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第十四章 運び屋稼業も楽じゃない
第百八十九話 貴族に見つかる
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「…馬車を破壊してから出発した方が良かったか?」
イズミは次の町へマスタングを走らせつつ、小さくボヤいた。
証拠隠滅までとは言わないが、偽装工作くらいはした方が良かったような気がしてきたのだ。
「言い方は悪いが、見せしめとしては有りだと思うぞ」
ベリアが助手席側の窓から外を眺めつつ答えた。
イズミもあれで良かったと思う事にして、運転に集中する。
町に近い所で一度マスタングを停車し、取り敢えず様子見をする。
過去に戦闘になった事を思い出し、念の為に確認をしてから町へ向かう。
町に入ったが、昼間なのに賑わいが無かった。
人も疎らであり、皆足早に家へと帰っているようだ。
「マスタング、ベリア…何も無いとは思うが、一応警戒を頼む」
営業しているだろう馬車置場にマスタングを駐車すると、近くの家から子供が1人やって来た。
「馬車置場の利用は、1日で銅貨5枚です」
「そうかい?」
イズミは銅貨を手渡してから、子供に尋ねた。
「町はいつもこうなのかい?」
「違うよ?今日は領主様の使いの人が来るから、なるべく迷惑にならないように皆家で過ごしてるんだ。冒険者とかは普通に生活してるよ」
領主の使いが公務の為に来ているから、領民は臨時の休日になったようなものか。
「どうもありがとう」
イズミは教えてくれたお礼として、銀貨を1枚握らせた。
マスタングに食料の残りを確認させると、まだまだ余裕があったので軽く通りを見てからマスタングへ戻る事にした。
「確かに、冒険者だろう格好の奴等は普通に買い物してるな」
黒パンと野菜を購入しつつ町を観察し、布袋にまとめて仕舞い左肩にかけて歩き出す。
歩いていると立派な建物から馬車が出て来たので足を止める。
目だけで辺りを見渡すと町の人が頭を下げていたので、イズミも取り敢えず頭を下げる。
馬車が通りへ出て走り去るまで、頭を下げておけば良いのかと考えていたが、何故か馬車が走り出す音が聞こえない。
気になって馬車へ視線を向けると、馬車から少女の顔が見えた。
遠目から見ると退屈そうな顔に見えるが、変に勘繰っても何も良い事は無いので動向を伺った。
馬車から男が降りたのが見える。
男は辺りを見渡すと、イズミへと真っ直ぐ向かって来た。
「失礼…旅のお方かと存じます。突然の事で恐縮なのですが、少々お時間を頂けませんでしょうか?」
イズミがゆっくりと顔を上げると、初老の男性が丁寧に話し掛けて来た。
一応周囲を見て他人ではないかと考えたが、決してそんな事は無かった。
「私…ですか」
「はい」
初老の男がハッキリと答えた。
右手で馬車へとエスコートをされたが、男の後ろをついて行くと言ってから歩き出す。
その間にベリアへ魔法通信を繋ぎ、少し時間がかかると告げておいた。
「…マスタング。何かあれば盛大に暴れろ」
「かしこまりました」
マスタングにも指示を出し終えた時には、馬車へ到着した。
見る限り豪華な装飾は無く、シンプルだが造りにこだわった馬車に見えた。
「スピラダ、町長に頼んで個室を用意させて」
「かしこまりました」
子供らしい声を残しつつも、大人びた印象もある声だった。
「突然お呼びして申し訳ありませんわ。一目見て、貴方に興味を持ちましたわ」
「恐縮です。そんなに目立っていましたか?」
「えぇ、浮いてましたわ」
イズミは地味で目立たないと思っていたが、そうでも無いらしい。
ガックシと肩を落としてから、肩にかけた布袋をかけ直した。
イズミは次の町へマスタングを走らせつつ、小さくボヤいた。
証拠隠滅までとは言わないが、偽装工作くらいはした方が良かったような気がしてきたのだ。
「言い方は悪いが、見せしめとしては有りだと思うぞ」
ベリアが助手席側の窓から外を眺めつつ答えた。
イズミもあれで良かったと思う事にして、運転に集中する。
町に近い所で一度マスタングを停車し、取り敢えず様子見をする。
過去に戦闘になった事を思い出し、念の為に確認をしてから町へ向かう。
町に入ったが、昼間なのに賑わいが無かった。
人も疎らであり、皆足早に家へと帰っているようだ。
「マスタング、ベリア…何も無いとは思うが、一応警戒を頼む」
営業しているだろう馬車置場にマスタングを駐車すると、近くの家から子供が1人やって来た。
「馬車置場の利用は、1日で銅貨5枚です」
「そうかい?」
イズミは銅貨を手渡してから、子供に尋ねた。
「町はいつもこうなのかい?」
「違うよ?今日は領主様の使いの人が来るから、なるべく迷惑にならないように皆家で過ごしてるんだ。冒険者とかは普通に生活してるよ」
領主の使いが公務の為に来ているから、領民は臨時の休日になったようなものか。
「どうもありがとう」
イズミは教えてくれたお礼として、銀貨を1枚握らせた。
マスタングに食料の残りを確認させると、まだまだ余裕があったので軽く通りを見てからマスタングへ戻る事にした。
「確かに、冒険者だろう格好の奴等は普通に買い物してるな」
黒パンと野菜を購入しつつ町を観察し、布袋にまとめて仕舞い左肩にかけて歩き出す。
歩いていると立派な建物から馬車が出て来たので足を止める。
目だけで辺りを見渡すと町の人が頭を下げていたので、イズミも取り敢えず頭を下げる。
馬車が通りへ出て走り去るまで、頭を下げておけば良いのかと考えていたが、何故か馬車が走り出す音が聞こえない。
気になって馬車へ視線を向けると、馬車から少女の顔が見えた。
遠目から見ると退屈そうな顔に見えるが、変に勘繰っても何も良い事は無いので動向を伺った。
馬車から男が降りたのが見える。
男は辺りを見渡すと、イズミへと真っ直ぐ向かって来た。
「失礼…旅のお方かと存じます。突然の事で恐縮なのですが、少々お時間を頂けませんでしょうか?」
イズミがゆっくりと顔を上げると、初老の男性が丁寧に話し掛けて来た。
一応周囲を見て他人ではないかと考えたが、決してそんな事は無かった。
「私…ですか」
「はい」
初老の男がハッキリと答えた。
右手で馬車へとエスコートをされたが、男の後ろをついて行くと言ってから歩き出す。
その間にベリアへ魔法通信を繋ぎ、少し時間がかかると告げておいた。
「…マスタング。何かあれば盛大に暴れろ」
「かしこまりました」
マスタングにも指示を出し終えた時には、馬車へ到着した。
見る限り豪華な装飾は無く、シンプルだが造りにこだわった馬車に見えた。
「スピラダ、町長に頼んで個室を用意させて」
「かしこまりました」
子供らしい声を残しつつも、大人びた印象もある声だった。
「突然お呼びして申し訳ありませんわ。一目見て、貴方に興味を持ちましたわ」
「恐縮です。そんなに目立っていましたか?」
「えぇ、浮いてましたわ」
イズミは地味で目立たないと思っていたが、そうでも無いらしい。
ガックシと肩を落としてから、肩にかけた布袋をかけ直した。
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