異世界無宿

ゆきねる

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第十六章 犯罪組織を追え

第二百二十一話 町まで運ぼう

子供達用のスープを作り終えた時、フラウリアが呼んだ知り合い達が廃墟前に到着した。

「フラウリア様~遅くなりましたぁ」

少しのほほんとした声の主は、2台の馬車を引き連れて登場した。

「遅くなんてないわよ」

フラウリアが声の主の頭を撫でる。
イズミが振り向くと、声の主はケンタウロスの女性だったのが分かった。

馬車の中から数名の女性が姿を見せると、子供達の看病をすると言って対応を引き継いでくれた。

「子供達はかなり弱っています。一度町まで行ってしっかりと看病をしなければ、回復が遅くなります」

「分かりました。看病を最優先に、それと子供達の出自も調べたいですね…良い所の出身も居る可能性もあります。兎に角丁重かつ慎重に」

フラウリアが調整を済ませてくれたので、急ぎ近くの町まで移動する事になった。

近くの町だと卵の移送ルートから外れるらしいが、厄介事が1つのルート上に複数あるのは事態の複雑化を招きかねないので、ある意味良かったのかもしれない。

「イズミ、廃墟の中にこんなのがあった」

ベリアが廃墟から小綺麗な道具らしき物を持って来た。
ボスの男がいた部屋に落ちていたらしい。

「これは?」

「なんか時たま光るんだよ」

ベリアが地面に置くと、確かに周期的にピカッと光るのである。

「嫌な予感がする…ベリア、廃墟にある金目の物や犯罪の証拠になりそうな物をありったけアイテムボックスになるべく詰め込んでくれ。直ぐに移動を開始だ」

「わ、分かった!」

ベリアは直ぐ様廃墟に突入すると、アイテムボックスに色々と詰め込んで戻って来た。

「コイツは壊した方が良いか?」

「これは…ビーコンですね。壊しても問題ありません。既に設置者は異常を察知しているはずです」

フラウリアが破壊しても大丈夫と言うので、子供達が全員馬車に乗ったのを確認したイズミは、遠慮なくマグナムを撃ち込んで破壊した。

「さて、急いで町へ向かいましょう」

イズミとベリアがマスタングに乗り込むと、先陣を切って廃墟からの脱出ルートを突き進む。

開けた土地に到着してから、フラウリアの指示で最寄りの町へ移動を始める。

「マスター。前方より複数の魔法反応です」

「早速のお出ましか?」

すぐにフラウリアへ連絡を入れる。

「フラウリア!前方の敵は俺達で片付ける、子供達を頼むぞ」

「分かりました」

マスタングのアクセルを強く踏み込むと、轟音と共に反応のある場所まで突撃する。

敵を目視確認すると同時に、敵の馬車から魔法攻撃が始まった。

「ストーンバレット、土属性だ!」

ベリアが魔法攻撃の着弾から判断した。
単発ではなく、複数飛んで来ているので、
フラウリア達に向けられる前に決着を付ける必要がある。

敵の馬車は3台、先ずは先頭の馬車を行動不能にしようと、マスタングで接近する。

ベリアが風魔法でストーンバレットを逸らしつつ、イズミが窓から身を出しショットガンで馬車の操縦士を始末した。

次にベリアが馬車の車輪を破壊して先頭の馬車の動きを完全に止める。

今度は最後尾の馬車を叩いて、中央の馬車の動きを制限させる。
既に退避行動を取り始めていたが、マスタングで強引に邪魔をしてからベリアが車輪を破壊する。

馬車の身動きを封じたので、少し距離を取り相手の動きを注視する。

メガネをかけたイズミは、魔法反応を確認し敵の人数を把握する。

「11人か」

試しにマスタングを停車させると、またストーンバレットが飛んできた。

命中してもマスタングが防御魔法でどうにかするのだろうが、ベコベコになったマスタングを想像すると辛いので、攻撃して来た者が居る馬車を特定する。

「先頭の馬車だな」

ベリアとメガネの情報が一致したので、ストーンバレットを避けながら馬車へ近付いて行く。

ショットガンを撃ち込んで馬車を破壊すると、ベリアが炎魔法で馬車に篭る者達諸共焼き尽くした。
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