50 / 618
第四章 旅と戦闘
第五十話 魔物の声響く洞窟?
しおりを挟む
冒険者パーティーの解体作業は、最終的に4人全員で行っていた。
牙や爪は取り終えていたのか、如何に毛皮を綺麗に剥ぎ取れるかで神経を尖らせていた。
マグナムもカレンの攻撃魔法も、ほとんどフォレストオーガの正面から撃ち込んでいた形だからか、背中側の毛皮は非常に良好な状態らしい。
穴や剣の傷すら無いのだ。
それを聞いたイズミは肩からぶら下げているマグナムを見て、少しだけ考えた。
『44マグナム弾が貫通しなかった』
マスタングがそれを知ったら、更に強力な武器を提案して来るのではないだろうか?
今ですら重くて苦労しているのに、もっと高威力の拳銃となれば…
カスールと名の付いた弾丸が脳裏を過ぎったが、すぐさま振り解く。
大物相手には素直にショットガンやライフルで対応すれば良いか。
イズミは1人勝手に自己解決していた。
魔術士がフォレストオーガの体内に魔石があるかを確認した所、子供の拳サイズの魔石が2つ見つかった。
これはかなりの収入になるらしい。
幸運な事に高純度な代物だったようだ。
魔術士以外は金になるとしか思っていないようだが、何かと有用な使い道でもあるようだ。
魔術士は目を輝かせて魔石を抱き締めていた。
解体作業も一段落したのか、皆で休憩を取ることにした。
腕時計が無いのでマスタングで確認すると、15時を過ぎた所だった。
水分補給をしつつ身体を休めていると、ゴブリンの巣があった場所よりもさらに奥から、魔物の雄叫びのようなものが聞こえた。
その場にいた全員の動きが止まった。
「…今のは?」
静まり返る状況で、イズミは何とか声を絞り出した。
マスタングに緊急で周囲の索敵を頼むと、運転席側のドアを開けて索敵結果を確認する。
「奥に魔物の反応はありますが、近付いて来る気配はありません」
念の為に冒険者パーティーの斥候担当とイズミで、少しだけ奥へと足を踏み入れる事になった。
「…洞窟?」
森林地帯の奥、木々に隠れて見辛いが地面に大穴がある。
窪地と言っても良いだろう。
観察していると横穴のようなものがある。
「ただの横穴とか、洞穴かもしれない」
流石に洞窟や洞穴を探検するには準備不足が過ぎるので、2人で相談して撤退することにした。
無理に調べる必要は、現時点では無いのだ。
皆の居る場所に戻り、見てきた事を報告する。
「ギルドに報告する必要があるな」
この森林地帯は街からそこまで距離がある訳では無い。
大型の魔物や凶悪な魔物が住んでいた場合、襲撃させる可能性があるのだ。
ゴブリン討伐の報告と、洞窟らしき物の発見。
説明するのも大変そうだ。
「なぁ、あれがダンジョンの入口だったらどうするよ?」
斥候の男がボソっと言った。
イズミ以外の全員が斥候の男を見る。
「ダンジョンだったら何なんだ?」
イマイチ常況を把握しきれていない男、イズミが聞き返す。
「国内外の冒険者や貴族が、ダンジョン攻略と金銀財宝目当てでやって来る」
そうなればこの森林地帯を切り開いて、ダンジョン街が作られる事になる。
そう断言していた。
「そんな面倒な話になるなら、早めに旅支度して移動したいな」
活気のある街や村は好きだが、長居はあまりしたくないとイズミは笑った。
「まだ日は沈んでない。俺が全力で移動すれば、明後日の日没までにはギルドに報告出来る」
斥候の男がそう言うと、冒険者パーティーのリーダーだろう剣士が頷いた。
すると、男が身体を伸ばしたと思ったら全身が光に包まれた。
光が消えると、そこには犬の顔をした獣人がいた。
「コイツは変化を覚えてるんだ」
剣士が教えてくれた。
初めてみた変化に驚いていたが、イズミもこれから帰る事を思い出した。
「面白いものを見せて貰ったついでに、1つ提案があるのだが」
イズミは1人か2人であれば、ミグルンまでなら陽が沈むくらいの時間で運べると伝えた。
半信半疑であったが、マスタングの説明をしたら斥候の男が獣人から変化を解いて、乗ってみたいと言って来た。
イズミはカレンに再び後部座席に乗ってもらうと、斥候の男を助手席に座らせた。
他の冒険者パーティーに別れを告げると、イズミは運転席に乗り込みアクセルを踏み込んだ。
その直後から斥候の男が車内で叫び散らかす事になるとは、他の冒険者パーティーは誰も想像してはいなかった。
牙や爪は取り終えていたのか、如何に毛皮を綺麗に剥ぎ取れるかで神経を尖らせていた。
マグナムもカレンの攻撃魔法も、ほとんどフォレストオーガの正面から撃ち込んでいた形だからか、背中側の毛皮は非常に良好な状態らしい。
穴や剣の傷すら無いのだ。
それを聞いたイズミは肩からぶら下げているマグナムを見て、少しだけ考えた。
『44マグナム弾が貫通しなかった』
マスタングがそれを知ったら、更に強力な武器を提案して来るのではないだろうか?
今ですら重くて苦労しているのに、もっと高威力の拳銃となれば…
カスールと名の付いた弾丸が脳裏を過ぎったが、すぐさま振り解く。
大物相手には素直にショットガンやライフルで対応すれば良いか。
イズミは1人勝手に自己解決していた。
魔術士がフォレストオーガの体内に魔石があるかを確認した所、子供の拳サイズの魔石が2つ見つかった。
これはかなりの収入になるらしい。
幸運な事に高純度な代物だったようだ。
魔術士以外は金になるとしか思っていないようだが、何かと有用な使い道でもあるようだ。
魔術士は目を輝かせて魔石を抱き締めていた。
解体作業も一段落したのか、皆で休憩を取ることにした。
腕時計が無いのでマスタングで確認すると、15時を過ぎた所だった。
水分補給をしつつ身体を休めていると、ゴブリンの巣があった場所よりもさらに奥から、魔物の雄叫びのようなものが聞こえた。
その場にいた全員の動きが止まった。
「…今のは?」
静まり返る状況で、イズミは何とか声を絞り出した。
マスタングに緊急で周囲の索敵を頼むと、運転席側のドアを開けて索敵結果を確認する。
「奥に魔物の反応はありますが、近付いて来る気配はありません」
念の為に冒険者パーティーの斥候担当とイズミで、少しだけ奥へと足を踏み入れる事になった。
「…洞窟?」
森林地帯の奥、木々に隠れて見辛いが地面に大穴がある。
窪地と言っても良いだろう。
観察していると横穴のようなものがある。
「ただの横穴とか、洞穴かもしれない」
流石に洞窟や洞穴を探検するには準備不足が過ぎるので、2人で相談して撤退することにした。
無理に調べる必要は、現時点では無いのだ。
皆の居る場所に戻り、見てきた事を報告する。
「ギルドに報告する必要があるな」
この森林地帯は街からそこまで距離がある訳では無い。
大型の魔物や凶悪な魔物が住んでいた場合、襲撃させる可能性があるのだ。
ゴブリン討伐の報告と、洞窟らしき物の発見。
説明するのも大変そうだ。
「なぁ、あれがダンジョンの入口だったらどうするよ?」
斥候の男がボソっと言った。
イズミ以外の全員が斥候の男を見る。
「ダンジョンだったら何なんだ?」
イマイチ常況を把握しきれていない男、イズミが聞き返す。
「国内外の冒険者や貴族が、ダンジョン攻略と金銀財宝目当てでやって来る」
そうなればこの森林地帯を切り開いて、ダンジョン街が作られる事になる。
そう断言していた。
「そんな面倒な話になるなら、早めに旅支度して移動したいな」
活気のある街や村は好きだが、長居はあまりしたくないとイズミは笑った。
「まだ日は沈んでない。俺が全力で移動すれば、明後日の日没までにはギルドに報告出来る」
斥候の男がそう言うと、冒険者パーティーのリーダーだろう剣士が頷いた。
すると、男が身体を伸ばしたと思ったら全身が光に包まれた。
光が消えると、そこには犬の顔をした獣人がいた。
「コイツは変化を覚えてるんだ」
剣士が教えてくれた。
初めてみた変化に驚いていたが、イズミもこれから帰る事を思い出した。
「面白いものを見せて貰ったついでに、1つ提案があるのだが」
イズミは1人か2人であれば、ミグルンまでなら陽が沈むくらいの時間で運べると伝えた。
半信半疑であったが、マスタングの説明をしたら斥候の男が獣人から変化を解いて、乗ってみたいと言って来た。
イズミはカレンに再び後部座席に乗ってもらうと、斥候の男を助手席に座らせた。
他の冒険者パーティーに別れを告げると、イズミは運転席に乗り込みアクセルを踏み込んだ。
その直後から斥候の男が車内で叫び散らかす事になるとは、他の冒険者パーティーは誰も想像してはいなかった。
66
あなたにおすすめの小説
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜
伽羅
ファンタジー
【幼少期】
双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。
ここはもしかして異世界か?
だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。
ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。
【学院期】
学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。
周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる