネルは天を仰いで感謝したい気分だった。
これが契約結婚のための嘘であっても、リオネルはこれまでの人生で一番幸せだった。
奴隷に落とされて酷い扱いを受けてから、カリスに救い出され、カリスと共に過ごした時間の全てが幸福でならなかったが、今以上に幸福だったときはないだろう。
国王陛下に認められて、カリスとリオネルはその場で婚約を結び、結婚は騎士団を退いて、カリスの領地に戻る準備が整ってからということで話はまとまった。
それからは騎士団を退く手続きをして、過ごしていたが、カリスとリオネルの暮らしに変化が起きた。
元々リオネルはカリスの王都のタウンハウスに暮らしていたのだが、リオネルの部屋とカリスの部屋は遠く離れていたし、食事は一緒に取っていたが、それ以外の時間をカリスと過ごすことはほとんどなかった。
騎士団の仕事が忙しく、戦争中はほとんど屋敷に帰れなかったというのもある。
戦争中はリオネルはずっとカリスのそばにいて、カリスの片腕として働いていた。
騎士団を辞すことになっても、カリスのそばにいられるのならば、リオネルには何の後悔もなかった。
婚約してから、リオネルの部屋はカリスの部屋の隣になって、夜は同じベッドで眠るようになった。
契約結婚だが、婚約者同士が別の部屋で眠る方がおかしいと周囲に勘付かれるということで、一緒に眠ることになったのだが、リオネルは最初はカリスを意識しすぎて眠れなかった。
戦場でも寒ければ身を寄せ合っていたが、そのときにはいつ攻め込まれるか分からないという緊張感があった。
それがなくなると、リオネルはカリスを意識してしまう。
カリスから漂う甘い香りに下半身が反応してしまうし、触れたいと思ってしまう。
カリスの方はリオネルが緊張しているのに気付いていて、優しく髪を撫でたり、背中をさすったりしてくれるから、ますますリオネルの気持ちが高ぶってしまう。
「緊張しなくていい。誰もお前を害するものはいない。いたとしたら、おれが屠ってやる」
「閣下……」
「閣下ではなく、カリスと呼んでほしい」
「か、か……無理です、閣下」
長年「閣下」と呼び続けたカリスのことを気軽に名前でなど呼べない。
それでも、カリスに抱き締められていると、いつの間にかリオネルは眠っていた。騎士としていつでも食べられて、いつでも寝られるのは基本なので、カリスの腕の中でもリオネルはそれを発揮してしまったようだった。
目が覚めると、恐ろしく整ったカリスの顔が間近にある。少し動けば口付けができそうなのに、必死に理性で我慢して、カリスの寝顔を見つめる。
黒に近いほど濃い赤の睫毛が、長く頬に影を落としている。
隣国からは死神と恐れられたカリスが、こんなに寛いで休んでいる姿を見られるのはリオネルだけだ。
「お慕いしております、閣下……」
小さく呟いて、リオネルはカリスの豊かな胸に顔を埋めて甘い香りを胸いっぱい吸い込んだ。
「国の英雄たちよ、褒賞として望むものはあるか?」
それに対してカリスがはっきりと答えた。
「兄上、この六年の戦争の間、おれを支え続けてくれたリオネルとの結婚を認めてください」
「カリス、そなた、結婚する気になったのか?」
「はい。リオネルといい家庭を築いていきたいと思います」
国王陛下にとってはリオネルが奴隷上がりで、カリスが王弟であるということなど全く関係なかったようだった。大喜びでカリスに駆け寄り、カリスを抱き締めている。アルファの国王陛下と同じくアルファのカリスは身長はそれほど変わらないが、カリスの方が鍛え上げられた堂々とした体躯をしていた。
「結婚を許そう。結婚後は、領地に戻り、リオネルと共に穏やかに過ごすといい」
「ありがとうございます、兄上」
「リオネル、カリスのこと、頼むぞ」
「は! 国王陛下!」
深く頭を下げて答えたリオネルだったが、こんなにも簡単に結婚が許されるとは思っていなかった。国王陛下にとってはカリスは唯一の弟であるし、王位継承権が一番高いのがカリスであった。
驚きつつもそれを見せずにいると、国王陛下からお茶に誘われた。
断ることはできないので、ティールームに移動する。
騎士服のままだったが、アルファの中でも特に背の高いカリスはとても格好いいし、リオネルも騎士服であればそれなりに格好がつくと分かっているので、普通のお茶会でなくてよかったと思ったくらいだった。
国王陛下は上機嫌だった。
「カリスとリオネルがそのような関係だったとは知らなかった。カリスはリオネルにまだうなじを噛ませていないようだが、結婚したら番になるのか?」
「うなじ? 番?」
国王陛下の言葉に、リオネルは混乱する。
アルファ同士ではうなじを噛んでも番になれないし、カリスがリオネルを抱く方であって、リオネルがカリスを抱くのはあまりにも恐れ多いと思っていたのだ。
「カリス、リオネルには伝えていないのか?」
「そういえばまだだったかもしれません」
「リオネル、すまない。弟が言葉足らずで。カリスはオメガなのだ」
オメガ?
オメガって、オメガ?
リオネルは完璧に混乱していた。
どこからどう見てもアルファ然としているカリスがオメガ?
アルファの中のアルファと言われるカリスがオメガ?
戦場でどんなアルファよりも強く凛々しかったカリスがオメガ?
オメガという単語の意味がリオネルの思っているものと違っていただろうか。
リオネルはなにか勘違いをしているだろうか。
真剣に悩んでしまうくらいその言葉は衝撃的だった。
「リオネル、おれはヒートがほぼ来ないオメガで、フェロモンも薄いので、抑制剤で完璧に隠せてしまうのだ。兄上にお子がなく、後継者がいないため、おれがオメガだということは伏せていたのだが、驚かせたようですまない」
「いえ、大丈夫です、閣下! 閣下はオメガなのですね?」
「そうだ。だが、ヒートはほぼ来ないし、フェロモンも薄いので心配しなくていい」
「カリス、そこは違うだろう。心配しなくていいではなく、リオネルのためならヒートを起こしてもいいと言わなければ」
「兄上、おれはリオネルと自然に愛し合いたいのです。無理やり起こしたヒートで愛し合うようなことはしたくありません」
カリスが国王陛下に説明しているが、リオネルはまだ混乱していた。
カリスはほぼヒートは来ないと言っているが、抑制剤を飲んでいるようだし、それをやめればヒートが来る可能性もあるのではないか。
そうなれば、結婚しているリオネルがカリスの肌に触れることが許されるかもしれない。
リオネルはカリスを抱くことを望んでいたが、高貴な方なので、アルファ同士ならば当然身分の低い自分の方が抱かれるのだと覚悟していた。アルファとオメガならば話は違ってくる。
オメガであるカリスがリオネルを抱きたいと思うはずがないし、アルファであるリオネルには伴侶であるオメガのカリスを抱く権利がある。
ただ、これは契約結婚だということがリオネルの胸には重くのしかかっていた。
カリスを抱きたいが、カリスがそれを求めなければ、肌に触れることは叶わない。
「そういえば、初めて閣下とお会いしたときに、いい香りがしました。香水かと思っておりました」
「おれは香水はつけない。リオネルにはおれのフェロモンが感じられるのか」
「閣下はいつも甘い香りがします」
微かに香る甘い匂いを思い出していると、国王陛下がカリスそっくりの黒に近い濃い赤の目を瞬かせる。
「カリスのフェロモンは誰にも露見したことがないのに、リオネルは感じるのだな。これは運命ではないのか?」
「愛しいリオネルと運命だったのならば、嬉しいですね」
「愛しい……閣下がわたしを愛しいと言ってくださった」
感動に胸を震わせるリオネルに、カリスがくすくすと笑う。
契約結婚だと見破られないために甘い言葉を口にしてくれているのだろうが、リオネルは嬉しくてたまらなかった。
「わたしも閣下をお慕いしております!」
「うん、知っているよ」
「閣下と結婚できてこれ以上の幸福はありません!」
「おれも幸せだ」
笑顔のまま応じてくれるカリスに、リオネルは天を仰いで感謝したい気分だった。
これが契約結婚のための嘘であっても、リオネルはこれまでの人生で一番幸せだった。
奴隷に落とされて酷い扱いを受けてから、カリスに救い出され、カリスと共に過ごした時間の全てが幸福でならなかったが、今以上に幸福だったときはないだろう。
国王陛下に認められて、カリスとリオネルはその場で婚約を結び、結婚は騎士団を退いて、カリスの領地に戻る準備が整ってからということで話はまとまった。
それからは騎士団を退く手続きをして、過ごしていたが、カリスとリオネルの暮らしに変化が起きた。
元々リオネルはカリスの王都のタウンハウスに暮らしていたのだが、リオネルの部屋とカリスの部屋は遠く離れていたし、食事は一緒に取っていたが、それ以外の時間をカリスと過ごすことはほとんどなかった。
騎士団の仕事が忙しく、戦争中はほとんど屋敷に帰れなかったというのもある。
戦争中はリオネルはずっとカリスのそばにいて、カリスの片腕として働いていた。
騎士団を辞すことになっても、カリスのそばにいられるのならば、リオネルには何の後悔もなかった。
婚約してから、リオネルの部屋はカリスの部屋の隣になって、夜は同じベッドで眠るようになった。
契約結婚だが、婚約者同士が別の部屋で眠る方がおかしいと周囲に勘付かれるということで、一緒に眠ることになったのだが、リオネルは最初はカリスを意識しすぎて眠れなかった。
戦場でも寒ければ身を寄せ合っていたが、そのときにはいつ攻め込まれるか分からないという緊張感があった。
それがなくなると、リオネルはカリスを意識してしまう。
カリスから漂う甘い香りに下半身が反応してしまうし、触れたいと思ってしまう。
カリスの方はリオネルが緊張しているのに気付いていて、優しく髪を撫でたり、背中をさすったりしてくれるから、ますますリオネルの気持ちが高ぶってしまう。
「緊張しなくていい。誰もお前を害するものはいない。いたとしたら、おれが屠ってやる」
「閣下……」
「閣下ではなく、カリスと呼んでほしい」
「か、か……無理です、閣下」
長年「閣下」と呼び続けたカリスのことを気軽に名前でなど呼べない。
それでも、カリスに抱き締められていると、いつの間にかリオネルは眠っていた。騎士としていつでも食べられて、いつでも寝られるのは基本なので、カリスの腕の中でもリオネルはそれを発揮してしまったようだった。
目が覚めると、恐ろしく整ったカリスの顔が間近にある。少し動けば口付けができそうなのに、必死に理性で我慢して、カリスの寝顔を見つめる。
黒に近いほど濃い赤の睫毛が、長く頬に影を落としている。
隣国からは死神と恐れられたカリスが、こんなに寛いで休んでいる姿を見られるのはリオネルだけだ。
「お慕いしております、閣下……」
小さく呟いて、リオネルはカリスの豊かな胸に顔を埋めて甘い香りを胸いっぱい吸い込んだ。
30
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした
紫
BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。
実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。
オメガバースでオメガの立場が低い世界
こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです
強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です
主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です
倫理観もちょっと薄いです
というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります
※この主人公は受けです
縁結びオメガと不遇のアルファ
くま
BL
お見合い相手に必ず運命の相手が現れ破談になる柊弥生、いつしか縁結びオメガと揶揄されるようになり、山のようなお見合いを押しつけられる弥生、そんな折、中学の同級生で今は有名会社のエリート、藤宮暁アルファが泣きついてきた。何でも、この度結婚することになったオメガ女性の元婚約者の女になって欲しいと。無神経な事を言ってきた暁を一昨日来やがれと追い返すも、なんと、次のお見合い相手はそのアルファ男性だった。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
運命じゃない人
万里
BL
旭は、7年間連れ添った相手から突然別れを告げられる。「運命の番に出会ったんだ」と語る彼の言葉は、旭の心を深く傷つけた。積み重ねた日々も未来の約束も、その一言で崩れ去り、番を解消される。残された部屋には彼の痕跡はなく、孤独と喪失感だけが残った。
理解しようと努めるも、涙は止まらず、食事も眠りもままならない。やがて「番に捨てられたΩは死ぬ」という言葉が頭を支配し、旭は絶望の中で自らの手首を切る。意識が遠のき、次に目覚めたのは病院のベッドの上だった。
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
【完結済】極上アルファを嵌めた俺の話
降魔 鬼灯
BL
ピアニスト志望の悠理は子供の頃、仲の良かったアルファの東郷司にコンクールで敗北した。
両親を早くに亡くしその借金の返済が迫っている悠理にとって未成年最後のこのコンクールの賞金を得る事がラストチャンスだった。
しかし、司に敗北した悠理ははオメガ専用の娼館にいくより他なくなってしまう。
コンサート入賞者を招いたパーティーで司に想い人がいることを知った悠理は地味な自分がオメガだとバレていない事を利用して司を嵌めて慰謝料を奪おうと計画するが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる