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第十九章 暴力の嵐
第二百八十九話 甘味は取られました
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気分転換で作ったプリンは、宿屋の夕食を食べる頃にはちょうど良い状態に仕上がっていた。
唯一の失敗はカラメルを作り忘れた事くらいだろう。
宿屋の食堂で夕食を食べ終えたイズミ達は周囲に他の客が居ない事を確認すると、そそくさとプリンを持って来て試食をする事にした。
手持ちの桶に6個入ったので残りは明日の分として、後で女主人に保管を頼むとしよう。
「ジャムってのも甘さと果物の美味しさが絶妙で最高だけど、このお菓子はどんな感じなんだ?」
「プリンだな。使ってる材料は牛乳と卵と砂糖、それと隠し味って程じゃ無いが、安いドワーフ酒に一手間加えた物を少しだけ加えただけだ」
ベリアの眼の前にプリンを置くと、興味津々と言った感じで一口食べる。
「…凄く優しい味だな。甘過ぎないのも良い」
そんな感想を呟きながら二口目に突入しているベリアを見ながら、余っていた砂糖でカラメルを作り始める。
ベリアの口振りからすると、後半は味に飽きそうだからだ。
恐らくだが、自分も飽きる。
女主人から厨房の火を借りると、砂糖と水を鍋に入れて弱火で溶かす。
良い色合いになってきた所で火を止め、少しだけ熱湯を注いだ。
量を間違えると事故になるので、本当に少しだけである。
注いだらヘラで軽く混ぜてトロみ具合を確認したら、少し冷ましの時間を取る。
「ねぇお客さん!それ、アタシにも1つ頂けないかい?」
「厨房を借りたからな、どうぞ」
イズミは女主人にお願いを聞き入れると、食堂で先にプリンを食べているベリアと合流する。
そのベリアは、既に2つ目のプリンへ手を伸ばそうとしていた。
「早くないか?」
「美味いぞイズミ!柔らかい口当たりが癖になりそうだ」
尻尾をブンブンと振っているベリアのプリンに、カラメルソースを少しかけてやる。
「これで少し味が変わるだろう。少しほろ苦いって感じであれば良いのだが」
木製のテーブルに布を敷き、その上にカラメルの入った鍋を置いた。
イズミもプリンを1つ取ると、まずはそのままで一口食べる。
「かなり大雑把に作ったけど、この位なら上出来かな」
半分程食べたらカラメルを少し注ぎ、出来栄えを確かめる。
戦いに疲れ神経を擦り減らした心身に、優しい甘さとほろ苦さが染み渡る。
元いた世界のプリンと比較したらまだまだ完成度は低いが、それでもイズミは出来栄えに満足していた。
「あの材料で、こんな美味しい菓子が作れるなんて…驚いたよ」
女主人はプリンに何かの可能性を感じ取ったのか、真剣な表情で食べている。
「料理ってのは不思議でな、この料理も隠し味が入ってないだけで何処か間の抜けた味になるんだ」
1つ目のプリンを食べ終えたイズミが、バニラエッセンスの小瓶をテーブルに置いた。
「単体ではどうしようも無いが、引き立て役は間違いなくコレだな」
先程ドワーフ酒に一手間を加えたと説明していたので、ベリアは瓶を手に取ると香りを嗅ぎ、1滴をスプーンに乗せて舐める。
「にっがい!」
ベリアの尻尾がブワッと逆立ち、自前の酒と水を飲んで口内をリフレッシュさせる。
「本当に少しだけしか使わないのも分かるだろ?」
「よく分かったよ。なんだか胡椒と同じ要領なんだな」
「分量を間違えると、食えたもんじゃなくなるのは一緒だな」
イズミは2つ目のプリンに手を伸ばそうとしたが、もうプリンのカップは1つも残ってい無かった。
持って来たプリンはほとんどベリアが平らげていたのだ。
「甘い物は別腹だぜ!」
満足そうな表情のベリアを見ていたら、文句を言う気が失せてしまった。
「あの材料でねぇ…」
「自作するかい?」
真剣に考え込んでいる女主人へイズミはバニラエッセンスの瓶を差し出す。
小瓶にはみっちりとバニラエッセンスが入っている。
一度に数滴しか使わないので、しばらくは使えるしバニラビーンズも入っているので再利用も可能だ。
「良いのかい?」
「お菓子作りは奥が深いから、こだわり始めると大変とだけ言っておこう」
「…じゃあ、有り難く頂戴するよ」
作業工程は見ていたのだから、出来ない事はないだろう。
プリンの試食会はお開きにして、イズミ達はカップ類を片付け部屋に戻って行った。
唯一の失敗はカラメルを作り忘れた事くらいだろう。
宿屋の食堂で夕食を食べ終えたイズミ達は周囲に他の客が居ない事を確認すると、そそくさとプリンを持って来て試食をする事にした。
手持ちの桶に6個入ったので残りは明日の分として、後で女主人に保管を頼むとしよう。
「ジャムってのも甘さと果物の美味しさが絶妙で最高だけど、このお菓子はどんな感じなんだ?」
「プリンだな。使ってる材料は牛乳と卵と砂糖、それと隠し味って程じゃ無いが、安いドワーフ酒に一手間加えた物を少しだけ加えただけだ」
ベリアの眼の前にプリンを置くと、興味津々と言った感じで一口食べる。
「…凄く優しい味だな。甘過ぎないのも良い」
そんな感想を呟きながら二口目に突入しているベリアを見ながら、余っていた砂糖でカラメルを作り始める。
ベリアの口振りからすると、後半は味に飽きそうだからだ。
恐らくだが、自分も飽きる。
女主人から厨房の火を借りると、砂糖と水を鍋に入れて弱火で溶かす。
良い色合いになってきた所で火を止め、少しだけ熱湯を注いだ。
量を間違えると事故になるので、本当に少しだけである。
注いだらヘラで軽く混ぜてトロみ具合を確認したら、少し冷ましの時間を取る。
「ねぇお客さん!それ、アタシにも1つ頂けないかい?」
「厨房を借りたからな、どうぞ」
イズミは女主人にお願いを聞き入れると、食堂で先にプリンを食べているベリアと合流する。
そのベリアは、既に2つ目のプリンへ手を伸ばそうとしていた。
「早くないか?」
「美味いぞイズミ!柔らかい口当たりが癖になりそうだ」
尻尾をブンブンと振っているベリアのプリンに、カラメルソースを少しかけてやる。
「これで少し味が変わるだろう。少しほろ苦いって感じであれば良いのだが」
木製のテーブルに布を敷き、その上にカラメルの入った鍋を置いた。
イズミもプリンを1つ取ると、まずはそのままで一口食べる。
「かなり大雑把に作ったけど、この位なら上出来かな」
半分程食べたらカラメルを少し注ぎ、出来栄えを確かめる。
戦いに疲れ神経を擦り減らした心身に、優しい甘さとほろ苦さが染み渡る。
元いた世界のプリンと比較したらまだまだ完成度は低いが、それでもイズミは出来栄えに満足していた。
「あの材料で、こんな美味しい菓子が作れるなんて…驚いたよ」
女主人はプリンに何かの可能性を感じ取ったのか、真剣な表情で食べている。
「料理ってのは不思議でな、この料理も隠し味が入ってないだけで何処か間の抜けた味になるんだ」
1つ目のプリンを食べ終えたイズミが、バニラエッセンスの小瓶をテーブルに置いた。
「単体ではどうしようも無いが、引き立て役は間違いなくコレだな」
先程ドワーフ酒に一手間を加えたと説明していたので、ベリアは瓶を手に取ると香りを嗅ぎ、1滴をスプーンに乗せて舐める。
「にっがい!」
ベリアの尻尾がブワッと逆立ち、自前の酒と水を飲んで口内をリフレッシュさせる。
「本当に少しだけしか使わないのも分かるだろ?」
「よく分かったよ。なんだか胡椒と同じ要領なんだな」
「分量を間違えると、食えたもんじゃなくなるのは一緒だな」
イズミは2つ目のプリンに手を伸ばそうとしたが、もうプリンのカップは1つも残ってい無かった。
持って来たプリンはほとんどベリアが平らげていたのだ。
「甘い物は別腹だぜ!」
満足そうな表情のベリアを見ていたら、文句を言う気が失せてしまった。
「あの材料でねぇ…」
「自作するかい?」
真剣に考え込んでいる女主人へイズミはバニラエッセンスの瓶を差し出す。
小瓶にはみっちりとバニラエッセンスが入っている。
一度に数滴しか使わないので、しばらくは使えるしバニラビーンズも入っているので再利用も可能だ。
「良いのかい?」
「お菓子作りは奥が深いから、こだわり始めると大変とだけ言っておこう」
「…じゃあ、有り難く頂戴するよ」
作業工程は見ていたのだから、出来ない事はないだろう。
プリンの試食会はお開きにして、イズミ達はカップ類を片付け部屋に戻って行った。
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