79 / 619
第六章 ダンジョン発見
第七十八話 長い夜(その1)
しおりを挟む
斬り落とされたサイクロプスの生首が単体で動き出す可能性があるのか無いのか、勝手が分からないイズミはマグナムで狙いを定めつつゆっくりと近付いた。
トーマスが大剣を持ち上げるが大きく歪み、刃も一部欠けが出来ておりヒビも入っている。
「…コレはもう大丈夫なやつか?」
「分からん。通常なら問題無いが、あの生命力だとなんとも」
イズミとトーマスが生首を見ながら、どう始末をするか相談をした結果。
炎魔法で処理をする事に決めた。
カレンはサイクロプスの生首を持ちたくないとの事で、調査隊の魔術師ヴィルハイムが回収して燃やし始めた。
「何とかなるもんだな」
「ああ。何とかなったな」
イズミのボヤきにトーマスが反応した。
トーマスは大剣を持ってはいるが、あのダメージでは使い物にならないだろう。
首を斬り落とせた事すら奇跡に思える。
「この剣はもう駄目だな…次振ったら折れる」
気に入ってたんだがなと笑うトーマスだったが、その声からは寂しさのようなものを感じる。
「皆んなは無事か?」
トーマスが他のメンバーの状態を確認する。
防御魔法で魔力をかなり消費したのか、魔術師2人は疲労困憊と言った感じだった。
カレンもサイクロプスの生首を焼却を手伝っているが、その顔には疲れが見て取れる。
イズミは自分の武器を回収してマスタングに収納すると、マグナムの予備弾薬を実体化させてスピードローダーに装填した。
マグナムに装填する事も忘れない。
「マスタング、周囲の索敵を頼む」
「索敵を開始します…周囲に反応はありません」
マスタングの索敵結果を皆に伝えてから、改めて焚火にて休憩を取る事にした。
「トーマス。その剣には思い入れでもあるのか?」
イズミは周囲の警戒をしていたトーマスへ尋ねた。
「俺達『暁と盃』がギルドでBランクに昇格した時にな、ドワーフに拵えて貰ったんだ。コイツじゃ無かったらサイクロプスの光線は防げなかった」
トーマスが光線を防ぎ歪んだ大剣を撫でる。
「直せるのか?」
「いや、ここまで傷んだら一から打ち直すか廃棄だろう」
その言葉を聞いたイズミはマスタングへ寄り掛かりつつ確認を取る。
「マスタング、トーマスのあの剣では次の魔物の襲撃には耐えられないだろう。代わりになりそうな剣は出せるか?」
「少々お待ち下さい」
マスタングがトーマスの大剣を調べているのか、モニターが光っている。
「形は違いますが、同等の強度と斬れ味を持った剣の実体化が可能です。ストックしている魔石の残りが少ないので能力付与は出来ません」
「それで構わない。実体化してくれ」
ガコンと音がしてトランクが開くと、剣が飛び出してきた。
トランク内に納まるサイズでは無かったからだ。
「ありがとう」
イズミは剣を持とうとするが非常に重く…引き摺るようにしてトーマスの基へと運んだ。
「その剣の状態では心許無いだろう。コイツで良ければ使ってくれ」
トーマスはイズミが引き摺って来た剣を見て、驚いた表情を見せた。
「イズミ…こんな上等な剣を借してくれるのか?」
「カレンを助けてくれた礼ってのもある」
イズミの筋力では持ち上げる事すら大変な剣を、トーマスは普通に持ち上げると何度か素振りをした。
「良い剣だ。暫しお借りする」
「大剣が直るまでは使ってくれて構わないし、何ならそのまま持って行っても良い。俺じゃ扱えない武器だからな」
俺が持ち上げられないの見たろ?
イズミはそう言って笑って見せた。
「それは流石に俺の心が痛いぞ。剣が直ったらちゃんと返す」
「そうかい」
イズミはリボルバーをクルクルと回しながら、カレン達が休む焚火の方へと歩き出した。
トーマスが大剣を持ち上げるが大きく歪み、刃も一部欠けが出来ておりヒビも入っている。
「…コレはもう大丈夫なやつか?」
「分からん。通常なら問題無いが、あの生命力だとなんとも」
イズミとトーマスが生首を見ながら、どう始末をするか相談をした結果。
炎魔法で処理をする事に決めた。
カレンはサイクロプスの生首を持ちたくないとの事で、調査隊の魔術師ヴィルハイムが回収して燃やし始めた。
「何とかなるもんだな」
「ああ。何とかなったな」
イズミのボヤきにトーマスが反応した。
トーマスは大剣を持ってはいるが、あのダメージでは使い物にならないだろう。
首を斬り落とせた事すら奇跡に思える。
「この剣はもう駄目だな…次振ったら折れる」
気に入ってたんだがなと笑うトーマスだったが、その声からは寂しさのようなものを感じる。
「皆んなは無事か?」
トーマスが他のメンバーの状態を確認する。
防御魔法で魔力をかなり消費したのか、魔術師2人は疲労困憊と言った感じだった。
カレンもサイクロプスの生首を焼却を手伝っているが、その顔には疲れが見て取れる。
イズミは自分の武器を回収してマスタングに収納すると、マグナムの予備弾薬を実体化させてスピードローダーに装填した。
マグナムに装填する事も忘れない。
「マスタング、周囲の索敵を頼む」
「索敵を開始します…周囲に反応はありません」
マスタングの索敵結果を皆に伝えてから、改めて焚火にて休憩を取る事にした。
「トーマス。その剣には思い入れでもあるのか?」
イズミは周囲の警戒をしていたトーマスへ尋ねた。
「俺達『暁と盃』がギルドでBランクに昇格した時にな、ドワーフに拵えて貰ったんだ。コイツじゃ無かったらサイクロプスの光線は防げなかった」
トーマスが光線を防ぎ歪んだ大剣を撫でる。
「直せるのか?」
「いや、ここまで傷んだら一から打ち直すか廃棄だろう」
その言葉を聞いたイズミはマスタングへ寄り掛かりつつ確認を取る。
「マスタング、トーマスのあの剣では次の魔物の襲撃には耐えられないだろう。代わりになりそうな剣は出せるか?」
「少々お待ち下さい」
マスタングがトーマスの大剣を調べているのか、モニターが光っている。
「形は違いますが、同等の強度と斬れ味を持った剣の実体化が可能です。ストックしている魔石の残りが少ないので能力付与は出来ません」
「それで構わない。実体化してくれ」
ガコンと音がしてトランクが開くと、剣が飛び出してきた。
トランク内に納まるサイズでは無かったからだ。
「ありがとう」
イズミは剣を持とうとするが非常に重く…引き摺るようにしてトーマスの基へと運んだ。
「その剣の状態では心許無いだろう。コイツで良ければ使ってくれ」
トーマスはイズミが引き摺って来た剣を見て、驚いた表情を見せた。
「イズミ…こんな上等な剣を借してくれるのか?」
「カレンを助けてくれた礼ってのもある」
イズミの筋力では持ち上げる事すら大変な剣を、トーマスは普通に持ち上げると何度か素振りをした。
「良い剣だ。暫しお借りする」
「大剣が直るまでは使ってくれて構わないし、何ならそのまま持って行っても良い。俺じゃ扱えない武器だからな」
俺が持ち上げられないの見たろ?
イズミはそう言って笑って見せた。
「それは流石に俺の心が痛いぞ。剣が直ったらちゃんと返す」
「そうかい」
イズミはリボルバーをクルクルと回しながら、カレン達が休む焚火の方へと歩き出した。
61
あなたにおすすめの小説
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる