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カリス(受け)視点
5.カリスとリオネルの結婚式
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結婚式の衣装合わせをしていると、リオネルの様子がおかしい。
カリスの姿を見つめて、小さく呟いている。
「閣下がわたしのものに……」
王族しか纏えないワインレッドのマントを纏って、純白の騎士服を着た姿のカリスは、長く伸ばした黒に近い濃い赤の髪に同色の目の威圧感あるアルファらしい見た目をしているだろう。
それがオメガだということがリオネルにはまだ信じられていないのかもしれない。
冗談で緊張を解してやろうとにっと笑うと、リオネルの耳に囁く。
「リオネルのカリスだが?」
「閣下!? いけません!?」
びくっと体を震わせて、両手で顔を覆って蹲ってしまったリオネルに、悪戯が過ぎたかと反省しつつも、カリスはリオネルに告げる。
「結婚するのだ、これくらいは慣れてほしいものだ」
「閣下に慣れるなど恐れ多いです」
「リオネルほどではないが、それなりに見られる格好だろう?」
「閣下はこの上なく美しいです」
外見の美しさは誰からも言われているが、自分が王弟で大公で第一王位継承権を持っていて、騎士団長の地位まで持っているから、誰もが怖がって口にしているのだろうと思っていた。
リオネルも心にもないことを言っているのかもしれない。
カリスは普通のオメガのように華奢で小柄で内から輝くような美しさもなければ、かわいさもない。
カリスにとってはリオネルはかわいくて仕方がないのだが、客観的に見れば、立派な体躯の成人した端正な顔立ちのアルファだ。
どちらが不相応かといえば、カリスに違いなかった。
大公の伴侶になることをリオネルは恐れているのかもしれない。
「リオネル、何も恐れるものはない。おれが守ってやる」
リオネルのことは一生守る。
そう決めているカリスに、リオネルは奇妙な顔をしていた。
多忙なアデルバルトから結婚式前日に手紙が届いて、カリスの第二性であるオメガだということを結婚を機に公表すると書いてあって、カリスはついにこの日が来てしまったのかと覚悟する。
オメガだと公表されたら、次期国王になることはできなくなる。リオネルと離縁した後も騎士団に復帰することは難しくなるだろう。
カリスがオメガということを隠して、国のために騎士団長として仕えていたことは、アデルバルトにとってもずっと気にかかっていたことのようだった。
オメガとしての幸せを掴んでほしいという兄の気持ちは分かるのだが、リオネルはどう思うだろう。
翌日の結婚式の控室で、カリスはリオネルに打ち明けた。
「兄上はおれの結婚を機に、おれがオメガであることを公表するつもりだ」
「閣下はそれでいいのですか?」
それでいいのかと言われて、カリスは少し考える。
アデルバルトはカリスがリオネルと番になって子どもを作ることを想定しているのかもしれないが、カリスとリオネルはそういう関係にはならない。
ただ、いつまでも隠しておけることではないので、いつかは公表しなければならないとカリスも分かっていた。
「騎士団も離れるし、結婚すればおれが妊娠することもあるだろうと兄上はお考えのようだ。なにより、アルファ同士の結婚ということでリオネルに愛人を勧めて来るような輩が現れないとも限らないからな。公表しておくに越したことはない」
「わたしは愛人などいりません」
「リオネルならそう言うと思っていた。愛人を持ってもいいと言ってやりたいところだが、おれの地位を考えると、リオネルが愛人を持つことは危うい。おれと結婚している間は我慢してほしい」
「我慢ではありません。本当に閣下以外いらないのです」
冷静に答えて、リオネルには不自由をさせることを伝えると、リオネルははっきりとカリス以外いらないと言ってくる。
そんなに忠誠心を持たなくてもいいのにと思ってしまうが、結婚期間中にリオネルが愛人を持てば、リオネルの立場が危うくなる。カリスがリオネルに財産を生前贈与することも難しくなるだろう。
リオネルに我慢を強いるのは申し訳ないが、了承してくれているようで安心した。
リオネルの方からカリスに問いかけてくる。
「閣下、契約結婚の期間はどれくらいを考えておられるのでしょう?」
「おれに子どもができなければ、兄上も三年もすれば離縁を許してくれるだろう。そのときにはリオネルには騎士団に復帰してもらって、元大公の伴侶という地位を使って好ましい相手以外は断るようにすればいい」
はっきりと契約期間を決めていなかったと気付いて、三年と口にすれば、リオネルが縋るような目をしてくる。
「別れたくないと言ったらどうなりますか?」
想定外の言葉だったが、カリスは大公なのでその伴侶という地位をリオネルが気に入ってそばにいたがるということは考えられない話ではなかった。
カリスもリオネルには戦場から離れて自分の領地で静かに平穏に暮らしてほしいと思っている。
リオネルが望むだけ領地で心を癒しても構わない。
「確かに、大公の伴侶という地位は魅力的かもしれない。その地位にずっといたいというのならば、おれは構わないよ」
「何年でも閣下のおそばに置いてくれますか?」
「リオネルが嫌にならない限りは」
リオネルのために発言すれば、リオネルが安堵しているような気配がする。
それでいいのかと、カリスは確認する。
「結婚期間が長くなれば、おれも次の結婚を望まれる年ではなくなるから助かるが、リオネルはそれでいいのか?」
「ずっと閣下のおそばにいたいのです」
「もう騎士団は辞めるのだぞ。おれが大公であったとしても関係はない。上官の命令だから聞くなどと考えなくていいのだよ?」
「命令だからではありません。閣下をお慕いしているからです」
カリスと結婚している間はリオネルは他の相手を作れない。
番になることはないと分かっているが、リオネルにとってあまりにも不自由すぎないかと思うのだが、リオネルは必死にカリスを慕っているとまで言う。
そこまで忠誠心を示してくれなくても、カリスがリオネルをかわいいと思って庇護しなくなる未来はないし、リオネルの幸せのためには何でもするつもりでいるのだが、それはリオネルには伝わっていないようだった。
時間が来たのでカリスはリオネルに手を差し出し、エスコートして結婚式場である王宮の大広間に行く。
国王であり兄であるアデルバルトの前に出ると、アデルバルトが声を張り上げる。
「我が弟、カリスよ。そなたにはオメガの身でありながら騎士団長を務めさせ、長年苦労をさせてきた」
「苦労とは思っておりません」
「これからはオメガとしての幸せを追求していってほしい」
これで、カリスがオメガであったことが周囲に知れた。
ざわめく貴族たちや騎士たちに、アデルバルトがざわめきを鎮めるように宣言する。
「わたし、アデルバルトの名において、我が弟カリス・ヴェルナートと、この国の英雄リオネル・ラウゼンの結婚をここに認める。カリス、リオネルを愛し、共に生きることを誓うか?」
「誓います」
「リオネル、カリスを愛し、共に生きることを誓うか?」
「誓います」
誓いの言葉を述べると、アデルバルトはカリスとリオネルに促した。
「誓いの口付けを」
ここで口付けなかったら、結婚が無効になってしまう。口付けたふりをして逃れようかと思ったが、リオネルからぶわりと強いフェロモンが放たれて、カリスは耐えきれず触れるだけのキスをした。
リオネルの唇は乾いていて、柔らかく、温かかった。
驚いている様子のリオネルに気を取られていると、貴族たちの中から祝いの声が上がる。
「大公閣下、おめでとうございます!」
「大公閣下、万歳! 英雄殿、万歳!」
カリスはそれを受けてにこやかに手を振り返していた。
結婚誓約書にサインをして披露宴の会場に移ると、各テーブルに葡萄酒を注いで挨拶をしなければいけなくなる。
アデルバルトと王妃のテーブルに一番に行けば、二人は涙ぐんでカリスとリオネルを見つめていた。
「ずっと結婚を拒んでいたカリスが、ついにアルファを受け入れる気になっただなんて……」
「アルファだからではありません。リオネルだからです」
「仲がよろしいこと。お熱いですわね」
リオネルだから結婚しようと思った。
その言葉に嘘はなかった。
リオネルだから愛しいと思った。ずっとずっとかわいいと思い続けてきた。自分のものにしたくてたまらなかった。
それなのに、貴族たちはリオネルに嫌味を言う。
「奴隷上がりの騎士などと結婚するとは、大公閣下ともあられるお方が嘆かわしい」
「大公閣下がオメガだったなど、信じられません」
「大公閣下をアルファのフェロモンでねじ伏せたのではないですか?」
嫌味を口にする貴族たちをカリスが黙らせようとする前に、リオネルが口を開いていた。
「閣下はわたしごときのフェロモンでどうにかなるお方ではありませんよ」
リオネルは強い。
カリスが守らなくても自分で自分を守れる。
それでも、口うるさい貴族たちを黙らせておきたくて、カリスはリオネルの腰に手を回した。これ見よがしに抱き寄せると、悲鳴が上がる。
「おれがリオネルがかわいすぎて、ついに手を出したのが露見してしまったな」
「閣下!?」
「そんなに恥ずかしがることはない。おれたちはもう夫夫なのだから、愛し合っていてもおかしくはない」
カリスが見せつけるようにリオネルに頬ずりをすれば、もう嫌味をいう輩はいなくなっていた。
全てのテーブルに挨拶をして、席に着くと、カリスは葡萄酒の入ったグラスを持ち上げて声を張り上げる。
「今日はおれのために集まってくれて感謝する。兄上からはずっと結婚して騎士団を退くように言われていたが、リオネルと出会い、共に戦ううちにやっと心が決まった。これからは領地でリオネルと共に静かに暮らしていこうと思っている。この結婚がこの国に幸をもたらさんことを。乾杯!」
乾杯の声を上げると、全員が立ち上がってグラスを持ち上げた。
これで、カリスとリオネルは正式に結婚をしたのだった。
カリスの姿を見つめて、小さく呟いている。
「閣下がわたしのものに……」
王族しか纏えないワインレッドのマントを纏って、純白の騎士服を着た姿のカリスは、長く伸ばした黒に近い濃い赤の髪に同色の目の威圧感あるアルファらしい見た目をしているだろう。
それがオメガだということがリオネルにはまだ信じられていないのかもしれない。
冗談で緊張を解してやろうとにっと笑うと、リオネルの耳に囁く。
「リオネルのカリスだが?」
「閣下!? いけません!?」
びくっと体を震わせて、両手で顔を覆って蹲ってしまったリオネルに、悪戯が過ぎたかと反省しつつも、カリスはリオネルに告げる。
「結婚するのだ、これくらいは慣れてほしいものだ」
「閣下に慣れるなど恐れ多いです」
「リオネルほどではないが、それなりに見られる格好だろう?」
「閣下はこの上なく美しいです」
外見の美しさは誰からも言われているが、自分が王弟で大公で第一王位継承権を持っていて、騎士団長の地位まで持っているから、誰もが怖がって口にしているのだろうと思っていた。
リオネルも心にもないことを言っているのかもしれない。
カリスは普通のオメガのように華奢で小柄で内から輝くような美しさもなければ、かわいさもない。
カリスにとってはリオネルはかわいくて仕方がないのだが、客観的に見れば、立派な体躯の成人した端正な顔立ちのアルファだ。
どちらが不相応かといえば、カリスに違いなかった。
大公の伴侶になることをリオネルは恐れているのかもしれない。
「リオネル、何も恐れるものはない。おれが守ってやる」
リオネルのことは一生守る。
そう決めているカリスに、リオネルは奇妙な顔をしていた。
多忙なアデルバルトから結婚式前日に手紙が届いて、カリスの第二性であるオメガだということを結婚を機に公表すると書いてあって、カリスはついにこの日が来てしまったのかと覚悟する。
オメガだと公表されたら、次期国王になることはできなくなる。リオネルと離縁した後も騎士団に復帰することは難しくなるだろう。
カリスがオメガということを隠して、国のために騎士団長として仕えていたことは、アデルバルトにとってもずっと気にかかっていたことのようだった。
オメガとしての幸せを掴んでほしいという兄の気持ちは分かるのだが、リオネルはどう思うだろう。
翌日の結婚式の控室で、カリスはリオネルに打ち明けた。
「兄上はおれの結婚を機に、おれがオメガであることを公表するつもりだ」
「閣下はそれでいいのですか?」
それでいいのかと言われて、カリスは少し考える。
アデルバルトはカリスがリオネルと番になって子どもを作ることを想定しているのかもしれないが、カリスとリオネルはそういう関係にはならない。
ただ、いつまでも隠しておけることではないので、いつかは公表しなければならないとカリスも分かっていた。
「騎士団も離れるし、結婚すればおれが妊娠することもあるだろうと兄上はお考えのようだ。なにより、アルファ同士の結婚ということでリオネルに愛人を勧めて来るような輩が現れないとも限らないからな。公表しておくに越したことはない」
「わたしは愛人などいりません」
「リオネルならそう言うと思っていた。愛人を持ってもいいと言ってやりたいところだが、おれの地位を考えると、リオネルが愛人を持つことは危うい。おれと結婚している間は我慢してほしい」
「我慢ではありません。本当に閣下以外いらないのです」
冷静に答えて、リオネルには不自由をさせることを伝えると、リオネルははっきりとカリス以外いらないと言ってくる。
そんなに忠誠心を持たなくてもいいのにと思ってしまうが、結婚期間中にリオネルが愛人を持てば、リオネルの立場が危うくなる。カリスがリオネルに財産を生前贈与することも難しくなるだろう。
リオネルに我慢を強いるのは申し訳ないが、了承してくれているようで安心した。
リオネルの方からカリスに問いかけてくる。
「閣下、契約結婚の期間はどれくらいを考えておられるのでしょう?」
「おれに子どもができなければ、兄上も三年もすれば離縁を許してくれるだろう。そのときにはリオネルには騎士団に復帰してもらって、元大公の伴侶という地位を使って好ましい相手以外は断るようにすればいい」
はっきりと契約期間を決めていなかったと気付いて、三年と口にすれば、リオネルが縋るような目をしてくる。
「別れたくないと言ったらどうなりますか?」
想定外の言葉だったが、カリスは大公なのでその伴侶という地位をリオネルが気に入ってそばにいたがるということは考えられない話ではなかった。
カリスもリオネルには戦場から離れて自分の領地で静かに平穏に暮らしてほしいと思っている。
リオネルが望むだけ領地で心を癒しても構わない。
「確かに、大公の伴侶という地位は魅力的かもしれない。その地位にずっといたいというのならば、おれは構わないよ」
「何年でも閣下のおそばに置いてくれますか?」
「リオネルが嫌にならない限りは」
リオネルのために発言すれば、リオネルが安堵しているような気配がする。
それでいいのかと、カリスは確認する。
「結婚期間が長くなれば、おれも次の結婚を望まれる年ではなくなるから助かるが、リオネルはそれでいいのか?」
「ずっと閣下のおそばにいたいのです」
「もう騎士団は辞めるのだぞ。おれが大公であったとしても関係はない。上官の命令だから聞くなどと考えなくていいのだよ?」
「命令だからではありません。閣下をお慕いしているからです」
カリスと結婚している間はリオネルは他の相手を作れない。
番になることはないと分かっているが、リオネルにとってあまりにも不自由すぎないかと思うのだが、リオネルは必死にカリスを慕っているとまで言う。
そこまで忠誠心を示してくれなくても、カリスがリオネルをかわいいと思って庇護しなくなる未来はないし、リオネルの幸せのためには何でもするつもりでいるのだが、それはリオネルには伝わっていないようだった。
時間が来たのでカリスはリオネルに手を差し出し、エスコートして結婚式場である王宮の大広間に行く。
国王であり兄であるアデルバルトの前に出ると、アデルバルトが声を張り上げる。
「我が弟、カリスよ。そなたにはオメガの身でありながら騎士団長を務めさせ、長年苦労をさせてきた」
「苦労とは思っておりません」
「これからはオメガとしての幸せを追求していってほしい」
これで、カリスがオメガであったことが周囲に知れた。
ざわめく貴族たちや騎士たちに、アデルバルトがざわめきを鎮めるように宣言する。
「わたし、アデルバルトの名において、我が弟カリス・ヴェルナートと、この国の英雄リオネル・ラウゼンの結婚をここに認める。カリス、リオネルを愛し、共に生きることを誓うか?」
「誓います」
「リオネル、カリスを愛し、共に生きることを誓うか?」
「誓います」
誓いの言葉を述べると、アデルバルトはカリスとリオネルに促した。
「誓いの口付けを」
ここで口付けなかったら、結婚が無効になってしまう。口付けたふりをして逃れようかと思ったが、リオネルからぶわりと強いフェロモンが放たれて、カリスは耐えきれず触れるだけのキスをした。
リオネルの唇は乾いていて、柔らかく、温かかった。
驚いている様子のリオネルに気を取られていると、貴族たちの中から祝いの声が上がる。
「大公閣下、おめでとうございます!」
「大公閣下、万歳! 英雄殿、万歳!」
カリスはそれを受けてにこやかに手を振り返していた。
結婚誓約書にサインをして披露宴の会場に移ると、各テーブルに葡萄酒を注いで挨拶をしなければいけなくなる。
アデルバルトと王妃のテーブルに一番に行けば、二人は涙ぐんでカリスとリオネルを見つめていた。
「ずっと結婚を拒んでいたカリスが、ついにアルファを受け入れる気になっただなんて……」
「アルファだからではありません。リオネルだからです」
「仲がよろしいこと。お熱いですわね」
リオネルだから結婚しようと思った。
その言葉に嘘はなかった。
リオネルだから愛しいと思った。ずっとずっとかわいいと思い続けてきた。自分のものにしたくてたまらなかった。
それなのに、貴族たちはリオネルに嫌味を言う。
「奴隷上がりの騎士などと結婚するとは、大公閣下ともあられるお方が嘆かわしい」
「大公閣下がオメガだったなど、信じられません」
「大公閣下をアルファのフェロモンでねじ伏せたのではないですか?」
嫌味を口にする貴族たちをカリスが黙らせようとする前に、リオネルが口を開いていた。
「閣下はわたしごときのフェロモンでどうにかなるお方ではありませんよ」
リオネルは強い。
カリスが守らなくても自分で自分を守れる。
それでも、口うるさい貴族たちを黙らせておきたくて、カリスはリオネルの腰に手を回した。これ見よがしに抱き寄せると、悲鳴が上がる。
「おれがリオネルがかわいすぎて、ついに手を出したのが露見してしまったな」
「閣下!?」
「そんなに恥ずかしがることはない。おれたちはもう夫夫なのだから、愛し合っていてもおかしくはない」
カリスが見せつけるようにリオネルに頬ずりをすれば、もう嫌味をいう輩はいなくなっていた。
全てのテーブルに挨拶をして、席に着くと、カリスは葡萄酒の入ったグラスを持ち上げて声を張り上げる。
「今日はおれのために集まってくれて感謝する。兄上からはずっと結婚して騎士団を退くように言われていたが、リオネルと出会い、共に戦ううちにやっと心が決まった。これからは領地でリオネルと共に静かに暮らしていこうと思っている。この結婚がこの国に幸をもたらさんことを。乾杯!」
乾杯の声を上げると、全員が立ち上がってグラスを持ち上げた。
これで、カリスとリオネルは正式に結婚をしたのだった。
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