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エレメント正邪激闘編
416話 問答無用の一撃
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最後の休息日。
僕はゴザルと二人、とある海岸沿いを並び歩く。隣で嬉々とした表情にて、ゴザルが僕に尋ねてきた。
「ねえねえ。ソラ、どこに行くのっ?」
「すぐにわかるよ」
「ふふ。なんだかデートみたい」
「デート、デートかぁ」
現在、僕はゴザルと共に王都の外周側に来ていた。
王都は四国の中心にグラン海上に位置、国の周囲は大きな外壁に覆われている。これはモンスターの襲撃を阻止する防壁の役割を担っており、外周側はモンスターの生息地となっていた。王都は上級冒険者の集う場所、そのレベルに合わせるよう、中々の粒揃いなのである。
そして、ここには"ネームド"も存在していた。
「ゴザルさん、お願いします」
「ソラ、待ちなさい。あいつとタイマン張れっていうの?」
「僕の触手だと難しいかなって。モンスターって急所の位置もバラバラ、心臓潰しても動くやつとかいるからさ」
「もしかして、私を戦わせるために連れて来たの?」
首を縦に振り返す僕、ゴザルは少し涙目になりながら、
「……ふんだ。どうせ、そんなことだろうと思っていたわよ」
そういや、詳しい説明をしていなかった。
ゴザル、と話しかけた瞬間笑顔で付いて来てくれたので――なんかもう理解してくれている気になっていた。
「ごめん。ゴザル」
「……いいもん。私は戦闘要員だもん」
後ほど、盛大に機嫌を取っておこう。
海岸沿いのある場所、全長15メートルほどの巨大な亀が陣取っている。こいつは王都周辺にいるネームド"ダイヤ・タートル"という。その名に恥じぬ耐久力を備えており、魔法以外の攻撃はほとんど通用しない。
だが、それは――ゲーム時の話である。
「ゴザル、開幕からズバッといけない?」
「ダイヤ・タートルの特徴は知ってるわよね? いけるわけな――いえ、なにが言いたいのかわかったわ」
ゴザルも気付いたようである。
ダイヤ・タートルはこちらから手を出さない限り無害、つまり、初撃は――全力の一撃を放つことが可能となっている。
ゴザルがダイヤ・タートルの眼前に――立つ。
「一撃で首を斬り落とせってことね」
そう、今なら――できる。
攻撃してこないということは安全性に繋がり、ゲーム時にモンスターが持っていた特徴は――リアルとなった今習性と呼ぶに等しい。そこに付け込むのは申しわけないが、知識を現実と重ね合わせること、それはこの世界で生き抜くためには必須なのである。
ゴザルが刀を頭上高く掲げて、
「極限降臨――"建御雷神(たけみかづちのかみ)"っ!」
迸る雷光、全身に――稲妻が駆け走った。
目が眩むほどの紫色の光、バチバチと放電している音が周囲になり響き、ゴザルの身体がオーラのようなものに包まれる。
ダイヤ・タートルは眠っているかのよう微動だにしない。
忍び寄る死の気配に気付いていないのか、薄っすらと目を開き――ゴザルの方をじっと見つめている。
「……や、殺りづらいわね」
「こ、この円らな瞳――胸が痛い、痛すぎる。ここまで付いて来てもらってなんだけどやめておこうか」
「ソラに必要なことなんでしょ? こんなことで怖気付いちゃ駄目、モンスターに情けをかけるほど――私たちに余裕はないわ」
一刀両断、大量の血飛沫が――舞った。
僕はゴザルと二人、とある海岸沿いを並び歩く。隣で嬉々とした表情にて、ゴザルが僕に尋ねてきた。
「ねえねえ。ソラ、どこに行くのっ?」
「すぐにわかるよ」
「ふふ。なんだかデートみたい」
「デート、デートかぁ」
現在、僕はゴザルと共に王都の外周側に来ていた。
王都は四国の中心にグラン海上に位置、国の周囲は大きな外壁に覆われている。これはモンスターの襲撃を阻止する防壁の役割を担っており、外周側はモンスターの生息地となっていた。王都は上級冒険者の集う場所、そのレベルに合わせるよう、中々の粒揃いなのである。
そして、ここには"ネームド"も存在していた。
「ゴザルさん、お願いします」
「ソラ、待ちなさい。あいつとタイマン張れっていうの?」
「僕の触手だと難しいかなって。モンスターって急所の位置もバラバラ、心臓潰しても動くやつとかいるからさ」
「もしかして、私を戦わせるために連れて来たの?」
首を縦に振り返す僕、ゴザルは少し涙目になりながら、
「……ふんだ。どうせ、そんなことだろうと思っていたわよ」
そういや、詳しい説明をしていなかった。
ゴザル、と話しかけた瞬間笑顔で付いて来てくれたので――なんかもう理解してくれている気になっていた。
「ごめん。ゴザル」
「……いいもん。私は戦闘要員だもん」
後ほど、盛大に機嫌を取っておこう。
海岸沿いのある場所、全長15メートルほどの巨大な亀が陣取っている。こいつは王都周辺にいるネームド"ダイヤ・タートル"という。その名に恥じぬ耐久力を備えており、魔法以外の攻撃はほとんど通用しない。
だが、それは――ゲーム時の話である。
「ゴザル、開幕からズバッといけない?」
「ダイヤ・タートルの特徴は知ってるわよね? いけるわけな――いえ、なにが言いたいのかわかったわ」
ゴザルも気付いたようである。
ダイヤ・タートルはこちらから手を出さない限り無害、つまり、初撃は――全力の一撃を放つことが可能となっている。
ゴザルがダイヤ・タートルの眼前に――立つ。
「一撃で首を斬り落とせってことね」
そう、今なら――できる。
攻撃してこないということは安全性に繋がり、ゲーム時にモンスターが持っていた特徴は――リアルとなった今習性と呼ぶに等しい。そこに付け込むのは申しわけないが、知識を現実と重ね合わせること、それはこの世界で生き抜くためには必須なのである。
ゴザルが刀を頭上高く掲げて、
「極限降臨――"建御雷神(たけみかづちのかみ)"っ!」
迸る雷光、全身に――稲妻が駆け走った。
目が眩むほどの紫色の光、バチバチと放電している音が周囲になり響き、ゴザルの身体がオーラのようなものに包まれる。
ダイヤ・タートルは眠っているかのよう微動だにしない。
忍び寄る死の気配に気付いていないのか、薄っすらと目を開き――ゴザルの方をじっと見つめている。
「……や、殺りづらいわね」
「こ、この円らな瞳――胸が痛い、痛すぎる。ここまで付いて来てもらってなんだけどやめておこうか」
「ソラに必要なことなんでしょ? こんなことで怖気付いちゃ駄目、モンスターに情けをかけるほど――私たちに余裕はないわ」
一刀両断、大量の血飛沫が――舞った。
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