異世界無宿

ゆきねる

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第二十三章 独自の調査

第三百九十五話 屋敷へ侵入

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ワラワラと現れる無数のグールをショットガンで処理しつつ、イズミは隙を見てグールからのドロップ品を確認する。

剣や魔法杖、ダガーナイフ、壊れたクロスボウ等々、一見ボロボロな武器や道具をドロップしている。
放置しているとドロップ品も地面に沈んでしまうようだ。

「ベリア様、マスターの武器用の予備弾倉を実体化したのですが、届けては頂けませんでしょうか?私が参戦する程でも無さそうですので」

「グールの群れに飛び込むのか…しゃあねぇ!」

両頬を軽く叩いたベリアは、マスタングがトランクにて実体化した大量のマガジンが入った布袋を取り出すと、アイテムボックスに詰め込む。

「ベリア様、コチラをお飲み下さい。グールやアンデッド類の悪臭から嗅覚を守れます」

「…苦かったりする?」

「味付けはしましたが、多少は」

「後で美味しい飲み物を用意してくれたりは?」

「それはマスターとご相談下さい」

マスタングが実体化した小瓶の蓋を取り、グイッと一気に飲み干す。
マスタングがベリア用にライチ味に調整したドリンクだが、マスタングはそう説明する事は無かった。

「思ってたヤツよりは、かなりマシだった。何かの果物みたいな味がしたけど、食べた事があるような無いような」

「それは何よりです」

なんの実かは思い出せていないベリアだったが、気を取り直してイズミの援護へ向かう。

「イズミ!援護に来たぞ」

「それは助かる、倒れたグールが生きてると足を掴もうとして来るんだ」

地面に倒れたばかりのグールの頭を踏みつけながら、イズミは状況の説明をする。

「頭を吹っ飛ばしたり潰せば問題ないが、それ以外では結構しぶとい。今の所は屋敷の入口から出て来ているが、他のパターンもあると思う」

「胴体を真っ二つにしても、上半身のみで動くってのは面倒だな…はいコレ、マスタングから」

ベリアは無詠唱で火球を放つと、グールは勢い良く燃えて地面へ倒れる。
その後でマスタングから頼まれた荷物をアイテムボックスから出した。

「予備弾倉?とか言ってたぞ」

「どれどれ…大量だな」

デカい布袋を開くと、フルオートショットガン用のドラムマガジンがミッチリと詰まっていた。
ご丁寧にフルロードされている。

「これで、もう暫くは戦えるな」

素早くショルダーバッグに詰め込むと、ベリアと手分けしてグールを討伐してゆく。
イズミはショットガンで倒すと、ベリアはライトを片手にグールを風魔法で1箇所にまとめると火魔法で焼却する。
ナイフを使う迄も無いらしい。

グールの出現数が減ってきたタイミングで、イズミは次の一手を提案した。

「ベリア、屋敷内も偵察しておこう」

「本気か?証拠品になりそうなドロップ品は十分にあるのに」

「原因の究明もまだだし、深夜の屋敷内がどんな感じなのかも知っておいた方が良いと思ったのだが」

「それは、そうだけど」

「決まりだな。マスタング、屋敷内に入るから、何かあれば連絡を頼む」

屋敷の外に待機するマスタングに指示を出すと、イズミは行く手を阻むグールを処理しつつ屋敷へと入り込んだ。

玄関ホールをショットガンに括り付けたライトで照らすが、グールの姿は確認出来ない。
それどころか、何事も無かったかのような静寂に包まれていた。

「静かだし冷えるし、気味悪ぃな」

ベリアはライトで階段を照らしながら、腰に下げたナイフに手をかける。
イズミが食堂だろう部屋に近付き探索をしていると、ベリアが無言でイズミの服を引っ張って来た。

「どうした?」

突然引っ張っられたイズミが聞くと、ベリアが小声で言った。

「二階に、誰か居た」

イズミが階段を確認したが、既に移動されてしまったようだ。
後を追う形でショットガンを構えつつ二階へ登ると、ベリアが発見したのかライトで相手を照らす。

「見つけた…待て!」

まるで自分達が追いかけて来るのを待っているかのように、何かは移動してゆく。
イズミは間が悪いのか、確認出来ていない。

「ベリア、どんな姿をしてたんだ?俺は見えなかったんだ」

「白装束みたいな、礼服っぽかった」

「…お化け?」

ベリアに追いついたイズミは、白装束の何かが入っていったと言う部屋の扉に左手を伸ばした。
勢い良く扉を開けると、素早くショットガンを構えて部屋内に入りクリアリングをするが、部屋内には誰も居なかった。

執務室のように見える部屋には、本棚や執務机がある。
埃を被っているが、物取りも入っていないのか荒らされた痕跡は見当たらない。

「誰も…居ないな」

ショットガンを降ろしたイズミは執務机に近付くと、机の上に1通の手紙を見つけた。
封は切られていない。

「い、イズミ…」

ベリアが指を指す先を見ると、白装束の何かが本棚の前に姿を見せていたのだ。
イズミはショットガンに手を伸ばしたが、白装束の何かは全く動じ無い。

少しの間睨み合いのような状態になったが、相手がゆっくりを右手をイズミの方へと伸ばした。
伸ばした先には、手紙がある。

「この手紙を、誰かに渡して欲しいのか?」

白装束の何かは左手に持っていた何かを床に落とすと、深々とお辞儀をして消えてしまった。
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