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第二十五章 オブリビアダンジョン
第四百五十九話 星空の下で動き出す歯車
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「マスター、魔法反応に動きがありました。4時方向からです」
マスタングからの報告を聞いたイズミはボルトアクションライフルを手に取ると、床に置いていた腕時計を確認してから4時方向にライフルを構えた。
「マスタング、メガネの映像は見えているか?」
「見えております。敵との距離は凡そ600m、接近中です」
「他の奴等はどうだ?」
「動きはありません、陽動してから動き出すのかと」
「夜襲ってのは厄介だな…見つけた」
マスタングが先に捕捉した魔法反応をようやくスコープ越しに確認すると、慣れない手つきで倍率調整を行う。
初弾から当てられるとは思っていないが、当てるつもりで狙わなければ敵に不要な情報を与えてしまいかねないのだ。
我々の敵は、長距離攻撃が可能であると。
「ベリア、敵に動きがあった。俺は今から戦闘に入るが、ベリアは引き続き警戒と警備の連中に情報共有を頼む」
「分かった、何かあれば直ぐに連絡してくれよな」
「そうするよ」
スコープの中心を敵の身体…胸の辺り…に定め、深呼吸をして身体の緊張を解す。
「マスター、風速は3mです」
「言われても分からん、目盛り3つ分くらいか?」
「実戦で学んだ方が覚えられるかと」
「習うより慣れろって事か…」
息を止めてライフルを構える身体の揺れがほとんど止まった時、イズミは引き金に指をかけた。
銃声がオブリビアに響き渡り、警備をしていた男達は思わず身構える。
「皆聞いてくれ。イズミが遠くに居る敵を見つけたから、合図を出したんだ」
「敵襲か!?」
「まだ距離はあるけど、気を引き締めてくれ」
「分かった!拠点で休んでる連中にも報告しなければ」
男は相方に拠点への連絡を任せると、持っていた剣を鞘に収め自分のクロスボウに手を伸ばした。
ベリアは他の冒険者や教会にも報告を済ませると、一度マスタングの元へ戻り焚火を消して、夜戦用に目を慣らす。
「ベリア様、此方をお使い下さい」
「これは、メガネだっけか?」
「前回渡したメガネとは機能が異なりまして、実戦向けになっております」
透き通った綺麗な水のようなレンズとそれを固定する黒縁、強度確保の為か各部のパーツが気持ち大きめになっている。
「目の保護は勿論のこと、敵の魔法反応の数と位置及び距離、必要であればその他の情報も表示が可能です。補助的にご活用下さい」
「赤い小さな点が出て来たけど、これは何だ?」
「汚れた魔石の位置をポイントしてみました。こういった情報の表示が出来ます」
「これを調査隊に渡せば良かったんじゃないか」
「それをしたら、彼等の仕事が減り報酬も減りかねません。マスターからも指示も出ておりません」
「そう言う事か」
身体を伸ばして深呼吸をしたベリアは、ヒョイと身軽な動きで見張り塔を登る。
「狙撃ってのは難しいな」
銃を撃った反動で標的の男がスコープから消え、次弾装填をしてから敵の位置を確認する。
大変有り難い事に命中はしていたが、狙った場所からは若干ズレていた。
スコープの微調整をしている余裕は無いので、負傷した男はそのままにもう1人に狙いを定めて引き金を引く。
今度は腹部を狙ったが、やはりズレて男の右胸近くに命中したのが分かった。
「少し左上にズレてるのか?」
ボルトを操作し3発目を装填すると、最初に撃った男で自分の予感を確かめる。
スコープで覗いた先で、男は何かの魔法を詠唱しているように見えた。
「この辺りだと思うのだが…」
引き金に指をかけ、丁寧に引ききると、銃を撃った反動が身体を揺らす。
左腕が痛みだしたが、今は耐えるしかない。
弾丸はイズミの予想した場所とはほんの少し違うだけで、狙いたかった場所である男の頭には命中していた。
「鼻辺りに当たるかと思ったが、右目とその少し上辺りか?…微妙な誤差はやむなしと割り切るしかあるまい」
念の為に弾込めをしていると、マスタングから連絡が入って来た。
「マスター、敵に動き有りです。陽動部隊が攻撃を受けたと知り、本格的に仕掛けてきます」
「ベリアにも情報を共有してくれ、俺はなるべく多くの敵を此処で撃つ」
「展開済みです…2時方向、左側の反応が狙いやすいかと」
イズミは同じポジションから左側を確認すると、2人組がオブリビアに向かい前進しているのが見えた。
「狙いは少し左上だから…」
深呼吸をして狙いをつけたイズミは、相手の移動速度の事も考えつつスコープの目盛りで弾着位置を想定する。
長い夜も戦闘も始まったばかり、イズミは唇を噛みしめながら狙撃を続けた。
マスタングからの報告を聞いたイズミはボルトアクションライフルを手に取ると、床に置いていた腕時計を確認してから4時方向にライフルを構えた。
「マスタング、メガネの映像は見えているか?」
「見えております。敵との距離は凡そ600m、接近中です」
「他の奴等はどうだ?」
「動きはありません、陽動してから動き出すのかと」
「夜襲ってのは厄介だな…見つけた」
マスタングが先に捕捉した魔法反応をようやくスコープ越しに確認すると、慣れない手つきで倍率調整を行う。
初弾から当てられるとは思っていないが、当てるつもりで狙わなければ敵に不要な情報を与えてしまいかねないのだ。
我々の敵は、長距離攻撃が可能であると。
「ベリア、敵に動きがあった。俺は今から戦闘に入るが、ベリアは引き続き警戒と警備の連中に情報共有を頼む」
「分かった、何かあれば直ぐに連絡してくれよな」
「そうするよ」
スコープの中心を敵の身体…胸の辺り…に定め、深呼吸をして身体の緊張を解す。
「マスター、風速は3mです」
「言われても分からん、目盛り3つ分くらいか?」
「実戦で学んだ方が覚えられるかと」
「習うより慣れろって事か…」
息を止めてライフルを構える身体の揺れがほとんど止まった時、イズミは引き金に指をかけた。
銃声がオブリビアに響き渡り、警備をしていた男達は思わず身構える。
「皆聞いてくれ。イズミが遠くに居る敵を見つけたから、合図を出したんだ」
「敵襲か!?」
「まだ距離はあるけど、気を引き締めてくれ」
「分かった!拠点で休んでる連中にも報告しなければ」
男は相方に拠点への連絡を任せると、持っていた剣を鞘に収め自分のクロスボウに手を伸ばした。
ベリアは他の冒険者や教会にも報告を済ませると、一度マスタングの元へ戻り焚火を消して、夜戦用に目を慣らす。
「ベリア様、此方をお使い下さい」
「これは、メガネだっけか?」
「前回渡したメガネとは機能が異なりまして、実戦向けになっております」
透き通った綺麗な水のようなレンズとそれを固定する黒縁、強度確保の為か各部のパーツが気持ち大きめになっている。
「目の保護は勿論のこと、敵の魔法反応の数と位置及び距離、必要であればその他の情報も表示が可能です。補助的にご活用下さい」
「赤い小さな点が出て来たけど、これは何だ?」
「汚れた魔石の位置をポイントしてみました。こういった情報の表示が出来ます」
「これを調査隊に渡せば良かったんじゃないか」
「それをしたら、彼等の仕事が減り報酬も減りかねません。マスターからも指示も出ておりません」
「そう言う事か」
身体を伸ばして深呼吸をしたベリアは、ヒョイと身軽な動きで見張り塔を登る。
「狙撃ってのは難しいな」
銃を撃った反動で標的の男がスコープから消え、次弾装填をしてから敵の位置を確認する。
大変有り難い事に命中はしていたが、狙った場所からは若干ズレていた。
スコープの微調整をしている余裕は無いので、負傷した男はそのままにもう1人に狙いを定めて引き金を引く。
今度は腹部を狙ったが、やはりズレて男の右胸近くに命中したのが分かった。
「少し左上にズレてるのか?」
ボルトを操作し3発目を装填すると、最初に撃った男で自分の予感を確かめる。
スコープで覗いた先で、男は何かの魔法を詠唱しているように見えた。
「この辺りだと思うのだが…」
引き金に指をかけ、丁寧に引ききると、銃を撃った反動が身体を揺らす。
左腕が痛みだしたが、今は耐えるしかない。
弾丸はイズミの予想した場所とはほんの少し違うだけで、狙いたかった場所である男の頭には命中していた。
「鼻辺りに当たるかと思ったが、右目とその少し上辺りか?…微妙な誤差はやむなしと割り切るしかあるまい」
念の為に弾込めをしていると、マスタングから連絡が入って来た。
「マスター、敵に動き有りです。陽動部隊が攻撃を受けたと知り、本格的に仕掛けてきます」
「ベリアにも情報を共有してくれ、俺はなるべく多くの敵を此処で撃つ」
「展開済みです…2時方向、左側の反応が狙いやすいかと」
イズミは同じポジションから左側を確認すると、2人組がオブリビアに向かい前進しているのが見えた。
「狙いは少し左上だから…」
深呼吸をして狙いをつけたイズミは、相手の移動速度の事も考えつつスコープの目盛りで弾着位置を想定する。
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