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好きを探す ⑨
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夏休みの期間に入り、平日行われる任意補習の八日目。木曜日。
今年も始まった任意補習といういわば行事に、学校全体の雰囲気も慣れてきたなと感じる放課後。
昼までの授業を終えると早々に帰宅する人。
午後からの部活動の前に昼食に向かう人。
少数ではあるが昼食を挟み自習室にいく人と、完全下校時間までの過ごし方もそれぞれだ。
僕はそんな日の放課後に、ほぼ真っ直ぐ部室へと向かった。
理由は黒川さんの所属する調理部の活動日であったことと、日曜日に部で出るぷよぷよのeスポーツ大会が迫っており僕も部活があったこと。
この日は珍しく二人ともが部活という日だったからだ。
「一条。あーし、今日部活あるからゲームやりにいけないから。あと、お昼食べないで待っててにゃん♪」
「うん。だけどお昼を食べないでって、黒川さん?」
放課後になるとずくに現れる黒川さんにも慣れた僕は、彼女の方を見ずに帰り支度をしながら声だけを発していたのだが、目線を上げ彼女を見るなり一瞬完全に停止した。
この日は黒川さんが都合が悪いからと言って朝も学校で顔を合わせており、LINEでも学校でとしか話しておらず放課後の予定も不明だった。
黒川さんが部活の買い出しに朝早くやっているスーパーに行っていたり、部活のための持ち物を持ってきていたりしたことは、この瞬間まで知らなかったんだ。
「……なんで体操着なの。部活なんだよね?」
「だから部活だって。汚れるから着替えたの」
「そういう場合ってエプロンをつけるのでは?」
「この上につけるよ。ところで、何か言いたげだね。言ってごらん」
体操着を着た黒川さんは中等部と言っても通じそうで、学校の中でなければ小学生と言っても通じそうで。
制服を着ていないからギャルらしさも、調理のためか派手さも半減していて、いつもよりずっと幼く見えた。
そして、僕がそう思ったのを感じとったらしい黒川さんはにこりとしており、「あっ、これ絶対に口に出しちゃダメだ」と僕は察した。
「──体操服なんて着てると小学生みたいね」
しかし隣の席からボソッとそう聞こえてきて、僕は帰り支度をしながら言った姫川さんを一瞬見て、次の瞬間に目の前から殺気のようなものを感じて向き直った。
「──っ、おぉっ……。暴力はダメだよ……」
だが、すでに失言に対する制裁は飛んできていて、避けられるはずもなくパンチはみぞおち辺りに命中し、何も言っていない僕が制裁を受けた。
「失礼なこと言うからだ!」
「ぼ、僕は言ってないよ」
「言わなくても思っただろ。わかるんだから、そういうの!」
言った姫川さんは顔を逸らしていたが絶対に笑っていて、わざと黒川さんを刺激することを言ったのは明らかだった。
「それじゃあ二人とも、部活と学生らしいお付き合いとやらを頑張って」
「美咲ちゃん!」
「じゃあね、また明日」
姫川さんは満足したのかこれ以上は干渉せずに帰っていったが、今にして思えばどこか様子がおかしかったのかもしれない……。
姫川さんが彼氏と別れ話で揉めて休んだのはこの翌週の出来事であり、おそらく高木くんが姫川さんに告白したのもその前後だったのではないかと思うからだ。
姫川さんは任意補習の期間の途中で陸上部に入ったと聞いたし、僕たちへの干渉があったのもこの辺りからだったから。
「美咲ちゃんめ、付き合ってると話した途端にこれだ。羨ましいわけでもないだろうに」
「姫川さん、面白がっているね。ちょっと言いすぎたのかな?」
「いいんだよ。あれで」
この二日前に「貴方たち付き合ってるの?」と僕たちに噂の真意を聞いてきた姫川さんには、いつもの場所で黒川さんと付き合い始めたことを話した。
学年らしいお付き合いをしていくと出たのはそこでだ。
急に毎日登下校を一緒するようになり、急にクラスにも頻繁に現れるようになった黒川さんとの関係はクラスで噂になっており、あからさまな変化の理由を姫川さんは直接確かめたのだろう。
とはいえ、確かめにくるのは別に姫川さんに限ったことでもなかった。
この後も恋愛話が好きな女の子から「黒川さんと本当に付き合ってるのか?」と聞かれることもあったし、黒川さんの方にも同様のことはあったらしい。
そんな僕たちがクラス公認になるのに大して時間はかからなかったし、それを広めるような人もいなければ、そこから大々的に広がるようなこともなかった。
高木くんは僕たちのことを知っているが特に関せず、だけどきっかけにはなったのかよく話すようになり。
姫川さんはからは黒川さんといる時に限り干渉が増えた……。
◇◇◇
「まあ、まだ誰もいないよね。みんなお昼に、」
黒川さんとは実習棟の前まで一緒だったが、「一時間くらいはかかるからゲームやって待ってて」と言われ、僕は言われた通りに部室で黒川さんを待つことにした。
何かを作るらしい調理部におよばれしてしまったのはできるなら遠慮したくもあり、反面は嬉しくもありという複雑な心境ではあったが、僕は嬉しさを彼女を優先したのだ。
いざとなればその時はその時だと腹を括った……。
「──あれっ、先生?」
「……」
「せんせい」
「……」
授業が終わって間もなくの部室には部長も他の部員もおらず、代わりに久しぶりに見たeスポーツ部の顧問(いつものジャージ姿)がいて、スマホでゲームをやっていた。
リアルタイムで行われているゲームに集中している顧問(情報の非常勤講師)はスマホしか見ておらず無反応だったので、僕はカバンを置いて飲み物でも買ってこようと先生の思い前を行き来すると「飲み物なら私もほしい」と発したので、近い自販機のお茶を二本買って戻った。
「さっきの勝ったんですか、負けたんですか?」
「勝ちました。お茶ありがとう。はい、お金」
「……ところで先生がゲームやってていいんですか?」
「まだ出勤時間じゃないのです。それに情報は夏休み中の授業がありません。私が出勤しているのは今日が当番だからです」
任意補習はセンター試験に含まれる科目のみで、選択になる情報の先生が学校にきているのは完全下校時間までいる先生としてだ。
学校には専用の自習室もあるし、学校が開いている限りは最低限の数の先生は必要ということだろう。
「そうだ。テストの結果はどうでしたか?」
「可もなく不可もなくという感じです」
「それはよかった。それはそうとお昼は? 飲み物だけですか?」
「えっ、あーー」
学食が開いていない夏休み中は部長たちのようにコンビニにいくなり、普段より種類はないが購買にいくなりするのが普通で、お弁当を持ってきてもいないというのはおかしなことだろう。
飲み物だけというのが不自然なのはすぐに気づいたが、先生に堂々と付き合っている彼女がいてお昼はおよばれしていると正直に言うわけにもいかず。
かと言ってお昼が飲み物だけだと嘘をついても後でバレたらよろしくなく、僕は嘘を言わずに事情を説明することにした。
「今日は調理部におよばれしていて、今はお昼待ちです」
「それは仲がいいことで……」
僕は何一つ嘘は言っておらず、これで先生には伝わるはずなので大丈夫だろうと考えた。
現に先生は本当は僕がしたい顔をして納得し、それ以上は何もなかった。
しかし、「おっ、彼氏なしの顧問に彼女の手料理待ちの一条やないか」とタイミングよくというか悪く聞こえ、つまり最悪だった……。
部室に入ってきた部長は開口一番そう言い、なんでそんなことを知っているのかとか、どうしてそんなことを先生の前で言うのかとか、やっぱりこの人にデリカシーとかないのかと思った。
「……えっ、えっ、えっ!? か、彼女の手料理っていつの間にそんなことに!? あわわわわっ──」
「違います! 部長、何を言ってるんですか!?」
「姫川さんとバス停のところで会ってそう聞いたんやけど。調理部の活動あるし、彼女調理部やろ。なんか間違ってるか?」
デリカシーのない部長に悪気はないにしても、それを部長に教えた姫川さんには悪意すら感じた。
部長がそんなことを聞けば間違いなく部員には言うだろうし、下手したら僕と共通の知り合いにも会ったら言うかもしれないし。
情報の拡散の手段としては簡単で、被害は軽微から甚大までの振り幅を持っており、おそらく甚大に近い被害が出た。
先生は最終的には「いとこ婚」とか言い出すし、誤解は解くのが大変だったし、最後には黒川さんがきてしまうしで最悪だった……。
今年も始まった任意補習といういわば行事に、学校全体の雰囲気も慣れてきたなと感じる放課後。
昼までの授業を終えると早々に帰宅する人。
午後からの部活動の前に昼食に向かう人。
少数ではあるが昼食を挟み自習室にいく人と、完全下校時間までの過ごし方もそれぞれだ。
僕はそんな日の放課後に、ほぼ真っ直ぐ部室へと向かった。
理由は黒川さんの所属する調理部の活動日であったことと、日曜日に部で出るぷよぷよのeスポーツ大会が迫っており僕も部活があったこと。
この日は珍しく二人ともが部活という日だったからだ。
「一条。あーし、今日部活あるからゲームやりにいけないから。あと、お昼食べないで待っててにゃん♪」
「うん。だけどお昼を食べないでって、黒川さん?」
放課後になるとずくに現れる黒川さんにも慣れた僕は、彼女の方を見ずに帰り支度をしながら声だけを発していたのだが、目線を上げ彼女を見るなり一瞬完全に停止した。
この日は黒川さんが都合が悪いからと言って朝も学校で顔を合わせており、LINEでも学校でとしか話しておらず放課後の予定も不明だった。
黒川さんが部活の買い出しに朝早くやっているスーパーに行っていたり、部活のための持ち物を持ってきていたりしたことは、この瞬間まで知らなかったんだ。
「……なんで体操着なの。部活なんだよね?」
「だから部活だって。汚れるから着替えたの」
「そういう場合ってエプロンをつけるのでは?」
「この上につけるよ。ところで、何か言いたげだね。言ってごらん」
体操着を着た黒川さんは中等部と言っても通じそうで、学校の中でなければ小学生と言っても通じそうで。
制服を着ていないからギャルらしさも、調理のためか派手さも半減していて、いつもよりずっと幼く見えた。
そして、僕がそう思ったのを感じとったらしい黒川さんはにこりとしており、「あっ、これ絶対に口に出しちゃダメだ」と僕は察した。
「──体操服なんて着てると小学生みたいね」
しかし隣の席からボソッとそう聞こえてきて、僕は帰り支度をしながら言った姫川さんを一瞬見て、次の瞬間に目の前から殺気のようなものを感じて向き直った。
「──っ、おぉっ……。暴力はダメだよ……」
だが、すでに失言に対する制裁は飛んできていて、避けられるはずもなくパンチはみぞおち辺りに命中し、何も言っていない僕が制裁を受けた。
「失礼なこと言うからだ!」
「ぼ、僕は言ってないよ」
「言わなくても思っただろ。わかるんだから、そういうの!」
言った姫川さんは顔を逸らしていたが絶対に笑っていて、わざと黒川さんを刺激することを言ったのは明らかだった。
「それじゃあ二人とも、部活と学生らしいお付き合いとやらを頑張って」
「美咲ちゃん!」
「じゃあね、また明日」
姫川さんは満足したのかこれ以上は干渉せずに帰っていったが、今にして思えばどこか様子がおかしかったのかもしれない……。
姫川さんが彼氏と別れ話で揉めて休んだのはこの翌週の出来事であり、おそらく高木くんが姫川さんに告白したのもその前後だったのではないかと思うからだ。
姫川さんは任意補習の期間の途中で陸上部に入ったと聞いたし、僕たちへの干渉があったのもこの辺りからだったから。
「美咲ちゃんめ、付き合ってると話した途端にこれだ。羨ましいわけでもないだろうに」
「姫川さん、面白がっているね。ちょっと言いすぎたのかな?」
「いいんだよ。あれで」
この二日前に「貴方たち付き合ってるの?」と僕たちに噂の真意を聞いてきた姫川さんには、いつもの場所で黒川さんと付き合い始めたことを話した。
学年らしいお付き合いをしていくと出たのはそこでだ。
急に毎日登下校を一緒するようになり、急にクラスにも頻繁に現れるようになった黒川さんとの関係はクラスで噂になっており、あからさまな変化の理由を姫川さんは直接確かめたのだろう。
とはいえ、確かめにくるのは別に姫川さんに限ったことでもなかった。
この後も恋愛話が好きな女の子から「黒川さんと本当に付き合ってるのか?」と聞かれることもあったし、黒川さんの方にも同様のことはあったらしい。
そんな僕たちがクラス公認になるのに大して時間はかからなかったし、それを広めるような人もいなければ、そこから大々的に広がるようなこともなかった。
高木くんは僕たちのことを知っているが特に関せず、だけどきっかけにはなったのかよく話すようになり。
姫川さんはからは黒川さんといる時に限り干渉が増えた……。
◇◇◇
「まあ、まだ誰もいないよね。みんなお昼に、」
黒川さんとは実習棟の前まで一緒だったが、「一時間くらいはかかるからゲームやって待ってて」と言われ、僕は言われた通りに部室で黒川さんを待つことにした。
何かを作るらしい調理部におよばれしてしまったのはできるなら遠慮したくもあり、反面は嬉しくもありという複雑な心境ではあったが、僕は嬉しさを彼女を優先したのだ。
いざとなればその時はその時だと腹を括った……。
「──あれっ、先生?」
「……」
「せんせい」
「……」
授業が終わって間もなくの部室には部長も他の部員もおらず、代わりに久しぶりに見たeスポーツ部の顧問(いつものジャージ姿)がいて、スマホでゲームをやっていた。
リアルタイムで行われているゲームに集中している顧問(情報の非常勤講師)はスマホしか見ておらず無反応だったので、僕はカバンを置いて飲み物でも買ってこようと先生の思い前を行き来すると「飲み物なら私もほしい」と発したので、近い自販機のお茶を二本買って戻った。
「さっきの勝ったんですか、負けたんですか?」
「勝ちました。お茶ありがとう。はい、お金」
「……ところで先生がゲームやってていいんですか?」
「まだ出勤時間じゃないのです。それに情報は夏休み中の授業がありません。私が出勤しているのは今日が当番だからです」
任意補習はセンター試験に含まれる科目のみで、選択になる情報の先生が学校にきているのは完全下校時間までいる先生としてだ。
学校には専用の自習室もあるし、学校が開いている限りは最低限の数の先生は必要ということだろう。
「そうだ。テストの結果はどうでしたか?」
「可もなく不可もなくという感じです」
「それはよかった。それはそうとお昼は? 飲み物だけですか?」
「えっ、あーー」
学食が開いていない夏休み中は部長たちのようにコンビニにいくなり、普段より種類はないが購買にいくなりするのが普通で、お弁当を持ってきてもいないというのはおかしなことだろう。
飲み物だけというのが不自然なのはすぐに気づいたが、先生に堂々と付き合っている彼女がいてお昼はおよばれしていると正直に言うわけにもいかず。
かと言ってお昼が飲み物だけだと嘘をついても後でバレたらよろしくなく、僕は嘘を言わずに事情を説明することにした。
「今日は調理部におよばれしていて、今はお昼待ちです」
「それは仲がいいことで……」
僕は何一つ嘘は言っておらず、これで先生には伝わるはずなので大丈夫だろうと考えた。
現に先生は本当は僕がしたい顔をして納得し、それ以上は何もなかった。
しかし、「おっ、彼氏なしの顧問に彼女の手料理待ちの一条やないか」とタイミングよくというか悪く聞こえ、つまり最悪だった……。
部室に入ってきた部長は開口一番そう言い、なんでそんなことを知っているのかとか、どうしてそんなことを先生の前で言うのかとか、やっぱりこの人にデリカシーとかないのかと思った。
「……えっ、えっ、えっ!? か、彼女の手料理っていつの間にそんなことに!? あわわわわっ──」
「違います! 部長、何を言ってるんですか!?」
「姫川さんとバス停のところで会ってそう聞いたんやけど。調理部の活動あるし、彼女調理部やろ。なんか間違ってるか?」
デリカシーのない部長に悪気はないにしても、それを部長に教えた姫川さんには悪意すら感じた。
部長がそんなことを聞けば間違いなく部員には言うだろうし、下手したら僕と共通の知り合いにも会ったら言うかもしれないし。
情報の拡散の手段としては簡単で、被害は軽微から甚大までの振り幅を持っており、おそらく甚大に近い被害が出た。
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