冷遇された公爵子息に代わって自由に生きる

セイ

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16.加護持ちの弊害

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祖国を出てから1週間。
流石の俺も疲れが出てきたのか野営を準備して食事をしていると眠気が襲ってくる事が早くなってきた。
特にファイの横に居ると安心するのか直ぐに寝てしまう。

食べながら寝るなんて子供のようで、最初は頑張って起きてたけど、それが気になったファイが俺の目を手で覆って睡眠へ誘うから気にせず寝ることにした。

今日もいつの間にかコテンと寝入ってしまった。

「…そろそろナルの体力の限界か…?」
「サイール、レベリングしなきゃいけないとはいえ厳しすぎるんだよ!!ナル君頑張ってるけど頑張り過ぎちゃうんだから加減してあげなよぉ~!!」
「ある程度レベル上げとかないとうるさい奴いるじゃん!!お前らはナル君がパーティーに入れなくてもいいのかよ」
「それもわかってるけどさ、初めての旅だし…」
「…家から出してもらえない程だったんだっけ?」
「家族を軟禁とかマジ貴族ってしょーもねぇよなぁ」
「ナルのレベルもだいぶ上がったし少し速度あげて王都行くか?これ以上は身体壊しそうだ…早くちゃんとしたベッドに寝かせてやりたい……カルラに乗せて行くか…?」
「…我を呼んだか?」
「呼んでねぇよ?まだ」
「あの子供はどうした?倒れてんのか?」
「疲れて寝てるだけだ」
「はぁ…そこのエルフのせいであろう?子供の魔力が空になりそうだぞ?」
「は?そこまで魔力尽きてたのかよ!?」
「サイール!!何で言わない!?」
「…空にして休ませないと魔力量増やせないから」
「ナルには必要ない!!」
「何でさ!!魔力量増やした方が沢山魔法使えて便利だぞ?」
「ファイ…アレのことは隠したいだろうがこのエルフのように何も知らないと危険な事もあるんだぞ?話しておけ」
「カルラはナルの事情知ってるのか…?」
「無論。あの方よりお話があったからな…」
「………」
「何?何の話?ナル君のステータスで隠れてた称号について?」
「…ナル君の許可なく話して大丈夫なの?僕はナル君の許可を得てからの方がいいと思うよ?」
「あの子供は話さないだろ…結構な大事になるからなぁ…」
「…俺が話すわ…だがナルには話した事内緒似しといてな?」
「「「うん(おう)!!」」」
「…はぁ…ナルは創造神の加護を頂いている…だから元々魔力量は多い。今はナル自身魔力を抑えて使ってはいるだろうが…俺もナルの魔力量はわからん」
「……マジで規格外なんだね…ナル君…俺の魔法なんて下の下じゃない?」
「魔力量が多いから回復にも時間がかかる。だからきっと魔力量がMAXまで回復できない状態で魔法を使っているから眠気もあるし、疲れも取れてないんだろうよ…」
「ナル君の魔力いつも多いから大丈夫だと思ってたけど…MAXじゃなかったのか…俺のミスだ…すまん…」
「いや、知らせてなかったんだから仕方ない…」
「まずは明日ナル君の魔力量MAXを知るところからかなぁ…加護持ちの弊害がこんな所にあるとは…」
「明日は訓練休みだな。カルラに乗って身体を休めて進めよう」
「…ナル君大丈夫かな?」
「休めば大丈夫」
「でもナル君自体が休もうとしないとどうしようもないんだけどねぇ…」
「俺が休ませるから大丈夫だ」

そんな話がされてたとは知らず、俺は翌朝起きるとファイの従魔のカルラがいて喜んだ。

「わぁ~…カルラ久しぶりだね?元気だった?」
「我は元気だ。お主は初旅で少し疲れてんな?」
「え…そんな事ないと思うけど…夜もぐっすり眠れてるし!!家にいた頃はなかなか寝付けなかったけど最近はいっぱい寝れてるんだよ!!」

あの頃に比べたら今は全然元気だ!!

「ナル。今日はカルラの背に乗って行こう。カルラに乗ってみたくないか?」
「え…!!カルラ乗れるの!?え…カルラこんなちっちゃいのに…大丈夫?」
「普段は小鳥サイズに留めているだけで本来はこの大きさだ」

ボンっとカルラが大きくなった。
俺達5人乗っても余裕なくらいの大きさだ。

「今日は空から地上を見てみよう」
「うんっ!!その世界の全体知らないから見れるの嬉しい!!」

俺が大喜びしてる姿を他の四人と一匹は微笑ましく見ていたことは知らなかった。


「何あれ可愛すぎない?」
「俺の番可愛い!!」
「ナル君なでなでしたくなるほど可愛いねぇ…」
「子供はあれでいい」
「喜ぶ子供を落とさないように飛ぶのは骨が折れそうだな…」










※カルラの喋り方を少し修正しました。以前出た時と変わってたので…。すぐ忘れちゃう…。

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