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終わりの始まり
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彼の物語は始まる前に終わったのだーーー
などと言えば、そんな物語は語るまでも無いだろう。
寧ろそんな小説など綴る価値すらも皆無だと私は思う。
しかしそれも踏まえて敢えて語らせて頂こう。
「夢」と「現実」の中で藻掻く哀れな勇者の物語をーーー。
「同音異義語」---
この世界には、同じ音を持ち異なる意味を持つ言葉が数多く存在する。
それらは人それぞれの受け方によって様々な意味を持つ。
例えば、あめとアメ。くもとクモ。
同じ音ではあるが意味は全く異なる。
すなわち「同音異義語」なのだ。
さらに言うならば、雨と聞いて嫌な思いを連想する者も居れば、逆もまたしかり。
言葉とは、とても伝えやすい手段ではあるが同時に人を傷付けたり、時には人生そのものを大きく左右しうるものだと言えるだろう。
実に考え深い。
その中でも最も難しい言葉が、「夢」だと彼は考える。
一言で夢といっても、寝てみる夢なのか、将来の目標の事なのかーーー
寝ていて見るユメが夢で、起きていて見るユメが夢なのか。
そんなありふれていて大雑把な言葉。
理解出来ているようでフワッとしか分からず、まるで「クモ」のようだ。
そして「関ヶ谷 夢剣(せきがや ゆづる)」もまた似ていて違う意味を持つ言葉(同音異義語)に夢現に苦しみ、もがきながら立ち向かい、成長していく。
そんな物語であるーーー
彼がそんな事を思い始めたのはある理由があったからだーーー
まあ、理由と言うのも特に大したことじゃない。
ただ彼の並外れた想像力ーーー。
いや、妄想力によるものだと思う。
これだけでは、少々説明不足だろう。
端的言うとつまり、彼は中二病なのだ。
『「夢」と言う魅力的な言葉の本質を理解できない自分かっこいい』
と言うくらいの下ら無いものだ。
まあそんなわけで「夢」という言葉に惹かれたのだがーーー
そんな彼の病を治そうと頑張っていた者も中には居た。
その中に一人、幼馴染みで容姿端麗、成績優秀、才色兼備ーー
失礼。同じ意味であった。
とまあそんな、幼馴染みが「東夜 猫子(とうや ねね)」である。
唯一彼女は、最後まで彼の中二病を辞めさせようとしてたのだか、そんな猫子も高校一年の春それを辞めたのだーーー
何故なら二人は、別々の高校に進学したからだ。
それもそうだろう。
中学から勉強、スポーツは勿論の事、品、人気、信頼。
全てに置いて凄まじい程の大差があったのだから。
月とスッポン。
この言葉がやけにしっくり来るぐらいだ。
言うまでもなくどちらがスッポンとは察しが付くだろう。
猫子は上から数えて指折りの進学校へ、夢剣は下から数えて指折りの学校へと入学するのは当然の摂理であると言える。
とまあ話が脱線したが、夢剣の話を先にしておこうと思う。
彼が中二病になったのには、少なからず理由がある。
幼い頃に読んだ謎の絵本が一番大きな理由だといえるだろう。
謎の絵本と言ってもそこまで完成度の高いものでは無い。
例えるなら要らない新聞広告の裏に描いたような貧相なものだ。
誰が描いたのか当時の夢剣はわからなかった。
幼い頃に描いたのだろうーーー
描いた記憶は、殆どないのだが、彼は一人っ子なので他に絵本を描ける子は居なかった。
昔からそこにあって生活を続けてる中、他人の物かもしれないと疑う事の出来る者がこの世界にどのくらい居るのだろうかーーー
そんな絵本の物語は、実にシンプルだ。
ある少女の物語でページ数は十ページ程の超短編の絵本である。
内容はこうだ。
「遠い昔の物語ーーー
村外れの森の奥に一人ぼっちの少女がひっそりと暮らしていました。
その少女は記憶喪失で自分の事がわかりませんでした。
そんなある日のことでした。
一人ぼっちで寂しかった少女は住み慣れた場所を離れ記憶を探す旅に出ることにしました。
しかし旅に出てみるとその容姿から人々は、少女を魔女と忌み嫌いひどい仕打ちをしました。
その結果少女は死んでしまいました。
そんな彼女には夢がありました。
それは世界中の人々が平和で幸せに暮らして欲しいとーーー。
少女は、そんな事考えながら息を引き取る前に誓いました。
自らがこの世界の不安や不信の一切を夢の世界へ連れて行きましょう。ーーーと。
可哀想な魔女は、そんな夢を見ながら覚めることのないユメの世界へと一人静かに人々の幸せをユメ見て旅立ちました。」
と言ったなんとも子供の描いたとしか思えない見事に残念な絵本だった。
寧ろ物語の構築すらされていない。
だが酷くその絵本に夢剣は引き込まれたのだ。
「絵本の女の子を助けたい。」
と優しい子だったのだが、それが強くなりいつしか正義感に溢れ、ヒーローを気取り始め、中学に上がる頃にはもう手遅れ。
立派な闇の使者まで成長していたのだ。
この頃には、もうすっかり絵本の存在すら忘れてしまっていたーーー
高一の春、桜並木の道。
そこに現れた一匹の白猫を救うまではーーー。
何処かまだ寒く、しかしほのかに暖かな日差しが差し込む入学式当日。
人々は、新たなスタートを切り、出合いと別れを繰り広げ、何処か落ち着かなく、それで居て期待で胸が躍るそんな日の朝。
可笑しな夢を見た。
彼は一人っ子なのに兄と喧嘩をし冷えきった部屋に閉じ込められる妙な夢だった。
その中は暗く、寂しく、何より大好きな兄に悪い事をしたと涙を流していたのだった。
「もう一度チャンスが欲しい。」
そんな夢を見ていたのだーーー
彼は慌ただしく一日を開始した。
家中を駆け巡るくらいの怒りに近いその甲高い声は、皮膚、鼓膜、脊髄、脳へと走り抜ける、そんな感覚を得る。
そして起床する。
「急がないと入学式早々遅刻よ」
母の声が、ガンガン鳴り響く目覚まし時計よりかは、心地よく感じ目が覚め我に帰るーーー
「なんでもっと早く起こしてくれないんだよ」
お決まりの台詞だ。
しかし置かれた現実の把握が出来ていないのか、まだ脳が回転していないからなのか、言葉を選ぶ余裕すらなかったからなのか、すんなり出た言葉だ。
そして彼は行動を始める。
まだ不慣れな手つきでネクタイを締めた。
締まらないのは、寝惚け顔と寝癖だった。
と、私は「うまいこと言ってやったぜ」と言わんばかりの握り拳を固め物語を綴り直そう。
そんなこんなで夢剣は、今の現状を誰かへぶつける事しかできなかった。
何故なら今までの黒歴史とおさらばし、新たなスタートを完璧な自分のイメージ通りに切りたかったからだ。
それには遅刻と言うシナリオは、入っていない。
想像に無い。
ーーー否
妄想に無いこの現状を否定する方法に最適だったからだ。
ぶつくさ文句を言いながら支度を済ませ、リビングへ行く頃には家族の怒りは絶頂へと達していた。
まず先制攻撃を仕掛けて来たのは父だった。
「先制でラスボスの登場か。
まあいいだろ相手をしてやろう」
そんな余裕を見せる間、ほんの数秒。
形勢逆転、否。会心の一撃をモロ受けた。
「いったい何時まで寝れば気が済むんだ。」
野太い声が脚をすくませる。
間髪入れずに、二発目の攻撃が来る。
「お前には責任感が無さすぎる。
もっとしっかりしろ。」
たじたじになりながらも、何かあればこの言葉で済ませようとする父に反撃を開始した。
「そんなことくらい分かってるよ」
逆ギレとは分かっていた。
がしかし抑えきれない感情を剥き出しにし、口答えをされ、怯むボスにトドメの一言を投げつけた。
「いつも家に居ないくせに親父面するな。
」
これまたお決まりのセリフだったーーー
が、日々溜め込んでいた気持ちと怒られた悔しさや、一歩も引けない状況が無数に絡まり合い、つい口にしてしまった。
そして床をドンドンと歩き、ドアをめいいっぱいの力で閉め、玄関へと歩を進めた。
「ゆづちゃん、朝ご飯は?」
心配そうに母が聞くと、夢剣は返答する。
「要らない。
もう行ってきます。」
ふてぶてしく家を出た。
入学式早々親と喧嘩し家を出るまだ幼い夢剣は、通い慣れない学校へと向かった。
新たなスタートーーー
最期の時への第一歩である。
家を出てすぐ中学までと同じ通い道。
桜並木の歩道に差し掛かった。
三百メートルくらいそこを歩けば小さな交差点が出てくる。
今まではそこを右に曲る通学路。
しかし高校生からは交差点を左に渡る。
つまりは高校生からは一段階大人になるための小さな試練が待ち受ける。
とは、言ってももう15才の彼からしてみれば信号を渡るのは、造作もない。
大袈裟な書き方をしたのだが中学と高校との通学路などさほど変わらない事はおわかり頂けただろう。
彼が交差点に差し掛かる前にそれは、突如現れ、夢剣の目の前を横切った。
そのスピードは、ほんの数秒事だろう。
しかし夢剣には、止まって見えた。
目の前を横切った一匹の白猫を。
そしてその白猫を愛おしいく、何処か懐かしい思いになったーーー
その途端、何故だかわからないが絵本の事を思い出した。
そのほんの数秒の間に彼は猫と目があった。
そして強く絵本の少女の事を思い出した。
少女を助けたいのに助けれるはずの無いもやもやと、今までの自分の行い(中二病的行動)の理由を今思い出し、そのコンマ何秒の世界で彼は気付く。
白猫の進行方向とそれに混じり合う様に対向車線から来る一台のトラックの存在を。
夢剣は、飛び込んだ。
自分の全てをかけて白猫を守った。
そして彼は
死んだのだーーー。
高校入学、ほんの30分前の出来事だ
などと言えば、そんな物語は語るまでも無いだろう。
寧ろそんな小説など綴る価値すらも皆無だと私は思う。
しかしそれも踏まえて敢えて語らせて頂こう。
「夢」と「現実」の中で藻掻く哀れな勇者の物語をーーー。
「同音異義語」---
この世界には、同じ音を持ち異なる意味を持つ言葉が数多く存在する。
それらは人それぞれの受け方によって様々な意味を持つ。
例えば、あめとアメ。くもとクモ。
同じ音ではあるが意味は全く異なる。
すなわち「同音異義語」なのだ。
さらに言うならば、雨と聞いて嫌な思いを連想する者も居れば、逆もまたしかり。
言葉とは、とても伝えやすい手段ではあるが同時に人を傷付けたり、時には人生そのものを大きく左右しうるものだと言えるだろう。
実に考え深い。
その中でも最も難しい言葉が、「夢」だと彼は考える。
一言で夢といっても、寝てみる夢なのか、将来の目標の事なのかーーー
寝ていて見るユメが夢で、起きていて見るユメが夢なのか。
そんなありふれていて大雑把な言葉。
理解出来ているようでフワッとしか分からず、まるで「クモ」のようだ。
そして「関ヶ谷 夢剣(せきがや ゆづる)」もまた似ていて違う意味を持つ言葉(同音異義語)に夢現に苦しみ、もがきながら立ち向かい、成長していく。
そんな物語であるーーー
彼がそんな事を思い始めたのはある理由があったからだーーー
まあ、理由と言うのも特に大したことじゃない。
ただ彼の並外れた想像力ーーー。
いや、妄想力によるものだと思う。
これだけでは、少々説明不足だろう。
端的言うとつまり、彼は中二病なのだ。
『「夢」と言う魅力的な言葉の本質を理解できない自分かっこいい』
と言うくらいの下ら無いものだ。
まあそんなわけで「夢」という言葉に惹かれたのだがーーー
そんな彼の病を治そうと頑張っていた者も中には居た。
その中に一人、幼馴染みで容姿端麗、成績優秀、才色兼備ーー
失礼。同じ意味であった。
とまあそんな、幼馴染みが「東夜 猫子(とうや ねね)」である。
唯一彼女は、最後まで彼の中二病を辞めさせようとしてたのだか、そんな猫子も高校一年の春それを辞めたのだーーー
何故なら二人は、別々の高校に進学したからだ。
それもそうだろう。
中学から勉強、スポーツは勿論の事、品、人気、信頼。
全てに置いて凄まじい程の大差があったのだから。
月とスッポン。
この言葉がやけにしっくり来るぐらいだ。
言うまでもなくどちらがスッポンとは察しが付くだろう。
猫子は上から数えて指折りの進学校へ、夢剣は下から数えて指折りの学校へと入学するのは当然の摂理であると言える。
とまあ話が脱線したが、夢剣の話を先にしておこうと思う。
彼が中二病になったのには、少なからず理由がある。
幼い頃に読んだ謎の絵本が一番大きな理由だといえるだろう。
謎の絵本と言ってもそこまで完成度の高いものでは無い。
例えるなら要らない新聞広告の裏に描いたような貧相なものだ。
誰が描いたのか当時の夢剣はわからなかった。
幼い頃に描いたのだろうーーー
描いた記憶は、殆どないのだが、彼は一人っ子なので他に絵本を描ける子は居なかった。
昔からそこにあって生活を続けてる中、他人の物かもしれないと疑う事の出来る者がこの世界にどのくらい居るのだろうかーーー
そんな絵本の物語は、実にシンプルだ。
ある少女の物語でページ数は十ページ程の超短編の絵本である。
内容はこうだ。
「遠い昔の物語ーーー
村外れの森の奥に一人ぼっちの少女がひっそりと暮らしていました。
その少女は記憶喪失で自分の事がわかりませんでした。
そんなある日のことでした。
一人ぼっちで寂しかった少女は住み慣れた場所を離れ記憶を探す旅に出ることにしました。
しかし旅に出てみるとその容姿から人々は、少女を魔女と忌み嫌いひどい仕打ちをしました。
その結果少女は死んでしまいました。
そんな彼女には夢がありました。
それは世界中の人々が平和で幸せに暮らして欲しいとーーー。
少女は、そんな事考えながら息を引き取る前に誓いました。
自らがこの世界の不安や不信の一切を夢の世界へ連れて行きましょう。ーーーと。
可哀想な魔女は、そんな夢を見ながら覚めることのないユメの世界へと一人静かに人々の幸せをユメ見て旅立ちました。」
と言ったなんとも子供の描いたとしか思えない見事に残念な絵本だった。
寧ろ物語の構築すらされていない。
だが酷くその絵本に夢剣は引き込まれたのだ。
「絵本の女の子を助けたい。」
と優しい子だったのだが、それが強くなりいつしか正義感に溢れ、ヒーローを気取り始め、中学に上がる頃にはもう手遅れ。
立派な闇の使者まで成長していたのだ。
この頃には、もうすっかり絵本の存在すら忘れてしまっていたーーー
高一の春、桜並木の道。
そこに現れた一匹の白猫を救うまではーーー。
何処かまだ寒く、しかしほのかに暖かな日差しが差し込む入学式当日。
人々は、新たなスタートを切り、出合いと別れを繰り広げ、何処か落ち着かなく、それで居て期待で胸が躍るそんな日の朝。
可笑しな夢を見た。
彼は一人っ子なのに兄と喧嘩をし冷えきった部屋に閉じ込められる妙な夢だった。
その中は暗く、寂しく、何より大好きな兄に悪い事をしたと涙を流していたのだった。
「もう一度チャンスが欲しい。」
そんな夢を見ていたのだーーー
彼は慌ただしく一日を開始した。
家中を駆け巡るくらいの怒りに近いその甲高い声は、皮膚、鼓膜、脊髄、脳へと走り抜ける、そんな感覚を得る。
そして起床する。
「急がないと入学式早々遅刻よ」
母の声が、ガンガン鳴り響く目覚まし時計よりかは、心地よく感じ目が覚め我に帰るーーー
「なんでもっと早く起こしてくれないんだよ」
お決まりの台詞だ。
しかし置かれた現実の把握が出来ていないのか、まだ脳が回転していないからなのか、言葉を選ぶ余裕すらなかったからなのか、すんなり出た言葉だ。
そして彼は行動を始める。
まだ不慣れな手つきでネクタイを締めた。
締まらないのは、寝惚け顔と寝癖だった。
と、私は「うまいこと言ってやったぜ」と言わんばかりの握り拳を固め物語を綴り直そう。
そんなこんなで夢剣は、今の現状を誰かへぶつける事しかできなかった。
何故なら今までの黒歴史とおさらばし、新たなスタートを完璧な自分のイメージ通りに切りたかったからだ。
それには遅刻と言うシナリオは、入っていない。
想像に無い。
ーーー否
妄想に無いこの現状を否定する方法に最適だったからだ。
ぶつくさ文句を言いながら支度を済ませ、リビングへ行く頃には家族の怒りは絶頂へと達していた。
まず先制攻撃を仕掛けて来たのは父だった。
「先制でラスボスの登場か。
まあいいだろ相手をしてやろう」
そんな余裕を見せる間、ほんの数秒。
形勢逆転、否。会心の一撃をモロ受けた。
「いったい何時まで寝れば気が済むんだ。」
野太い声が脚をすくませる。
間髪入れずに、二発目の攻撃が来る。
「お前には責任感が無さすぎる。
もっとしっかりしろ。」
たじたじになりながらも、何かあればこの言葉で済ませようとする父に反撃を開始した。
「そんなことくらい分かってるよ」
逆ギレとは分かっていた。
がしかし抑えきれない感情を剥き出しにし、口答えをされ、怯むボスにトドメの一言を投げつけた。
「いつも家に居ないくせに親父面するな。
」
これまたお決まりのセリフだったーーー
が、日々溜め込んでいた気持ちと怒られた悔しさや、一歩も引けない状況が無数に絡まり合い、つい口にしてしまった。
そして床をドンドンと歩き、ドアをめいいっぱいの力で閉め、玄関へと歩を進めた。
「ゆづちゃん、朝ご飯は?」
心配そうに母が聞くと、夢剣は返答する。
「要らない。
もう行ってきます。」
ふてぶてしく家を出た。
入学式早々親と喧嘩し家を出るまだ幼い夢剣は、通い慣れない学校へと向かった。
新たなスタートーーー
最期の時への第一歩である。
家を出てすぐ中学までと同じ通い道。
桜並木の歩道に差し掛かった。
三百メートルくらいそこを歩けば小さな交差点が出てくる。
今まではそこを右に曲る通学路。
しかし高校生からは交差点を左に渡る。
つまりは高校生からは一段階大人になるための小さな試練が待ち受ける。
とは、言ってももう15才の彼からしてみれば信号を渡るのは、造作もない。
大袈裟な書き方をしたのだが中学と高校との通学路などさほど変わらない事はおわかり頂けただろう。
彼が交差点に差し掛かる前にそれは、突如現れ、夢剣の目の前を横切った。
そのスピードは、ほんの数秒事だろう。
しかし夢剣には、止まって見えた。
目の前を横切った一匹の白猫を。
そしてその白猫を愛おしいく、何処か懐かしい思いになったーーー
その途端、何故だかわからないが絵本の事を思い出した。
そのほんの数秒の間に彼は猫と目があった。
そして強く絵本の少女の事を思い出した。
少女を助けたいのに助けれるはずの無いもやもやと、今までの自分の行い(中二病的行動)の理由を今思い出し、そのコンマ何秒の世界で彼は気付く。
白猫の進行方向とそれに混じり合う様に対向車線から来る一台のトラックの存在を。
夢剣は、飛び込んだ。
自分の全てをかけて白猫を守った。
そして彼は
死んだのだーーー。
高校入学、ほんの30分前の出来事だ
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