転生したら倉庫キャラ♀でした。

ともQ

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もふもふの都開国編

265話 レベルは大事

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「クーラ、ライカ、おかえりなさい」
「ナコちんっ! ただいまぁっ!」

 ライカがナコに飛び付いて頬ずりをする。

「げ、元気になりましたね」
「ライカ、超元気だよっ! ナコちんにスリスリアタックだぁっ!」

 ライカが満面の笑顔で言う。
 真面目なナコ、自由奔放なライカ、正反対な性格の二人ではあるが――特に喧嘩することもなく仲良く過ごしていた。
 猫耳に狐耳、見ているだけで朗らかな気分になる。
 僕はナコとライカの頭をなでなで――モフモフとした感触を味わう。
 どちらも甲乙つけ難い肌触り、保護者的な立ち位置の役得である。
 ナコはライカを引き剥がしながら、

「クーラ、以前に――チームを分けて地下要塞に突入しましたよね」
「ニャニャンと僕たち、プリティー猫さんチームと海藻チームだよね」
「エアーで再度見回して来たのですが、あちらの方に私たちが突入しなかった要塞がありました。誰も使用していないせいか、要塞の一部が目で見えましたよ」
「そうか、要塞は二つあったんだっけ――取り壊すのにも労力はいるし、なにかあった時の避難用の場所として確保しておこうかな」

 僕たちは要塞に向かう。
 ナコの話した通り、要塞頭部であろう箇所が――ひょっこりと顔を出していた。
 フレイムドルフ亡き今、管理者がいなくなったせいだろう。その置き去りにされた姿からはどこか廃墟的な雰囲気を感じる。
 確か、自爆機能が付いていたよな。
 そんな危険なもの――国の下に放置するわけにもいかない。なんとかその部分だけを取り除けるか確認してみよう。
 僕は要塞頭部の周囲を歩き回る。

「入口が見当たらないな」
「クーラ、ここに通気口がありますよ」

 丁度、人が一人――通れるくらいのサイズだ。
 前にも同じように侵入した記憶がある。あの時は、戦闘力を考慮した上で――ゴザルが先頭になっていたはずだ。
 現在のパーティー、僕は入る順番を考える。

「なにかあった時のために、戦闘力が高い人を前後にしよう」
「じゃあ、ライカが先に行くねぇ」
「それでは、私は最後に入ります」
「あれっ? 僕は?」
「クーにぃは、真ん中だよ」
「そうですね。私もその方がいいと思います」
「ぼ、僕も少しは――強くなったよ?」
「ライカ、レベル100超えてるよ」
「私もクーラより高レベルです」
「……」

 そして、いつものパターンに陥るのであった。
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