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第十二章 辺境伯領にて
第百五十二話 再会
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「ご無沙汰しております」
イズミは反射的にそう言ってしまった。
ここはブロズムナード辺境伯の領地なのだから、此処にいたとしても何もおかしな事は無いのだが、想定外だったので変な対応になってしまった。
「足の調子は如何でしょうか?」
「おかげさまで、こうして砂浜を歩けるまでになりました」
父であるアレクセイのサポートも無しで歩いてみせるエレナを見て、しっかりとリハビリを続けていたのだと分かった。
「マスタング様はどちらにいらっしゃるのですか?」
「近くの宿屋に宿泊をしてまして、そこで休ませております」
イズミが宿屋の方向を指差すと、宿屋からベリアがやって来た。
どうやらベリアの目はとても良いみたいだ。
「イズミ!そんな所で何してるんだ?」
そんな事を言いながらイズミの元までやって来たベリアは、話をしていた相手を見て挨拶をしてから小声で話しかける。
「こちらの方は誰なんだ?」
「以前王都にいた時に会った、ここの領主の娘さんだ」
イズミの回答を聞いたベリアは驚いた表情をしたものの、何とか大声は出せずに済んだみたいだ。
口はパクパクと動いてはいたが。
「カレンは故郷の復興の手伝いたいとの事で、別行動を取っています。なので今はベリアと行動を共にしています」
「べ、ベリアと申します!」
イズミからの紹介を受けたベリアは、背筋を正して自己紹介をした。
「エレナと申します、よろしくお願い致しますね。私も先日この町に到着したばかりでして…イズミさんは旅の途中ですか?」
「自由気ままに旅をしておりますよ」
エレナとアレクセイと話をしつつ砂浜を歩いていると、エレナから提案を受けた。
「よろしければ、屋敷にいらっしゃいませんか?王都での件もありますので…明日使いの者を送ります」
ここは受けるべきか否か。
一瞬考えたものの、マスタングに定期検診がてら確認もさせたかったので受ける事にした。
「分かりました。明日ですね」
話はまとまったので、今日はここでお開きにしてイズミ達は宿屋へと戻った。
「イズミ。どうしてエレナ…辺境伯の娘さんと知り合いなんだ?」
貴族との会話経験は無かったのか、ベリアが素朴な疑問を投げかける。
「王都で色々あったんだ。今はそれだけ伝えておくよ」
流石に宿屋でエレナの足を治療した事はまだ話せない。
誰に聞かれているか分からないからである。
壁に耳あり障子に目あり
こっちの世界でも似たような格言はあるだろうし、下手に話すと自分の身も危険になるだろう。
「何かよく分からないけど、大変だったんだな」
ベリアがどう理解したのかは微妙だが、今日の所はその認識で良いだろう。
イズミはベリアと別れて部屋に入ると、上着を脱いで装備を外す。
疲れた身体を伸ばしてから、宿屋の夕食を取りに部屋を出た。
翌日。
エレナが言っていた使いの者…メイド服の女性が宿屋にやって来た。
外には馬車が1台停まっている。
「イズミ様とベリア様ですね‥主様からの命でお迎えにあがりました」
出発する前に宿屋の主人にひと声かけてから、マスタングに乗り込み、馬車の後ろを付いていく。
海沿いの町並みを眺めながら走らせていると、大きな屋敷の前で馬車が止まった。
どうやら到着したようだ。
助手席に座るベリアの表情が強張っている。
緊張しているのだろうが、それを解せるような言葉は浮かんで来なかった。
イズミは反射的にそう言ってしまった。
ここはブロズムナード辺境伯の領地なのだから、此処にいたとしても何もおかしな事は無いのだが、想定外だったので変な対応になってしまった。
「足の調子は如何でしょうか?」
「おかげさまで、こうして砂浜を歩けるまでになりました」
父であるアレクセイのサポートも無しで歩いてみせるエレナを見て、しっかりとリハビリを続けていたのだと分かった。
「マスタング様はどちらにいらっしゃるのですか?」
「近くの宿屋に宿泊をしてまして、そこで休ませております」
イズミが宿屋の方向を指差すと、宿屋からベリアがやって来た。
どうやらベリアの目はとても良いみたいだ。
「イズミ!そんな所で何してるんだ?」
そんな事を言いながらイズミの元までやって来たベリアは、話をしていた相手を見て挨拶をしてから小声で話しかける。
「こちらの方は誰なんだ?」
「以前王都にいた時に会った、ここの領主の娘さんだ」
イズミの回答を聞いたベリアは驚いた表情をしたものの、何とか大声は出せずに済んだみたいだ。
口はパクパクと動いてはいたが。
「カレンは故郷の復興の手伝いたいとの事で、別行動を取っています。なので今はベリアと行動を共にしています」
「べ、ベリアと申します!」
イズミからの紹介を受けたベリアは、背筋を正して自己紹介をした。
「エレナと申します、よろしくお願い致しますね。私も先日この町に到着したばかりでして…イズミさんは旅の途中ですか?」
「自由気ままに旅をしておりますよ」
エレナとアレクセイと話をしつつ砂浜を歩いていると、エレナから提案を受けた。
「よろしければ、屋敷にいらっしゃいませんか?王都での件もありますので…明日使いの者を送ります」
ここは受けるべきか否か。
一瞬考えたものの、マスタングに定期検診がてら確認もさせたかったので受ける事にした。
「分かりました。明日ですね」
話はまとまったので、今日はここでお開きにしてイズミ達は宿屋へと戻った。
「イズミ。どうしてエレナ…辺境伯の娘さんと知り合いなんだ?」
貴族との会話経験は無かったのか、ベリアが素朴な疑問を投げかける。
「王都で色々あったんだ。今はそれだけ伝えておくよ」
流石に宿屋でエレナの足を治療した事はまだ話せない。
誰に聞かれているか分からないからである。
壁に耳あり障子に目あり
こっちの世界でも似たような格言はあるだろうし、下手に話すと自分の身も危険になるだろう。
「何かよく分からないけど、大変だったんだな」
ベリアがどう理解したのかは微妙だが、今日の所はその認識で良いだろう。
イズミはベリアと別れて部屋に入ると、上着を脱いで装備を外す。
疲れた身体を伸ばしてから、宿屋の夕食を取りに部屋を出た。
翌日。
エレナが言っていた使いの者…メイド服の女性が宿屋にやって来た。
外には馬車が1台停まっている。
「イズミ様とベリア様ですね‥主様からの命でお迎えにあがりました」
出発する前に宿屋の主人にひと声かけてから、マスタングに乗り込み、馬車の後ろを付いていく。
海沿いの町並みを眺めながら走らせていると、大きな屋敷の前で馬車が止まった。
どうやら到着したようだ。
助手席に座るベリアの表情が強張っている。
緊張しているのだろうが、それを解せるような言葉は浮かんで来なかった。
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