少年は大きなネコを愛でる

秋月真鳥

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9.番になる夜

 華奢な手がジェルマンの身に纏うものを一枚一枚剥いでいく。肌を晒されるたびにジェルマンは喉を鳴らし、微かに触れられる感覚に身体を震わせていた。
 完全に欲情して濡れた後孔を指で触れられて、ジェルマンの理性は完全に飛んでいた。ニコラの顔を跨ぐようにして尻を突き出しながらも欲しくて堪らないニコラの中心に頬を摺り寄せる。パジャマを脱がせて下着も取り去ってしまうと勃ち上がりかけたそこの質量にジェルマンは目を奪われた。早くこれで後ろを埋めて欲しいと共に、欲しくて堪らない気持ちが暴走して舌を這わせて浅ましく強請ってしまう。
「これ、欲しい」
「僕を受け入れる場所がちゃんと準備ができているか確かめないと。ジェルマンはそこを舐めてて」
 ぬちぬちと滑りを掬い取ってニコラの指が中に入って来る。望んでいた行為だったがそれだけでは足りずに腰を揺らしてしまうジェルマンを宥めるようにニコラは中を擦りながら指を増やしていく。
 その間もジェルマンは半ば夢見心地でニコラの中心を舐めしゃぶっていた。喉の奥まで咥えても足りない大きさに満足しながら、喉で締め、口で扱き上げる。
 ぐりゅっと中をニコラの指が抉って、ジェルマンは舐めていたニコラの中心を口から外して仰け反ってしまった。
「ひあっ! ぐぁっ!」
「ここ、悦いの?」
「あぁっ!」
「ほら、お口が動いてないよ」
 弱みを責め立てられながらもジェルマンは必死にニコラの中心を舐める。それもニコラのここで中を埋められたい一心だった。
「そろそろ、いいかな?」
「もう、むりぃ……」
 欲しくて、熟れた場所を指で掻きまわされ焦らされて理性を失ったジェルマンがニコラを押し倒してその腰に跨る。後孔に中心を宛がって腰を落としていくとみっしりと中を埋めながら内壁を擦り上げて来る感覚に、ジェルマンは恍惚としていた。
「ニコラ、すごいっ……あぁ、悦いっ……」
 腰を振り立てて自分の快感を追うジェルマンは、ニコラと出会ってから9年ぶりに味わう最高の享楽に完全に溺れ切っていた。腰を振り立ててジェルマンが搾り取れば、アルファは皆、泣きながら自分の元に堕ちて来た。こうやって自分主導で行為を進めることしかジェルマンは知らなかった。
 突然下から突き上げられて、ジェルマンの上半身が揺らぐ。腰の動きに合わせてではなく、弱みを狙うように突き上げられて、ジェルマンは新たな快楽に戸惑っていた。上半身を起こしたニコラがジェルマンの胸に触れながらがつがつと下から突き上げて来る。
 乳首を摘ままれて電撃が走ったかのような快感にジェルマンは嬌声を上げた。
「うぐっ! ぐぁぁっ!」
 とても可愛いとは言えない声なのにニコラは微笑んでいる。
「ここ、好きなの?」
 きゅうっと強く乳首を引っ張られながら突き上げられて、ジェルマンは堪えることもできない。
「ひぎっ! あぁっ!」
「中、すごく締め付けて来る。気持ちいい……中で出すよ?」
 胸ごと乳首を手の平で捏ねるように揉んだニコラが突き上げて追い上げて来る。ゴムなしの行為は初めてでこれからどうなってしまうのか分からなかったが、ただ快楽を止めて欲しくなくてジェルマンは必死に頷いていた。
 腰を掴まれて最奥まで突き上げられる。そこでニコラの中心が弾けて熱い飛沫が中を濡らすのが分かった。アルファの精液は量が多いと言うがニコラのそれも例外ではないらしい。
 注がれて満たされてくたりとベッドに倒れたジェルマンにニコラが後ろから伸し掛かって来る。身長差があるのでつるりと抜けた中心に寂しさを感じたが、うなじに舌を這わされてぞくぞくと期待する気持ちがわいてきた。
 後ろから首筋に何度もキスをするけれど、ニコラはジェルマンのうなじを噛んでくれない。幼いときに噛んだからもう大丈夫と思っているのか、番になりたくないのか。
 不安になったジェルマンが振り返るとこれ見よがしに背中にキスをして、首筋に舌を這わせる。
「ニコラ……そこ……」
「そこって、どこ?」
「う、うなじ……」
 噛んで欲しい。
 ニコラを自分だけのアルファにしたい。発情期と9年ぶりに満たされた体が、これ以上禁欲生活に耐えることのないようにニコラを求めている。僅かに残った理性がいけないと警鐘を鳴らすのに、うなじへのキスがジェルマンをおかしくさせる。
「噛んで……お願い……」
 自分はもう39歳のオメガで子どもも産めるかどうか分からない。望んではいけないものを掴もうとしているのかもしれない。理性の鳴らす警鐘を本能が上回った瞬間だった。
「本当にいけないひと」
 歯を立てられる感触にすら感じてしまうジェルマンはベッドに崩れ落ちて、尻だけ高く上げて自分で双丘を割ってニコラの白濁が逆流する後孔を晒していた。
「もっと……もっとちょうだい」
 それこそ、孕むまで。
 強請るジェルマンの腰を掴んでニコラが中心を後孔に宛がう。一気に貫かれても苦しさも痛さもなく、ただただ気持ちがいいだけだった。
「ひぐぁぁっ!」
「中、蠢いてる。イってるの?」
「ひぁっ! い、イって……あぁ!? ひぎぃ!?」
 絡み付く内壁を引き剥がすようにしながらニコラが何度も腰を打ち付けて来る。ぎりぎりまで引き抜いてまた一気に貫かれる快感にジェルマンは絶頂の波から降りられなくなってしまっていた。
 感じ過ぎておかしくなりそうなジェルマンは涙が止まらず、ニコラを求め続ける。
「あぁぅ! もっと! もっとぉ!」
「欲張りなジェルマン……欲しいだけ上げるよ」
「孕ませてぇ!」
 15歳の少年に言うべきではない言葉も飛んだ理性では制御できない。中に注がれてその熱さにジェルマンはまた達していた。


 どろどろになるまで交わった結果としてジェルマンはシャワーを浴びてベッドのシーツを取り換えるまでが限界で、ニコラのベッドで眠ってしまった。突発的な発情期だったのですぐに治まるはずだったが、目を覚ましたジェルマンは胸に抱いているニコラが眠りながら乳首を吸って弄っている上に、下半身に違和感を感じて後孔を締め付けてしまった。
 中にニコラの中心が入ったままで、ジェルマンの胸板に唇を寄せてニコラは眠っている。その口が乳首を吸うし、もう片方の乳首は指で捏ねられているし、わざとやられているとしか思えない。
「ニコラ……ひんっ! お、おきてぇ」
「ん……ジェルマン、あ、締め付けたら、おっきくなっちゃう」
「あぁっ! なか……ひぁっ!」
 入ったまま中で質量を増すニコラを追い出せるはずもなく、それどころか締め付けてジェルマンはますます煽ってしまう。胸から手を外したニコラがジェルマンの脚を抱えた。
「ジェルマン、ここ、支えてて?」
「ひぁっ! は、はい」
 体格差がありすぎるので脚を抱えるのも一苦労なのだろう。中途半端に篭る熱に満足させてほしくてジェルマンはニコラの言うとおりに脚を自分で持って広げた。
 腰を掴む華奢な手の熱さに、期待してしまう。
 ずりずりと内壁を擦りながらギリギリまで引き抜かれて、一気に腰を進められる。昨夜の交わりですっかりとニコラに馴染んだそこは、快感しか見出さなかった。
 がつがつと腰を打ち付けられて、目からは涙が零れ、口の端からは涎が垂れる。自分でもだらしのない顔だという自覚が保てたのは数秒だけ。後は完全に快感に持っていかれてしまう。
「ひぎっ! ニコラぁ! あぁっ!」
「こんな欲しがりの身体、僕しか満たせないでしょ……ねぇ、もう僕のものだよ、ジェルマン」
 一生逃がさない。
 菫色の瞳を細めて責め立てながら言うニコラに、ジェルマンはただただ頷いていることしかできなかった。
 ずっとこうして欲しかった。
 9年間も我慢した。
 ようやく与えられた快感にジェルマンは完全に堕ちて行った。
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