異世界無宿

ゆきねる

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第二十三章 独自の調査

第三百八十八話 調査2日目

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イズミは大通りの建物を、ベリアは領主の屋敷付近の建物をメインに調査を始める。

どの建物も人が生活しなくなって久しい事もあり、雨風で傷んでいたり一部崩れていたりと建物内に入るのも一苦労である。

「この辺は破損具合が酷いな。酷い所とそうじゃない所で、何か分かりやすい差があるようにも見えない」

気になった事は地図上にメモを取りつつ、テンポよく調査を進めてゆく。
でなければ瞬く間に昼が来て、あっと言う間に夜になってしまう。

「イズミ、ちょっと来てくれないか?」

「分かった、直ぐに向かう」

ベリアから魔法通信で連絡が来たので、調査をしていた建物の前にマーカーを置いてから足早に向かう。

「ベリア、何処だ?」

「コッチだコッチ!」

大きめな声でベリアを呼ぶと、少し先にある建物から声が返ってきた。
一度周囲を見渡してから声のした建物へ向かうと、ベリアはある部屋の前で待っていた。

「何かあったのか」

「この部屋内には、生活痕と戦闘痕があるんだ。それも比較的新しい」

部屋を覗き込むと、昨日今日と調査で入った建物には無かった物が乱雑に置かれている。

割れた皿、脚の折れた椅子とテーブル、荷物が入っているだろう布袋。
壁や床に目をやると乾いた血痕のようなものがあり、所々にはナイフでも刺したかのような傷もあった。
傷はまだ新しいように見える。

「確かに、誰かがいたらしいな」

「もう血の匂いは消えてるし、量ものんなに流れてないから、戦闘後直ぐに逃げたか部屋から連れ出されたかって所かな」

建物の外にあった焚火の跡もあったが、イズミ達が来る前の雨である程度流れてしまっているようで詳しく調べる事は出来なかった。

「人のいた痕跡があったのは、この建物だけか?」

「見つけて直ぐに魔法通信を繋げたから、他にもあるかもしれない」

「なら俺は他の建物を調べてみる」

一度ベリアと別れ領主の屋敷に近い建物を調べに向かう。
大通りの建物と比較しても、造りが良いのか建物としての原型を綺麗に留めているのが多い。

そのうちの一件に足を踏み入れると、綺麗めな外観とは裏腹に随分と荒れた部屋があった。
元々はテーブルや棚があっただろう部屋だが、全て破壊され残骸だけが散らばっている。

イズミはベルトに付けていたライトを取り出すと、光が差し込まない薄暗い部屋内を照らしながら調査を始めた。

確かに都市の入口付近の建物や大通りの建物と比較すると、物が散乱していたりしてはいるが、直近まで人が居た痕跡は見当たらない。

一度ベリアに声をかけ、昼食休憩に入る事にしてマスタングの元へ向かう。
腕時計を確認すると11時を過ぎた所だったので、少し長めに休憩を入れつつ午後の予定を決めてゆく。

「イズミは暗い場所はどうやって調査してるんだ?魔石ランタンか?」

「いや、俺はライトを使ってる。コレなら遠くまで照らせるから、近付かなくても確認が出来るんだ」

普段から腰に付けているのは戦闘用のライトだが、説明するには支障は無いと判断しベリアに渡してみる。

「これは一応戦闘用だけどな。魔石の部分を強く押している時だけ光るんだ、明かりは直視するなよ?」

「ふーん、この部分を押すのか。結構明るいんだな」

ベリアは近くの建物でライトを試しに使ってみると、その明るさと遠距離照射能力に驚いていた。

昼食を用意するついでに、探索用のライトを実体化させておく。
ベリアに渡したライトより大きく、ヘッド部分を回転させる事で点灯するタイプのライトだ。

「確かに使い勝手は良いけど、魔石を押し続けるってのは調査向きじゃないな」

「そう言うと思って、過去に探索用で用意したライトもあるぞ」

「用途別で持ってるのか!コッチの方が大きいけど、魔石も見えないしどう点けるんだ?」

探索用ライトには魔石の露出は無く、どう使うのか分からないようだ。

「細い所を握って、膨らんでる部分…ヘッドってのを回転させるんだ」

「ヘッド?を回す…点いた。持ち手も少し細いし、もう一回り大きい方がしっくり来そう」

「そのライトなら、ヘッドを元に戻さない限り点灯したままになるんだ」

「長時間明かりを点けたままに出来るって訳か、このライトの方が調査向けだな」

「ライトを点けたら、こう構えると移動してても見たい所を照らし続けやすいぞ」

ベリアから探索用ライトを受け取ると逆手で握り、底部を肩に当てるように構える。

「ほら、これだとライトで照らしたい場所からブレにくくなるんだ」

「へぇ~、ちょっくら試しても良いか?」

「勿論」

再度建物に向かったベリアは、色々な持ち方で歩いてみては使い勝手を試している。
その間に簡易的な昼食を用意しておく。
マスタングに頼んで実体化させたコーンポタージュをスープとして出す。

「あまぁ、このコーンのスープは別格だな」

「黒パンに染み込ませると、また美味いんだコレが」

ベリアは昼食を食べ終えると、辺りをゆっくりと見渡す。

「イズミ、天気も良い事だし領主の屋敷近くも調べようぜ」

「そうだな…時間的にも、その方が良さそうだ」

食後の小休止を終えた2人は、昨夜から気になっていた領主の屋敷へと調査に向かった。
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